ラブライブ ー鬼纏人と響く女神の歌ー 作:ニックネームは忍者
第六章です。スムーズに投稿したいのですが、正直難しいです……。
アニメでは二話に入る話です。
この作品の主人公も久しぶりに登場します。戦闘シーンがないと少し楽に進むと感じました。
そろそろ三人が交わるところですかね……それではどうぞ(*´∀`)
――――――――――――――――――
「……朝から何?」
講堂使用許可書の用紙に四名の名前、活動理由が課外活動……。
登校してすぐライ、穂乃果、海未、ことりの四人は生徒会室に行き、講堂の使用許可を貰いに来た。生徒会長の絢瀬絵里は用紙を見て不機嫌な顔で返答してきた。
「講堂の使用許可を頂きたいと思いまして」
「部活動に関係無く、生徒は自由に講堂を使用出来る…と 、生徒手帳に書いてありましたので」
海未の言っている事は確かな事だ。生徒手帳にも書いてあった。
「新入生歓迎会の日に放課後やな」
「……何をするつもり」
生徒会副会長の東條希は特に反対の反応ではないが生徒会長は明らかに反対の顔で質問してきた。
「それは……」
「ライブです」
「え!?」
「おいおい」
海未が理由を言おうとするが、穂乃果のライブ発言にことり、ライは驚く……少し前の話ではライブ発言はしない予定だったのだ。
「三人でスクールアイドルを結成したので、その初ライブを講堂でやることにしたんです」
「ほ、穂乃果」
「まだ出来るかどうかわからないよ」
「……だな。生徒会長の許可がないと出来ないぞ」
講堂の使用許可の第一条件はまず生徒会長の許可が必要だった。これを突破しないとライブどころか講堂の使用も出来ないのだ。周りの言葉に穂乃果が反論する。
「えー! やるよー!」
「待ってください! まだステージに立つとは……」
「先ずは落ち着け、それと場所を考えろ…」
「……出来るの…そんな状態で?」
穂乃果と海未は生徒会室で少し大声で話始めた為、ライが止めるが少し呆れた表情で絵里は言った。
「え? そ、それはダイジョウブです!」
「……(まだ作詞、作曲が…)」
「……新入生歓迎会は遊びじゃないのよ」
絵里は真面目な顔で言う。
……まるで講堂の使用を許可させたくない言い方にライは聞こえた。
「三人が講堂の使用許可を取りに来たんやよ? 部活でも無いのに生徒会が内容までとやかく言う権利は無い筈やん」
「それは……」
突然副会長の希が絵里の言っている事が私情だと判断したのかライブに賛成なのか、どちらにしても真っ当な意見を言った。絵里もさすがに生徒会長としての立場か言い返せなかった。
……そんな時、生徒会室にある人が来た。
「 Good morning 生徒会長殿と――……お取り込み中かな?」
――入ってきたのはレオンだった。……爽やかなのはいいが朝からされては人によっては困る対応だ。
「いえ……とりあえず講堂の使用の許可を許すわ…」
「ありがとうございます生徒会長。皆も行こう、レオン先生の用件も大事なことだから…」
「あ~どうせならお前らもここいた方がいいな……どうせ後でわかる事だから」
ライ達の目的は講堂の使用許可だけだ。生徒会長からの許可を貰ったのでこのまま出ようとしたがレオンの言葉にライどころか全員が疑問を感じた。
「理事長はもう知っているが、今日から音乃木坂学院二人目の男子教師を紹介しようと思ってな……俺の同級生でな……おい、入っていいぞ」
「…………」
レオンの言葉に黒いスーツ姿の男の人が入ってきた。
「……今日から音乃木坂学院の臨時教師として雇われた早乙女黒です。科目は化学を専門にしています。よろしくお願いします」
黒いスーツのせいなのかきれいに言葉を言って威圧感があった。
レオンの性格のせいなのか全く逆に見えたのだ。
……そんな時、最初に口を開いたのは絵里だった。
「あなた――」
「絵里ち? 知ってる人?」
「? 知り合いか?」
「…………」
絵里の言葉に希が質問をする。レオンも絵里の反応を見て黒に質問をする。黒は表情を変えず黙っていた。
「……失礼、私の勘違いだったわ……私は生徒会長の絢瀬絵里です。どうぞよろしくお願いします(どうして昨日の事が)」
「うちは生徒会長副会長の東條希です」
「……こちらこそよろしくお願いします」
二人は自己紹介をする。絵里はどうしてか昨日の怪物と黒い鬼の事が頭に出てきたのだ。黒は絵里の事を知っているが黙っていた。
「せっかくだからこちらの四人も挨拶しとけ。二年生の生徒だ」
「……よろしくお願いします」
レオンの言葉に黒はライ達に挨拶をする。さすがにライ達は身構える。
「初めまして高坂穂乃果です」
「南ことりです。どうぞよろしくお願いします」
「園田海未です。よろしくお願いします早乙女先生」
「蒼馬ライです。レオン先生の知り合いなんですね。よろしくお願いします」
「…………」
レオンの知り合いの言葉のせいか黒は黙ってレオンを見る。レオンは手を振りながらsmile で送った。
「……俺はレオンの様に手伝わせるような事はしないから安心しろ」
「え……はい、わかりました」
ライの方に顔を向け黒は言った。ライはどうしてか困惑しながら返事をした。まるで黒はレオンのような人間では無い言い方だった。
「……それよりもその右手は大丈夫か?」
「え……」
「ほんとだなライ。昨日はそんな包帯してなかったよな」
黒はライの右手の包帯を見て訪ねて来た。二年の三人は知っている……昨日の怪物に襲われて助ける為におった傷だと。
ライはどう答えるか考える。
「……昨日の夕食の料理にちょっとしたミスがあったんですよ……それで…」
「……」
黒はあまり納得していない表情だ。傷は回復していてたいしたことは無いが料理にしては少し変な傷だ。そんな時レオンは言った。
「……まぁ~今日は挨拶だけだからさ…これから理事長に会わせないといけないんだ」
「そうですか……わかりました。それでは早乙女先生、これからよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
二年生の四人は安堵して、レオンと黒は絵里と希に一礼して生徒会室を出た。
「……(何だ……どうしてか普通の先生には見えなかった……部屋を出る時こっちを見てた)」
「ライ?」
自分の名前を呼ばれてライは我に戻る。海未はライを心配してる目で見てきた。
「……何でもないよ海未……それでは生徒会長、僕達も失礼します」
「「失礼しました」」
ライは許可を貰ったので生徒会室を出る。三人も一礼して生徒会を出る。
「……やった~♪」
「何とかなりましたが…」
「何だかレオン先生が来てくれたお陰ですんなり通ったね」
「(偶然か……先生を疑うのは良くないな)……それにしてもこの時期に新しい教師か…」
三人は講堂の許可がおりて喜んでいたがライは呟いた。
三年後には廃校なのにどうして臨時でも教師を雇うのか…。
「そう言えばそうですね」
「私もおかあさんから何も聞いてないな。レオン先生着任前は音乃木坂男性教師初めてのって、言ってたけど早乙女先生は……」
「……(あの時の目……レオン先生に似てたような)」
海未もことりも疑問を感じた。もし自分だったら廃校する高校に志望するのだろうか。
