ラブライブ ー鬼纏人と響く女神の歌ー 作:ニックネームは忍者
なかなか筆記が進まないものです……
……それよりも本編をどうぞ(о´∀`о)ノ
―――――――――――――――――――――――
それは、ライとレオンが下へ降りた時の講堂……
「ライ君とレオン先生が……」
「どうしよう穂乃果ちゃん……」
「ライ……」
「…………」
講堂に残された四人は下へ落ちた二人の事を気にしたが、絵里は二人の事も気になるが倒れてる生徒に気づく。
「あなた達には聞きたいことがあるけど、先ずは倒れている生徒をステージへ運びましょう」
「ですがレオン先生はステージへ降りるなと……」
海未の言葉に絵里は止まる。
「? ねえ……あれって…」
穂乃果の言葉に三人が穂乃果が指した方を見る……それは――。
「……全員ここにいろ…まだ微かだが残っている…」
放送室にいた早乙女先生だ。
倒れた希をお姫様抱っこでステージの方へ近付いていた。
そしてステージに近付き希を下ろした。
「希っ!」
「安心しろ……気絶してるだけだ…直に目を覚ます」
黒はそう言うが、絵里はそれでも希の側により、心配した。
「早乙女先生は大丈夫なのですか?」
「…………」
穂乃果の言葉に黒は少し黙って、一言言った。
「……“俺にその程度では”平気だ」
「…………」
その言葉に絵里はある言葉を思い出す。
あの黒鬼の事を……
・・・
「……これで全員だな…」
そのあと、黒は倒れた人をステージへ運んだ。
「皆、一度に倒れるなんて……」
「でも早乙女先生はどおして平気なのですか? それに……」
穂乃果とことりの言葉で周りを静かになった……何故なら――――
「先生は鬼の事を知っているのですか? ライとレオン先生が怪物と戦っていることも?」
「…………」
海未の質問に黒は黙っている。
「(やっぱりこの人は――)」
絵里も確信し、黒はその問いに答えようとするが――――
「「キュルル……」」
黒が答える前にさっきの怪物と同じコオロギ型の二体が講堂の上から現れた。頭の角が三本と四本の形をしていた。
二体はステージの方へ近付いている。
「また怪物が…」
「穂乃果ちゃん!」
「ライとレオン先生は下に…」
二年生の三人は二人が居ないことに怯えているが、絵里は違っていた……黒の方を見ていた。黒は怪物を睨んでいる。
「…………」
そして黒は二体の怪物の方へ近づく。
「ッ! 先生!」
絵里はとっさに黒の右腕を掴む。どうしてか反射的に掴んでいた。
「……絢瀬…手を離してくれないか…」
「ですが先生――」
「そうですよ早乙女先生! 一人では――」
絵里と穂乃果は黒を止めるが、黒は絵里に掴まれている右腕に視線を向ける。
すると、掴まれている所から黒く光だして絵里は手を離した。
「その腕輪……」
「早乙女先生の腕から…」
「黒い、腕輪?」
「もしかして……先生は――」
絵里はわかっていたが、三人は困惑していた。
「危ないから下がっていろ……」
黒の言葉に四人は下がる。そして黒は怪物に近付き、ある言葉を言い、左手を腕輪にあるVの紋章に触れる。
「我に憑依せよ!!」
≪Armor Vector≫
その言葉と低い音声と同時に黒の腕輪から赤いラインが体を包み、一瞬光って、黒い特殊なスーツと鎧の姿に変わった。
「早乙女先生もライ君とレオン先生と同じ…」
「鬼ってこと?」
「ですが……何かが違います…」
「…………」
三人は黒が鬼だったことに驚いているが、絵里は違っていた。
絵里はもう四回会っているのだから……
そして黒は二体の怪物に戦いを挑む……。
――――――――――――――――――
「キュルッ!」
「…………」
怪物の一体、三本角は黒に鋭い爪を向けて飛び掛かる。黒は爪の攻撃を避けて、三本角の顔を殴る。もう一度殴ろうとしたが、もう一体の四本角が走ってきた。
「キュルッッ!」
「フン……」
