艦娘と自称狐   作:矛盾者

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|д゚)チラッ

(((・・;)スス

(((((((・・;)スススス

(゚Д゚)ノ⌒・ポイ

ダッε≡≡ヘ( ´Д`)ノ





第35話

 

 

 

元帥から艦娘をいい加減に1人は建造しろと言われ仕方なく、『初めての提督、建造初級入門編』と書いてあるマニュアル本を片手に持って建造することにした。

 

「え~と、なになに?」

 

「建造に必要なのは、燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトの四種類で、それぞれ最低でも30はブチ込まないとダメなのか」

 

「おーい司令官」

 

狐が艦娘を建造するためにマニュアルを読んでいると声をかけられた。

 

「なんだ?」

 

「なんで建造することになったんだ?」

 

「元帥命令」

 

「……いや、だとしてもさ。なんで今になってなんだよ」

 

「知らん」

 

「『知らん』って、理由も知らずに建造しようとすんなよ……」

 

望月が疑問に思い聞いてみるも、返ってきた答えが知らんの一言だけだった。

本当に知らないのか、それとも知っていて誤魔化しているのかは望月にはわからなかった。

 

「ギャハハ、俺とて元帥の命令には従わざるを得ないからな」

 

「大本営を当たり前のように襲撃して扉爆破したりと問題を起こしまくってる人物の口から出るとは思えない言葉だぞ」

 

逆にそれだけの事をしでかしておきながら元帥が狐に対して特になにか罰を与えたりしていないのが謎である。

 

「…それを言われるとなんとも言えなねぇな」

 

「ならなんで襲撃なんてしてるのさ」

 

「そこに、扉があるからだ」

 

「なに名言みたいに言ってんだよ」

 

どちらかというと名言ではなく迷言である。

 

「それはさておき、さっさと建造しちまうか」

 

そう言いながらマニュアルを片手に持ちながら妖精さんに指示を出し始めた。

 

「全部最低値で」

 

妖精さんは指示通りに資材を投入した。

表示された建造時間は、

 

「ふむ……十八分か」

 

十八分だった。

この時点で睦月型の誰かが来ることが確定した。

 

「バーナーハドウシマスカ?」

 

「バーナー? 使うとどうなんだ」

 

「ケンゾウジカンガタンシュクデキマス」

 

「んじゃ、バーナー使用で」

 

「リョウカイデス!」

 

「オマエラ、バーナーノシヨウキョカガオリタゾ! モヤシツクセ!!」

 

「建造が終了するまで此処で待つのか?」

 

「ま、バーナー使ってるしすぐに出来るだろうし。のんびりと待ってようぜ」

 

バーナーの使用について聞かれ使用時の効果を妖精さんに尋ね、詳細を聞いた狐は使用を許可した。

 

許可をもらった妖精さん達が少しはっちゃけているが、何時ものことなので二人は気にする素振りすら見せずに会話していた。

 

「ケンゾウカンリョウデス!」

 

「新しい仲間? 酔狂な娘だねー。いいけど」

 

「思ったよりも速かったな~」

 

「ドヤァ」

 

何故か妖精さんはドヤ顔をしていた。

 

「………って、時間短縮ってレベル越えちゃってるよ!?」

 

「ハヤサハチカラナノデス! テイトクニハソレガワカランノデス!」

 

「速さが力なのは理解できるが、これは分かる分からんの問題じゃないだろ」

 

「ソレハテイトクガボウヤダカラサ」

 

「よろしい。ならば表出ろ、戦争だ」

 

「センソウカ。ノゾムトコロデスヨ」

 

狐と妖精さんが変なやり取りを望月は呆れた気味に見ていると、ドックの扉がある方から視線を感じたので目だけを向けると見知らぬ黒髪の艦娘が困惑した様子で立っていた。

 

「………」

 

望月は少しだけ考え黙っていた方が面白そうだといった結論に至り、狐に敢えて何も言わずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

───────────

 

────────

 

─────

 

 

 

 

 

 

 

 

(暗くて何も見えない。ここは何処だ?)

 

(確か俺は艦これをしてたら急に眠気に襲われて、そのあと……ダメだ思い出せない)

 

男(?)が考え事をしていると、

 

──………十八分か

 

──…バーナ……スカ

 

──…んじゃ……で

 

上手く聞き取れず途切れ途切れだけど、話し声が聞こえたすぐ後に少しだけ光が射し込んだ。

 

(もしかして外に出られるのか?)

 

淡い期待を寄せて光に近づくと、炎で(物理的に)燃やされた。

 

(え、ちょっ、ま……!?)

 

(熱いから! 本当に熱いからやめて!)

 

(死ぬ! このままだと本当に死んじゃうからその炎を早く消して!?)

 

炎は男(?)が心の中で叫んで少ししてから消えた。

 

──ケンゾウカンリョウデス!

 

言葉と同時にゆっくりと扉が開き始め、光がなかに射し込んできた。

先程からずっと暗闇にいたせいか、眩しさに目を細めつつ扉の外を見ようとしていた。

 

(……今度こそ外に出られるんだよな?)

