ラブライブ ー鬼纏人と響く女神の歌ー 作:ニックネームは忍者
……最近、どこに戦闘シーンを入れようか迷っています……。
それよりも本編をどうぞ(*´∀`)
――――――――――――――――――
朝の神田明神……
「よし! 穂乃果と海未、なかなかのタイマーだぞ」
「うん! 二人とも凄い!」
「本当に! ありがとうことりちゃん! ライ君!」
「ですが、ここまで続くとは思いませんでした……」
「海未ちゃんひどい!」
朝は体力作りの練習……ライ達は少しずつではあるがファーストライブに向けて進んでいた。
「休憩の時間だ。ほら、ひんやりだぞ」
「ありがとうライ君!」
休憩の時間になりライはクーラーボックスから冷えたスポーツドリンクを皆に渡して喉を潤す。
「フゥー、終わった~」
「まだ、放課後の練習がありますよ」
「でも、ずいぶん出来るようになったよね」
穂乃果の場合三日坊主だとライは思っていたが今回は本当によくやっているとライは思う。
「ほんとに最初の頃が嘘みたいだね」
「穂乃果の朝の寝坊魔がなくなりましたね」
「エッヘン!!」
「……代わりに授業中に移ったけどな」
穂乃果は自慢げに言うことなのかと思うがそんな会話をしながらライ達は毎日を楽しんでいた。
そんな時、真姫が階段から頭をピョコンと出していた。
「? あれは?」
「あ! 西木野さーん!」
「ヴェエエ!!」
ライが階段に真姫がいるのを見つけたら真姫はその場から離れようとしたが、穂乃果が大声で呼んだ。
真姫は顔をムッとしながら穂乃果達に近づいてきた。
「……大声で呼ばないでよ!」
「? どうして?」
「恥ずかしいからよ!!」
「西木野さんの方が声が大きいよ」
「ムッ!」
ライの言葉に更にムッとして真姫はライを睨んできた。そんな中、穂乃果は真姫にあることを言う。
「そうだ! あの曲三人で歌ってみたから聴いて!」
「はぁ? 何で?」
「だって真姫ちゃんが作ってくれた曲でしょう?」
「う……だから私じゃなくて何度言ったら……」
「まだ言うのかい?」
「……蒼馬先輩」
三人の歌を真姫に聴かせたいが真姫はどうしてか断っている。だがライの言葉に真姫は諦めかけている。
「グルルルル……」
「?」
穂乃果はいきなり獣の声を出している。まるで獲物に狙いを定めているように……真姫は気づいていないのか様子を見ていた。
「ガオォォォォ!!」
穂乃果は突然叫び、西木野さんにホールドしてくっつく。そして顔がだんだん近づいてきた。
「ヴェエ! え? ハァ!! ちょちょっと何やってんの!」
「ウヒヒヒヒヒヒ……」
「(何だろう……第三者から見たら勘違いされそうな光景だな…おや?)」
「い、イヤャャャャ!!」
ライが違う事を考えていたら、真姫が叫んだと同時に真姫の耳にイヤホンが入る。
「……え!?」
「よし! 作戦大成功!!」
穂乃果は無理矢理だが真姫に三人に聴かせる状況を作った。
「結構上手く歌えたんだ! いくよ?」
「μ's!」
「ミュージック!」
「……スタート? ……??」
よくわからん作戦だが真姫に歌を聴かせる事ができたのだ。
――――――――――――――――――
ファーストライブ前日の朝、校門を通った。
「フワァ~…」
「眠る気満々ですね穂乃果」
練習後の穂乃果は必ず校門であくびをするのだった。
……因みにライは学校で一人の教師の手伝いを今日もしているのだ。
「 ねえ、あの子達じゃない?」
「……そうね……あなた達ってもしかしてスクールアイドルやってるって言う確か……」
突然、後ろに三年生の二人が穂乃果達の話をしていたのだ。
「あ、はいμ'sって言うグループです」
「ミューズ? ……あぁ! 石鹸!」
「違います!」
μ'sと言っても石鹸と間違われるのが嫌なのか海未は少し鋭い目付きで言う。
「そうそう、うちの妹がネットであなた達の事見かけたって言ってたな」