「……わかった! もう廃校はなくなったんだよ!!」
「「……」」
そんな中、穂乃果は閃いたように言った。三人は穂乃果をどこか冷たい目で見ていた。
「アハハ……冗談だよ…」
「……とりあえず目的は果たした。今日も頑張るぞ!」
ライの言葉に皆も気合いが入った。
「ライ…」
「どうした海未?」
気合いは入ったが海未はライに話し掛けた。
「腕の傷はもう大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ海未。傷は深くないし指も動く……問題ないさ」
「そうですか……あまり無理はしないでください」
海未はライを心配してる。さすがにライも心配させないようにしているがどうしてかこうなってしまうのだ。
「わかってるさ海未……それよりも行こう」
「はい!」
いろんなあったが、ライブには少し前進したライ達だったのだ。
――――――――――――――――――
生徒会室が二人になった後、絵里は考えていた。
「……(どうして私、初めて会う人なのにあんな事を言ってしまったの)」
「絵里ちは早乙女先生の事知っていたの? 初めて会った時、知り合いのような反応だったから」
「……知っている人に似てただけよ。それだけ……」
絵里の言っている事は嘘ではない……どうしてか昨日の人と今日の人が同じ雰囲気があったのだ。
「そうなん? 絵里ちにあんな格好いい知り合いがいたんやな」
希の言葉に少し笑っているが、それよりも絵里は不機嫌な顔で希に質問をした。
「…………何故あの子達の味方をするの」
「……何度占ってもそうしろと言うんや……」
「希……」
そう、東絛希いつも持って占ってるタレットカードがあるのだ。絵里はそのカードを見る。
「カードがね……」
希は窓際に立った同時に窓から突然突風が吹いてきた。
「きゃ……」
一枚のカードが壁に貼り付きそのカードはTHE SUNのカードだった。
「カードがうちにそう告げるんや!!」
希は両手を広げて強い風に当たっていても平気のように言ったのだ。
――――――――――――――――――
「…………」
「ん……どうした黒? 急に立ち止まって」
レオンと黒は理事長に会う為、向かっていたが黒が突然立ち止まった。
「いや……強い風を感じた」
「風? ……それもお前の霊感の力か?」
黒は周りの人よりも霊感のある人なのだ。レオンは黒ほどに霊感の力はない。
「副会長のあの子……霊感の強い子だな……あれは珍しいぞ」
「へぇ~占いが趣味なのは知っていたが、霊感は知らなかったな」
「それよりもだ……お前のお気に入りの蒼馬ライだったか?」
「どうだった? なかなかいい生徒じゃないか?」
黒は生徒会室に来る前にレオンからライの事は少し聞いていた。正直聞き流していたが、会った時に違和感を感じたのだ。
「いい生徒だが、右手の包帯に違和感があったな」
「違和感か……確かに料理にしては不自然な傷だったな」
「……まるで刃物の方を掴んだ傷だったな」
「…………」
黒の刃物の言葉にレオンも黙る……昨日は穂乃果にちょっとした質問をして事もあり、確信へと迫る。
「黒、早く理事長室に行こう。時間がない」
「……わかった、行こう」
二人はそのまま理事長室に行くのだった。
――――――――――――――――――
「ちゃんと話したじゃないですか!アイドルの事は伏せておいて、借りるだけ借りておこうと!」
穂乃果と海未は中庭に居た。朝の生徒会室で講堂の使用許可を貰う時に打ち合わせをした筈だが穂乃果の言葉で結果的に許可は貰ったが最悪許可を貰えなかった可能性もあるのだ。
「何で?(モグモグ)」
「う……またパンですか?」
そんな事した穂乃果はパンを食べながら返事をしたのだ……後先考えているのか海未は不安に感じた。
「家、和菓子屋だからパンが珍しいの知ってるでしょ?」
「……お昼前に…太りますよ」
「そうだよね(モグモグ)」
「?」
穂乃果は返事はしたがどこか遠く見ているようだった。
「お二人さん、掲示板見たよ」
「?」
穂乃果達の前に同じクラスの子が三人いたポニーテールのフミコ、二つわけのミカ、ショートのヒデコだ。海未は掲示板の言葉に疑問を感じた。
「スクールアイドル始めるんだって?」
「え?どうしてそれを?」
まだ穂乃果達がスクールアイドル始めたのは一部の人間だけだ。いったいどこでこの三人は知ったのか海未は疑問に思った。
「海未ちゃんがやるなんて思わなかった」
三人はとても嬉しそうに話している。そして海未は誰が喋ったのか考えたがすぐに見当がついた。
「穂乃果、掲示板に何か貼ったのですか!」
「うん♪ライブのお知らせを♪♪」
「えぇッ!?」
穂乃果の行動にまた驚く海未だったのだ。
――――――――――――――――――
「……勝手すぎます、あと一ヶ月しかないのですよ。まだ何一つ出来ていないのに見通しが甘過ぎます」
「でも、ことりちゃんはいいって言ってたよ」
「ライには話しましたか?」
「その時はいなかったから……でも出したのなら仕方がないって言ってたし」
「……」
確かに今回の穂乃果行動には限度があった。一人の部員だけに相談してライブのポスターを貼ったのだから……海未はその時のライの表情がなんとなくわかったのだ。
そんな話をしていたら教室に着き、ことりはスケッチブックで何かを描いていた。ライはどうやら完成を待っている感じだった。
「……こうかな?」
「ことり?」
「後少しで完成だよ海未……ほら」
ライの言葉にことりは描くのを止めてスケッチを見る。
「……うん…こんなもんかな。観て!ステージ衣装考えてみたの」
完成したスケッチを皆に観せた。
それはまるでワンピースをモチーフした衣装だった。
「おぉー! 可愛い!!」
「まるで衣装デザイナーだな」
「……」
二人は本当に誉めていた。海未は黙っているが可愛いと顔に書いてあった。
「ほんと! このカーブのラインが難しいけど何とか作ってみようかなって」
「うんうん♪」
「こ、ことり……」
穂乃果は衣装を素直に喜んでいたが海未は口をパクパクしながら喋った。
「海未ちゃんはどう?」
「え……と……」
「可愛いよね♪可愛いよね♪」
海未も穂乃果と同じに可愛く見えるが、海未はある所を集中して見ている。
「こ、ここの……スーと伸びているのは?」
「脚よ♪」
「……(学生服のスカートよりは短いな)」
確かにスカートにしては短い方だが特に何もないと感じるライだ。
「う……素足にこの短いスカートなのですか…」
「アイドルだもん♪」
「…………」
海未は気にしているのか自分の脚を見る。
「(別に気にするような脚じゃないんだけどな……僕個人として)」
「大丈夫だよ!!」
「!?」
穂乃果は海未の目の前から顔を出し海未はびっくりする。
「海未ちゃん、そんなに脚太くないよ」
「人の事言えるのですか!!」
海未は立ち上がり言う。よっぽど腹が立ったのか恥ずかしいのか。
「あ……ふむふむ…ふむふむ」
穂乃果は自分のを触りながら見る。
「よし! ダイエットだ!!」
「二人とも大丈夫だと思うけど」
「あまり無理するとライブ前に倒れるぞ」
