ラブライブ ー鬼纏人と響く女神の歌ー   作:ニックネームは忍者

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少し遅れての更新ですね。なかなか時間が無い日が多いのですが……読んでいる人はいるのかな?

それよりも本編どうぞ(*´∀`)


第九章 ファーストライブ

 

 

―音ノ木坂、講堂―

 

 

 

 

 

 

「――――これで新入生歓迎会を終ります。各部とも体験入部が行っているので興味があったらどんどん覗いてみて下さい」

 

 

 

 

音ノ木坂学園、生徒会長の絢瀬絵里の声が講堂に響いている……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……それは今日が初ライブの日の新入生歓迎会……今日上手くいけば、廃校阻止に一歩近づける……

 

 

 

 

 

 

 

「(色々あったが、ここまで来たんだ。後は今日の準備だな……穂乃果達も同じ気持ちだ……

 

 

 

 

 

 

……絶対に成功させる)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……今のライ達はそう思っていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「お願いします! このあと午後4時から初ライブやりまーす!」

「是非来てください!」

 

玄関でライブの観客を集める為、最後のチラシ配りをやっていた。だが周りを見ると吹奏楽部や演劇部の集まりが多かったのだ。

 

「負けてやれないな……」

「ライ君の言う通り他の部活に負けてられないよ!」

「うん!」

 

ライの言葉に穂乃果とことりは気合いが入る。

 

 

 

「よろしくお願いしまーす! 午後4時からです! お願いしまーす!」

 

 

 

 

 

そして海未はしっかりとやっていた。昨日の出来事が嘘みたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後ミカ、フミコ、ヒデコの三人も手伝ってくれた。

 

「え!? 手伝ってくれるの!」

 

「リハーサルとかしたいでしょう?」

「私たちも学校なくなるの嫌だし」

「穂乃果達には上手くいってほしいって思ってるの!」

 

「みんな……」

 

 

 

 

 

 

廃校になるは嫌だから……その言葉だけでも今日のライブに気合いが一つ増えた。

 

 

ヒデコとフミコは講堂のステージのライトのセッティングをしてミカはチラシを配って人を集めていた。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわー! 可愛いよ! どう! どう!」

「うん! 凄く似合ってるよ!」

「海未ちゃんは?」

 

 

 

その一方、穂乃果達三人は衣装に着替える為、準備室に居た。

 

 

 

「はい……もう少し待ってください…」

「もう! 私達しかいないんだから早く着替えちゃいなよ!」

「わかっています……」

 

その言葉の後、海未は試着室のカーテンを開ける。

 

「「おぉ!!」」

 

二人はとてもワクワクしながら見ている。

 

 

 

 

 

「「ワクワク、ワクワク…………え? ……??」」

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未は衣装を着て現れたがスカートの下に体育着のジャージを履いて出てきたのだ。

 

 

 

 

 

「「……海未ちゃん…」」

「ど、どうでしょうか?」

 

 

海未は顔は笑顔でポーズを決めたが明らかに違和感が丸出しだった。

 

 

「どうでしょうか、じゃないよ! 何この往生際の悪さは! さっきの海未ちゃんはどこに言ったの!!」

 

そう言って穂乃果はスカートを掴み言ってくる。

 

 

 

 

 

 

「あの…その……か……」

「か? ……?」

 

海未顔を赤くして海未はテーブルに置いてある置き鏡を見ながら言った。

 

「鏡を観たら、急に……」

 

 

 

「…………えぇい!!」

「あぁ!!」

 

穂乃果は海未の隙をつき、海未が履いているズボンを脱がしたのだ。海未は短いスカートを引っ張って素足を隠しているが無意味に等しい。

 

 

 

「いやー!! うぅ……」

「隠してどうする? スカートを履いているのに」

「で、ですが!?」

「海未ちゃん! 可愛いよ! きっとライ君も言うよ!」

「え……?」

 

その言葉に海未はほんの少し嬉しい気持ちになった。

 

 

 

 

 

「ほらほら、鏡を観てごらん! 海未ちゃんが一番似合ってるじゃない?」

「そ、そうですか」

 

穂乃果が海未を鏡の方に連れていき、今の時分を現した。

 

「どう? こうして並んで立ってしまえば恥ずかしくないでしょう?」

「……はい…確かにこうしていると」

 