「ほんとですか!」
「確か明日ライブやるんでしょう?」
「はい! 放課後に!」
票が入ったせいなのか、少しは知れわた渡っているようだ。
「どんな風にやるの! ちょっと踊ってみてくれない?」
「え? ここでですか?」
「ちょっとだけでいいから」
「…………!?」
踊るの言葉に海未は周りを見て顔がだんだんと青くなる。
「ふふふふ……いいでしょう、もし来てくれたらここで少し見せちゃいますよ……お客さんだけ特別に」
「お友達を連れてきてくれたら更にもう少し♪」
ことりは純粋に勧誘しているが穂乃果は悪い商売人みたいに勧誘していた。
「ほんと!」
「行く行く!」
「毎度ありー! じゃあ頭の所だけ……?」
そう言って穂乃果とことりは配置につくが二人は困惑したこと顔で言う。
「あれ? もう一人は?」
「「え?」」
穂乃果とことりは配置位置の左を見る……海未が居なかった。
「……あれ?」
――――――――――――――――――
「……やっぱり無理です…」
屋上の壁で体育座りをしながら海未は穂乃果とことりに言った。
「えー!? どうしたのいきなり? 海未ちゃんなら出来るよ!」
「出来ます……」
「「?」」
海未の出来る言葉に二人は疑問になる。
「歌もダンスもこれだけ練習してきましたし……でも…………人前で歌うのを想像すると……」
「緊張しちゃう?」
「……うん…」
海未の発言に二人はお互い見つめる……そして穂乃果が言う。
「そうだ! そういう時はお客さんを野菜だと思えって! お母さんが言ってた!」
「……野菜?」
tttt
「みんなー! 行っくよー!!」
農業の格好して、野菜に向かって叫ぶ海未の姿だった……。
tttt
「……私に一人で歌えと!」
海未は壁に手をつけて怯えながら言う。
「そこ? ……ん~……困ったな…」
「でも海未ちゃん辛いんだったら何か考
えないと…」
「ひ、人前じゃなければ大丈夫だと思うんです! 人前じゃなければ……うぅ……」
海未は二人に背を向けて両手を頭に押さえながら言った。
……本当に辛いんだと二人は感じた。
穂乃果は海未の手を掴み立ち上がらせて言う。
「……ライ君に頼む?」
「う~ん……今日はいつもより忙しいらしいし……私達でなんとかやろう!」
「でも……何かある?」
ライがいればいい方法が見つかるのだろうが今日は特に忙しい手伝いなのだ。それに穂乃果もライに頼らずに出来るように努力しているのだ。
「……いろいろ考えるより慣れちゃった方が早いよ!」
「え?」
海未は疑問になるが穂乃果とことりは笑顔で言う。
「じゃあ行こう!」
――――――――――――――――――
その一方……
「ふ~こんなもんかな? ……さすがに疲れるな……」
レオンは廃棄物に特に必要ない物を置いて、汗を拭いていた。
「……一人でやったような言葉を言わないでくださいよレオン先生……」
ライはレオンから借りた作業着を着て、頭にバンダナを被った格好をして、レオンをこの人は教師かみたいな目で見ていた。
「そんな目で見ないでくれよ。それに今日は別に一人でいいと言ったぜ。……それに明日は大事な日だろ? そっちに集中したらどうだ?」
明日は大事なライブの日。ライ達が努力してきた事が明日に繋ぐ日なのだ。
「確かにそうですけど……僕がいないと先生苦労の連続じゃないですか……」
「……そうだな……お前の通りすがりが始まりだったな」
「先生の手伝いをしているから今の僕がいるようなものですよ」
tttt
「……まさか忘れ物をするとは……不覚だった……落とし物を届けに教務室に入ったら、用紙記入に時間がかかるとは……」
ライが音乃木坂学院に入学した頃のある日……ライは穂乃果達と帰えろうとしたがライが忘れ物をしたらしく、皆を先に帰らせて一人学校に戻って用件が済んだので帰ろうとしていたのだが……
ガダンッ!