黒は右足を四本角の顔の正面に蹴りを与え、素早く左手で首を掴み、頭突きをした。そして四本角を三本角の方へと放り投げる。
三本角は隙があった黒に切り刻もうとしたが四本角とぶつかり後ろへ倒れる。
「……終らせてやる…」
黒は一言呟き、怪物へ近付く。二体の怪物も立ち上がり、二体同時に黒へ攻撃を仕掛ける。
「「キュルル!!」」
「……」
二体の攻撃は隙の作らない攻撃だった。黒は防戦の一方だった、防御していたが、三本角の爪が黒の体を引っ掻き、黒はバランスを崩してしまい二体の連続の爪が鎧を刻み、四本角のキックを正面からくらい、後ろへ大きく下がり、
膝を着いてしまう。
「くっ……この程度で…」
黒は左手を右腕の腕輪に触れようとしたが、止めた。
少しの沈黙と黒は目の前の状況を観た。
二体はステージの上に立っている四人へ近付いている。
四人は怯えていた……
…………そして、怯えている一人の少女の顔が黒の目に映った。
「――――!!」
「キュ――――」
怪物は驚いた。黒が突然目の前に居たことに……頭にはフードを被っていた。
そして三本角の首を掴み、空いてる片手を拳にして額を何度も殴る。
「…………」
「キュル!」
相手にお構い無しに黒は殴っていたが、四本角が黒に襲いかかる。
掴んでいる手を離して、太ももに仕舞ってあるファイティングナイフを取り出して、
黒は四本角の手首を切り刻む。そして殴っていた手からもファイティングナイフを取り出して体に大きく切る。
「キュ、キュル……」
「…………」
「キュ……キュルッ!!」
黒は四本角に止めを刺そうとするが、三本角はふらついているが黒に飛び掛かる。
「……」
黒は両手に掴んでいるファイティングナイフを切り刻まれている四本角の体に突き刺す。
そして左手に力を入れて、三本角の体に拳をぶつける。
「キュルー!!」
その衝撃で三本角は後ろへ吹き飛ぶ。その方向はステージ側の入り口で、外へ飛ばされる。
「キュルル……」
「……」
四本角は刺されているナイフを抜こうとしている。その状態を見た黒はコンバットナイフを取り出して、四本角に大きく突き刺す。
「キュ……キュ ――――」
「…………」
四本角の体には四本のナイフが突き刺さっているが、黒は右手で首を掴み、そのままステージの側の入り口に走り、窓から飛び降りる。
――――――――――――――――――
「早乙女先生が……」
「下へ行っちゃった……」
「下には確か、ライとレオン先生が…」
残された二年生の三人組は戸惑っていた。
怪物が居なくなったのはいいが、怪物と一緒に落ちた三人が心配だったのだ。
「……とにかく、下へ行きましょう……急ぎましょう…」
「あ、生徒会長!!」
絵里はステージから降りて、一階へ急ぐ。
三人も急いで追いかける。
「(どうしてなのかしら……膝を着いてからの早乙女先生の様子が違っていた…どうして)」
絵里はどうしてか周りの状況を理解しているが、急いで一階へ急ぐ。
途中から、黒の戦いに違和感があったのだから……
――――――――――――――――――
「アイツは……」
「……」
そして、一階の外へいるライとレオンの目の前には二体の怪物が落ちてきたのと同時に黒が降りてきた。
「…………」
「キュ……キュル…………」
四本角は地面へ思いっきり叩きつけられ、絶命する。黒は刺さってあるナイフを抜き、仕舞う。そして、黒は三本角の方へと近付く。
「キュル……キュルー!!」
三本角のは仲間が殺された事に怒り、黒へ早く飛び掛かる。
「…………」
「キュ――――」
だが、黒は右手で飛び掛かってきた三本角の顔を鷲掴みして、地面へ叩きつける。
三本角も四本角と同じように絶命した。
そして黒は立ち上がり、ライとレオンの方と向き合う。
「レオン先生……アイツは…」
「ライ……」
「…………」
ライはレオンの前に立つ。黒もコンバットナイフを取り出して、近付く。