「じゃあ最後にもう一度練習するよ!」

「そうね! 海未ちゃんも早く!」

 

二人はステージの方へ行ってしまう。海未はもう一度鏡で自分の姿を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ライも似合うと言うのでしょうか……でも、やっぱり恥ずかしいです…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……くしゅんっ!」

 

「どうしたライ? 夏風邪か?」

 

同時刻、ライとレオンは体育館で運動部のちょっとした手伝いをしていた。

 

 

 

 

 

「いえ……突然鼻に違和感があったので……」

「そうか…風邪じゃなければ問題ないな…………っと! ……さてと、ライ……こっちはいいからお前は講堂に行きなよ」

「ですが担任は――「担任は俺の方から言っておく。早く行け……3人が待ってるぞ」……先生…わかりました」

 

 

ここの手伝いはまだ少しあるのだが、レオンの気遣いは素直に受け入れるのもライのレオンへの気遣いだったのだ。

 

 

 

 

 

 

「それとライ……昨日は――」

「? 先生?」

 

レオンは何かを言いかけたのだが、言葉を止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……俺の特等席…取っておいてくれ」

「? わかりました」

 

ライはレオンの特等席を頭に入れて講堂に急ぐだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……やはりお前なのだな……ライ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう一方、一年生の小泉花陽は一人ロッカーから一つの紙を取り出してロッカーを閉めた時――

 

 

 

 

 

 

 

 

「シャー!!」

「ひっ!?」

 

突然化け猫のような声を出して現れた花陽の友達の凛。さすがにこのような事をされたら誰でも驚く。

 

 

 

 

 

「やったー! いたずら成功ー!」

「やめてよー! もう…」

 

「それよりも一緒に陸上部見に行こう!」

「え!? 陸上部……あ、いや…その……」

 

 

「かよちん少し運動したいって行ってたじゃん!」

 

そう言って凛は花陽の手を引っ張って走る。花陽は運動もしたいのだがもっと自分が行きたい場所があったのだ。

 

 

 

 

 

「早く行くにゃー!」

「うわー! ぅ……凛ちゃん! ……だ、だ、誰か……誰か助けてー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……このあと、花陽はどうしたのかはわからないが凛から離れることが出来たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

「気になる?」

「希……」

 

窓際に立って考え事をしている絵里に希は話し掛けた。

 

 

 

「うちは帰ろうかな……」

 

 

トントン……

 

 

希は何事もないかのように帰ろうとしたが扉からノックの音がし、入ってきた。

 

 

「失礼します、理事長からこの書類を生徒会長に提出しに来ました」

 

生徒会室にある男性教師が入ってきた。黒髪の早乙女黒だ。片手に封筒を持っている。中身は歓迎会の報告の記入用紙だった。

 

 

 

 

 

 

「……確認しました。ありがとうございます、早乙女先生」

 

「いえ……それでは失礼します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、早乙女先生はライブを観に行くのですか?」

 

黒は書類を提出し、生徒会室から出ようとするが希はライブの事を黒に聞いた。

 

 

 

 

 

 

「……俺から行かなくとも探しに来る奴がいる……結果的に行く事になるな」

 

「? そうですか……すみません、お時間を取らせてしまって…」

「…………」

 

 

 

 

 

「いや、気にするな……絢瀬は観に行くのか?」

 

希の質問に答えた黒だが今度は絵里に質問をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は……」

 

「……別に観に行くのは強制ではないが、新しいことに挑戦している生徒がどんなライブになるか気にならないか?」

 

黒はパソコンの事の意味なのか、生徒会長に対して言っているのかはわからないが、黒は絵里に言った。

 

 

 

 

 

 

 

「……それでは失礼します」

 

黒は生徒会室から出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それじゃあうちも帰るね絵里ち」

 

 

希も鞄を持って、生徒会室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

『スクールアイドルμ’sのファーストライブまもなくでーす! ご覧になりたい方はお急ぎ下さい!』

 

アナウンスが響く中、三人はカーテンが閉まってるステージに立っていた。

 

 

 

 

 

「……色々だね…」

「うん…」

「あ……う……」

 

「「?」」

 

二人は準備完了だが海未はどうしてか手が震えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……その手を穂乃果が握る。

 

 