「? なんの音だろう?」
ライは外からか何か物を置く音が聴こえたのだ。
「ふ~こんな……かな? ……れるな……」
「この声は……」
ライは気になったのか玄関に行き、聴こえた音と声の方に向かった。
・・・
「学校にこんな裏があったのか……」
ライは校内の地図を把握した方だったが、知らない場所があったのだ。
「廃棄物置き場……確か生徒は用がない限りは入らないように書いてあったな」
ライは本当は入ってはいけないのはわかっているが、音と声が気になるからそのまま入ったのだった。
その道はL字のようになっていて、曲がり角を曲がったのだ。
「……さすがに一人はきついな……」
「レオン先生?」
「ん?」
ライは曲がり角を曲がったら、見覚えのある先生がそこにいたのだ。
「確か……蒼馬ライだったな……こんなところに来てどうした? 幼馴染みと鬼ごっこか?」
「いえ、違います……先生はどうしたんですか? 作業着を着て、こんなところに?」
レオンは教師の人なのにどうしてか作業着を来ていたのだ。ライはどうしてかそれが疑問になったのだ。
「これか……まぁ俺も着任したばかりだが、校内を見ているといろいろと不必要な物が沢山あるんだよな」
レオンがある方向を見る。ライもその方を見るとボロボロな机や椅子がある。他にもヒビのある瓶やいらない物があった。
「先生、これを一人でやっていたんですか?」
「まぁ、男一人だし……まだまだあるが……誰だって綺麗な学校がいいだろ? 」
「…………」
一人でやるにしてはとても大変な量だった。先生の考えもよかったが、ライはレオンの言葉に何も出なかった。
「先生……僕も手伝います」
「え……」
ライはYシャツ姿になり腕をめくり、動きやすい格好になる。そして側に台車あったので、上にある段ボール箱を一つ持って廃棄物置き場に置く。
「おいおい生徒がこんなことさせる訳にはいかないだろ」
「なに言っているですか……先生は学校が好きだからやってるんですよね……僕も学校が好きだからやるんですよ」
「…………」
ライの言葉と表情にはレオン以上に学校に思いがあると感じたレオンは言葉が出なかった。
「わかったよ……けど、もう一個少し小さいが作業着がある……それ着てやってくれ。学生服が汚れちまうからさ」
「先生……わかりました」
二人はどうしてか微笑んで、ライは作業着を着替えて手伝った。
・・・
「……今日はこんな感じかな?」
「そうですね……疲れました」
時間は夕方取り合えずレオンが運ぶ量が終わった。二人は汗を拭いて、ベンチに座っていた。
「ライ……今日はありがとな、助かったよ」
「いえいえ僕は……ん? 先生まだあるんですか?」
ライはレオンの言葉にまだあると見て質問したのだ。
「まあな……明日はアルパカ小屋が少し直さないといけないんだよな」
「……僕も手伝いしてもいいですか?」
ライの手伝いはレオンにとって嬉しいが断った。
「生徒にここまでさせたら俺も教師として面目が立たない……本来なら予算でやるんだが、その分の予算を他の部活の方に回したいからさ」
「僕は自分で勉強に支障が出ないようにやります。僕も出来る範囲でやります……お願いします」
ライは頭を下げてお願いをした。レオンは頭をかいて困った表情になる。
「わかったわかった、俺の負けだ……理事長の許可をもらったらな」
「はい! 先生!!」
ライとレオンは握手をしたのだった。
「……ところで……いつもの幼馴染みはどうしたんだ?」
「え……今日は忘れ物をしたので……それで……」
ライは今日の出来事をレオンに話した。
「なるほどな……あんな可愛い幼馴染みがいるのに気にならないのか?」
「気になる? 気になるとは――」
「いや、いい……何だか聴くと悲しくなってくる……(何だかアイツみたいだ)」
「?」
レオンはため息を吐き、ライはポカンとしている。
これがライとレオンの手伝いの出会いだったのだ。
tttt
「今思うと、一年は経つのか……お前はどうだった? この一年さ」
「そうですね……あっという間でしたね」
レオンとライは作業が終わり、着替えて帰ろうとして歩いていた。そしてレオンは約一年経ってこの手伝いの感想を訊いたのだ。
「あっという間……か……。ライ、お前は廃校阻止にスクールアイドルのマネージャーをやっているがどうしてそんなに必死なんだ?」
「え……」
「いくら学校が好きだからって、焦って行動しても後が辛くなるぞ」
「……」
