Fate プリズマ☆アンリ   作:雨の日の河童

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確かに強くなった。
それでも、彼女には届かない。



第6話

アンリ&士郎side

「ハッ」

 

鋭く振り下ろした獣の牙は黒い魔剣に阻まれる。

 

「ハッ、ハッ」

 

ならば数を増やそう。

二撃で駄目なら四連撃。

 

「ハッ、ハッ、ハッ」

 

四連撃で駄目なら八連撃。

八が駄目なら十六連撃。

 

「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハ!」

 

十六で駄目なら三十二連撃!!

最速のさらに先へ。肉体の限界を。

酸素が欲しい。目の前は既に黒い騎士しか見えない。

命を削る攻撃はそれでも

 

「脆い」

 

彼女には届かない。

 

バキッと言う音と共に歪な短刀が砕け散る。

 

「グオォォオ!!?」

 

逆袈裟切りに身体を切り裂く剣を辛うじて躱しそのまま流れるように続く上段からの首を刈る一撃を地面に無様に転がりながら距離を取る。

 

「はぁ、はぁ」

 

やはり届かない。

呼吸は未だに苦しい。だが、冷静な思考が戻ってきた。

『アンリ!!聞こえてるのか!?』

「わるい、武器・・・造ってくれ。次は仕留める」

『でも…!!』

「頼む」

 

圧倒的に筋力が足りない。

技量も未熟。勝てる部分は速さだけ。

なら、

 

「無限の残骸!!」

「ッ!」

 

数を増やせばいい。

 

周りには四日目に現れたオレの残骸が形を成した化け物。

 

「“潰せ、潰せ、殺せ!!”」

「・・・・」

 

あの時みたいには出さないがそれでもこいつ等を捌きながらどこまで持つ騎士王!!

 

その数、十以上。

周りには常に五体の化け物が取り付き上から下に。横から斜めに規則性なくただ本能のままに絶え間なく攻撃を仕掛ける。

その合間を縫って

 

「シャ、ハッ!!」

 

獣の長は襲い掛かる!

 

「さぁ、まだまだこれからだ!!」

 

振るう二刀は先ほどよりも速く、そして重い。

 

「フッ!!」

 

弾き、躱し、時にセイバーは邪魔な牙を折る。

だというのに、

『投影開始』

 

すぐさま牙は生えてくる。

 

ギャリリリッ!!!!!!!!

 

魔剣の腹を刃で滑らせ首を刈りに行く。

 

「ギィ!」

 

騎士王は剣を斜め下に。こちらの剣をそのまま上に跳ね除け、後ろに下がりながらこちらの体を両断。

すかさず新たな肉体を構築して、先ほどと違う別の攻撃パターンで挑む。

短刀が駄目なら足技も混ぜる。それでも駄目なら狙う部位を偽ろう。

 

 

 

武器の限界はない。肉体の限界もない。

そして、この戦い方に意味はない。

剣の英霊にただの少年が立ち向かうなどただの自殺行為だ。

だが、それでも届く可能性が少しでもあるというなら。

それはきっと無駄じゃないのだと彼は答えるのだろう。

これは衛宮士郎として生きた名残。セイバーに追いつきたい、超えたいという願い。

 

「オッラア!!」

「・・・ッ」

「もらったぁ!!」

 

士郎に身体強化をかけて貰い不意打ちの一撃を見舞う。

セイバーの体勢が崩れた。

これで!!

 

「ガヒュ!?」

 

魔剣が喉を突き破る。

魔力放出で魔剣を加速した突き。

 

『ぐっ』

悪いミスった。

 

 

先程までと違い身体は元の泥に戻りそのまま姿を消す。

 

「・・・・」

 

剣を一振り。イリヤたちに向かおうとする騎士王の背を

 

「・・・・!?」

「ガァア!!」

 

奇襲する。

 

「おい、まだ終わりじゃないぜ?」

 

追撃とばかりに四方から化け物が襲い掛かる。

 

「・・・・・」

 

それを一撃で消し飛ばす最悪の言葉を彼女は呟く。

 

「エクスカリバー」

「なッ!?」

 

黒い魔力が魔剣に纏われる。

それを上段から剣を振り下ろそうとする騎士王。

その方角にはイリヤたちがいるというのに!?

 

「さっせかァァァ!!」

 

渾身のタックルはセイバーの攻撃方向に僅かだがズレを発生させた。

直後、肉体も周りの残骸すらも巻き込みながら結界内を大きく抉る。

その一撃は地形すら変えたのだった。

 




はい、今回は短いです。
次回は、イリヤが覚醒します。
それを見てちょっとお手伝いするアンリ達。

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