ライは負傷しているが昨日の事もあり、黒を敵だと認識している……ライは黒を攻撃しようとするが…………
カチャ……
「レオン、先生…?」
「悪いがここまでだ……」
レオンは銃を向けるが、その方向はライに向けたのだった。
ライは理解できなかった……レオンの行動に対して……
「先生……どうして…」
「ライ……何故お前にその力がある…いつからその力を宿し、いつからその力を解放した?」
「先生……何を言って…」
レオンの行動にライは戸惑っていた。先生の銃口が自分に向けられたのと質問に対して…。
「…………」
「……答えは無しか……」
レオンはどうしようか考えていたが……
「…………レオン……もういいだろ…」
「……確かにそうだな…」
黒の一言とレオンの言葉に周囲を見渡すと、後ろから足音が聞こえ、銃を下ろした。
「みんなー! 大丈夫!」
「ライ! ご無事ですか!」
「皆……どうして…それに…」
ライは講堂にいた穂乃果達が外へ来た。だが四人来たのだった……その人が――
「大丈夫ですか……
……早乙女先生」
四人目は生徒会長の絢瀬絵里だった……だが、ライは絵里の最後の言葉に反応した。
「早乙、女……先生…なんですか…」
「…………」
ライはその言葉を黒に向けて言った。そして黒はフードを外して素顔をライに見せた。
「早乙女先生……どうして昨日、僕にそのナイフを向けたのですか…」
「「え!?」」
「ライ……昨日はそんなことがあったのですか?」
「早乙女先生……本当なのですか?」
ライの言葉に穂乃果とことりは驚く、海未と絵里はそれぞれの反応をする。
「それは――」
「黒……ここじゃあ少し不味い……それに講堂に倒れてる生徒を何とかしよう……それから話をしよう。ライ……それでいいかな?」
「……えぇ…わかりました…」
ライは納得していないが、優先すべき事があるのだから……。
「取り合えず講堂の生徒を――「キュル……」何ッ!?」
レオンは突然の声に後ろを振り向く。
そこにはレオンの銃弾で角が無くなった一本角が立っていた。
「くっ!」
「キュルッ!」
レオンは急いで銃を構えるが、一本角は素早くレオンを通り抜け、走る。その方向は穂乃果達の方向だった。
「不味いッ!」
「キュルッ!!」
ライも急いで移動をしたが奴の方が素早く、ライにタックルしてライを飛ばす。
「(このままでは海未達が――)逃げろ! 皆ッ!!」
ライは叫ぶが間に合わない。レオンも銃を構えるが、奴がもし避けたら確実に誰かに当たってしまう。
そして怪物は四人に近付き、鋭い爪を四人の生徒に向ける。
「キュルッ!!」
「――!?」
怪物は先頭にいる生徒に爪を降る下ろす……
……その生徒は絢瀬絵里……
≪ Dark Crash Charge ≫
「…………」
「……? 早乙女――――」
……絵里の目の前には黒が立っていた。
黒は左手で右腕の腕輪に触れる。そして音声がなり、腕輪から拳へ黒いスパークが流れる……黒は右の拳に力を入れて、その拳を怪物の体にぶつける。
「キュ、キュル――――」
拳をくらった一本角は後ろへよろけながら下がり、上から下へ黒い煙をだしなが消えていった……。
周りに倒れている怪物も黒い煙をだしなが消滅した……。
「…………」
「早乙女、先生? ……大丈夫ですか?」
絵里は黒に声をかけた。黒は黙って目線を右腕に向いていた。
……そして拳を強く握りしめている。
「黒!? お前――「大丈夫だ、レオン…」……そうか…」
レオンは黒へ駆け寄ったが、黒の言葉で足を止める。黒は左手で右腕に触れる。
≪ purge ≫
その音声の後、黒の鎧が解除される……そして黒は一呼吸すると、絵里達の方に向ける。
「無事か、お前達?」
「はい、大丈夫ですけど……」
「先生の方は大丈夫ですか?」
「先ほど先生の腕を見ていたのですが……大丈夫ですか?」
「あぁ、問題ない……絢瀬も平気か?」