レオンの言葉にライは黙ったままだった。レオンも悪気がある訳じゃないとライはわかっているが黙っている。
「辛い思いをさせたくない……それに諦めていません」
ライの言葉をレオンは横目で見ながら聞いた。ライは悲しい顔をしていたが決意のある目に変わっていた。
「そうか……頑張れよ若造」
「若造って……先生と僕はそんなに年離れてますか?」
「……そうか? (何だか嬉しいこと言うな)」
二人は会話をしているともう玄関に着いた。そしてレオンは校門の方に見かける人を見つけた。
「あれは……ライ、女神が来たぞ」
「女神? 穂乃果と海未とことりじゃないですか……」
校門の方から三人が近づいてくる。手には何やら紙の束があって、海未はどうしてか落ち込んでいて手にはガチャを持っていた。
「何やらあったようだな。行ってやれよ、マネージャーさん。俺も今日は残業だな」
レオンはライの背中を軽く叩いた。
「先生……行ってきます」
ライは三人の方へ歩き出す。レオンはその背中を見送る。
「さてと……残業に入りますか……」
レオンは教務室に向かわず、職員玄関の方に向かった……。
――――――――――――――――――
ライが穂乃果達に出会う少し前……
「ここって……」
穂乃果に連れてこられたのは秋葉原のとある大通り。
三人の手には初ライブのチラシだった。
「じゃーん! ここでライブのチラシを配るの!」
「ひ、人がたくさん……」
「当たり前でしょう! そう言う所を選んだから! ここで配ればライブの宣伝にもなるし大きな声出してたらそのうち慣れてくると思うよ! ライ君も多分こうするし!」
「そうかもね!」
穂乃果とことりの言葉に海未は震えているが目をつぶって集中する。
「……(お客さんは野菜、お客さんは野菜、お客さんは野菜……ハッ!)」
……この時の海未の視界は人間の顔の部分が野菜だった……
キュウリのサラリーマン、メイドのキャベツ、トマトのOL、ティッシュを配っている白菜、デートをしてるガブと玉ねぎ――
……まるで野菜帝国か違う惑星の世界だった…。
「う……」
海未は後ろへよろけた…。
「ダメかな?」
「ううん、わたしは平気よ……でも…海未ちゃんが……」
「?」
ことりの反応に穂乃果は海未の方を見る……。
パカッ!
「……あ、レアなのが出たみたいです……」
「海未ちゃん!! しっかり!」
野菜のガチャを回し、どこか脱け殻になった海未だった……。
――――――――――――――――――
「……で……こうなったと……」
「うん……」
何とか二人はライが居なくても出来る事だと思ったが、結局ライに頼むのだった。
「ライ君……どうすればいいかな? 海未ちゃんでも出来るようになるには……」
「…………」
ことりの言葉にライは腕を組み、左手を顎にあててチラリと海未を見る。
そして秋葉原の状況と海未の性格をあわせる……その結果は……。
「……単純に場所が悪いな」
「え? どういうこと?」
穂乃果はポカンとしている。ライは説明する。
「つまりだな……」
・・・
「……ここなら平気だろ?」
「まぁ、ここなら……」
「そっか……最初からここにすればよかったんだ!」
「凄い! さすがライ君!! どんな問題もライ君なら解決だね!」
「……」
穂乃果の最後の発言はわからないが、ライのチラシ配りに選んだのは先程三人が通った校門だった。少なくとも学校の人には少しでももっと知れ渡るようになるとライは考えたのだ。
海未も同じ学校の人なら肩の荷が軽くなるとも考えたのだ。
「じゃあ……始めますか!」
場所は校門。秋葉よりはいいと海未は返事をし、穂乃果達はチラシを配り始める。
「μ's! ファーストライブ始めます! よろしくお願いしまーす!…ありがとうございます!」
「よろしくお願いしまーす!」
「講堂でライブやるので是非来てください!」
穂乃果とことりとライは積極的にチラシを配っている。海未も配ろうとするが……
「あ…あの……お願いします!」
「…………いらない…」
海未も勇気を出して渡したが一人の黒髪のツインテールの生徒に渡したが断られてしまった。
「あ……はぁ…」
「駄目だよそんなんじゃあー」
「……穂乃果はお店の手伝いで慣れてるかも知れませんが私は……」
「ことりちゃんだってちゃんとやってるよ」
確かにことりちゃんはいつでもスマイルでチラシを配っていた。
「ほら! 海未ちゃんも……それ配り終わらないとやめちゃ駄目だからね!」