ライの言葉も大事だがことりの言う通り別に悪くないような形だと思うのだがやっぱり気にする年頃なのだ。
「あー他にも決めておかなきゃいけない事たくさんあるよね。サインでしょ? 町を歩くときの変装の方法でしょう?」
「そんなの必要ありません!」
穂乃果はこの時だけ先を読んでいる。普段もそうすればもっとよくなるのに。
だがそれよりも大事なのがあった。
「それよりも……ねぇライ君…」
「そうだなことり……まだグループの名前が無いぞ」
「「…………」」
グループ名の無いスクールアイドル……ライは思うがどうしてグループ名前を決まっていないのにポスターを貼ってしまう穂乃果なのだろうと思ったのだ。
――――――――――――――――――
「それでは早乙女先生、短い期間かも知れませんがよろしくお願いします」
「こちらも教師の経験を学ばせていただきます。よろしくお願いします」
違う時刻、黒は理事長に挨拶するためにレオンと一緒に理事長室に来た。
「それよりもいいのですか? レオン先生もそうですが廃校の学校に勤務して……臨時なのに…」
「理事長、お言葉ですが自分はただ単にこの学校に入学したかったのですが、女子高だったので入学できず共学に変わって教師募集の求人を見つけて来たのです。だから後悔はしていません」
「……自分もレオン先生と大体同じ意見です…………不本意ながら…」
理事長の言葉もそうだが、レオンと黒の言った言葉は本心なのだ。学生時代に見た音乃木坂はとても綺麗な学校だった。
……だが当時は女子校であり、男子が入学は不可能だったのだ。
そして大学に入り、気がつくと共学に変わっており教師の求人もあった為、就職したがその時に廃校の可能性があると言われていたが二人はそれでも志望したのだ。
「そうですか……わかりました。それでは最後にお二人は部活動の顧問はよろしいのですか?」
「「……?」」
理事長の突然の言葉に二人は黙ってしまった。
「去年はレオン先生が校舎の補修をやっていたので言わなかったのですが、一応教師として部活動の顧問も経験しておいたらいいと思いまして」
「確かにそれもいい経験になりますが……」
「突然言われましても……」
黒とレオンは別に運動音痴では無いが突然言われて困ってしまう。
「すぐにとは言いません。今年中に決まって頂ければ大丈夫ですので考えておいてください」
「「…………」」
そう言われてレオンと黒は理事長室を出たのだ。
「さてと……黒はどうする? 部活の方さ」
「別に……理事長はすぐにとは言っていない…自分なりに探すさ」
そう言って黒は歩き出す。
「おい黒……」
「俺は俺のやるべき勤務に入る……お前は人に頼む前に自分のをしろよ」
レオンは黒を呼び止めたが黒の毒舌な言葉を返されてレオン黙ってしまい黒はレオンから離れた。
「……相変わらず変わっていないか……それもそうか……」
レオンは一人呟いたのだ。
――――――――――――――――――
「う~ん……なかなか思いつかないね」
「何か私達に特徴があればいいんだけど……」
「歌う三人の性格はバラバラですし…」
「……この際、何でもいいからアイデアを出そう…それからいい発想が生まれるから」
ライ達はグループ名を考えていたがなかなか思いつかずにいたがライのアイデアの言葉に穂乃果が言う。
「じゃあ単純に三人の名前を使って……」
tttt
『穂乃果、海未、ことり』
『『どうも~』』
『穂乃果!!』
『海未!!』
『ことりで~す!!』
三人が一つのマイクがあるステージで赤い服と青い服と黄色い服のキラキラ輝く衣装を着て蝶ネクタイを付けた三人がイメージで現れた。
tttt
「漫才ならいいが、アイドルだぞ」
「だよね…あはは……そうだ!!」
ライの言葉に却下されたが穂乃果がまた新しいアイデアを出した。
tttt
『海未ちゃんが海!!』
『ことりちゃんは空!!』
『穂乃果は陸!!』
海未が船の提督。
ことりは空のパイロット
穂乃果は陸の兵隊
『名付けて……陸・海・空!!』
『『守れ! 市民に平和を!!』』
tttt
「……どこぞの地球防衛軍か…」
ライにはアイドル募集どころか入隊募集のイメージに感じた。
「全然アイドルぽく無いよ、穂乃果ちゃん」
「だよね……ライ君は!!」
「え?……」
「ライ君から見て私達はどう見える!!」
穂乃果が突然ライに訊いてきた。どうやらライの言葉にいいアイデアが生まれると穂乃果は考えた。三人がライに集中する……そしてライは考える。
「……(僕から見てか…………
……革命――――
いかんいかんいかん!! ありえない!)……まぁ、ここは……」
――――――――――――――――――
「提案箱にしよう」
学園の誰もが通る廊下にグループ名のアイデアの募集の箱を置いた。箱はレオン先生から特に使っていない、いい箱を貰った。
「丸投げですねライ…」
「おぉ! 流石ライ君!」
「だがこれで少しは注目するぞ」
ライの考えは丸投げではあるが、イメージや発想、募集の言葉に思いついたアイデアなのだ。この学校の中では誰でも目にする物なので自分達で考えるよりはいい発想であった。
「そうかもね」
「よぉーし、次は歌と躍りの練習だ!!」
「……(これで歌と躍りの段階に入れるのか……だが…)」
この後、ライの考えが的中したのは言うまでもない。
――――――――――――――――――
このあと学校を一回りしたがどこも運動部使っているか空き教室は鍵が掛かっていた。
そして、先生からは鼻で笑われた……。
「……結局ここか」
誰も使っていない場所で広い所……それは屋上だったのだ。
「でもここなら音も気にしなく済みそうだね!」
「はい!」
「うん!」
三人はまるで火がついたかのように気合いが入り練習に入るのはいいが……
「よーし! 頑張って練習しなくちゃ!!」
「…………」
ライだけは火がついていなかった。
「まずは歌の練習から」
「「はい!」」
そして三人は静まり、黙ってしまう。さっきの火が一気に燃え尽きてしまった……。
「……曲は?」
「私は知りませんが……」
「……私も」
「……作詞と作曲は決まってないのか?」
ライの言葉に三人はポカンとした。ライは心の中で自分もマネージャーとして色々と抜けがあり自己嫌悪になった。
数分後……
「……簡単に言うと作詞は歌にしたい詞を書くことだ。作曲は書いてある歌詞に曲をつけることだ。どっちから先に始めるかは人それぞれ決まっていないが、一例として作詞の人がまず歌詞を書く……その書いた詞が楽しい、悲しい、喜ぶを感じさせるような言葉になる……それを作曲の人がそれを音楽に合わせて繋げて歌になる……それが作詞と作曲の違いだ。わかったかな?」
ライは三人に分かりやすく説明をした。ライも専門ではないため、正直内心不安だった。
「ライ君、何でも知っているんだね。まるで辞書みたい」
「辞書って……でもライ君が音楽の事に詳しかったのはことり知らなかった…」
「…………別に読んでいた本に書いてあった事をそのまま言っただけだ…」
「……」
ライの言葉に穂乃果とことりは納得したが、海未は幼い頃ライは歌詞と作詞の事は知らないが楽器が好きだったのは知っていた。
