偽りの想い、心、感情
それらを見破ったつもりでいても、本当は何も解っていないのに、なんで解ったような事を言える?
真実を隠し通すことは誰にでも出来る。何故なら、人は自分にとって都合のいいことしか信じようとしないから
「………面倒だな~」
開始初っぱなから、クエスチョンマークが頭に浮かびそうな発言をしだしたのは目の前の光景が原因なのである。
グラウンドド真ん中で満面の笑みで艤装展開している戦闘狂たちと、ギャラリーとして集まってきた艦娘たち。
「あはは~、可笑しいな~」
「俺の記憶が確かなら、今日は俺と夕立たち含めた六人で街に行って買い物をしてから鎮守府に戻る予定になってた筈何だけど。これは一体どういう状況だ?」
そんな艦娘たちを見ながら狐は今日一日の予定を口に出していた。
「狐!」
「何か用か~? ながもん」
狐の長門に対するながもん呼びに何人かが吹き出した。
「誰がながもんだ!?」
「え?」
「何だその、もしかして誰に対して言ってるのか本気でわかってないの?見たいな顔は」
「私は長門で在って、断じてながもんでは無い!」
「いやいや、お前以外にながもん呼びが似合うヤツがいると思ってんだ?」
「………」
青筋を浮かべながら無言で狐を睨み付けているが、効果はないようだ。
「(う~ん、今回はどういった風にカラカウかな~)」
それどころか、どうやってカラカウかを考え始めていると、声を掛けられた。
「……あー、ちょっといいか?」
「何だ? フフ怖(笑)」
「テメェ、誰がフフ怖(笑)だ!」
「お前」
「ブッ殺す」
「落ち着け天龍」
武蔵の一言に渋々ながらも従った。
「ひとまず、私から状況を説明させてもらおう」
「私たちは貴様にリベンジ戦を申し込む!」
「いいだろう」
了承の返事をした狐は謎の演説を始めた。
「諸君、俺はカラカウことが好きだ。
諸君、俺はカラカウことが好きだ。
諸君、俺はカラカウことが大好きだ」
「村で、街で、国で、鎮守府で、大本営で」
「相手を徹底的にカラカイ倒すのが好きだ」
「平原で、街道で
塹壕で、草原で
凍土で、砂漠で
海上で、空中で
泥中で、湿原で」
「この地上で出来るありとあらゆる場所で相手をカラカウのが大好きだ」
「さあ、始めよう。リベンジ戦と言う名のカラカイを」
これを聞いていた艦娘たちは、何言ってんだコイツという目で狐を見ている。だが、戦闘狂たちは悟った。いや、悟ってしまった。
「「「(コイツ、真面目に闘う気が微塵もない)」」」
「どうした? 掛かってこないのか?」
「所詮貴様らはその程度と言うことか、負け犬にもなれなかった雑魚か」
何時まで経っても攻撃を仕掛けてこない戦闘狂たちを挑発しだした。流石にも最後の一言は頭に来たようで、有りったけの弾を砲撃しだした。狐は笑いながら飛んでくる弾を避けている。
「そうだ! それでいい!」
避ける際に相手をカラカウ事を忘れずに。
「ナメルナァ!」
「左舷! 弾幕薄いよ! 何やってんの!?」
「全砲門一斉射!」
「当たらなければ、どうということはない!」
「本当に人間なのか?! アイツ!」
「何度でも、そう、何度でも言おう」
「俺は正真正銘、人間であると!」
「(お前みたいな人間がたまるか!)」
「クタバリやがれ!」
「あら危ない♪」
「頭をさげれば大丈夫♪」
「(いやいやいや、確かに今のは頭をさげれば大丈夫だったのは認めるけど、実際にやってるのと比べたら危険が段違いだからな!?)」
「そこ!」
「この程度、想定の範囲内だよ!」
「天龍! そっちに行ったぞ!」
「喰らえ!」
「なんとお~!」
「やったか?!」
「ところがギッチョン!」
「なっ!?」
「あれれ、まさかビビっちゃった? ギャハハハハ!」
「ふざけんな!」
「それは、無理な相談だな」
「何でだよ!?」
「人にはやらなきゃいけない時があるんだ。それが今なんだよ!」
「ようするに、平常運転だよなオイ!」
「そうとも言う」
「そうとしか言わねえだろうが!」
「狙い撃つぜぇ!」
「まだだ………まだこの程度で、武蔵は……沈まん!」
「世に平穏のあらんことを」
フザケつつも戦闘狂たちを順調に制圧していき、いつも通り長門と狐の一騎討ちに。
「何だろうね?