「え!? 無理です!」
海未は穂乃果に叫ぶが穂乃果はそのまま違う所で配る。二人の会話を聞いていたライは穂乃果が去っていった同時に海未に近づいた。
「海未。僕も一緒に頑張るから配ろう?」
「ライ……わかりました」
ライは海未の為に考えた方法なのだ……海未の目も変わり、積極的に配り始めた。
「よろしくお願いしまーす! μ'sファーストライブやりまーす!!」
「(これでよしかな)」
「あの……」
「? ……確か廊下で……」
ライに話し掛けた一人の女の子だ。それも廊下にファーストライブのポスターを見ていた古泉花陽だ。
「はい……あの時のです…」
「あれ? あなたこの前教室で」
穂乃果は知っている様子だったので、どうやら知り合いのようだ。
「あ、はい……ライブ……見に行きます……」
「ほんと! 来てくれるの!」
「では一枚とわ言わず、これを全部」
「海未……」
「う……わかってます……」
配り始めて、やっと見行くと言ったのは花陽だった。穂乃果とことりは喜んでいたが海未はポスターを全部渡そうとしていたが、ライが止める。
「……」
そんなやり取りを生徒会長が見ていた事はライ達は知らなかった……。
「……?」
絵里は生徒会へ向かおうとしたが、視線の先には黒が廊下を歩いていた。黒い白衣を着てるせいなのか少し目立つと絵里は感じたが、絵里はどうしてか違和感があったのだ。
「……(初めて会う人なのにどうして)」
絵里は少し前に怪物に襲われたが、黒い鬼のような人に助けられたのだ。その時の雰囲気がどうしてか黒と重なってしまうのだ。
絵里も失礼な事ではあるが疑っている……でも証拠が無いためどうする事もできない。
「…………やめようこんなこと言うのわ……もう忘れましょ……」
黒い人もきっと忘れたほうがいい……きっとそう言うと絵里は思い、生徒会に戻った。
――――――――――――――――――
「うん……やっぱり動きのキレが違うよね……こう! 違うな……こう! ……あ!?」
「どうしました?」
穂乃果とライと海未の三人は穂乃果の家へ行き、部屋のパソコンでA-RISEのライブを見ながらいろんなポーズを考えていたが何かがあったようだ。
ことりは後で来ると言っていた。
「これは……」
「ランクが上がってる!」
「え!」
穂乃果のパソコンの画面にはμ'sの順位が上がっていたのだ。
「きっとチラシを見た人が投票してくれたんだね!」
「嬉しいものですね!」
「あぁ(……こうして見るといいものだな)」
パソコンを見ながら三人は微笑んだ。
ガラッ
「おまたせー!」
三人がパソコンに集中していると穂乃果の部屋にことりが来た。
「あ、ことりちゃん! 見て見て!」
「? ……わぁ! 凄い!」
ことりはパソコンに写ってるランクを見て喜んでいる。ライはことりが持ってきた紙袋を見る。
「ん? ことり……それは衣装か?」
「さすがライ君! さっきお店で最後の仕上げをしてもらって……じゃーん!」
どうやらことりは衣装を持ってくるために少し遅れてきたようだ。ことりは紙袋から衣装を出す。
「うわー! 可愛い!」
「これは――」
紙袋から取り出した衣装はワンピースのような衣装だ。だがノースリーブにミニスカートで色がピンクだった。
「本物のアイドルみたい!」
「ほんと!」
「凄い! 凄いよことりちゃん!!」
「本物とは違うけど、なるべくそれに近く見えるようにしたつもり」
「いいよ~♪」
「流石にここまで本格的だとは思わなかったな(本当にことりは衣装作りが好きなんだな)」
穂乃果とライは素直に褒めていたのたが海未だけは黙っていた。
「…………」
「……海未?」
海未の反応がなく、ライは海未の顔を見た。
海未は口を開けて頬が赤くなっていた。
「……ことり」
「「?」」
海未の言葉に三人が注目する。そして指を指して言った。
「……そのスカート丈は…」
「……あ…」
tttt
「いいですか! スカートは最低でも膝下でなければ穿きませんよ!! いいですね!!」
「は、はい!!」
海未はことりのスケッチブックを指を指して、それから両肩を掴んでしっかり目を怒りながら言ったのだ。
ことりは怯えながら返事をしたのだ。
tttt
「言ったはずです。最低でも膝下までなければ、は・か・な・い・と」
海未はことりの肩を掴み、何とも言えない顔で迫ってきた。
「(まるで般若だな……少し脅迫に見えてきた)」
「だ、だってしょうがないよアイドルだもん」
