ラブライブ ー鬼纏人と響く女神の歌ー   作:ニックネームは忍者

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第一章 蒼鬼

読んでくださる方、ありがとうございます。

 

……只、最初に『貴方にとって鬼とは何ですか?』……この意味を考えて読んでくださると作者は嬉しいです。

 

 

 

 

……それではどうぞ!(*´∀`)

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

――かつて……この星に調和を保っていた時があった。人々は文明を築き、世に平穏をもたらしていた…。

 

 

 

 

 

 

だが、ある日突如として悪魔が現れた……。

 

 

 

 

 

 

人々は抵抗出来ず、作ってきた文明と調和を壊し、そして絶望した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――後に、人々はデスペリアと呼んだ…。

 

 

 

 

 

人々の文明を完全に失う時、現れたのは鬼だった……鬼は人々の為に立ち上がり……戦った…。

 

 

 

 

 

 

 

 

……長きに渡る激戦を繰り広げる中……死闘の末、鬼は勝利した。

 

 

 

 

 

 

 

だが、鬼の身体は傷つき、倒れ、その場に眠りにつき、人々は鬼に感謝した…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――そして、時が流れ…人々が鬼とデスペリアの存在が忘れ去られた時代………。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――僕は夢を見ていた――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――最近、よく見るようになっている…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ただ一人歩いていた…

 

 

 

 

周りは真っ暗で、何処に行っても真っ暗で、何も見えない…

 

 

 

 

 

 

 

ただ進んでいくと、光っているものが見えてくる…

 

 

 

 

 

 

 

 

近付くにつれて、それは見えてきた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは光っているのでは無く、それは『蒼く燃えていた』

 

 

 

 

 

まるで人魂にも見えるが、どこか違う…。

 

 

 

 

 

 

 

――僕は近付いて左手で触れようとするが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めた――

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「…………夢…か…」

 

 

 

カーテンは閉めてあるが日差しが強いのか少し眩しく感じる。

 

身体を起こしカーテンをあけ眩しい日差しが身体を浴びる。

 

 

 

「……今日も1日頑張りますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

――僕、蒼馬ライは目が覚める…。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~、やはり朝は干し肉とトマトと牛乳が一番だな」

 

ライはそう言って朝食の食器を洗っている。ライは今、家に一人で暮らしている。両親はライが高校入学前、事故で亡くなっている。ライはどうしてかその時の記憶が無い……目が覚めたのも数日立っていた為、遺体も処分したと聞かされている。

 

 

「これで洗い物は終わりだな。食事と歯磨きは済んだし、後は……テレビか」

 

ライはテレビの電源を切ろうとするが、手が止まる。

 

 

 

『昨夜、不可解な荒らされた現場が新たに発見されました。場所は――』

 

 

「また…か」

 

ライはそう言ってテレビを消す。

 

今年に入ってからか、時々この事件が発生する。現場に行くと周りにある物が刻まれたり引っ掻いた後があったり、焦げたり凍ったりしている。まるで人で無い者が戦っているような話だ。ただ、この事件が発生する前は不可解な死体が発見する。

 

だがライにはどうする事も出来ない事件だ。

 

 

「そろそろ行くか」

 

ライは鞄を持って靴を履く。

 

 

 

 

 

 

「……今日も行ってきます……父さん、母さん――――」

 

ライは家の扉を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

ここは東京都の秋葉原と御茶ノ水と神保町の間に位置する所。

ライは今、高校へと向かっている。高校は音ノ木坂学院である……元々は女子校であったが、近年少子化による生徒減少の為、少し前に共学へ変わった。

 

 

 

「今日も僕が一番かな」

 

ライはいつも登校する時は四人で行く。そして待ち合わせ場所にどうやら一番に着いたようだ。

 

「今日は少し遅く出たんだが…「おはようございます、ライ」…あ、海未! おはよう」

 

ライの後ろには髪の長さが腰まである少し青みがある黒髪の女の子が立っていた。

 

 

彼女の名は園田海未。ライと同じ音ノ木坂学院の生徒でライの幼なじみの一人だ。

彼女の特徴と言えば、綺麗な人だ。顔だけではなく心も綺麗だ。自分に厳しく、人に優しく……一言で言うと正に大和撫子だ……だけど時々恥ずかしいのか変な所がある。

 

