おはようからさよならまで、ありとあらゆる人の前後左右、上下に何処からともなく現れる、みんな大好き狐だよ♪
………
………………
………………………
……とまぁ、現実逃避するのはここまでにしといて。
「なんとか逃げきれたか?」
「………」
「……………」
「……やべぇ、フラグ立てちまった気がするぜ」
「いたぞー!」
「者共出会え、出会えー!」
「やっぱりフラグだったか!」
───ブォオオーーーン
「おい待て!? 何時から大本営は武家屋敷になったんだ?!」
何処からともなく鳴り響く法螺貝、それを合図に突如として出現した鎧姿の集団。それを見た狐は回れ右をして、全力ダッシュをかまして逃げ出すが、集団は狐を逃がすまいと同じく走り出した。
「アハハ~、どうしてこうなったし?」
何故こんな事になったのかは、振り返ってみてもわからない気もするが、狐はこうなるまでの経緯を振り返ってみた。
INラバウル基地執務室
何時もの如く、たいして量のない書類を終わらせ何をするか考えていると声を掛けられた。
「お兄ちゃん」
「ん~? 古鷹か、どった?」
用件を聞くと、
「大本営からお手紙が届いたよ」
狐宛の手紙を持ってきたようだ。狐は大本営から届いたらしい手紙を古鷹から受け取り、書いてある内容を確認し始めた。
「どれどれ~?」
書いてあった事を簡潔に纏めると、今日の夜に大本営の門前に一人で来るようにとのことだった。
「ちょっとばかし出掛けるから、留守は任せたぞ」
物凄い面倒臭そうな顔をしながらも狐は執務室から出ていった。
「うん、いってらっしゃい」
古鷹に見送られながら大本営までやって来た。
「う~ん。着いたはいいが、何で誰もいないんだ?」
指定された通りに大本営の門前に到着したが、誰もいないせいでどうすべきかを悩んでいた。
「取り敢えず、執務室に行けば元帥いるだろ」
執務室に行こうと大本営の敷地に足を踏み入れると、急に門が閉まり出した。
「へ?」
そこからは知っての通りである。狐を追いかけ回してる集団の顔をよく見てみると、大本営所属の艦娘たちと憲兵たちだった。
「イッチバーン!」
「ヒャッハーーー!」
「なのです!」
「お、置いてかないでよぉ!」
「イヤーーー!」
「悪く思うなよ。これも元帥命令なんでな」
「……予想通り元帥の仕業か」
「ならば、全員返り討ちにするまでだ!」
「トリモチ部隊、トリモチ発射!」
「それはセコくないか?!」
乱闘になるかと思われていたが、トリモチによって簡単に捕縛され何処かにドナドナされていった。……その際、ドナドナの曲が流れていたとか。
「さあ、今夜も始まりました。
青葉の鎮守府ラジオー!」
「………」
「今回はスペシャルゲストとして、この方に来てもらってます。それでは、自己紹介のほどお願いします!」
「……帰っていいか?」
「ちょっと待ってください! なんで自己紹介とか色々とすっ飛ばして帰ろうとしてるんですか?!」
「此方はなにも聞かされず、今日の夜に大本営に来るように言われたから来てみれば」
「訳もわからずにいきなり追いかけ回され、ドナドナされればなぁ~」
「……あれ? 元帥からは、今回の出演を快く引き受けてくれたと聞いていたのですが」
「……絶対にいつか大本営襲撃してやる」
「いま物凄く物騒な言葉が聞こえたんですが」
「気のせいだ」
「そ、そうですか。それでは気を取り直して、自己紹介お願いします」
「ラバウル基地で提督やってる狐少佐だ。それで、これから何すんだ?」
「まずそこからですか」
「何も知らされてないからな」
「簡潔に纏めるますと、各鎮守府から届いたリクエストや質問や疑問、悩みなどを解決やアドバイスしていきます」
「……青葉にしてはマトモだな」
「いったい青葉のイメージはラバウル提督のなかではどうなってるんですか?」
「パパラッチ、問題児、トラブルメーカー」
「酷くないですか?!」
「どうでもいいけどさっさと、進めろや」
「私からしたらどうでもよくないですから!?」
「進めないなら深紅の魔装竜の荷電粒子砲喰らわすぞ」
「それ喰らったら絶対に死にますよね?!