「……それよりも海未は弓道の時間だろ? …遅れてもいいのか?」
「もう、そんな時間なんだ早いね。穂乃果ちゃん今日はどうする?」
「よし! 海未ちゃんは後で家で集合ね!」
「……わかりました。それでは途中まで一緒に行きますか?」
ライはいつも通りに言葉を発しているが、海未にはどうしてかことりの言葉からか暗い表情があったのだ。
……海未は部活があるので、三人は先に穂乃果の家に行こうとするが放送がなる。
『あー、生徒の呼び出しを申し上げます……二年生の蒼馬ライ、校舎に居るのであれば数学準備室に来るように……以上』
この放送の声で少なくともこの四人にはわかったのだ。
「……すまない、行ってくる……後から行くから…」
「ライ君、待ってるからね~!」
穂乃果は応援するがライは憂鬱した顔をしながら数学準備室へ行くのだった。
「海未ちゃん、ライ君あんな顔してるけど去年と比べると明るくなってよかったね」
「ことり……そうですね」
ことりの言葉に海未は同意した。去年のライは高校入学前に家族を無くし、皆で立ち直らせたが高校入っても暗いことがあった。
そんな時にレオン先生と出会って、校舎の手伝いを手伝ったのか手伝わされたのかわからないが、今のライがここにいる。その点に関してはレオン先生に感謝していた。
――――――――――――――――――
「……アイドル…」
――彼女の名は小泉花陽……髪型はショートボブで少し変わった茶色に近い色。
掲示板に穂乃果が貼り付けた初ライブのポスターを見つめてる一人の少女がいた。
「かーよちん♪」
「! ……凜ちゃん!?」
オレンジ色のショートカットの女の子、星空凜だった。
「どうしたの?」
「な、何でもないよ……」
花陽はアイドルのポスターを見ていたんだが、凜に言えなかった。
「さ! 帰よ♪」
「うん…」
凜はそのまま玄関へ向かうが花陽は少しだけポスターを見てたが、後ろから誰だかわからないがもの凄い気配を花陽は感じた。
「何これ……」
「さ、さぁ……」
花陽の後ろに立っている女の子は黒髪のツインテールの髪型だ。目の色が赤く、背が小さいがリボンの色が緑だから三年だ。
「おや? 花陽と……にこか? 珍しい組み合わせだな」
二人がポスターを見てる中、レオンが現れたのだ。
「あ……レオン先生…」
「ゲッ! レオン先生!」
「……何だか全く正反対の反応だな…」
レオンからすれば尊敬されてる生徒と敵視とされてる生徒に見えた。
「花陽は興味があるのは知らなかったが、にこは確か……」
「よ、余計な事は言わないでよ!」
「おい! にこッ!」
レオンは叫ぶがにこは走って玄関へ行ってしまった。
「……俺も話でしか知らないが……それよりも花陽はどうした? もしかして興味があるのかな?」
「え!? ……いや……その…」
レオンとにこは去年、少し手を焼いた生徒であり、花陽はレオンから見て控え目の子が印象に残り覚えていた。
「レオン先生……自分が廃棄物を置きに行くよう押し付けておいて、先生は生徒に何をしているのですか…」
「ライ? 別に何もしてないぞ。……それよりもこの子はお前達のポスターを見ていたぞ」
ライは放送の呼び出しの後、レオンからの手伝いで廃棄物を置きに行ったのだが帰り道にレオンと少し顔を赤くしている生徒が会話している所をライは見たのだった。
ライはさすがにレオン先生が生徒をナンパをする筈がないと思い、話を戻した。
「……それよりも君はポスターを見てたのかな?」
「え……あ、はい…」
人見知りがある子だとライは感じた。
「僕は二年の蒼馬ライ……君は?」
「私は……小泉、花陽……です…」
声は小さかったがライは何とか聴こえた。
「先輩は……」
「ん?」
「先輩は……スクールアイドルが、好きなんですか?」
「あぁ……それは――」
「こいつが音乃木坂学院スクールアイドルのマネージャーだよ、小泉さん」
「え!? そうなんですか!」
花陽はライがスクールアイドルが好きなのか訊こうとしたが先にレオンが答えて、マネージャーの言葉に花陽は驚いた。
「……そんなに驚くのか?」
「ポスターには三人しかいなかったので……」
花陽の言葉にライは思った。
確かにポスターには三人しかいないが、マネージャーも絵に現すのはさすがにライも違和感があった。
「かよ~ちん!! どうしたの~!」
そんな時に少し離れた所から凜が手を振りながら花陽を呼んでいた。
「あ……それでは、私は…」
「気をつけて帰るんだぞ」
「よかったらライブ来てね」
二人の言葉に花陽は一礼して凜の所へ行った。
「……さてと……俺達も早く行くか」
「俺達って……僕は巻き添えみたいなものですよ…」
ライの言葉にレオンをジト目で見る。
「……そう言うな…弓道部の終わる時間には帰らせるから」
「……どうしてその時間なんです?」
ライはさらにジト目で見る。
「何でって……終わったら穂乃果の家に行くんだろ?」
「行きますけど、どうして弓道部の終わる時間に行かせるんですか?」
その言葉にレオンは軽く目を細めて言う。
「いくら夕方に部活が終わると言っても、女の子一人で穂乃果の家に向かわせるのか? 最近物騒だろ? ……不可解な事件とかさ…」
レオンの言葉にライはさすがに表情を崩してしまう。
「……そうですね…確かにそうですね……ありがとうございます」
ライはレオンの言葉に頷き歩いた。
「……できれば疑いたくないのだが――」
レオンの言葉はライの耳に届かず、レオンはライの背中を追いかけたのだった……。
――――――――――――――――――
「かよちんどうしたの? レオン先生ともう一人……先輩だったよね?」
「え……部活のことを聞かれただけだよ」
レオンとライから離れた花陽は凜と共に玄関へ向かっていた。そして凜は後ろ向きで歩きながら話し掛けた。
「へぇ~部活決めたかにゃ?」
「それは……あ! 凜ちゃん!?」
「え……にゃ!?」
凜が後ろ歩きしてるせいか、曲がり角から誰かが来て凜とぶつかる。
「……余り後ろ向いて歩いていると怪我をするぞ…」
相手は今日着任した黒だった。
「あ……すみません…」
「ごめんなさい……」
「まぁ、生徒が元気だからいいが……ほどほどにしろよ…」
黒はそう言って立ち去ろうとするが、花陽の前に立った。
「…………」
「え……あの…」
今日来た新人教師で目付きが鋭く、人見知りの花陽には怖い人が目の前に立っているように見える。
「……すまない、怖がらせるつもりは無いが……この顔でな…」
「え……」
黒は少し目線を逸らして考えて、一言言った。
「……君はもう少し堂々としたらどうだ……そうすれば君は変われるぞ」
「……」
黒は花陽に言って去っていった。花陽は黒の背中を見ていたら、凜が側によって来た。
「かよちん大丈夫? あの人、今日来た新しい先生だよね」
「うん……早乙女先生…」
「何だかよくわかんなくて、怖い人みたいだにゃ」
「……そうかな」
「にゃ?」
凜は明らかに黒先生を怖がっていたように見えたが花陽ははっきりと怖い人じゃないと言った。
「……確かに怖い人に見えるけど、何だか凄く……優しくて……悲しい…」
「かよ……ちん?」
「何でもない……帰ろ」