「今日もライが一番ですか……相変わらず早いですね」

「そうかな、あんまり待たせるのは女の子に申し訳ないからさ」

 

「そんなことありませんよ。それにいつも最後は…「海未ちゃーん! ライ君おはよう!」…ことり、おはようございます」

「おはよう、ことり」

 

ライと海未が会話をしていると待ち合わせの場所に三人目が来た。

 

ベージュ色の髪に髪型は独特な結びをしたサイドテールのような髪型。名前は南ことり、彼女も海未と同じ幼なじみの一人だ。彼女の特徴は癒し系でファッションについては詳しい子。

 

「二人ともいつも早いね、まるで引き寄せられてるみたい♪」

 

「な!? 何を言っているのですか!?」

「?(引き寄せる? ……どういう意味だ?)」

 

ことりは笑顔で二人をからかってくる。

海未は顔を赤くなるがライは意味がわからず考え顔になっている。

 

「ふふ、冗談だよ海未ちゃん。それより穂乃果ちゃんは…「みんなー! お待たせ! ハァ、ハァ」…あ、おはよう穂乃果ちゃん!」

 

待ち合わせ場所に最後の一人がきた。走ったせいか息を切らしていた。

 

彼女の名は高坂穂乃果。オレンジ色の髪にサイドテールの髪型をしている。そして何より家が和菓子屋の『穂むら』である。

 

そして彼女もライの幼なじみの一人。特徴はとにかく元気で明るい子だ。

 

 

「おっはよー! ことりちゃん! 海未ちゃん! ライ君!」

「おはようございます穂乃果 、ギリギリですよ」

「えぇー! 今日は寝坊してないだけいいじゃん!」

 

穂乃果はそう言ってムッとして頬を膨らませる。

 

「(自慢げに言う言葉か?)……今日も朝から元気だな穂乃果」

「うん! 毎日はやっぱり元気が一番! さぁ早く学校に行こうよ!」

「ちょ、穂乃果ちゃん!」

「穂乃果! また転びますよ!」

 

最後に来た穂乃果が一番かのように走って学校へ向かう。つられてことりと海未が追いかける。

 

「やれやれ……僕も走るか」

 

そう言ってライも走り出す。

ライは知ってる、こうして毎日が楽しく過ごせるのは穂乃果のおかげだと…。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、それは突然訪れた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

『理事長によって伝えられた学校廃校のお知らせがきっかけだった』

 

 

 

 

 

 

 

「え、うそ!?」

「廃校、て……」

「つまり学校がなくなるということですね」

 

「……」

 

三人が廃校の知らせに驚いている中、ライは驚いているが黙っていた。

 

「……(まぁ、確かに生徒の数が減っているが……改めて廃校と、聞かされると……な…)」

「あ、あ~…」

 

ライが内心少し落ち込んでいると、穂乃果が後ろの方へ傾く、3人の後ろにいるライが穂乃果の肩を掴みを支える。

 

「おい! 穂乃果!?」

「穂乃果!!」

「穂乃果ちゃん!」

 

「わ、わ……」

 

ライ達が穂乃果の身を心配しながら叫んでいるが今の穂乃果には聞こえなかった。

 

「穂乃果!」

「穂乃果ちゃーん!」

「しっかりしろ!」

 

それどころか穂乃果の意識もだんだん遠くなり、周りの音が聞こえなくなっていく。

 

「わ、私の輝かしい高校生活が……」

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果は一言呟き、瞳を閉じた。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「それにしても穂乃果ちゃん大丈夫かな?」

「ことり……」

 

穂乃果を保健室へ運び教室に戻って三人は穂乃果の帰りを待っていた。

 

「保健室の先生も言っていたが大丈夫だろう」

 

ライの言っていることは嘘ではない。保健室の先生曰く『貧血と同じような物だ。寝てればいつも通りだろう』と、言われたのだ。

 

 

「まぁ、そろそろ来てもいいはずなんだが……(おそらく目が覚めたら夢だと勘違いして元気良く廊下を歩いて廃校だらけの用紙を見て……)」

 