 

警戒しながら外に出てみると、

 

「よろしい。ならば表出ろ、戦争だ」

 

「センソウカ。ノゾムトコロデスヨ」

 

男と小さな人の形をした生物と言い争いをしていた。

 

(……どうすればいいんだ?)

 

周りを見渡してみると、眼鏡をかけた茶髪の少女がいた。声を掛けようとして、

 

(……眼鏡、茶髪、月のバッジ。そしてそこで言い争いる二人の格好から予想できるのは、艦これ世界に転生したかもしれないってことか?)

 

記憶のなかに該当する人物がいることに気付き、照らし合わせて出てきた可能性に対し頭を抱えた。

 

(先ずは落ち着いて状況を整理しよう)

 

(もしも本当に転生したのなら、今の自分の立ち位置はなんだ? この感じだと俺は艦娘に憑依転生したことになるのか?)

 

(仮に転生したのなら、艦娘(こっち)よりも提督(そっち)の方になりたかった。……どの艦娘に憑依したのか確認しないと)

 

(髪の色は黒、黒のセーラー服に月のバッジ。そして、鏡に映ってる姿は……、三日月、か)

 

(なんで駆逐艦なんだよ!)

 

(戦艦や正規空母といった贅沢は言わないけど、せめて軽巡か重巡がよかったよ……ハア)

 

「で、お前が新しく建造された艦娘でいいんだよな?」

 

自分の状態を確認し終え打ちひしがれていたら声を掛けられた。

 

「え? あ、はい。三日月と言います」

 

「……武器はメイスと大型特殊メイスだったらどっちがいい?」

 

「それはミカヅキ違いです。私は睦月型の三日月です」

 

三日月はすぐに訂正を入れた。

 

「……そうか」

 

三日月の解答に男は少しだけ残念そうにしていた。

 

(何でこの人、少し残念そうにしてんだよ)

 

そんなこんなで始まった自己紹介。

 

「まあいいや。俺は此処、ラバウル基地の提督で名前は狐だ。ちなみに階級は小佐で、こいつは」

 

「んぁ? ……ぁあ、望月でーす」

 

「………」

 

「……いや、お前も早く名乗ってやれよ」

 

自分は先に名乗っていたのでこれで自己紹介は終わったと思っていたら、明らかに偽名だとわかる名前を名乗った提督が誰も居ない筈の望月とは反対側に向かって名乗りを催促した。その様子を不思議そうに見ていると、

 

「ブレードライガーは何処だ」

 

声が聞こえた。

そこには赤髪、赤眼、赤色を基調とした服を着た誰かが立っていた。

 

……いや、お前、ついさっきまで居なかったよな。そして、ブレードライガーは登場作品が違うからな。そんな三日月の心のなかでのツッコミは誰にも気づかれることもなく虚しく消えていった。

 

「もう一度聞く、ブレードライガーは何処だ」

 

「えっと、あの……」

 

そもそもの話、この世界いるのかよ。仮にいたとしても建造したてホヤホヤの自分が知るわけないだろうが。

 

「このいきなり意味のわかんね~ことをほざいてんのが」

 

「ジェノブレイカーだ」

 

女の口から出た名前を聞いた三日月はなんでブレードライガーの居場所を問いかけてくるのかを理解した。それと同時に三日月は悟った。ここは艦これ世界ではなく、ア艦COREの世界だと。

ジェノブブレイカーは挨拶を終えたらそれ以上用はないとばかりにどこかに行ってしまった。

 

 

色々と悟りを開きかけている三日月に気づくこともなく、鎮守府案内は進んでいった。

 

 

「とまぁ、主に使いそうな場所はこんな感じだな」

 

「此処までで質問があったら聞くぞ」

 

「部屋は何人部屋ですか」

 

「部屋か~」

 

「いま空きがあるのは一人部屋だけだが、それでもいいか?」

 

「はい、問題ありません」

 

中身が男で転生者ってことが知られたらどうなるかわかんないしな。最悪下手したら、解剖コースまっしぐらとかいう笑えない展開もあり得るわけだし、うん。

それ以前に三日月の喋り方ってこれでいいのか。いや、それよりも演技なんてせずに素の自分で行った方がいいか。演技をしていてもすぐにボロが出るだろうし。

うん、そうしよう。

 

「部屋も決まったことだし、必要なものを街まで買いに行くか」

 

「……っえ」

 

気づいたら狐に抱えられていた。

助けを求めようと周りを見渡すと、

 

「いやー楽でいいねえ」

 

さも当たり前のように狐の背中にぶら下がっている望月がいた。

そのまま理解が追い付く前に移動を開始した。

 

 

 

「ってなわけで、街にやって参りました~」

 

三人は街に到着した。

 

「ここいらでいくつか街についての注意事項があるからちゃんと聞けよ」

 

狐から街についての注意があるようだ。

 

「……それはいま目の前で起こってることと関係ありますか」

 

「ちょっとはあるな」

 

(ちょっと?)