凜はいつもと違う花陽だったが、そのまま玄関へ向かう。凜も少し遅れて追いかけた。
……この時の凜は気づかなかったが、花陽の心は少し元気になったのだった。
――――――――――――――――――
ライはレオン先生の約束通り夕方に帰らせた。海未がいる弓道部の方へ行って、そのまま一緒に穂むらへ行った。
ガラガラガラ
「あら! 海未ちゃんに……蒼ちゃんじゃない!! 久し振りね!」
穂むらの店番をしている人は穂乃果の母親であり穂むらの接客と会計をしている人。ことりの母もそうだが、年齢のわりに本当に若く見える人。
海未は何度か来ているが、ライは随分と久しぶりに来た。
「お久しぶりです」
「こんばんわ、穂乃果は?」
見た目は余り似ていないが、お団子のつまみ食いしている姿を見たら、やっぱり親子だなとライは感じた。
「上に居るわよ、そうだ! お団子食べる? 蒼ちゃんも久しぶりにどう?」
「いえ、結構です。ダイエットしないといけないので」
「僕も遠慮します。ダイエットしてる人がいるのに僕だけ食べるのはよくないので…」
「あらそうなの? ……それにしても蒼ちゃんは昔は女の子みたいな顔立ちだったのに、今ではすっかりいい男になったわね! うちの穂乃果のお婿さんに貰いたいわ!」
「え……」
「!?」
突然の言葉にライは言葉を失い、海未は驚いている顔になっていた。
「でも……もう予約がいるみたいだね」
「予約? ……??」
「も、もう! 早く行きますよライ!!」
穂乃果の母は海未を見ながら言って、ライが予約の疑問になったが、海未は顔を赤くして「お邪魔します」と言って、上に行く。ライは一人考えていたが、穂乃果の母に一言告げて上に行った。
「あらあら……若いって、いいわね~」
穂乃果の母は笑顔で二人の背中を見送った。
――――――――――――――――――
その後、二人は穂乃果の部屋に入ったのだが、最初の光景が……
「「海未ちゃんライ君いらっしゃい(モグモグ)」」
「「……」」
二人は学校で言った言葉を忘れているのか、ナチュラルに団子を食べていたのだ。
「お団子食べる?」
「今、お茶入れるね」
海未がムッとしているのに穂乃果はお団子食べて、ことりがお茶は入れていた。
海未とライは腰を下ろし海未は言う。
「あなた達……ダイエットは……」
「「あ……」」
「……何だかいずれ大変なことになりそうだよ…」
二人は今気づいたのか、食べたものはしょうがないとライは思った。
「努力しようとする気は無いようですね……それで曲の方はどうなりました」
「うん! 一年生にすっごく歌の上手い子がいるの。ピアノも上手できっと作曲も出来るんじゃないかなって……明日訊いてみるんだ」
「……(一年生でピアノが上手い子……やはり――)」
穂乃果はどうやら一年生にピアノが上手い子を見つけたようだ。ライも知っている子かも知れないが、今は告げず穂乃果は言葉を続ける。
「もし作曲をしてもらえるなら作詞は何とかなるよねって、さっき話してたの」
「ん? 作詞は大丈夫なのか?」
「確かに……何とかですか?」
作詞の事にライと海未は疑問が出たが、穂乃果はことりの方を見る。
「ね! ことりちゃん!」
「うん! 穂乃果ちゃん!」
すると同時に二人は海未に顔を近づけてきた。
「「うふふふ…」」
「な、な、何ですか?」
「? 何だ?」
二人は海未に近づき、海未は身構える。ライは何が起きるのか様子を見る。
「海未ちゃんさ、中学の時……ポエムとか書いた事あったよね~」
「え……」
「詠ませてもらった事もあったよね~」
「……そう言えば読んだことがあったな」
ライはあの時、海未から読んでほしいからと読んで感想を言ったのだが、海未はどうしてか怒っていた。
「……(あのポエム……確か好きな殿方がいるから想いを伝えたが、友情だと間違われてしまうような内容だったな……想いを伝えた女の子が可哀想だと言ったら、海未が怒っていたんだよな……おや?)」
「ッ!」
ライは思い出を考えていたら、海未は脱走した。
「逃げた!!」
「あ、捕まえなきゃ!」
穂乃果とことりが海未を捕まえに廊下に出た。
「やめてください!! 帰ります!!」
「海未ちゃん! いいでしょう?」
「ねえねえ海未ちゃん!!」
「よくありません!!」
ガタンッ! ゴトンッ!
「…………この漫画……一度読んでみたかったんだよな」
三人が廊下で激戦を繰り広げている中、ライは一人漫画を読んでいた。
数分後……
「お断りします!」
「え!? 何で何で!」
「海未ちゃん…」
「う……絶対に嫌です」
二人は何とか海未を部屋まで連れてきたが海未の答えは変化無しだった。
「中学の時なんて思い出したくないくらいに恥ずかしいんですよ」
「アイドルに恥捨てだって言うじゃない」
「言いません!!」
「でも、私衣装作るのに精一杯だし…」
「そうだよな……僕も余り専門の分野じゃないし…」
ライもさすがに作詞は難しい物だった……マネージャーとしての仕事は出来るのだがライはどちらかと言うと、音楽を弾く方が好きなのだ。
「穂乃果がいるじゃないですか……言い出したのはあなたなのですよ」
「いや~私は――」
そうだった、忘れてた。
tttt
小学生の頃……
「おまんじゅう、うぐいすだんご 、もうあきた!」
tttt
「(五七五の俳句になっているか、今でもわからないな)……」
小学生がとんでもない事を言っている俳句だったのだ。
「無理だと思わない?」
「う……それは……」
海未もあの俳句を思いだし、さすがに作詞を任せたくない……。
「お願い! 海未ちゃんしかいないの!」
「私達も手伝うから、何か元になるような物だけでも!」
「海未……僕も出来る限りの事をするから、頼むよ……」
「ライ……ですが……ことり?」
ライの言葉に海未も揺れたが、ことりの様子に変なのか海未はことりの方を見る。
……ことりは左手を胸に当てて言った……
「……海未ちゃん…
お願いッ!!!!」
まるで宇宙にまで響くようなお願いであった。
「な!? ……もう…ずるいです、ことり……」
肩をがくりと下げ海未は負けた。
「まるで、魔法だな……」
「「やった!! 」」
ライはことりの超能力のように感じ、「イエイ!」 と、二人は言う。
「そう言ってくれると思ったんだ!」
「ただし……」
海未は立ち上がって、決意した目で言う。
「ライブまでの練習メニューは私とライが作ります!」
「「練習メニュー??」」
「……確かにこれはアイドルとして必要な条件だな」
ライはパソコンでA-RISEのライブの映像を穂乃果とことりに見せて海未が説明する。
「楽しく歌っているように見えますが、ずっと動きぱなしです。それでも息を切らさず笑顔でいる……かなりの体力が必要です。穂乃果、ちょっと腕立て伏せしてもらいますか?」
「? いいけど…」
穂乃果は腕立て格好になった。
「こう?」
「……それで笑顔を作って下さい」
「う、こう?」
「そのまま腕立て伏せ出来ますか?」
穂乃果は笑顔で腕立て伏せをやっているが表情が崩れてくる。
「……う……あう………うわぁ! いったーい!!」
鼻を床にぶつけ手で押さえ、床でゴロゴロしてる。