 

 

ガラッ

 

 

 

「「あっ」」

 

穂乃果がムッとしながら教室へ入り席の方へ向かう。だが、近付くにつれて顔がだんだん落ち込んでいく。

 

 

「ほ、穂乃果ちゃん大丈夫?」

「うん……」

 

と、言いながら落ち込みながら席に着く。そしてボソボソと呟く。

 

「学校が無くなる学校が無くなる学校が無くなる学校が無くなる……うぅ~」

 

穂乃果が両手で顔を隠し少し涙を流している姿に観えた。

 

「穂乃果ちゃん凄い落ち込んでる。そんなに学校好きだったなんて」

 

「ことり、それは違うぞ」

「そうです。あれは多分勘違いしてるんです」

「え? 勘違い??」

 

ことりが穂乃果のことを心配してるのにライと海未はそんなに心配する必要がない反応にことりが疑問になると。

 

「うぅ……どうしよー!! 全然勉強してないよ~!うぅ……」

「え……」

 

穂乃果の言葉にことりは更に疑問になる。

 

「だって、学校無くなったら別の高校に入らなくちゃ行けないんでしょ!受験勉強とか!編入試験とか!」

 

穂乃果にとってはとても重大だった。穂乃果は勉強が大の苦手だった。だからこの音ノ木坂に入学出来たのもギリギリだったらしい。

 

「やはり」

「穂乃果ちゃん落ち着いて」

「安心しろ穂乃果、実は…「ことりちゃんと海未ちゃんとライ君は問題無いでしょ~3人とも成績いいし、でも私は~!!」……穂乃果、まずは落ち着いて話を聞こうな」

 

ライが説明しようとしたが穂乃果がピーピーと言うが最後の言葉は自分の問題じゃないかとライは思う。

 

「ライの言う通りですよ、私達が卒業するまでは学校は無くなりません!」

「え?」

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

「あーん……(もぐもぐ)♪♪」

 

ここは音ノ木坂学院の中庭。今はお昼休みで4人は昼食を取っていた。

 

「……(やれやれ…さっきのと表情が全く違うな)」

 

ライは心の中でため息を着くと同時に思い出す……つい少し前は倒れるは、ムッとするわ、泣くわ、ピーピー言うわで………でも、穂乃果がこうして元気でいるのはライにとっては大切な日常のひとつだった。

 

「学校が無くなるにしても今いる生徒が卒業してからだから、早くても3年後だよ」

「良かった~。いや~今日もパンが旨い♪ はむ(もぐもぐ)」

「穂乃果、太りますよ」

 

穂乃果は今日も大好きなランチパックを美味しそうに食べている。

ライはそんな3人の会話を聞きながら密かに微笑み昼食を取る。

 

「でも正式に決まったら次から1年生入って来なくなって来年は2年で…3年だけになっちゃうね……」

「今の1年生は後輩がずっと居ない事に…」

「……そっか」

 

穂乃果の少し下がった言葉にライも考える。

 

 

 

確かにこの音ノ木坂学院は共学になって生徒の数が増えた。だが、それはほんの少しだった……当初の目標とは生徒数と違い、結果的に3年は3クラス、2年は2クラス、1年は1クラスとなり学校維持ができなくなっていた。

 

 

 

「(自分の母校が無くなるのはやはり残念だな)……共学になっても廃校になるのか……ん?」

「どうしたのライ君?…「ねぇ、ちょっといい?」…え?」

 

 

穂乃果達の目の前に二人の生徒が立っていた。

一人は髪が金髪でポニーテール。背が高く顔立ちが良くスタイルが良く、まさにモデルみたいだ。

 

もう一人は髪が紫色で髪を二つに分けた子だ。何よりも特徴が胸が……別に変な意味は無いが、かなりのだな……これぞ世に言う…「ライ…」

 

「え~と……どうした海未?」

 

 

 

突然海未がライの事を呼んだ。呼んだと同時に顔は微笑んでいるが、明らかに目が笑っていない……周りに黒いオーラが見えた。

 

「いえ……少しやましい心が見えましたので…」

 

 

 

 

 

 

 

心眼か……と言うか、何で僕は怒られてるんだ?

