艦娘と自称狐   作:矛盾者

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汝、死を恐れるなかれ
未来のあなたが笑っているかは誰にもわからない
ならば、今だけでも笑え!
最期の時が訪れるまで笑い続けろ!

どんなに理不尽が降り掛かろうと
そんなもんかと笑い飛ばせ

たとえどんなに明日が遠くても、霞んでみえても
足があるのならば、その歩みを止めずに
足がなくとも、地べたを這いずってでも
心が折れない限り
明日を掴み取れ!


見せてみな
お前らにその心とやらがあるのならば!




第29話

 

 

ラバウル基地の事を軍関係者に尋ねれば高確率でこう返ってくる。

 

曰く、彼処は頭が可笑しい。

曰く、敷地内に巨大ロボが鎮座してる。

曰く、化け物が門番をしてる。

曰く、提督の武器がハリセン。

曰く、扉爆破は挨拶の基本。

曰く、元帥相手に襲撃を仕掛けている。

曰く、狐面をバカにしたらシバかれる。

曰く、提督の権限がチート。

曰く、最初から最後までフザケル事をやめない。

曰く、アイツがラスボス。

 

そんな感じで話題に事欠かないラバウル基地である。何も知らない人が聞けば「ゴメン、何言ってるかわかんない」と返ってくる。それが普通の反応なんだろうが、話をしている方は至って真面目である。例え、話に尾ひれが少しついていても一部は本当の事である。

 

 

さて、何故こんな話をしているかを説明するには大本営という組織が関わってくる。

まず始めに、大本営とて毎日出撃や艦娘を建造している。出撃や建造をしているのだから既に所属している艦娘がドロップすることもある訳だ。さて、そんな新人の艦娘たちがどうなるのかと言うと、一部を除く駆逐艦は新人提督の初期艦になる。そして、それ以外の艦種は必要最低限の教育を受けたあと、様々な鎮守府に配属される訳だが、成績上位の艦娘から優先的に希望する鎮守府に配属される。

とはいえ、稀に成績が悪くても鎮守府側から指名されることもある。鎮守府側が求めている艦種がいない場合に限り。

基本的に大本営の掲示板に各鎮守府の求めている人数や艦種、情報が掲載されている為、指名されることは滅多に起こらないが。何事にも例外というものが存在する。

 

さて、説明は此処までにして本題に移ろう。教育期間の終了が近くなると、自然と掲示板に艦娘たちが集まり出す。そして、大本営所属の青葉(パパラッチ)が何処からともなく湧き出して情報収集を始めるまでの一連の動作がお決まりのお約束である。何時もなら何かいる程度の感覚で無視(スルー)されているのに、今回は珍しいことに艦娘たちが青葉の周りを囲んでいた。……別に青葉が今までしてかした事に対してここぞとばかりに集団で私刑(リンチ)にしようとしている訳ではない。ないったらない。

 

「あのぉ」

 

「なに、青葉?」

 

「何で青葉は皆さんに囲まれてるんですか?」

 

「日頃の行いが原因じゃない?」

 

「日頃の行いと言われましても」

 

「盗撮」

 

「ウグッ」

 

「パパラッチ行動」

 

「ガハッ」

 

言葉が鋭い刃として青葉に突き刺さる。

 

「後は」

 

「やめてください。もう、青葉のライフはゼロです」

 

 

 

閑話休題(それはさておき)

 

 

 

青葉を囲んでいる内の一人が口を開いた。

 

「……えっと、青葉さんに聞きたいことがあるから囲んでるだけでして、別に危害を加えようとはしてませんから」

 

「はあ、聞きたいこととはなんでしょうか?」

 

「この、ラバウル基地についてなんですが……って、何で顔が青いんですか?! 大丈夫ですか!?」

 

何故か青葉は顔を青くして震えていた。

 

「あー、これは気にしないであげて。ラバウル基地で植え付けられた軽いトラウマを思い出してるだけだから」

 

「うん。思い返して見てもアレは、青葉が全面的に悪いとしか言えないし仕方ないことだよね」

 

それを聞いた周りの艦娘たちは、「ラバウル基地でいったい何があった!?」と叫びそうになったのを必死に堪えた。いつもなら叫んでいただろうが、今回はどうにか堪えきった。

もしも叫んでいたら、更なる地雷を踏むどころか、逆に全ての地雷を踏み抜きそうで怖かったからである。

そして、大本営の敷地内の何処かで何かが爆発する音が聞こえたため敵襲かと辺りの警戒を始めた新人たちであるが、周りを見回してみると。

 

何故か賭けを始める大本営所属組とフル装備でグラウンドに向かって走り出す戦闘狂たちが目に写った。これにより敵襲ではないことは理解できた。

 

取り敢えず新人たちはいまから何が始まるのか何てわかる訳もないから誰か説明しようか。

 

『ピンポンパンポーン』

 

放送が鳴り響いた。

 

『テステス、マイクテス。

うん、だいじょうぶそうだな』

 

『取り敢えず予定通り参加者は10分以内にグラウンド集合な~。遅れんなよ~』

 

『以上。あらゆる人のあらゆる場所に這い寄るみんな大好き──』

 

『お主は最後まで真面目に出来んのか?』

 

誰かが喋っている途中で別の誰かに遮られていた。新人たちは誰が喋っていて、誰が遮ったのかはわかっていないがそれ以外の人達は色々と察していた。

 

『フッ、ムリに決まってるじゃん』

 

『……やはり一度独房にブチ込むべきか』

 

『やれるものならやってみな』

 

『ならば今すぐにでもブチ込むかのぅ』

 