「アイドルだからと言ってスカートを短くと言う決まりは無いはずです!」
「それはそうだけど……」
「だが、今から直すのも時間が無いぞ海未」
「うん……ライ君の言う通りだよ」
確かにアイドルのスカートが短いという決まりが無いが、明日はライブ……ライの言った通りもう時間はない。海未もライの言葉は理解しているが……
「う……そういう手に出るのは卑怯です! ならば私は一人だけ制服で歌います!!」
「えぇ!」
「そんな!」
海未は鞄を持って穂乃果部屋から出ようとする。
……海未の言う通り、制服で歌っても別に問題は無いが……
「……(制服にしてもスカートは短いんだが)」
「そもそも二人が悪いんですよ。私に黙って結託するなんて」
「……だって絶対成功させたいんだもん…」
「穂乃果……」
穂乃果は拗ねたように言っているが、穂乃果の言葉は素直な言葉であった。
「歌を作って、ステップを覚えて、衣装も揃えて……ライ君も手伝ってくれて……ここまでずっと頑張ってきたんだもん…四人でやって来て良かったって、頑張って来て良かったって、そう思いたいの!!」
そう言って穂乃果は部屋の窓を開けて大声で言ったのだ。
「思いたいのー!!!!」
夜にとても綺麗に響く声だったのだ。
「何をしているのですか! こんな時間に」
「……それは私も同じかな……私も…四人にでライブを成功させたい」
「ことり…」
「穂乃果の言葉は僕も同じだ。だから海未……一緒に頑張ろう」
ライは海未の肩を掴み微笑みながら言った。
「ライ……いつもいつも……ずるいです」
そう言って海未は穂乃果を方を見る。少し頬を赤くしながら言った。
「…………わかりました、四人でやりましょう…」
海未も内心嬉しくなっていると皆は見えた。
「海未ちゃん……だーい好き!!」
「おっと…」
穂乃果は海未に両手を広げてジャンプしながら抱きついた。ライは巻き添えをくらわないように離れた。 そして二人の顔はとても微笑んで、ライは顔にはやれやれの表情だが心の中では微笑んでいた。
――――――――――――――――――
「どうかライブが成功しますように! ……いや、大成功しますように!!」
「……緊張しませんように」
「皆が楽しんでくれますように!」
「……かないますように」
あの後、四人は神田明神へ行き明日のライブのお願いをしに来たのだ。
「よろしくお願いしまーす!!」
そして穂乃果がもう一度神頼みをしたのだ。
願いを言った後、四人は空を見た……この時の空は星空でまるで明日のライブを応援しているみたいだった。
「明日か……楽しみだな…」
三人は自然に手を繋いでいた。 ライは三人の光景を見ながら素直に思った。
「…………(本当に神がいるのなら、この三人の願いが叶えてほしいな)」
「そう言えばライ君は願い事何て言ったの? 声が小さくて聴こえなかった……」
「ん?」
三人は普通に声を出したのだが、ライは小さい声で言ったのだ。
「あ、私も……」
「私もです……」
「…………」
どうやら誰もライの声は聴こえなかったようだ。
「……願い事は口に出さない方がいいらしいから、聴かない方がいいぞ。それにもう身体を休める時間だ……明日は大事な日なんだから……」
ライはそう言って階段の方へ歩きだす。二人はその背中を追いかける。
「あ! ライ君教えてよ!」
「待ってよ!」
「…………」
海未は少し遅れてライを追いかけたのだった。
――――――――――――――――――
「本当にライは何をお願いしたのですか?」
「海未……さっきも言っただろ? 言わない方が効き目があるからさ」
神社で解散した四人だが、海未とライは家が同じ方向なので途中まで歩いている……大通りでは無く、人の少ない道だ。ライは大通りの方が良かったが、神社からだと少し遠回りになってしまうのだ。
「……三人の願いが叶います様に……とでも言ったのでしょ?」
「 ……どうして僕がそう言うのかな?」
ライは表情を変えないように答えた。
「ライはいつも自分の事よりも、他の人の事を優先にしていますよね? ……それにライの性格はきちんと理解しています」
「……何だか後半の方、怒ってない?」
確かにライは自分よりも他の人を優先にしている……友達、知人だけでなく知らない人にでもお人好しと言える行動をしている。だが海未の後半の言葉は何だか怒ってる様にとライは感じたのだ。
「別に……全くあなたは……」
