遊戯王ARCーV get back in the game 作:眉キー
地下デュエル大会、9戦目ーー。
「先行は貰った! 俺はRRーバニシング・レイニアスを召喚! さらにその効果を使い手札からRRートリビュート・レイニアスを特殊召喚! その効果でデッキから墓地にRRーミミクリー・レイニアスを墓地に送る! 墓地のミミクリー・レイニアスを除外し、RRーコールをデッキから手札に加える! さらに、自分の場にRRが二体以上存在するとき、手札から永続魔法、RRーネストを発動! デッキから、RRーブースター・ストリクスを手札に加える! そして、場の二体のRRでエクシーズ召喚を行う! 冥府の猛禽よ、闇の眼力で真実をあばき、鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ!エクシーズ召喚!飛来せよ!ランク4!《RR-フォース・ストリクス》! 俺はフォース・ストリクスのオーバーレイ・ユニットを取り除きデッキから鳥獣族・闇属性・レベル4のモンスターを手札に加える! 俺は二体目のRRーバニシング・レイニアスをデッキから手札に加える!」
フィールドでは、私のセルゲイ相手に黒咲 隼が早速、フィールドで猛展開をしている。全く、なんというデッキの回りようだ。まさに、疾風迅雷の如しといったところか。
……やれやれ、私が学生の頃の時代では精々2体モンスターが並べば驚かれたものだというのに。
「お時間を頂き、ありがとうございます。いやいや……凄いですね、レイドラプターズ……いや、エクシーズ召喚というものは。あんな素早いデッキは、私がこの年齢まで生きてきて今まで見たトップ3に確実に入りますよ。あれだけ動いて、手札を全然減らさないとは……流石です」
会議室の一室を貸し切り、デニスと無事に面会をセット出来たのは僥倖だった。
ーー私は少し大げさに驚く演技をしたが、これでは不自然そうには見えまい。こんな場なのでいつもの服ではなく目立たないコート姿で来るしか得なかったが、権現坂くんという大柄なお付きにはギャラガーがひっついている。場を開けてくれている今しか大局的な勝ちへの仕込みはない。デスクで駒を触っている時間を現場に回せば、こうも有益に使えるのだ。
「……そうですね。ボクが思うところ確かに彼は……黒咲は、強いと思いますよ。あの屈強な挑戦者も見た目からかなり場慣れしているように見えますが、彼には勝てないとおもいますがね」
デニスはこちらを不審がっているのか、やや距離を置いた様子で話しかけてきた。
だが、今のところはーー私の真意はばれてはいないはずだ。
「……君も使うのでしょう? エクシーズ召喚を」
私は我ながら完璧な声色で、デニス君の表情を伺う。
彼には私の事を、市の支配階級ーートップスの一人、とだけ伝えてある。
「えぇ、確かに僕もエクシーズ召喚を使えます。まぁ彼と違って、それだけが主軸ではないんですけどね」
「それは素晴らしい。一体ーー何処でそのような技術を?」
「貴方は信頼できそうですから言いますがーー僕らは訳あって別次元からきて、仲間を探しにきたんですよ。そして、この次元の強いデュエリストをスカウトしにきました」
デニスはそう説明してくる。ーー予想よりも頭の回転の早い子供のようだ。油断はならんな。
「ーーそうですか。でしたら、私が約束をしましょう。あなたの仲間を絶対に保護すると。この私、ジャン・ミシェル・ロジェはこの街では単なる警察の役目をしている程度で地位はそれほどではないですが、君達の自由を保障させるくらいはできますからね」
彼に太鼓判を推してやると、デニスは安堵したような表情になった。少しは警戒心を削げたか。
「分かってくれて助かります。ただーー僕一人に面会だなんていうから、少し警戒しちゃいましてね。なんとなくですが」
「いえいえ、とはいえ今回の件、こちらも治安を維持しなければならないのでそこのところは事情と分かってください。万が一にもアナタたちが危険組織であれば拘束せねば、とまでの意欲で正直きたもので」
やや弱気がちに見せかけつつ、そう意思を表明しておく。
「分かりますよ。突然怪しい召喚を使うような人間がくれば、それはボクだって警戒するでしょう」
話が分かる。ーーよし、本題だ。
「恐れ入ります、デニスさん。ところでーー貴方は強いデュエリストを探していると言いましたね。私もあなたの活動を援助したいとは思っていますがその代わりーーエクシーズの力を私や私の部下に指南願えないでしょうか? 日に日に凶悪化するコモンズを取り締まる為にも、是非、とおもいまして」
「エクシーズ召喚を?」
「ーー実戦も、兼ねて。 とりあえず、この私自身でも体験してみたい。ーーどうですか? 公園で放送されていたあなたの大道芸も、この目で間近に見たいと思っていましたのでね。……あぁ、御心配なく。鑑賞料として心ばかりですが一週間分ほどは食事に困らない程度のお金は私のポケットマネーで用意しております」
こちらのセキュリティのディスクを、出す。流石にこんなところでアカデミア仕様のディスクを出してはただの馬鹿だ。
「……確かに、人が集まれば食事代も馬鹿になりませんからね。日銭は大切だし、分かりましたよ。いいでしょう、よく見ておいてくださいね」
デニスがデッキを用意したーー。此処から私の、運命を変える戦いが始まるのだ。
悪いがーー私の餌食になってもらう。《古代の機械混沌巨人》を取り上げ、我々の手で解析もせねば今のアカデミアの対策は辛いからな。
会議室の机を少しどかし、ある程度動きやすくさせてからディスクを構える。
ーーそういえば、彼らが扱うのはアクションデュエルとかいうのもあるのだったな。地縛カードを超える物も開発できれば良いに越したことはないが……時間が間に合うか、分からん。
『フィールド魔法発動、クロスオーバー』
彼のディスクから、自動で魔法が発動される。
アクションカード、か。動き回るのは好きではないが……やるしかないだろう。
「お手柔らかに、デニス君」
「……こちらこそ。観客がいないのが残念ですが……よろしくお願いしますよ」
目の前の道化師は、少しだけ笑った。……さて、化かしあいといきましょうか。
『「デュエル!」』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10/13追記
誤字ってましたね、すみません。
召還→召喚に変換修正