「大丈夫だよ海未ちゃん! 私達が着いてるから……」

「……穂乃果…」

「でも、こう言う時、何て言うのかな? ライ君はいないし…」

 

やはりいつも皆をまとめているライが居ないと三人は困る……だが穂乃果はある言葉を言う。

 

 

「μ’s! ファイ、オー!!」

 

 

 

 

 

 

穂乃果はそう言いながら海未とことりを掴んでいる手を上げる。

 

「それでは運動部みたいですよ」

「……だよね…」

「でもライ君もきっといい言葉だって言うよ」

 

穂乃果の言葉で二人は微笑んだ。きっとライも微笑むと三人は思った。

 

 

 

 

 

「あ! 思い出した! 番号を言うんだよ皆で!」

「それいいかも!」

 

「よし! じゃあ行くよ!……1!」

「2!」

「3!」

 

三人はもう一度微笑んだ……さっきの不安や緊張はまるでなかったみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……三人の心は一つになり、恐れるものは無くなった。

 

 

「μ’sのファーストライブ……最高のライブにしよう!」

「うん!」

「勿論です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉と同時にステージのブザーが鳴り、カーテンが開く……。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「意外に講堂までは距離があるんだな……」

 

 

 

ライは今、講堂に向かって走っている。最短ルートで来ているのだがそれでも時間を食ってしまっていた。

 

「(よりによって入り口が上か……窓から飛び降りられていい道があれば……)」

 

 

 

 

 

 

 

 

中学の時、ライはある日の事だが三階から飛び降り見事に着地した事があるのだ。

 

 

 

 

 

 

「(いやいや、また海未に怒られるな……それにしても何だ? この違和感……)」

 

 

ライはあと少しで着くのだが、近付くにつれて段々と耳に違和感があったのだ。

 

 

 

 

 

 

そして入り口が見えていた…。

 

 

 

「(よし、何とか――――)」

 

 

 

ライは講堂の扉を開けて入るのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……講堂の客は誰もいなかった……。

 

 

 

……誰一人……まるで予定されていないように見えていた。

 

 

ライはステージに立っている三人に近付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうか……」

 

 

 

 

ライの違和感は近付くにつれて誰も講堂に向かう人がいなかったのだ。耳の違和感は声だったのだ。

 

 

 

 

 

入り口の方は少なくとも話し声が聴こえる筈だったのだ。

 

そしてステージに立っている穂乃果、海未、ことりは悲しい顔をしている。

 

 

 

 

 

 

 

「あれは……」

 

 

 

 

「ごめん……頑張ったんだけど……」

 

フミコはステージの前の方から穂乃果達に近づき申し訳なく言った。

 

 

「……」

 

ライは神経を耳に集中する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……どうやら外の方は運動部の勧誘に集中していた。

 

 

「穂乃果ちゃん……」

「穂乃果……」

 

二人は涙目になっていた。

 

朝の練習や真姫が作ってくれた作曲、玄関で応援してくれた花陽の言葉……昨日の夜でお願いした言葉……全部――――

 

 

 

 

 

 

 

放送室のヒデコとチラシ配ってたミカもステージに来たが頭は下を向いていた。

 

「……そりゃそうだ……世の中そんなに甘くない! …………ぅ」

 

穂乃果は笑顔で言うが目に涙が溜まり今でもこぼれそうだ。

 

 

 

 

 

「……(こんなときに言う言葉が見つからないなんてっ!)」

 

ライはマネージャーとしてかける言葉を探したが見つからなかった。

 

マネージャーとして情けない自分に感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時――――

 

 

 

 

「お! ライブはまだか? 間に合ってよかった、よかった!」

「……レオン…先生?」

 

突然入り口から声が響き、誰かと思ったがレオン先生だ。

 

「いい席はまだ空いてるな? ラッキーだな!」

 

誰もいない事を気づいていないのか前の方へ歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

「レオン先生……」

「何だ何だ! 暗い顔して……せっかくのライブだ! 楽しまないとさ」

 

レオン先生は笑顔で言ってくるが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ですが……生徒が……」

「何言ってやがる! お前はそれでもマネージャーか!!」

「え……」

 

いつも性格ではなく、本当に叱ってるようにライは見えた。

 

 

 

「……ここに客がいるだろ? …………そうだろフミコ! ミカ! ヒデコ!」

「「は、はい!!」」

 

三人はどうしてか同時に返事をした。

 