「弓道部で鍛えてる私と体力のあるライはともかく、穂乃果とことりは楽しく歌えるだけの体力をつけなくてはなりません」
「そっか、アイドルって大変なんだね」
体力の言葉に穂乃果とことりは自分の体力に痛感した。
「はい……ですから……」
「……朝練が始まるぞ、二人とも」
ライの朝練の言葉に穂乃果とことりの顔は青くなっていた。
――――――――――――――――――
「「ハァハァ…」」
神田明神の階段で穂乃果とことりは走る
。
上まで行き海未持っているタイマーの所まで二人は走る。ライは二人の記録を取っていた。
「ひぃ、きついよ……」
「もう足が動かないよ…」
二人は階段を登りきった後、息を切らせながら、地面に付いていた。
「これから毎日、朝と晩ここでダンスと歌と別に基礎体力をつける練習をしてもらいます」
「1日2回も!!」
「えー!!」
「そう言うな……これも生徒を集めるライブの為だぞ」
「そうです、やるからにはちゃんとしたライブをやります。そうじゃなければ生徒は集まりませんから」
ライと海未のライブの言葉に二人は何とか返事だけはした。
「……はーい」
「よしもう1セット!!」
「よし!頑張ろう!!」
「ん?」
皆がやる気を出した中、ライは気配を感じて後ろを見る。巫女服の人が近づく。
「君たち……」
「……副会長さん?」
「そうや」
「その格好?」
ライ達の後ろに立っていたのは音乃木坂学院の生徒会副会長を務めてる、東條希だった。けど服装は巫女服だったのだ。
「ここでお手伝いしてるんや。神社はいろんな気が集まるスピリチアルな場所やからね……四人とも、階段使わせてるんやからきちんと参りくらいしてきいな」
練習を終わらせた四人は帰り際にお参りにをした。
「初ライブが上手くいきますように!」
「「上手くいきますように!」」
「……」
三人は声を出したがライは黙っていた。
「ライ君は声出さないの?」
「黙っていた方が効果があると思ったんだよ……それよりも学校に行かないと」
ライはまだ遅刻にならないが一足先に学校に向かった。穂乃果達も追いかけた。
「あの四人……本気みたいやな……でも…」
――――――――――――――――――
生徒会室……
「…………」
絵里はパソコンにある画面を開いてる。
『音ノ木坂学院アイドル部』
絵里はその画面を真剣な目で見ていた。
「……どうだ絢瀬? 君の要望通りに作ってみたが…」
「えぇ……ありがとうございます早乙女先生」
そしてもう一人、黒が生徒会室にいた。
「いや……俺は出来る事をしたまでだ……君も作ることは可能のだろうが、少し派手にするのは専門な知識がいるからな」
黒は絵里に提出する書類を生徒会室に来たが、絵里が何やら困っている表情をしていた為、黒が事情を聞き今に至る。
「ですが着任したばかりの先生にこんな事をさせてしまって、申し訳ございません」
「気にしなくていい……学校存続の為に提案を出しているみたいじゃないか……これも君の案か?」
「それは……」
黒の質問に絵里は答えられなかった。これは絵里の独断の案だったのだ。
「……俺も時間を見て生徒会の手伝いをしよう……よろしいかな、絢瀬?」
「え……いいのですか? まだ覚えることが多い先生がそんな……」
絵里の言う通り黒はまだ学校の事を覚えることが多い身だ。手伝ってくれるのはありがたいが、絵里も断るが…
「俺も毎日とは言わないが、手伝える時間があれば生徒会室に来るさ……」
「あ……」
絵里が答える時間もなく、黒は生徒会室を出た。そして生徒会室は絵里一人になる。
「……どうして来て間もないのに、手伝ってくれるのかしら…」
絵里は早乙女先生と関わったのは短いが、はいい人ではある……けど、時々わからなくなるのだ。
黒は時々悲しい顔になる瞬間があるのだ。
――――――――――――――――――
「失礼します!」
穂乃果と海未とことりは一年生の教室に訪れていた。
突然の来訪者にクラスに居る生徒が三人に注目する……その中に花陽と凛も居た。
「一年の皆さんこんにちわ! スクールアイドルの高坂穂乃果です!!」
「…………」
穂乃果の言葉に教室にいる生徒はしーんと静まっている。
「……あれ? 全く浸透してない?」
「当たり前です!!」
海未は恥ずかしい顔をしてる。
「それで、穂乃果ちゃんが言ってた歌の上手な子は……」
ガラッ
「あ!」
ことりは穂乃果が言ってたピアノが上手な子を聞こうとしたが、扉から一人の生徒が入ってきて穂乃果が動いた。
「あなた! ちょっといい?」
「え……私?」
「お断りします!」
「お願い、あなたに作曲してもらいたいの」
「……お断りします!!」
場所は教室から屋上に移動して穂乃果がさっそく勧誘したが、即答に断られる。断られたせいか穂乃果は変な質問をする。
「……もしかして作曲とか出来ないの?」
「ムッ! 出来ないわけないでしょう!! ……ただやりたくないんです、そんなもの…」
穂乃果の質問に真姫は少し怒った顔して言ったが、最後の表情は悲しかった。
「学校に生徒を集めるためだよ! その歌で生徒が集まれば…「興味ないです!!」…あ……」
そう言って真姫は屋上から出るが……
ガチャ……
「すまない、遅れた……? 君は…」
「ヴェエ! な、何でここに……」
「あれ? 二人とも知り合いなの?」
一度だけライと真姫は会っていた。
三人は知らなかったが、ライが説明をする。
「え~と……つまり二人は一度音楽室に会っていたってこと?」
「ま~そうなるな」
「……」
ライの説明に三人は納得して真姫は黙っている。そしてライも穂乃果を作詞のお願いを断られた所まで聴いた。
「でもライ君の知っている人だったなんて言ってくればいいのに…」
「……知っている人でも会ったのは今日で2回目だよ、ことり」
ことりの言葉にライは答えるが、真姫の方に向かい合う。
「……西木野さん、僕からもお願いします。スクールアイドルの作詞になってください」
「…………」
ライの真剣なお願いに真姫は黙っている。そして答えた。
「……お断り、します…」
「待ってくれ!」
真姫は扉を開け、閉めようとするがライの言葉に動きが止まった。
「……今の答えとあの時のピアノを音は全然違うぞ……今の答えは本音なのか?」
「…………」
バタンッ! ……
ライの質問に答えず、真姫は教室へ行った。
「……お断りしますって 、海未ちゃんみたい…」
「あれが普通の反応です」
海未の言葉もそうだが、ライは真姫の事を考えていた。
「(音楽は好きな人なのに……どうして)……断られてしまったな……どうしようか…」
「はぁ~、せっかく海未ちゃんが作いい歌詞作ったのに」
「!? 駄目です! 」
海未は穂乃果が持っている紙を奪おうとしている。
「何で! 曲が出来たら皆の前で歌うんだよ!!」
「それはそうですが!!」
二人の争いをライが止めようとするが扉から気配を感じてライは来客の人を見たあと、二人を止めた。
「おいおい二人とも、周りを見ろ……」
「「え?」」
「……ちょっといいかしら……」
来客は生徒会長の絢瀬絵里だったのだ。
――――――――――――――――――
「逆効果……か…」
穂乃果は今、授業中だか頭の中は生徒会長に言われた事思い出していた。