穂乃果達は無事だが、逆に黒の心配をしていた。そして黒は絵里に質問をする。
「……先生のお陰で助かりました……ありがとうございます」
絵里は黒に感謝したが、正直レオンの行動を重ねると黒は何かを隠していると悟った。
「…………」
レオンは周囲が安全を確認すると、ライの側による。
「さてと……ライも大丈――「大丈夫です先生…」……そうか…」
レオンは倒れているライに近づいて起こそうとしたがライは自分で起き上がる。
レオンもわかっているが、やはり銃を向けられた事と黒と知り合いだった事に対して、信用しないように感じている。
「(当然だよな……)……とりあえず、俺と黒と絢瀬は講堂に戻って、倒れている生徒を起こそう。高坂達は着替えて来い、着替えたら生徒会室で待っていてくれ。俺達も終わったら、向かう……ライは三人の側にいて、一緒に来い」
「…………」
ライは黙ってレオンを見つめていた。鋭い目付きでレオンを睨んでいた。レオンは鎧を解除してライに言った。
「ライ……俺は教師として人として、お前を騙していた事をした……だが今は――「わかっています。今は先ず講堂に倒れている生徒へ行かなければなりません……僕は穂乃果達の側にいて、何かあっても守れます。その後、生徒会室へ向かいます」……頼む、ライ……」
そう言ってレオンと黒と絢瀬は講堂に向かった。
今ここに居るのはライと穂乃果とことりと海未の四人だけになった。
「あの、ライ……大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ海未、それよりも更衣室へ行こう(そうだよな……先ずは海未達の安全が優先だ)」
海未はライが戦って、下へ落ちて怪我をしたのだと心配したがいつも通りであるのを確認した。
そして、ライ達は更衣室へ向かった。
「……こちらが用意したのが全滅とは……予備戦力もこの程度か……鬼を受け継ぐ者が三人いるとは……」
……その様子を見ていた者がいた。全身は黒い毛皮があり、明らかに人では無かった。そして両手の四本には鋭く、とても大きい爪があった。
ソイツは片手を顎に当てて、考えた。
「……黒と紅の存在は知っていたが、驚いたな……まさかあの蒼は――――それとあの人間達は―――……こちらも戦力を集めるか……」
ソイツは顎から手を離して、姿を消した……。
――――――――――――――――――
僕の他に同じ力を持っている人がいたなんて……あの時はレオン先生を信じていなかったが、冷静になれば先生も先生なりの考えがあったんだろうな。
……先生はどこであの力を手にいれたんだろう……僕と同じ力に感じたけど、早乙女先生のは何だか違った。
……何だか成れる者が成れない者になった感じだった。
だが――――……考えても仕方ない……このあと知るんだ……それにみんな無事でよかったな……。
「ライ? あの、大丈夫ですか?」
海未? いつの間に……あまり深く考えすぎたか……きっと僕の顔も暗かったからその顔なんだろうな。
「心配ないよ海未。少し疲れたかな……穂乃果とことりは大丈夫かな?」
「はい……もう少ししたら出てくると思います」
海未も疲れてる顔してるな……ライブの後にあんな怪物に襲われて……でも海未は強いな。気持ちを切り替えている。
流石に中には入れないから入り口に立っているが、今は安全だ……どうしてかわからないが危険が感じない……。
「ですが驚きました。ライの他に二人もいたなんて……先生二人が変身したのも驚きましたが…」
確かに僕も驚いていたが……その事は後でわかるからいいだろう。
「でも海未が無事でよかったな…………心配してた……」
「えッ!?」
? 何故海未は驚いている? 顔も少し赤いが……
「穂乃果とことりも皆無事でよかった…」
「…………」
あれ? 怒ってる? いや、少し落ち込んでいるような……
「どうかした海未?」
「いえ、別に何も……」
何もって……?