 

 

ライは疑問を感じながらも目の前の状況に戻した。

 

 

 

 

「え~と、僕達に何か用ですか?(この二人って確か…)」

 

 

「誰?」

「生徒会長ですよ」

 

やはりか……金髪の人は生徒会長の絢瀬絵里と紫の髪の人は生徒会副会長の東條希か……直接話したこと無いが、何度か見たことあるな……それよりも穂乃果、生徒会長覚えろよ……一応リボンの色が3年だぞ。

 

「南さん」

「は、はい」

「あなた確か理事長の娘よね?」

「あ……はい」

 

どうやら生徒会長の用はことりに話があったようだ。ことりは少し緊張している。全く関わりのない生徒会長が話掛けてくるのだ……おまけに理事長の娘の事も聞いてきたのだ。

 

 

「理事長、何か言ってなかったかしら……廃校のこと」

「いえ……私も今日知ったので」

 

絵里はどうやら廃校について理事長しか知らないことを聞こうとしたのか自分達には知らない事を聞こうとしたのか、ことりの様子を見て初耳だったように見えた。

 

「そう……ありがとう……」

「……ほな」

 

「あ、あの! ……本当に学校無くなっちゃうんですか?」

 

二人はそう言って去ろうとしたが穂乃果が勢いで質問をした。

 

「……あなた達が気にする事じゃないわ」

 

生徒会長は冷たく言って去って行ったが、どこか悲しい表情だとライは感じた。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

昼休みの後、午後の授業が始まったが、ライは授業中一つ不自然な事があった………それは穂乃果が授業中に居眠りをしなかったからだ。

別に授業中居眠りをしないことは良いことだが、ライから見て穂乃果が窓を観ながら何かを考えていることだった。そして放課後の時間になり穂乃果がある言葉を言った。

 

 

 

「ねぇ、入学希望者が定員を下回った場合廃校をしざるおえないって、発表にはあったよね。てことは希望者が集まれば廃校にはならないってことでしょう♪ つまりこの学校の良いところをアピールして生徒を集めればいいんだよ!」

「なるほどな……(授業中もこれくらい集中すれば…)」

 

この先の言葉は言わない方がいいだろうと、ライは感じた。

 

「良いところですか? 例えば何処です?」

「え、え~と歴史がある! 」

「まぁ……他には?」

 

歴史があるのは一つのアピールだがそれだけでは解決はしない。穂乃果は考える。

 

「他に!? え~と……伝統がある!」

「それは同じです」

「えぇー! ……うぅ……ことりちゃんー!」

「おいおい、ことりにヘルプかよ……」

 

自分の案なのに何故人に聞くのかと思いながら、ことりは言う。

 

「うーん、強いて言えば……古くからあるって事かな」

 

「「……」」

 

 

3人の視線がことりに集中する。

 

 

「ことり…話聞いてましたか?」

 

「あ、でもさっき調べて部活動では少し良いところ見つけたよ」

「ほんと!」

 

ことりの部活動の良いところの言葉に周りは明るくなる。

 

「でも、あんまり目立つのが無かったんだ。うちの高校の部活で最近一番目立った活動と言えば……珠算関東大会6位」

 

「……微妙過ぎ」

「二つ目が合唱部地区予選奨励賞 」

「もう一声欲しいですね」

 

「最後は……ロボット部書類審査で失格…」

 

「……涙が出てくるな」

「だ~めだ~」

 

大抵どの高校の部活動にはどれか一つは連続に優勝している部があるのだが音ノ木坂には一つもなかった。

 

「考えてみれば目立つ所があるなら生徒がもう少し集まってるはずですよね」

「そうだね……ライ君、何かない?」

 

「何か、か……」

 

穂乃果はライに何かないか質問をして、ライは腕を組んで少し考える。

 

「例え僕が部に入って賞を一つ二つ取っても廃校阻止には難しいし、何か全国から注目される方法がないとな…」

 

ライの言葉は最もだった。何か全国から注目される出来事があれば廃校せずに済むのだ。

 