「ライ……お前もだろ?」

「……ですが5人です…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライがそう言うと、レオンはため息を吐いてもう一度ライを見た。

 

「……誰が5人と言った?」

「え?」

 

ライには意味がわからず理由をきこうとしたが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァハァ……ハァ…あれ? ライブは? あれ??」

「……小泉さん?」

 

入り口から入ってきたのはライ達を応援していた一年生の小泉花陽だった。

入ってきたが客がいないせいか、周りをキョロキョロしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……すまない遅れてきた…」

 

また一人入ってきたのはもう一人の男性教師の早乙女黒だ。

 

「お! やっときたか?」

「……放送室が人手不足と聞いて来ただけだ…俺は放送室にいる…」

 

そう言って黒は放送室へ向かう。

 

「ライ……俺はお前達の活動は全部無駄じゃない…そうだろ?」

 

 

そしてライは穂乃果がいい始めたあの日を思い出す。

 

最初は上手くいかないと思っていた……躓く事もあった……でも、それでも諦めずに少しずつ進んできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今日、楽しみにしてる人が来てくれたのだ。

 

 

 

「先生……そうでした…本当に無駄じゃなかったです」

 

 

レオンの言葉にライは励まされた。そして三人も周りに励まされた。

 

 

 

 

 

「やろう! 歌おう! 全力で!」

「え? ……」

「穂乃果…」

 

「だってその為に今日頑張ってきたんだから!」

「「!!」」

 

穂乃果の言葉に二人はハッとする。

 

「歌おう!」

「穂乃果ちゃん……海未ちゃん!」

「ええ!!」

 

 

 

 

 

 

そして数秒後ライトと立ち位置が準備完了して曲が流れた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

I say...

Hey,hey,hey,START:DASH!!

Hey,hey,hey,START:DASH!!

 

 

 

「……確か曲名が『 START:DASH!! 』だったかな?」

「えぇ……そうです…」

「そうか……いい歌だな…」

「……はい…」

 

 

 

 

 

ライとレオンの会話に後に入り口から花陽を追いかけて来たのか一年生の星空凜が講堂に入ってきた。

 

 

 

 

生徒会副会長の東條希は入り口の廊下に立っており、真姫も少し離れた位置に立っており、恥ずかしいのか嫌な顔をして入ってくる。

 

 

 

 

三年生の矢澤にこも誰も気づかれずに入ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして放送室にいるヒデコと黒ともう一人……生徒会長の絢瀬絵里も放送室に立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「……(いい歌だな……でも何だろう……講堂では初めて聴くのにこの気持ちは……)」

 

 

 

 

 

 

 

ライはどうしてか胸が高鳴っていた……ただ曲が凄い事はもちろんだがそれと違う何かが高鳴っていた。

 

 

 

 

 

「……(本当にどうしたんだろ……まるでどこかで…)」

「……ライ?」

「え……」

 

ライが気がつくとレオン先生が肩を掴んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

「……大丈夫か?」

「はい、大丈夫です……歌が凄いからですよ…」

 

ライは笑顔で言ったが、実際は笑顔なのかはわからなかった。

 

 

 

 

 

「そうか……」

 

レオンはそう言ってライブに集中した。

 

 

 

 

 

 

「(今のはなんだったんだろ…)」

 

ライは違和感を感じたが、今は三人の歌に集中いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして曲が終わり、拍手が鳴る。

小さい拍手かもしれないがそれでも充分な大きさだった。

 

 

「(いい歌だったよ……穂乃果、ことり、海未……)? あれは……」

 

ライが後ろから足跡が響き、後ろを見ると絵里がステージに近づいて来た。

 

 

 

「生徒会長……」

「……どうするつもり?」

 

 

絵里はこの状況を見ながら当然のように穂乃果達に問う。

 

 

 

 

 

 

 

「……続けます!」

「穂乃果……」

 

それに対して穂乃果も当然のように予想外な答えをする。

 

 

 

 

 

 

 

「何故? ……これ以上続けても意味があるとは思えないけど」

「やりたいからです!」

 

穂乃果ははっきり言った。

 

 

 

 

 

「今、私……もっともっと踊りたいって思っています……きっと海未ちゃんもことりちゃんも……こんな気持ち初めてなんです! やってよかったって、本気で思えたんです! 今はこの気持ちを信じたい!