慈悲はないんですか!?」
「当たり前だ。最初からお前に慈悲を与えるつもりは欠片もないからな」
「鬼! 悪魔! ロリコン!」
「待て!? 誰がロリコンだ!!」
「あなたです」
「ネットではロリコン説がまことしやかに囁かれてますよ」
「……一番最初にその噂を流したヤツは見つけ次第潰す。……………いや、ここは敢えて、長いなが~いクルージングにでも旅立たせてやるか」
「(逃げて! 噂流した人、今すぐ全力で逃げて!)」
「だいぶ話が逸れてしまいましたが、届いたお便りを読みます。ペンネーム『私がガンダムだ!』さんからのお便り」
「会いたかったぞ、ガンダム!」
「え、あの、いきなりどうしたんですか?」
「このネタ知らないのかよ。ならいいや、さっさと進めろ」
「あ、はい」
『最近、私のだすネタを理解してくれる人がいません。どうすればいいですか?』
「……ラバウル提督さん、出番ですよ」
「いきなりだな」
「これは専門外です。そして、先程の言動的に同類ですよね?」
「同類って、お前な~。面倒だがアドバイスしてやるか」
「んなもん、ここにお便り出すよりも先に」
「ネットで同士を探せ!
以上! アドバイス終わり!」
「アドバイスになってないような気もしますが、次のお便り行きます。ペンネーム『怒ってないです』さんからのお便り」
『新しく入ってきた娘に提督の膝の上を取られました。どうすれば、取り戻せますか』
「提督の袖を軽く引っ張って、上目遣いでお願いすればいけますよ! ですよね? ラバウル提督さん」
「何故そこで俺に振る」
「だってねぇ(言えない、差出人の住所がラバウル基地だからだなんて、口が裂けても言えない!)」
「まあいい、上目遣いせずとも普通にお願いすればいいんじゃねぇのか?」
「ラバウル提督さんは、お願いされればなんでも聞いちゃうんですか?」
「内容によるが、膝の上に座りたい程度とかなら問題ない」
「逆にダメなお願いは何があるんですか?」
「一緒に風呂入りたいとかだな」
「それは実際にお願いされたりしたんですか?」
「されたが、憲兵=サンのお世話になりたくないから断ったけどな」
「フムフム」
「………」
頷きながらメモ帳にペンを走らせる青葉に対し無言で後頭部に狙いを定め。
「……さ~ん……に~……い~ち……」
ハリセンを振りかぶりながらカウントダウンを取り始めた。
「なんのカウントダウンですか?」
「……ゼロ」
カウントダウンに気付いて質問するが、時すでに遅し。
「必殺、ハリセンアタッ~ク」
「ワレアオバー!」
容赦のないが青葉に決まった。そして、青葉が一時的に行動不能状態になったのを確認して、狐はメモ帳を取り上げた。
「これは戴いていく、ジオン再興のために」
「……絶対………にジオ……ン関…係な…いで…すよ…ね……?」
その際に言った言葉に対して青葉は、最後の力を振り絞ってツッコミをいれて倒れた。
「ナイスツッコミ!」
「………」
「お~い?」
「………」
「返事がない、まるでただの屍のようだ」
「………」
「青葉が死んだ!
この人でなし!」
「………」
「これでも起きねえのかよ。面倒くせえな~」
「………」
「立て! 立つんだ!」
「パパラッチ!」
「そこはジョーじゃないんですか!?」
「やっと起きたか。てっきり本当に死んでるのかと思ったぞ」
「変なボケを始めたせいで、起きるタイミングを失ってしまってただけですから」
「それは置いといて」
「これって時間大丈夫なのか?」
「時間ですか?」
「終了まであと数分しかないじゃないですか!?」
狐とのやり取りで、お便りを紹介出来ていないのに対して青葉は、
「ハァ、今回はお便りを殆んど紹介出来ませんでしたが、次回もお楽しみに」
ため息を吐きながら締め括った。
今回の放送が予想外にも受けがよかったのを、この時の青葉は知るよしもなかった。
頭のなかで青葉が「ワレアオバ、ワレアオバ」と、五月蝿かったから衝動的に話を構築して書いてみたが……後悔しかない