なんか、この展開にも慣れてきたな」
「二人の仇、取らせてもらうぞ!」
「二人とも死んでないからな。ちゃんと生きてるから」
「いくぞ!」
「そこは無視かよ」
狐に接近して殴りかかるも簡単に避けられ、艤装に何故かてるてる坊主を吊るされている。艦娘たちは心のなかで、「(何でてるてる坊主を吊るしてるの?)」と思っていた。
てるてる坊主を五個くらい吊るした辺りで、今度は歌いだした。
「てるてる坊主~、てる坊主~。
あした天気にしておくれ~」
「一斉射!」
「私の願いを聞いたなら、あまいお酒をたんと飲ましょ~」
「何故当たらないんだ!」
「まぁ、避けてるから当たるわけ無いだろ」
「ならば!」
「さっきから無視するの止めようか」
「ビックセブンの力、侮るな!」
「はいはい、わかったから無視するの止めようか。いや、マジで」
「艦隊、この長門に続け!」
「もう面倒臭くなってきたしクタバレ」
最初から最後まで話が噛み合う事なく、戦闘狂たちの敗北にてリベンジ戦は幕を下ろした。
と思ったか?
ダメコン発動、長門復活。
「まだだ……まだ、勝負はついていないぞ!」
「マジ引くわ~」
長門の復活により、第二ラウンドが始まった。
「……第二ラウンドが始まるのについては、この際だから気にしないけどよ。お前にダメコンを持たせたのって誰だ?」
「…元帥だが?」
「(後でボコられまくってる熊と同じ様な感じで元帥を徹底的にボコるか)」
「隙あり!」
「またのご来店をお待ちしてないからさっさと沈め」
長門の敗北によって、今度こそ本当に幕を閉じた。そのすぐ後に、元帥を「フルボッコだドン!」とか言いながらボコっている狐がいたとかいなかったとか。
予定よりも大分遅れて買い物をしている際にロリコン共に絡まれた狐は、歌いながら駆逐していた。
「吾は~憲兵我が敵は~、天地容れざるロリコンぞ」
「ごめんなさ──グハッ」
「敵のロリ帝たる者は、古今無双の変態で」
「やめ──ゲホアッ」
「これに従うロリコンは」
「陸軍がこれを聞いたらキレるぞ」
「アベシッ」
「それは言っちゃいけない」
時折ツッコミと悲鳴が入っているが、
「進めや進め諸共に、玉散る
一番が歌い終わる時には狐によってロリコン共は撃沈されていた。撃沈されたロリコン共は、憲兵=サンに連行されていった。
「今の歌って何だったんだ?」
「憲兵隊だ」
「そんな歌あった?」
「抜刀隊を聴いてたら思い付いたから創ってみた。替え歌だな」
「そんなの創って大丈夫っぽい?」
「タブン大丈夫だろ。っと、そんな事よりもさっさと鎮守府に帰るか」
「わかったぽい」
「わかったぞ」
「「はい」」
その跡も鎮守府に戻るまでに問題に巻き込まれたり、起こしたりしながら帰っていく狐たちなのであった。………帰ったら帰ったらで、門番についての説明を求められたりするのであった。