「私、この学校好きなんだけどな……」

「穂乃果……」

 

穂乃果の一言が正に今の気持ちだった。

 

「私も好きだよ」

「私も……」

「僕もだよ」

 

少なくとも音ノ木坂学院に居る生徒はこの学校が好きなのだ。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「すまないなライ、教師の仕事を生徒に手伝わせてしまって」

 

「いえ、レオン先生にはいつもお世話になっているので。むしろこちらから恩返しがしたいですよ」

 

 

 

 

穂乃果達はあの後帰ろうとしたがライには用事があったのだ。先に三人を帰らした後、ライは数学準備室へ行きレオン先生の書類の整理をしていた。もう外は暗くなっていた。

 

 

「嬉しいこと言うね。お前みたいな生徒はずっと生徒で居てほしいよ」

「それはさすがに僕も困りますよ」

 

「……だな」

 

 

二人は微笑みならがら整理をする。

 

 

 

 

 

 

レオン・エーカー先生はこの音ノ木坂学院が共学した後、1年前に来た男性教師だ。来て1年しか経っていないが学校の事をやって来て理事長から信頼がある先生だ。

 

 

何しろ去年は穂乃果がいろんな科目の宿題やテスト、課題や補習に最後は留………の危機に去年はとてもお世話になった先生だ。

 

 

 

「そういえばライ、最近体調はいいか?」

「え? 体調ですか?」

 

 

突然の先生の言葉にライは驚く。何しろ整理の事なら聞かれるが体調のことは予想外だ。

 

「変な意味は無いがお前は一人で頑張ってるからな……そのせいで成績に支障が出たり体調が崩れたら教師としての立場と俺個人の問題になるからさ」

 

「……特に問題は無いですよ。さすがに自分の体調は自分で管理してますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レオンはそれを聞いて手を止めた。

 

 

 

 

「そいつを聞いて安心だな……ライ、こっちはもう大丈夫だ。外も暗いし帰りな」

 

「え? いいんですか? まだ…「さすがに残りは先生一人で大丈夫だ。それにこの状況を他の先生に見られたら、色々と不味いんでな」…わかりましたレオン先生、先に失礼します」

 

 

 

 

 

そう言ってライは鞄を持って玄関へ向かう。

 

 

 

「特に問題は無し……か……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レオンの目は先生とは違う目に変わっていた…。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「外はもう暗いな……当然か……ん?」

 

 

 

ライは音ノ木坂学院の玄関を出て、空を観て独り言を呟いた後、校門に一人の生徒が立っていた。

 

「あれは……海未?」

 

 

 

ライが海未だと認識した同時に海未もライに気付いた。

ライは少し小走りで海未に近付く。

 

 

「海未! どうして?」

 

「ライ……私も途中まで帰ったのですが、気になって戻ってきたのです。最近よく一人でいる時間が増えていますから…」

 

 

ここ最近ライは放課後、レオン先生の手伝いをしていたのを知っているのはライとレオンだけだ。あまり話していい内容でもなかったからだ。

 

 

「(海未に無駄な心配をかけていたな)……レオン先生の手伝いにをしていただけだよ。ちなみにこの事は秘密に頼むよ」

 

「あ、そうだったのですか……わかりました、秘密は守ります」

 

 

 

 

二人はちょっとした約束をして歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

私――園田海未は今、ライと二人きりで歩いています。暗いせいなのか周りに人気はありません。

 

 

「でも海未、今は僕がいるのはいいけど、女の子一人がこの時間には余り良くないよ、最近嫌な事件が増えてるし」

 

「この状況を作ったのはライのせいですけどね」

「……それもそうか」

 

私とライは他愛の無い会話をしているが私にとってこの時間はとても大切だった。

 

 

 

 

 

私とライは幼なじみだ。初めて知り合った友達で、それから穂乃果達と出会った。

 

 

 

 

 

そして私はライの横顔を少しちらりと見た。

 

綺麗な銀色の髪に海のような青い瞳……幼い頃のライは男性の割には女の子ように見えた。人見知りだった私でも少し見とれた。けど今は背も延び、しっかりとした殿方に変われた。……顔筋がとても良くて……。