 

 

……このまま誰も見向きもしないかもしれない……応援なんて全然もらえないかも知れない……

でも一生懸命頑張って、私達がとにかく頑張って届けたい! 今、私達のここいるこの思いを!

 

……そして私達の為に頑張っているとても大切なマネージャーのライ君の為に……

 

いつか…いつか私達必ず…………ここを満員にして見せます!!!!」

 

 

 

 

 

いつの間にか廊下にいた希も入っていた。

 

 

「……(完敗からのスタートか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――あれ?)」

 

 

 

 

 

希は突然、目眩が感じた。

 

そして側にあった、椅子を掴むが膝をつく。

 

「何や? 突然眠気が……それに何やろ? この前感じた嫌な物と同じ感じがする……」

 

その言葉と同時に、講堂の後ろ前へとヒデコ、ミカ、フミコも床に倒れ、花陽、凛、真姫、にこも倒れる。

 

「何だか突然眠気が……」

「凛ちゃん!? 私も……」

「ちょ! 何!? どうし――――」

「――――」

 

 

「ちょ!? 皆――「絢瀬! 動くなッ!」え?」

 

絵里は突然、倒れた皆に近づくがレオンが止める。

 

 

 

 

 

「全員ステージの後ろに下がるんだ! (くそっ! 何で気がつかなかったんだ!)」

「先生一体……!? (この感じ…どうして…)」

 

 

 

 

 

ライがそう思っていると、講堂の天井から何かが降りてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「キュルルルル…」」

 

 

 

天井から降りてきたのは二体。人型で茶色い甲殻で出来た体。頭には触角と小さい角が一本と二本のがいる。まるでコウロギのような姿だった。

 

 

 

 

 

 

「……(どうしてここに怪物が…)」

 

「穂乃果ちゃん……」

「大丈夫だよことりちゃん……だって…」

「……(ライ…)」

 

怪物を知っている四人はわかる……一度襲われた恐怖は人は忘れられないのだ。

 

海未はライを見たが拳を握りしめ、鋭い目付きをしていた。

 

 

 

 

 

その二体がステージの方へ近づいてくる。

 

 

「全員ステージの方へ下がれ! ステージの所から出るな!!」

 

レオンはそう叫び、怪物の方へ近付く。

 

「先生! 一体…「ライ! お前も下がれ!」……」

 

ライは怪物に近付くレオンを止めようとするがレオンは逆にライを近付けないようにする。

 

 

それは教師としての立場か、それとも――――

 

 

 

そして右手を前に出すが……

 

 

 

 

 

「先生!!」

「ライ? ……?」

 

 

 

突然ライはレオンの立っている位置から前に立つ……そして一言言う。

 

 

「先生……僕は先生に黙っていることがあります……」

 

そしてライの左手からは蒼い炎が出た。

 

 

「ライ……お前…」

「先生……僕はあの怪物と同じものなのかもしれません……ですが僕は守る為に戦う!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炎よ! 我を纏え!!」

 

 

 

 

ライの身体は炎に包まれ、蒼い鎧の姿に変わった。

 

 

 

 

「ライ……何だな…」

「えぇ……そうです…」

 

 

「ライ……」

「あなた達は知ってたの?」

 

絵里は驚いているが三人は落ち着いているので質問をする。

 

「生徒会長は余り驚かないのですね……」

「え……驚いているわ…」

 

海未は初めてみる割には驚いていない絵里の様子に訊いたが、驚いていると言う。

 

そしてライは怪物に向かおうとするが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ならライ……俺も本当の事を言おう……」

 

そしてレオンの右手から人形の式神が現れる。

 

「先生……それは――」

 

 

 

 

 

 

「式神よ! 我に纏え!!」

 

レオンは風に包まれ紅の鎧に変わる。

 

 

 

「…………」

「……いろいろ話はあるが…この事を片付けてから話そう…」

 

「……はい…」

 

 

二人は怪物の方へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「レオン先生がライ君と同じ姿に変わった!」

「でも……紅いよ…」

「ライともう一人……鬼が……」

 

「……(あの人の他に二人いたのね…)」

 

 

 

 

 

四人はそれぞれに驚いていた。そして二人の鬼は怪物と戦うのだった……。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「「キュルルルル!!」」

 