「? (高校に入ってからか、海未の考えている事がわからなくなったな……昔は…………昔か……)」
ライは昔の言葉に違和感があったのだ……何故なら……「そう言えばライ?」
「どうした海未?」
ライは考え事していたら、突然海未に暗い顔で質問をされたのだ。
「その……左腕の方は大丈夫ですか? あの蒼い姿は……」
「あぁ……」
蒼い姿とはライが少し前に鎧に変身した姿だ。黒が着任してからか化け物の姿は見てない……ライもどうしてか気配を感じなくなったのだ。
「大丈夫だよ海未。最近は不可解な事件も起きてないし大丈夫だよ……僕もこうして普通の生活を送ってるしさ」
「そうですか……そうですね」
ライはあの時人とは違う者に変わったが、人形の化け物の日以降からもう何も起きていない。ここ最近ニュースで不可解な事件は起きていない……ライにも変化がなく、普通の生活を送っている。
「……(あの日の出来事が夢ではないかと思う事がある。でも違う……あの姿もなろうと思えばいつでもなれる……たがこの力はいったい……)」
「あ、あのライ……」
「? どうかしたか海未?」
ライは考え事していたら海未がどうしてか顔を赤くしてライに話しかけた。
「い、衣装の事ですが……変、ではないですか……」
「変? ……特に変な衣装ではないが……」
海未の質問にライはどう答えるかが、わからなかった。変の言葉に何が変なのかがわからなかったのだ……だが大抵変と聞かれてデザインの方だとライは考えたのだ。
「そ、そうでは無く! …………私が来ても違和感ありませんか?」
「海未が着てもか……」
ライはなるほどと思い、海未があの衣装を来た姿を思い浮かべる……素直な感想を言った。
「(露出が多い衣装ではあるが……)……海未があの衣装を着るのは変では無い……僕も……い、一度は見てみたいな」
「そ、そうですか……」
変では無い……これは本当の事であるが、どうしてか後半の言葉はライは言いづらい口調になっていた。海未もどうしてか嬉しいのか変な言い方になっていた。
…………まるで何処か付き合いだした恋人のような会話だった。
「(素直な言葉がどうして変な言い方になってしまったんだ……いかんな、明日は大事な…………)!? 海未! 止まれ!」
「ライ? 一体どおし――」
ドサッ!
「キャッ!」
「……こいつは……」
二人は道を歩いていたが、突然ライは海未に歩くのを止めさせた…………何故ならそれは少し前に現れた化け物なのだから……
「ア、アグゥゥ……」
化け物はゆっくりと立ち上がりこちらを見る。
…………化け物は上から降りてきたのでは無く、落ちてきたのだ。
その姿は全身が黒かった……固い皮……ワニのような皮だった。顔は人の形では無く、鳥のような形だ。口の中は細かい牙が見えて目と目の間の少し上には角がある。上向きでは無く、正面の方に出ている。腕の方には指が無く、鋭い鎌のような武器が両手にあった。背中にはトンボのような羽があるがどうしてか傷がある。
「…………」
ライはよく見てみると、飛んでいたがこの怪物はどうしてか落ちてきたようだ。
……まるで何者かと戦って、逃げてきたようだ。
「アグゥゥ……」
どうやら怪物は二人に襲いかかるのか、鎌を構えた。
「海未……下がって……」
「は、はい……」
ライの言葉に海未は下がる……。
そしてライは左手から蒼い炎を出した。
「……夢では無い……そうだよな……」
「ア、グゥゥ……」
怪物も炎を見てか、驚いている表情だった。
「どうしてこの姿になるのかはわからない……自分が何者なのかはわからない……けどこれだけは言える…………この力で守ってみせる!」
「アグゥゥ!!」
黒い怪物はライに襲いかかるが……
「炎よ! 我を纏え!!」
「アグゥゥ! ゥゥ……」
ライの体は蒼い炎に包まれ、鎧の姿へ変わる。怪物は炎が熱いのか距離をとった。
「……行くぞ」
そしてライは怪物に飛びかかる。ライは右手の拳を怪物の顔にぶつける。怪物は直撃をくらい、ライはそのまま左手も拳にし、ぶつける。
ライはそのまま畳み掛けようしたが、怪物は右手の鎌を下から上へ切り刻もうとする。だがライは後ろへ下がり、回避した。
ライは次の攻撃を仕掛けようとするが、先に黒い怪物は前に立っており、左手の鎌が上から降り下ろしてライはまともにくらう。
「くっ!」
ライの体は鎧に包まれているが、それでも鎌のダメージは痛みに入る。
ライは体勢を直そうとするが怪物は両手の鎌を活かした攻撃を仕掛けてくる。