 

 

 

 

「そう言えば海未、最近は日舞の方はどうだ?」

 

「え!? 日舞の方ですか?……時々、母と稽古をして日々学んでいますがそれがどうかしましたか?」

 

 

私は内心焦りましたが、落ち着かせてライにはばれていない様子です。

 

 

「いや、今でも頑張っているんだなと……頑張れよ、時期当主をさ」

 

「…………」

 

 

 

 

 

「ん? どうした海未?」

「いえ、別に何も……」

 

「?」

 

私は少し拗ねましたが、ライには気付かず考え顔になっている。

 

 

 

 

……私はふと昔のことを思い出しました。

 

 

 

私は幼い頃から日舞の時期当主と色々な事を学ばさせられました。

 

 

 

 

 

 

……ですが、あの頃の私には辛くて逃げ出しました…。後もなく走って知らない所へ着き、帰り道がわからない所に来ました。

 

 

さすがに私は泣きそうになりました。我慢して本当に泣きそうな時にライが見つけてくれたのです。

 

 

あのときのライはただ「海未を探してたら、ここに来た」と、言っていた。

 

 

 

 

 

 

私はあの後、ライと二人で家に向かって歩いていた……あの時、ライに言われた言葉を今でも覚えてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……そして、その時に約束した言葉を今でもライは……「ギギ…」…え?

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「ギギ」

 

 

 

ん? 何だ? とても聞き覚えの無い声が聞こえてきた。

 

 

「ライ、あちらから何か見えませんか?」

「え?」

 

海未が指した方に目を向けると黒い影が見えてきた…人の形をしているが近付くにつれてそれは見えた。

 

「何だ、あれは?……」

 

 

 

それは鎧を着ていた。全身が紺色で西洋風の甲冑だった。だが不自然に顔の部分が骸骨の顔だが目の部分は白く光っていた。口からは黒い息をが出ていた。

 

 

お互いに見える位置で奴は止まり、互いに見つめる。

そして奴が黒い息を大きく吐くと同時に僕はどうしてか直感なのか、海未の手を左手で掴み後ろへ走った。

 

「え!? ライ!?」

「いいから走るぞ!! 奴はやばい!!!」

 

 

そう……どうしてかわからないが走れと自分に言っている。

後ろを振り向かずとにかく走った。奴の気配が後ろから感じず、少し落ち着いたと同時に奴は目の前に降りてきた。

 

「クッ!」

 

僕は掴んでいた海未の手を離し、手を拳にし殴りかかった。

 

だが奴は僕の左手首を掴み殴りを阻止した。力を入れても奴の方が強く手首に痛みが感じる。

 

「くそッ!」

 

僕は空いてる右手でさっきよりも早く殴ろうとしたがまた阻止された。

 

両手を手首を捕まれかなりの痛みを感じてきた。こうなったら蹴りをいれようとしたが奴は僕を壁の方に投げた。

 

「ギギッ!!」

「うッ!」

 

背中に激痛が感じた。痛みよりも前を向こうとしたがそれよりも早く奴は僕の頭を鷲掴みにした。

 

「くぅぅぅ!!」

「ギギ……」

 

痛みがする。奴の顔が無表情だが笑っているように見えた。手で頭が潰れそうだが、それよりも大事なことがある。

 

「ライ!!」

 

 

 

そう、彼女だ。今はとにかく海未だけでも守らなければならない。

 

「海未!早く……ゥ、逃げろ!!」

「ですが!!」

 

「いいから早く!とにかく走れっ!!」

 

海未は複雑な表情をしていたが、走って行った……それでいい…。

 

 

少し安心した同時に奴は掴んでいた頭を離した。

 

 

 

 

 

 

……奴は今度、走って行った方を見つめて歩き出した。

 

 

まずい!! と同時に奴を掴まえようとするが奴の拳が僕の頭を直撃する。

 

「うッ!」

「ギギギ…」

 

頭に激痛が走り、壁の方へ倒れる。

奴はそのまま海未が走った方へ追いかけた。

 

「ま…待て……」

 

くそ…奴の早さでは確実に海未を追い付ける……立ち上がりたいが、立ち上がれない…くそ……。

 

 

 

 

 

 

左手の平を顔の方へ近づける。頭からの血でポタポタと手にかかる……さっきまで海未を掴んでいた手が血に染まる。

 

 

 

ここで死ぬのかな……ここで死んでも悔いはあるが、海未が無事なら構わない……だが奴は確実に海未を追い詰める……これは確実だ。

 

 

 

 

くっ……せめて……せめて……

 

 

 

 

 

 

 

ドクン……

 

 

 

 

 

……せめて海未を助けなければ!!

