「…なにいってる、ここには誰もいな」遮るようにハリーが言った。「確かにここに見えるんだ!きて!」
渋々リンクも鏡の前にいく。「ほら、ここに」「いや、ハリー。俺にはソフィアや…死んだ仲間と一緒にのんびり暮らしているのが見えるぞ。」「え?」そう、この鏡は見る人によって映るものが違って見えた。
ハリーにはポッター家の人々が、リンクにはソフィアや亡くなった仲間と共に平和に暮らしているところが見えているのだった。
「もしかして死んだ人が見えるのかな?」ハリーの言葉にリンクは首を振る。「いや、ソフィアが見えているからそれは違うと思う。ソフィアと俺は死んでいないからな。」「じゃあなに?」
思わずリンクはため息をついた。「あのな、ハリー。俺はお前と同学年だぞ。この城のことなんざお前と同じくらいのことしか知らされていないっつの。」「あ。」ハリーはすっかりリンクが同学年ということを忘れていた。
「まぁ時間も時間だし、一回戻るぞ。」ハリーは頷く。
〜翌日〜
「おったまげ〜。そんな鏡があったんだ。あれ?リンクは?」昨日のことをきき終わり、ハリーと共に行ったはずのリンクを探す。
「外で説教。」「外で!?」ロンは非常に驚いた。外はまだ雪が積もっているからだ。
「…死なないといいんだけど。」「まぁ大丈夫でしょ。リンクだし。」「ロン。リンクをダンブルドアか何かかと勘違いしていないかい?」
ハリーとロンが朝ごはんを食べ終わって談話室でチェスをしている時にリンクがやっと戻ってきた。
リンクはすっかり冷えていた。しかし快活そうに笑うと「いや〜父さんと母さんが見えた。めっちゃ笑顔だったわ〜」といった。
目は虚ろである。
これは大変だと思った二人はリンクに毛布をかけ、あわてて暖炉の前まで持っていった。
「…あれ?俺なにしてたんだっけ。確か…ソフィアに昨日のことがばれて…外に放り出されて…」そこまで言うとうーんと考え込んでしまった。
ハリーとロンは少し声が震えながら、そしてソフィア・マーリンという人に対し恐怖をおぼえながら言った。「ま、まさか記憶が飛んでるの!?」
こくりと頷くリンク。
何をどうしたらそうなるんだろう…
ソフィアには絶対に叱られたくないと思った二人だった。
「それよりさー、今日も行くんだろ。あの鏡んとこ。」「反省してないの!?」
〜夜〜
「相変わらず寒い…」ハリーがぼやくとリンクが悟ったように言った。「慣れた。」「だろうね。」苦笑するロン。
「あ、この部屋かな?」ハリーがそう言って入った。
「ほら、ロン。君には何が」「僕、首席だ!クィディッチのキャプテンでもある!」ハリーの言葉を遮ってロンが言った。
このロンの発言によって自分の考えを確定したリンクは誰もいないはずのところに喋りかけた。
「わかった。ダンブルドア、これ望みを写す鏡だろ。」
急に何もないところに話しかけたリンクに怯むハリーとロン。しかし次の声の方が驚いた。
「よくわかったのうリンク。」校長のダンブルドアの声である。
いつの間にかダンブルドアが立っていた。
「先生…あの…僕、その…気づきませんでした」ハリーの言葉に愉快気に笑うとダンブルドアは「透明になるとずいぶん近眼になるんじゃのう。
リンクの言うとおり、これは望みを写す鏡。 みぞの鏡 という。
心にある望み。それが思いやってくれる肉親がいないハリーにとっては亡くなった家族。兄弟と比較されてばかりのロンには(ロンは耳まで真っ赤になった。)自分の栄光。そして誰よりも平和のことを欲しているリンクは平和な暮らしが見えるのじゃ。
この鏡は明日にも移してしまうからの。もう探すでないぞ。この鏡に人生を狂わされた魔法使いは山ほどおるからの。さぁ、お帰り。」
翌朝、校庭にリンクが正座で固まっていた(凍っていたに等しい状態)のは言うまでもない。
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