「アグゥゥ!」
「させるかっ!」
ライは奴の両腕を上に上げた為、腹の方ががら空きになる。ライは片腕の拳を怪物の腹にぶつけた。
「グアァァ!」
「うっ!」
……だがライの攻撃が遅かったのか怪物にダメージを与えたが怪物の二つの鎌の攻撃をライはくらう。
怪物は後ろの方へ吹き飛んだ。ライは二つの鎌の攻撃をくらった両肩を見る。
「(当たりが悪いな……だがまだ行ける!)」
ライは視線を正面に向けると、黒い怪物は逃げようとしているのか羽を羽ばたこうとしている。
「逃がすか!」
ライは逃がさない為に走って近付く。怪物は大きく羽ばたいて空へ飛ぶ。
だがライは右足を思いっきり地面を踏み大きくジャンプした。
その結果ライは奴の右足を掴むことができた。
「ライっ!!」
ライの戦っている姿を見ていた海未はライに叫んだが、ライと怪物はふらつきながらも中に浮かび、ある方向に向かって飛んでいく。
「あの方向は……」
海未はライが飛んでいった方へ走っていった。
――――――――――――――――――
「アグゥゥ!」
「くぅぅ……」
ライは奴の右足を片腕で掴んでいる。そしてふらつきながらも空を飛んでいる。怪物は振り落とそうとしているのか暴れているが落ちるほどではない。
怪物はどおしても落とさせたいのか左足で掴んでいる手を蹴ってくる。
「くっ! (こっちの方が不利だ、どおすれば……なら!)」
「アグ!?」
ライは左足が一番近付いた瞬間を狙い空いている片腕で左足を掴む。怪物も驚いているのか焦っていた。
ライは掴んでいる手に力を入れる。握力の痛みに怪物は悲鳴をあげるが、ライの攻撃はそれだけでは終わらない、両手から炎を出して熱さのダメージも与える。
「アグゥゥゥゥー!!??」
「うわ!?」
怪物は流石にバランスを崩したのか下へ落ちる、このまま落ちては不味いと判断したライは下を見るといい地面であり、手を離して下へ着地する。
バシャンッ!!
「……」
ライは陸に着地したが黒い怪物は川に落ちた……
……ここは土手だ。
ライは川へ近付く。
黒い怪物の気配が無く、何事も無かったかのように流れていた。
「(逃げたのか? 奴が現れる時に感じた気配が全く感じない……どおしていきなり奴らの気配を感じるんだ)……海未の所へ戻るか」
ライは疑問を感じながらもとりあえず海未の所に戻らなければならない。きっと心配しているからだ。
ガサッ!
「? 何だ?」
ライは土手から離れるため階段に向かおうとしたが音が聴こえ目を向けると、そこは土手によくある草むらだ。この時期の草は延びるため人が歩くのは余り通りにくいほどの量だ。奥の方は夜のせいなのか暗く全く見えなかった。
だがその中から確実に何者かが近付いてくる。ライは構える。
「…………」
――そして草むらから現れたのは……
「黒い……鬼?」
「…………」
草むらから現れたのは黒い人だ。
その男は全身が黒い特殊なスーツと鎧が混ざった格好だ。だが、ライが最も驚いたのはその格好の顔の部分だ。
顔の方は黒いフードのせいか見えないが中からはみ出してる一本の角が見えてライはそこに集中していた。
――自分と同じ鎧を着て鬼の格好をしていることにライは驚いていた。
ライは何とかして口を動かしたこのまま黙っていては何も動かないからだ。
「あの……「奴は……」……え?」
「……鎌の奴はどこに行った」
ライは質問をしようとしたが先に黒い人が質問をしてきた。
鎌の奴……それはライが戦っていた怪物の事だ。
「あの怪物は川へ落ちました……それから気配が無くなりました」
「…………」
ライの答えに黒い人は黙って川の方へ見る。
そんなことよりもライは聞きたいことが沢山あった。この姿と怪物のこと……まずこの事を聞きたがったがまず最初に口に出したのは……
「あの、あなたは……「貴様は……」……え?」
「……貴様は何者だ……」
黒い人はその言葉を口にして、ライに拳を向けて殴りかかる……
……この男こと、早乙女黒だ……。
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次回予告
黒鬼、早乙女黒は蒼鬼、蒼馬ライに攻撃を仕掛けてきた。ライも反撃に出るが、圧倒的に蒼を叩きのめす。
「……貴様の力は何なんだ…」
「何……?」
だが蒼は黒に一撃を与える。
「僕は一体……どうなっている?」
「貴様……ッ!」
二人の決着……あるいは――――
次回『ファーストライブ ―前日の夜―』