「くっ!」

「うっ!」

 

二体の怪物は上へ飛んだ。二人は上を見るが、怪物はもう目の前の距離だった。怪物は二人に蹴りをする。レオンはガードするが、ライはくらってしまう。

 

 

「ライ!? くっ!」

 

レオンはライを助けにいきたいが二体二対だ。さすがに助けに行く状況ではない。

 

 

「(早くコイツを仕留めなければ!)」

 

 

レオンは手早く二本角との仕留めることに専念するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「キュル、キュル……」

 

「まさか一瞬で目の前まで来るとは……だが!」

 

ライは後ろに少し飛ばされるがすぐに体勢を直し、怪物に突っ込む。そして蹴りを頭部に当てる。

 

「ギュルッ!」

 

怪物は蹴りで倒れるが、ライはそのまま首を掴む。

 

 

 

 

「……!!」

「ギュッ……」

 

ライは頭に頭突きをした。そしてもう一度使用とするが……

 

「ギュル!」

「うわっ!」

 

レオンと戦っている二本角がライの方に乱入してきたのだ。

 

レオンとは最初は苦戦していたが、段々と優勢になっていたが、一本角が一方的になっていた為、二本角は突然片手からノコギリの様な剣を出してレオンに一撃を与える。そしてライの方へ向かって来たのだった。

 

そしてライに剣を何度も攻撃する。

 

「う、……(剣の一撃がでかい……だが!)」

 

剣でも振り回せば隙ができる。ライは降った隙をつき、反撃に出ようとするがもう一体の一本角に邪魔される。

 

そして剣と格闘の連携攻撃にライは押され、ステージ側の開いている扉まで押される。

 

 

 

 

 

「ライ!」

 

 

 

レオンは立ち上がり、右手から銃を出して後ろを向いている二体の怪物に正確に狙い撃つ。

 

「ギュル!」

「何!?」

 

 

 

 

 

 

一本角の怪物は振り向き、両手を広げて盾の様になる。数発撃つが一歩もずれない。

 

「くっ!」

 

 

 

 

レオンは走りながら撃つ。それでもまだずれなかった。

 

 

 

「ギュル! ギュル! ギュル!」

「ハァ、ハァ……」

 

そして廊下まで押されたライはかなりのダメージを受けていた。

 

「ギュル!!」

「がっ!」

 

そして怪物の剣はライの胴体の方へ突きをし、ライは窓の方へ飛ばされ下へ落ちた。

 

 

「キュルキュルキュル……」

 

怪物は嘲笑い、下へ降りようとするが……

 

 

「!?」

 

突然、後から何かの衝撃が加わり、窓から下へ落ちていった。

 

 

 

 

 

 

「ライ! 大丈夫か!?」

 

レオンは走りながら一本角に近付き、空いている片手に風の力を拳に溜めて、一本角の体にぶつけた。その衝撃で一本角は吹き飛び、二本角とぶつかり二体とも窓から落ちたのだった。

 

そしてレオンは下へ飛び降りて、ライの方へ近付いた。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ライ!?」

「待って! 海未ちゃん!」

 

海未は下へ落ちたライの所へ行こうとしたが穂乃果が止める。

 

「穂乃果! ライが!?」

「確かにそうだけど危ないよ!」

「レオン先生がステージから出るなって言ってたよ!」

「……」

 

穂乃果とことりは確かな事だった。レオンはステージから出るなと言った。

 

 

 

「あなた達は知ってたの? あの怪物や二人の姿が?」

 

 

 

「はい……一ヶ月位前に怪物に襲われましたが、ライが助けてくれました」

「私もです……ライ君が変身したのはその日が初めてです」

「レオン先生が変身したは今日が初めてです」

 

「……(一ヶ月位……私も確か…)」

 

 

 

 

絵里は三人に質問をする。そして絵里はある人が頭に浮かんだのだった。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「ライ!! しつかりしろ!」

「レオン……先生…」

 

下へ降りたレオンはライに近付き意識を確かめる。ライはかなりのダメージを受けていたが意識はしていた。

 

 

 

 

 

「「キュルキュル……」」

 

 

その一方、二体はまだ体力があった。

 

「ライ…お前はここにいろ…」

「先生! ですが!」

 

「お前は休んでいろ……後は任せろ」

 

そう言ってレオンは二体に構える。

 