「皆、お待たせ…」
「待たせちゃったかな?」
穂乃果、ことり……やっぱり疲れてるよな……
「皆、準備は出来たかな? 生徒会室へ行こう」
皆、頷いたし、向かうとするか。
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「さて……全員揃ったかな?」
ここは生徒会室。レオン一言言って周りを見る。
順番にレオン、黒、ライ、穂乃果、海未、ことり、絵里と……希だ。
「うちはここへ来てもええの? 何かいない方が……」
「いや、構わないさ……それに生徒会長殿の出来事を何かと感じていたらしいしな」
希はレオン達が戻って来て、すぐに目を覚ましたのだった。他の生徒は起こして、多少誤魔化したに等しいが何とか帰らせた。
……一人は納得していない生徒はいたが……。
希には誤魔化すのは難しいので一緒に来てもらったのだった。
レオンは黒を見たが、黒は壁に背中を預けて目線をそらしていた。
「先生……僕の質問に答えてもらえますか?」
「ライ……お前の気持ちはわかるが、俺の話をさせてくれ」
ライの質問する気持ちもレオンもわかっているが話す順番があったのだ。
「……すまないなライ……では話すぞ……
――かつて……この星に調和を保っていた時があった。――――」
レオンは話始めた……古の記録、現実、そして……真実を……。
「――――デスペリア……」
「そうだ……あの怪物の名はデスペリアだ」
ライは怪物の正体を知った……骸骨も人形もコウロギも全部同じデスペリアであったのだ。
「デスペリア……絶望をもたらした者……」
海未も少し前なら信じなかったが現実を知り、もう疑う理由が無い。
「でも、あの鬼が人の為に戦ったなんて……」
「そうだよね……とても大切な事を忘れされて……悪い印象にされていたんだね……」
ことりと穂乃果も話を聞いて落ち込んでいた。鬼は人の為に戦って、人々は感謝した。
けど、人は鬼の存在を忘れて……悪い鬼の存在にされた事に落ち込んでいた。
「……先生、僕と先生の力は何なのですか?」
ライの質問に周りが静かになった。そしてレオンは答える。
「そうだよな……少し簡単に言うとだな……その力は――
――――
レオンははっきりとその力の名を言った。
「鬼纏人?」
ライもその言葉を口にしたが、周りもライと同じく疑問の顔だった。
「レオン……簡単すぎる」
「悪かった黒……ゴホンッ! ……その昔、鬼は世界を救ったが人はまたデスペリアが来るといい始めたのが最初なのだろうが……人は何とか鬼と同じ力を得ようとしたのだ」
「……歴史にある陰陽師もその一種として理解しくれればいいさ」
黒は目を瞑りながら答える。周りも理解していった。
「続けるが……人はどうしてかその力を求めた……求めた結果、鬼纏人と言う力を見つけた。“鬼を纏う人”……字の通りに人は鬼を宿したのかな?」
「鬼纏人の事はわかりましたが……どうしてそれが僕と先生に宿っているのですか?」
鬼纏人の事を理解したが、どうしてそれが自分や先生が持っているのかがわからなかったのだ。
「その事なのだが……記録では鬼の霊体……魂が残っていたのだ。その魂が人を選んで宿せるんだ」
「先生は鬼に選ばれたのですか?」
魂が人を選ぶ……その言葉に穂乃果は質問した。
「確かに高坂の言う通り俺達は鬼の魂を見つけて選ばれた……正直強制と言うか、同じ考えだったんだ……それよりもだ……ライは何故その力を持っているのだ?」
「それは……わかりません……廃校を知った日からなりました……(僕は鬼の魂を見たことがあるのか? いやそんな記憶は――でも……)」
レオンは目付きを変えて質問をする。ライは正直に答えた。嘘を言う必要も無いのだ。