「スクールアイドルがなかったこの学校でやってみたけど、やっぱり駄目でしたとなったら皆はどう思うかしら?……私もこの学校は無くなって欲しくない……本当にそう思っているから簡単に考えて欲しくないの」
「……そうかも……私ちょっと簡単に考え過ぎだったかも」
「やっと気付いたのですか?」
場所は中庭で三人は生徒会長に言われた言葉を考えていた。穂乃果も海未の言葉に改まって考えて言ったのだ。
「……でも、ふざけてやろうっていった訳じゃないよ、海未ちゃんのメニュー全部こなしているし……おかげで足は筋肉痛だけど…」
「確かに頑張ってはいますが、生徒会長が言った言葉はちゃんと受け止めなくてはなりません」
「そうだよね……後、1ヶ月しか無いもんね」
そう……後、1ヶ月も無いのだ。それなのに歌う曲も決まっていないのだ。
「ライブをやるにしても歌う曲くらい決めないと……」
「今から作曲者を探している時間はありません……歌は他のスクールアイドルの歌しかありません」
「そうだよね……」
「………?」
ふと、穂乃果は周りを見る……二人も周りを見るが特に何もない。
「穂乃果? ……どうかしましたか?」
「…………ライ君はどこ?」
同時時刻……
「これは?……!?」
ライはアイドル名募集箱の中身を確認しに来たら、一枚だけ入っていた。
――――――――――――――――――
「入ってた!?」
「ほんと!」
「見せて見せてライ君!」
「あったが一枚だけだぞ」
ライは教室に戻り、三人に報告して一枚の紙をめくる。
「みゅーず?……??」
「……たぶんμ'sじゃないかと…」
「あー石鹸!」
「違います」
穂乃果の間違いを海未が注意し、本題に戻る。
「おそらく神話に出てくる女神からだと思います」
「……歌う女神でもある……」
そう……ライの言う歌の女神でもあるが……
「へー……そうなんだ」
「……いいと思う。私は好きだな!」
「……」
「ライ?」
穂乃果とことりは気に入っているが、ライは黙っていた。そんなライを海未が声を掛ける。
「いや、なんでも……μ'sか……いい名前だな…」
「うん! じゃあ今日から私達はμ'sだ!!」
穂乃果達は喜んでいるが、ライはどうしてか胸がモヤモヤしていた。
「……(どうしてだろう……歌う女神……この言葉が頭に残るんだろう…)」
アイドル名が決まって喜ぶが、ライはどうしてか胸に何かが引っ掛かったままだったのだ。
――――――――――――――――――
「……」
花陽はお昼の事を考えていた。そんな中、凜が声を掛ける。
「かよちん帰るかにゃ」
「う、うん……あれ?」
花陽は凜に連れられて帰ろうとしたが、穂乃果が一年の教室を開け、誰かを探していた。
「やっぱいないか……」
「どうかしましたかにゃ?」
穂乃果が呟いた後、凜が声を掛ける。
「あ、あの子は?」
「あの子?」
「……西木野さんじゃないかな…歌の上手い」
凜はあの子の言葉にわからなかったが、花陽は誰のことかすぐに浮かんだ。
「そうそう、西木野さんって言うんだ!」
「あ、はい! ……西木野、真姫さん…」
穂乃果は名前をやっと知って喜んでいる。
「用があったんだけどこの感じだともう帰ってるよね……ガックシ」
「音楽室じゃないですか?」
「え? 音楽室?」
穂乃果が落ち込んでいたら凜が真姫が居そうな場所を言った。音楽室の言葉に穂乃果は疑問になった。
「あの子、あまり皆と話さないんです。休み時間はいつも図書館だし放課後は音楽室だし」
「そうなんだ…(何か、寂しいな…)……二人ともありがとう!」
凜の説明に穂乃果は何だか寂しくなった。けど、居場所がわかったので二人にお礼を言って音楽室に向かう。
「あ、あの!……頑張ってください、アイドル…… 」
「! ……うん! 頑張る!」
音楽室へ走ろうとしたが、花陽の応援の言葉に穂乃果は気合いが入った。
――――――――――――――――――
真姫は音楽室のピアノを弾いて一息ついていた。
「……(やっぱりあの先輩の言ってた通り、音楽は……)…?」
真姫は扉から視線を感じて見ると……
パチパチパチパチパチパチ
「ヴェエ!!」
正体は二年の高坂穂乃果だ……いったいこの顔はどんな時に使う顔なのだろうと感じてしまう。
「何の用ですか?」
真姫は退屈そうな言い方をし足を組んで座っている。
……高校一年にしてはセクシーな足だったのだ。
「やっぱりもう一回お願いしようと思ってね」
「しつこいですね!」
「そうなんだよね……海未ちゃんにいっつも怒られて…」
真姫はハッキリと言ったが、穂乃果はまだ諦めない様子だった。ここで真姫は正直に言った。
「私……ああいう曲一切聴かないから……聴くのはクラシックとかジャズとか…」
「へぇ……どうして?」
「軽いからよ! ……なんか薄っぺらくて…ただ遊んでるみたいで…」
確かに音楽が好きな人から見たら、馬鹿にしてる人に見えるかも知れない……それよりも真姫はあの先輩がどうして一緒に居るのかがわからなかった。
「あはは……そうだよね…私もそう思ってたんだ。なんかこう、お祭りみたいにパァー!! って、盛り上がって楽しく歌っていればいいのかなって」
「?」
真姫はどういう意味と感じたが穂乃果は続いた。
「……でもね…結構大変なの…」
「……(どうしてだろう……何か…)」
「ねぇ、腕立て伏せ出来る?」
「はぁ!!」
真姫は穂乃果の言葉を何かを感じていたが穂乃果は突然顔を近づいては変な事を聞いてきた。
「出来ないんだ~」
「ヴェエ! …出来ますよ! そのくらい!!」
穂乃果が物凄くニヤニヤしてきたので真姫は負けず嫌いなのか勢い良く答えた。
「1……2……3……これでいいんでしょう!!」
「おぉ! 凄い。私より出来る」
「当たり前よ! 私はこう見えても……「ねぇ、それで笑ってみて?」…わ、笑う? 何で?」
「いいから、お願い」
真姫もどうしてだか、笑顔でやってみた。
「……う……う…う……うぅぅ…」
真姫は笑顔でやっていたつもりだが、だんだんと変顔になっていた。
「ね? アイドルって大変でしょう?」
「何の事よ! 全く……」
「はい! 歌詞」
「え……」
真姫は立ち上がり少し怒る。そして穂乃果からは一枚の紙を渡された。
「一度読んでみてよ」
「だから私は……」
「読むだけならいいでしょう? 今度聞きに来るから……その時駄目って言ったら、すっぱり諦める」
「……答えが換わることは無いと思いますけど…」
穂乃果は押しつけたように渡していたが、真姫は紙を受けとる。
「だったらそれでもいい……そしたらまた、歌を聴かせてよ」
「え……」
「私、西木野さんの歌声大好きなんだ。あの歌とピアノ聴いて感動したから、作曲お願いしたいって思ったんだ!」
「……」
とても真剣な目で言われて真姫は何も言葉を返せなかった。
「毎日、朝と夕方で階段でトレーニングしてるから良かったら遊びに来てよ!」
そう言って穂乃果は音楽室から出ていった。
「……」
――――――――――――――――――
「……」
真姫は帰り道、神社へ行き練習の様子を見ていた。
「もうだめー!! ハァハァ…」
「ハァハァ……もう動かない…」
「駄目です! まだ2往復残ってますよ!