 

 

 

ドクン……ドクンッ!

 

 

 

 

「何だ……この感じは……?」

 

 

 

 

 

さっきから変な感じがする……息が、苦しい……胸が熱い……頭に響く……。

 

 

 

『………か…が欲しいのか…』

「え……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

その声は僕の耳に確実に聞こえた。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は走っています。

 

 

 

あの時黒いのが現れて、ライが立ち向かったのですが全く歯が立たず、私も立ち向かう時にライが「いいから早く! とにかく走れ!!」…あの時の表情が私を逃げろと命令された。

 

 

 

ライはどうなったのでしょう……あの怪物に……そうだ! 警察に――

 

 

 

 

「ギギ…」

「きゃ!!」

 

私が携帯を取り出そうとしましたが先ほどの怪物が私の目の前に現れました。

 

 

私は逃げようとしましたが、怪物の右手が上に上げたのと同時に黒い煙が現れ形が変わりそれは鎌に変わった。

怪物はその鎌を降り下ろしましたが私は弓道部のお陰か避けられましたが、壁の方へと追い詰められました。

 

「ギ…」

 

怪物は怒ったのか左手からも黒い煙を出し、鎌に変わった。両手を広げ、今度こそ確実に仕留めると、海未には見えた。

 

「………」

 

 

私は怖かった、それと同時にライの事を思い出しました。

 

私を逃がしてくれたのにライは……ですがライ、私もあなたの元に…………

 

「ギギッ!!」

 

怪物の両手が上げたのと同時に私は目を閉じました。

 

 

 

 

 

 

ガキンッ!!

 

 

 

 

 

 

少しの沈黙……私は痛みが感じず、恐る恐る目を開けると、それは見えました。

 

 

 

 

「蒼い……鬼?」

 

私の目の前には蒼い鎧の姿をした人? がいた。

 

「ギギ…ギ」

『くぅぅ……』

 

 

私に切り刻まれる筈の鎌が鎧の人の手首を当たっていた……いや、盾になってくれていた。

 

「ギギッ!」

『……ハッ!!』

 

 

怪物は怒ったのか怯えているのか鎌に力を入れたが鎧の人が押し返したのと同時に右手の拳を怪物の顔に直撃した。

 

「ギィィー!!」

 

怪物は吹き飛び壁へぶつかる。

 

 

 

 

私は蒼い鎧を纏っている人を足元から見た。

 

 

 

 

 

 

 

それは西洋の鎧にも見えるが和風の鎧にも見える……ただ決して鎧に隙がなく、とても動きやすい鎧だった……所々蒼い炎が出ていた。

 

 

 

……顔の方は額に鉢金を被っており、炎が見えた。炎のせいかそれは角にも見えた……。

 

 

 

「蒼……鬼…」

 

『……』

 

 

 

蒼鬼がこちらに振り向き、顔を見る。

 

 

 

「あの……あなたは?」

 

『……』

 

私は彼に質問をしたが、彼は前を向く。

 

「ギギ…」

 

怪物は立ち上がり彼を見る。

 

「ギギッ!」

『ハッ!!』

 

 

 

 

そして蒼鬼が飛び掛かり、戦いが始まった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――これが私、園田海未と蒼鬼との出会いでした。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

 

 

私は彼と一緒に過ごしてきました。

 

 

 

私なりに彼を知っているつもりでした…。

 

 

 

 

 

 

…ですが、この事は知りませんでした…。

 

 

 

「あなたが……どうして!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………海未……僕は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

次回『人か鬼か……』

 

 

 

 

 

彼を孤独にはしてはおけない……。

 

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