『その代わり、元帥の性癖についてあることないこと徹底的に盛りに盛って、更にマシマシに盛りまくって世界中にばらまくけどな!』

 

新人たちは堂々と元帥を脅してることに驚いているが、周りは気にすらしていない。

 

『外道か!?』

 

『フハハハハハ! 外道邪道非道上等!……っと、そろそろ時間がヤバいから先にグラウンド行ってるわ』

 

『そうか。……って、まだ話は終わっておらんぞ!』

 

『ばっはは~い』

 

『待たんかー!!』

 

途中からよくわかんないやり取りが続いていたが、新人たちはグラウンドに行けば何が始まるのかがわかるだろうと移動を開始した。

 

 

 

INグラウンド

 

 

 

そこで新人たちが見たのは、

 

「遅かったじゃないか………」

 

Ia!(イア!) Ia!(イア!) Cthulhu!(クトゥルフ!)

 

「……言葉は不要か……」

 

「楽しいSAN値チェック時間だぜぇ!

ヒャッハー!」

 

「ドラム缶ロボ!」

 

「青き清浄なる世界のために」

 

「アームストロングシュールストロングヘームストロングー、ファイア!」

 

「みんな、丸太は持ったな!!

行くぞォ!」

 

「グゥレイト!」

 

Cogito(コギト) ergo(エルゴ) sum(スム)

 

「ビーケンサンダ!」

 

「これは、いい丸太だな……」

 

「私は死ぬことはできない」

 

「ヴァルヴァロだぞ!」

 

「ずっと柱のまま」

 

衛生兵!(メディック!) 衛生兵ー!(メディーック!)

 

「でも、お前は死ね」

 

「サボテンが花をつけている」

 

「ゆっくり、ゆっくり死ね!」

 

見敵必殺!(サーチアンドデストロイ!)見敵必殺!(サーチアンドデストロイ!)

 

「あらら、ねぇこれヤバイんじゃない?」

 

Ph'nglui(ふんぐるい) mglw'nafh(むぐるうなふ) Cthulhu (くとぅるふ) R'lyeh(るるいえ) wgah'nagl(うなふなぐる) fhtagn(ふたぐん)

 

「おい、バカやめろ」

 

The window!(窓に!) The window!(窓に!)

 

「謎の魔法陣らしきものができてるぞ!?

総員退避! 退避ー!」

 

 

謎の踊りを踊るヤツ、謎の言語を発するヤツ、丸太を持ってるヤツ、何かに怯えるヤツと多種多様である。

 

 

 

………

……………

…………………

……現状を表現するならカオス。表現しなくともカオスである。結局はカオスからは逃げれない。

 

「……ねえ」

 

「……なに?」

 

「あそこで誰かと誰かが戦闘してない?」

 

そんなカオスな空間化しているグラウンドのド真ん中で誰かと誰かが戦闘を繰り広げていた。

 

「……どこ?」

 

「ほら、あそこ」

 

「……ホントだ」

 

もう、どうにでもなれといった心境で成り行きを見守る新人二人組だった。そこに、戦闘を繰り広げていたうちの片方が吹き飛ばされてきた。残りの片方はゆっくり歩いてきた。

 

「ぐぅ、改二になってすらまだ貴様に届かないと言うのか?!」

 

吹っ飛ばされて来た方は割りと大丈夫ようす。

 

「この俺に勝とうなど片腹痛い!」

 

「今日こそは、この私が必ず勝つ!」

 

「見せてみな。

お前らにその力があるのなら!」

 

戦闘を始めるも、すぐに決着が着いていた。

 

二人のやり取りを間近で見ていた新人は、まずあのカオスな空間をどうにかしろよ、と言いたそうにしてた。

そこに、青葉がやって来た。

 

「これはまた、派手にやられましたねー。大丈夫ですか? 長門さん」

 

「……なんとか無事だ」

 

「死なないように手加減してたしな」

 

「それよりも、あなた方が原因でグラウンドに出来上がったカオスな空間どうにかしてくれませんか?」

 

青葉に言われてグラウンドを見ての一言が、

 

「……すまんが、さすがにも邪神降臨のやり方は知らないからできねぇぞ」

 

急速にSAN値チェックが入りそうな返答である。……何だろう、絶対に何人かにはSAN値チェック(主に元帥に)入っていそうな気がするが、気にしたら負けということで。

 

「やらないでください。良くなる処か逆にいま以上にカオスになるので」

 

「仕方ねぇな~。あいつら全員、気絶させれば正気に戻るだろうしやりますか」

 

そう言いながらグラウンドに向かって歩いていった。気絶させれば正気に戻るかどうかはさておき。

 

「……いまの人って誰?」

 

「えっ、知らないんですか?!」

 

「う、うん」

 

「いまの人が、ラバウル基地提督の狐少佐ですよ。一部では理不尽の権化、人外、不死身男爵等々と云われてますが戦闘力などに関しては見ての通りです」

 

グラウンドを見てみると、

 

「貧弱貧弱貧弱貧弱貧弱ゥゥ~~~!」

 

カオス空間を創っていた人達は狐によって宙を舞っている。後に、どこぞの無双ゲー見たいだったと見学していた艦娘たちは語っている。

 

 

 

 

 

今回の事を切っ掛けに、新しい噂が広がるのであった。

 

曰く、彼処は魔窟。

曰く、精神汚染される。

曰く、邪神が降臨する。

曰く、アイツが世界のラスボス。

 

 






自分で書いといてアレだが、何をしたいのかわかんね~

何で自分の周りに自然と集まってくる奴等って、大抵どこかぶっ飛んでるんだろうな~
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