……それとも諦めますか?」
「……ここで諦めてたら、スクールアイドルの一歩にも入っていないぞ」
二人の言葉に穂乃果は歯を食い縛りながら行った。
「もう! 海未ちゃんとライ君の悪代官!!」
「それを言うなら鬼教官だよ……」
「……(先輩達…)」
真姫が階段の下から練習の様子を見ていたら、真姫の背中から何かの手が迫っていた……。
その手は真姫を……
「キャー!!」
「何? 悲鳴?」
「何だろう?」
「! 皆はここに! 僕が戻らなかったら警察を!!」
「あ、ライ!」
ライは海未の返事も聞かずに階段を下りた。
「何だ奴らか? だが気配が何も感じない…………気配? そう言えば人形の時はどうして……」
ライがそう思っていると悲鳴が聞こえた曲がり角を曲がったら、それは見えた……。
「……(何だ、この状況は)」
ライは何がどうなったかわからなかった。
目の前には二人の女の子がいた。
一人は赤髪の西木野真姫と二人目は巫女服を来た紫の髪の東條希だった。
……だが生徒会副会長の東條希は一年の西木野真姫の胸を揉んでいた。
「……えーと……何してるんですか、東條先輩…」
「そうよ! 何すんのよ!!」
「……まだ発展途上と言ったところやな」
「ハァ!!」
「? 発展??」
希は自分が何をしているのか気づいてないのか平然に答えて真姫は希から離れて向き合う。
「でも望みは捨てなくて大丈夫や。大きくなる可能性はある」
「何の話!!」
「……(望み? 大きく?)…全くわからん…」
女の子について、この男にはまだ難しい領域だった。
「……恥ずかしいんなら、こっそりとする手もあると思うんや……」
「? ……だから何――「わかるやろ…」……」
そう言って希は階段の方へ向かう。
「さて……うちは先に行くで蒼ちゃん……」
希はライが幼い頃に呼ばれていた名前を呼ばれた。
「……それ、誰から聴いたんですか?」
ライの質問に希は答えず、上へ向かった。
そしてライは真姫の方に顔を向ける。さっきの光景を見て、どう話し掛ければいいのわからなかった。
「……え~と、大丈夫かな? ……怪我はないみたいだと…」
「……別に大丈夫です…」
ライの質問に真姫は顔を少し赤くして答えた。
「先輩は……どうして活動しているのですか?」
「え? どうしてって……」
「あんまりこういう活動はしないように見えたので……」
確かに真姫から見たら、ライのような人は生徒会に居そうな人に見えたのだ。
「僕は出来る事をやっているだけだ……もし諦めるなら諦めるし、諦めないなら諦めない……それだけだよ」
「……」
ライは笑顔で言った。真姫は笑顔で言ったのかまっすぐな言葉なのか、言葉がでなかった。
「え~と、変なこと言った?」
「……いいえ……なんとなくわかりました……今日は失礼します」
「…………」
真姫はその場から去っていったが、ライは引き止めなかった……何故なら真姫の顔からは決意した表情に見えたからだ。
―――――――――――――――――
「行ってきまーす!!」
「お姉ちゃーん! これお姉ちゃんの? 宛名が無いんだ……ミューズって書いてあるけど……」
「え?」
次の日の朝、穂乃果は家を出て学校に行こうとしたが二階にいる雪穂が穂乃果を呼び止めて、穂乃果宛の物を受け取った。
穂乃果は中身を見たら、一枚のディスクを受け取り本当に宛名が無かった。
「? ……!? これって…」
宛名が無かったが裏にμ'sと書いてあった。
――――――――――――――――――
「これが穂乃果言っていたディスクか……」
「うん……」
穂乃果はディスクを学校に持ってきて皆に話した。そして学校の屋上でそのディスクをパソコンに入れて皆で見ようとしている。
「いくよ……」
「「うん……」」
「……」
そして音楽が再生する……。
I say...
Hey,hey,hey,START:DASH!!
Hey,hey,hey,START:DASH!!
「こ、この歌声……」
「……(西木野さん…)綺麗だな…」
……本当に綺麗な歌声だった……
「うん、凄い……歌になってる」
「私達の……」
「……私達の歌が…」
「? これは……」
ライは画面の右下にアイドル部μ'sの票にrankが表示され票が入った。見ている四人が明るくなる。
「……さぁ! 練習しよう!!」
「「うん!!」」
穂乃果の顔が笑顔になり、立ち上がった。ことりと海未も元気良く立ち上がり躍りの練習に入る。ライも立ち上がり、空を見る……雲がなく青かった……。
「……西木野さんもこの空を見てるのかな……」
「ライく~ん! タイミングずれてないか見て~!!」
ライは顔を空の方向から穂乃果の方へ向けて気持ちを切り替えた。
「今行くが、ウォーミングアップしてからな! ……今日も頑張りますか!!」
ライはどこかで真姫もこの空を見て笑顔でいるとライは感じた。
――――――――――――――――――
「……まさかこの部屋を俺一人で使えるとはな……」
薬品やビーカーやら置いてある科学準備室に一人の男が立っていた。
「他の先生はここを使わないのは俺個人としてありがたいが……」
黒い白衣を来た男……早乙女黒だ……。
「広さはそれなり、ソファーがある……文句はない」
黒は笑顔で言ったが、直ぐに表情を鋭い目付きに変わる。
「……そんなことよりもだ…………やっと見つけた……」
黒は白衣の懐から取り出した憑依人のナイフを見つめながら言った。
――――――――――――――――――
次回予告
ファーストライブに向けて練習する穂乃果達……ライもマネージャーとしてしっかりサポートしていた。
そして地元で騒いでいた不可解な事件も起きなくなっていた……。
……だが、ファーストライブ前日の日にそれは起きた……。
「あなたは……」
「…………」
次回『鬼纏人と憑依人』
「…………貴様は……何者だ……」