「レオン先生、ライの言ってることは本当です。幼い頃から過ごしてきましたが、あの姿になったのは、つい最近からです」
海未もライの為にフォローする。レオンは目付きを元に戻して黙った。
「あの……先生はライ君を敵視しているのですか?」
「…………」
今度はことりが質問をした。レオンは目を開けて、ことりに向かって答えた。
「敵視か……確かにそう見えるよな……だが、これは本当に鬼であるのか確かめる事だったのだ……すまないなライ……まぁ昨日はやり過ぎる為、止めに入ったがな」
「…………」
レオンは黒に向けながら言ったが黙秘していた。
「あの……早乙女先生は……同じ鬼纏人なのですか?」
ふと、絵里は質問をした……レオンはどう答えるのか迷った。ライも同じく感じた。
黒の姿はどこか自分とレオンのとは違っていたのだ。
絵里もライとレオンの姿は違っていたのだ。
「それは――「俺は鬼になれなかった憑依人だ……だから鬼纏人じゃない」……」
レオンは答えようとしたが代わりに黒が答えた。黒は壁から離れ、レオンの側に近付く。
「憑依人って……どういう意味やん?」
憑依人について希が質問をする。黒は答えにくいのか少し考えても答えた。
「…………鬼纏人は簡単になれる者じゃない……だが誰でもなれるような姿を考えた……それが憑依人だ…」
黒は答えて理解した。だが納得をしていない者がいた。
「(どうしてかしら……何か、まだあるような……)」
「(憑依人……けど何だ……何かが欠けている…)」
二人は考えていたが、希はもうひとつ質問をする。
「レオン先生はどうしてそんなに詳しいのですか?」
「あ! 私も気になっていた」
穂乃果も同じだったがライもそうだった……何故そんなに知っていたのか……。
「正直言うが…………全部黒から聞いた話だ」
「「え!?」」
周りは驚く。黒が詳しい筈なのにどうしてレオンがしゃべっていたのか……
「……こいつは色々と不器用な所があるんだ……だが、根は優しいんだぞ。何しろ――「黒……時計を見ろ」ん? 時計?」
レオンが話しているなか、黒は時計を見ろと言う。周りの皆も見たが、もう遅い時間だった。
「もうこんな時間か、黒の言う通りだな……お前達も疲れただろう。俺達も定時時刻だし上がっても問題ないだろう……車を出す、黒もいいよな?」
「あぁ、問題ない」
黒も返事を出してレオンは言う。
「後、ひとつ…………この事は他言無用だ……人知れずに戦っているが、奴等の目的は絶望だ……パニックになれば格好の状態だ……わかったかな?」
全員が頷いた。何しろ証拠が無いのだ。
「よし! じゃあ職員玄関で待っていてくれ」
「「…………」」
それぞれ色々な答えがでたが、皆は生徒玄関へ向かった。
――――――――――――――――――
「早乙女先生、うちはここで大丈夫ですので失礼します」
「そうか……また明日な」
「はい……絵里ち、ほな」
「えぇ、また明日…」
黒は絵里と希を車で送っていた。希は近くでいいと言うので、降ろして別れたのだった。
絵里は後ろからバックミラーで黒を見ていた。黒も疲れている筈なのに平然な顔だった。
「……俺の顔に何かついているか?」
「え!?」
絵里は焦った。バレずにやっていたつもりがバレていた。
「えっと……早乙女先生の髪型って珍しいですね!」
「…………」
その答えに黒は目線を前に移した。
「え~と、早乙女先生?」
「絢瀬、俺は特に嫌な顔も気にしてないから気にするな……」
「(気のせいかしら……凄い――――)あの、今日はありがとうございました。妹の時も本当にありがとうございます」
絵里は明らかに黒は髪型の事を気にしているのかこれ以上触れないために少し前の出来事を話した。その時のお礼を言った。
「気にするな……それに俺がもう少し早く来れば妹さんは恐い思いをしなかった……だから気にするな」