 

 

「ハァハァ……(身体に痛みが……こんなときに何も!!)」

 

ライがそう思っているが、レオンと二体の怪物との戦いが始まった。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「「ギュル!」」

 

「ふん!」

 

 

 

剣を持った二本角は剣を横に振り回したが、レオンはしゃがんで避けて背中に蹴りをする。そして一本角は襲いかかるが、レオンの銃の弾丸を浴びせる。

 

「ギュル!」

 

二本角はレオン背中に切り刻もうとするが、レオンは剣を銃で受けとめ、脇腹に蹴りを与えて頭部に弾丸を与える。

 

 

「キュル!」

 

 

後から怪物の声が聴こえ、後ろに銃を向けるが、怪物が居なく上を向いたが遅かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怪物の引っ掻きがレオンの身体に切り刻んだ。

 

「うっ…」

 

そして後から剣の攻撃が来る。レオンは素早く振り向いたがその同時に剣の攻撃をくらう。そして剣の突きで後ろへ吹き飛ぶ。

 

「ギュル!」

「くっ!」

 

一本角がレオンの身体を後から押さえた。

 

「ギュルギュル……」

 

 

 

 

 

 

そして二本角がもう一本剣を出して、レオンに切り刻んむ。

だがレオンは何とか銃口を怪物に引き金を引いたが、弾丸は片方の剣に当たり、片方の剣が弾いて吹き飛ぶ。

 

「ギュル!」

「う……」

 

二本角は片手の剣で何度も攻撃をくらわされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…不味いな…」

「キュルキュル……」

 

二本角は笑いながら鳴き、剣を両手に持ち、上に振り上げる。

 

 

 

 

 

 

 

「マジで…不味いな……」

「ギュル!」

 

二本角は剣を下へ降り下ろすが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザクッ……

 

 

「ギュ……ギュル……」

 

 

二本角の体に剣が貫通していた。自分のと同じ形をしている剣に……。

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

刺したのはライだった……どうやら飛ばされた剣を手に取り後から刺したのだった。

 

そして二本角は横に倒れる…。

 

 

「レオン……先生…」

 

 

「!!」

「ギュル!?」

 

 

 

 

 

 

 

掴まれていたレオンは肘で怪物の脇腹を叩き、掴まれている状態から離れる。そして銃を怪物に向け、引き金を引きまくる。

 

 

 

 

「ギュル! ギュル! ギュギュ……」

 

 

それでもレオンは引き金を引く……。

 

 

 

 

 

 

そして一発が角に当たり、折れる。レオンも撃つのを止めた。

 

 

「…………」

「ギュ――――」

 

一本角は後ろに倒れた…。

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ……何とか…か……」

 

レオンは銃を下ろし、急いでライの方に寄る。ライは膝をついていた。

 

 

 

「ライ!! 大丈夫か?」

「えぇ……何とか…」

 

ライはかなりのダメージがあるが、言葉をはっきりと言った。

 

「それよりも先生……あの怪物と僕と先生の力は……」

 

「…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その事だが――」

 

 

 

 

「ギュルー!!」

 

「「!?」」

 

二人は突然の声が上から響き、何かが落ちてきた。

 

「ギュ……ギュル…」

 

さっきの怪物と同じだが、角が三本角だった。そして苦しそうに地に倒れている。

 

 

 

 

 

 

 

「ギュルゥゥー!!」

「……」

 

そしてまた窓から落ちたて来たのだった。

 

怪物の四本角だ。体に四本のナイフを刺されて、仰向けに倒れていた。そして怪物の首を掴みながら落ちてきた人がいた。

 

 

「アイツは……」

「……」

 

ライが首を掴んでいる人に反応する。レオンもその人を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

首を掴んでいる男は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……黒鬼、早乙女黒だ……。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

次回予告

 

 

 

様々な困難があったが、支えてくれた人達のお陰で無事にファーストライブを披露したライ達。

 

 

 

 

 

 

……だが、その直後に現れた怪物――デスペリア…。

 

 

何とか倒したライ達にまた新たに現れたデスペリアともう一人の鬼の黒……。

 

 

 

 

 

 

 

「ライ……お前が知りたい事を話そう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回『ファーストライブ ―ライブの後に―』

 

 

 

 

そして蒼鬼は知る……。

 

 

 

 

 

 

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