「それに昨日の不良からも……黒い鎌の――――?」
「…………」
絵里は続けようとしたが黒の表情が変わったのだ。
まるでそれには触れないで欲しい顔だったのだ。
「絢瀬……関わるなとは言わないが、君は学校の事を考えろ。それが君にとって大切な事だ」
「え……わかりました。……あの、私と早乙女先生は初めて会うのでしょうか?」
絵里はその事を質問を質問をすると黒は表情変わったがすぐに元に戻した。
「……毒ガスの時に初めて会うのだが……違ったか?」
「い、いえ……そうですよね……あぁ、次の信号左です」
「わかった(ライは鬼の魂を見たことが無いか……鬼纏人か……)」
絵里は少し疑問が残ったがこのあと、無事に家に着いた。黒も色々な事が起きたが、無事に過ごせた。
――――――――――――――――――
「何だか先生に送られるのは変な感じだね」
「そうか? 運動部の先生方は珍しい事ではないぞ」
「そんなんですか……あ! 先生、次の角を右です」
一方レオンはことりと穂乃果を送っていた。ライと海未は歩いて帰るのだった。ライはやはり整理したいため、歩いて帰るのだった。
海未を家まで送って帰るのだった。
「さっきも聞いたが、二人は人形の時が初めてだっけ?」
「はい、海未ちゃんはその日の前の夜が初めてらしいです」
「なるほどな……(その日からか…)」
レオンの質問に穂乃果は答えた。レオンもライの鬼の事を色々と知りたかったのだ。
「でも、ライ君今になって変身したのかな? 幼い頃はそんなこと無かったのに……」
「皆は一度に友達になったのか?」
「えっと……私と穂乃果ちゃんは一緒でその後に海未ちゃんとライ君に会ってから四人一緒になったんだよ」
ことりの呟きにレオンは質問してことりは答えた。
「……四人は本当に仲が良かったんだな…さてと、穂乃果の家はこの先だよな?」
「はい! そうです!」
レオンもこのあと穂乃果を降ろして、ことりも家まで送った。
レオンも無事に一日を過ごせたのだった。
「(ライは過去に鬼の魂を見つけたのか? だが蒼の存在は――いや、憶測はいかんな……)」
――――――――――――――――――
「何だか今日は色々な事がありました……学校に怪物が現れて、ライの他に鬼がいて……それが先生方だったなんて……」
「……そうだな……だが、僕の他に鬼はいた……僕は孤独じゃない……海未には感謝してるよ」
海未とライは歩いていた。一応車でも送れたのだが二人はあの場にいた中で家に近いので歩く事にした。ライがいるからレオンも海未も安心できるのだ。
「なに言ってるのですか? 私がライに感謝していますよ。今日もライに助けられました」
「そうか……(本当は僕は助けられているばかりだよ)……そう言えば海未…………今日のライブは化粧しているんだな」
「え!? な、何なんですかいきなり!」
ライは海未に化粧の事を聞いたが海未はどうしてか焦っていた。
「……僕変なこと言った?」
「い、いえ…………変ですか?」
海未は目線が下を向いて質問をした。そしてライが言った。
「いや……化粧した海未も綺麗何だなって」
「!? …………破廉恥です!!」
海未そう言って早歩きした。ライに今の顔を見せたくなかったのだ。
「……僕は変なこと言ったのかな……(でもこの力で皆を守ってみせる……絶対に…)」
ライは心の中で決心して海未の背中を追いかけた。
――――――――――――――――――
次回予告
ある三人の少女がいた……
一人の少女は素直になれずいつも一人でいた……
一人の少女はなりたい自分に悩んでいた……
一人の少女は前向きになれず後ろ向きでいた……
三人に接点は無いのだが……どこか接点があった……
次回『思い悩む三人』