 

「見て分かるように、右側の細い路地でギャングどもがヒャッハーしてようが、左側の路地でマフィア同士の抗争が起きていようが、チンピラどもが道路を戦車で走ってようが、小銃持った厳つい顔のお兄さん達が歩道の真ん中でガンを飛ばしあってようが、ガスマスク被ってロケッランチャーを始めとした重火器を持った如何にもな連中がいようがオッサンが段ボールを被り無線機に向かって『これより潜入任務(スニーキングミッション)を開始する』とか言っていようが決してその場に乱入しようとはするなよ。此方からちょっかいを掛けなければ基本的には一部を除いて無害だからな」

 

「絶対に此方からは仕掛けるなよ。その度に鎮圧するの面倒だから」

 

「はい、分かりました」

 

「はいはい分かってるよ。司令官」

 

(……うん? 乱入、鎮圧?)

 

返事を返してから最初から最後まで全部にツッコミをいれないとダメなことに気づいた。

 

「あの、質問良いですか」

 

「なんだ?」

 

「ここは何処の世紀末ですか」

 

「世紀末とは失敬な。ごく普通のありふれた日常に決まってんだろうが」

 

こんな世紀末染みた日常がありふれていてたまるか。

 

「ア、ハイ」

 

(拝啓、前世の友人、知人、そして家族へ。

 

自分の常識が欠片も通じない平行世界に来てしまったようです。

何故に人が神という不確かな存在に縋りたがる気持ちが痛いほどに身に沁みて分かりました。

 

追記

自分もこの街から無事に生きて帰れたら、これからは神様に祈りを捧げようと思います)

 

「………」

 

三日月の目からハイライトが消えた。

そんな状態の三日月に対して望月は憐れむような雰囲気を漂わせながら無言で肩に手を置いた。

 

何人かが三日月と望月にちょっかいを掛けようとしていたが、狐が一緒にいるのを見た周りの人達に止められていた。それでも止めきれずにちょっかいを掛けたことによって、狐に沈められる被害者が出ていた。

 

街の状態と比肩して見ればマトモそうな見た目の店を見つけたので入り口からなかを覗いた限りでは大丈夫そうだった。三人はこの店で買い物をすることに決めた。

上の階に行くためにエレベーターを利用することにした。エレベーターの扉が開き乗り込もうとしたら、二人の兵士が音楽に合わせてノリノリで踊りを踊っていた。

 

「………」

 

(おい、なんで兵士がエレベーターで踊ってんだよ。そのせいかは知らんが三日月が悟りを開きそうな顔になってんぞ)

 

(ああ、この世界では常識が通じないのか)

 

「ハハ、アハハ、ハハハハハ」

 

(三日月が壊れた!?)

 

 

色々とアクシデントはあったが、買い物も無事に終わり三人は鎮守府に帰ってきた。狐は放送で食堂にて新入りの紹介があることを伝え、三日月の歓迎会が開かれることになった。

 

 

「新しく仲間になる三日月だ。みんな仲良くしろよ~」

 

「三日月です、よろしくお願いします」

 

「「「はーい!」」」

 

(今日の出来事を思い返してみると本当にこの世界で生きていけるのかが不安でしかない)

 

自分のために開かれている歓迎会を眺めながらそんなことを思っていた。

 

三日月は同じ睦月型に囲まれて揉みくちゃにされていた。

狐はその様子を壁に背中を預けながら一人愉快そうに笑っている。

 

「で、楽しんでるか?」

 

「あ、提督。はい楽しんでます」

 

「そうか、そりゃよかった。なんかわかんないこととかがあったら聞けよ、答えられる範囲で答えるからな」

 

「その時はお願いします」

 

「任せとけ」

 

「あっ、提督さん。遊ぶっぽい」

 

「はいはい、お手」

 

「ぽい?」

 

「おかわり」

 

「ぽい」

 

「よし、時雨に抱きつく攻撃!」

 

「ぽい!」

 

「夕立、いきなりどうしたんだい?」

 

「覚悟するっぽい」

 

夕立と時雨のじゃれ合いが始まった。

 

(これは、仲がいいのか?)

 

「さてと、お前らそろそろ寝る時間だし寝る準備しろよ~」

 

狐の掛け声によって騒いでいた艦娘たちは喋ったりしながら各々の部屋に帰っていき、食堂に残っているのは狐と三日月だけになった。

 

「……いや、何でお前食堂に残ってんだ?」

 

「明日以降の予定等々といったものを聞いてないからです」

 

「予定? ……ああ、そう言うことか」

 

一瞬なんのことかわからずに間が空いたが、納得したようだ。

 

「う~ん、予定と言われてもな。基本的に自由だしなぁ」

 

もとが表裏関係なく依頼を受けるなんでも屋であり、軍や政治関係についての知識は一般人が調べれる程度しか持ち合わせていなかった。

 

「まぁ、明日の朝9時にでも来てくれ。それまでにはなんか考えとくから」

 

「はい、わかりました」

 

「そんじゃ、さっさと寝ろよ~」

 

「おやすみなさい」

 

「おやすみ~」

 

三日月は自分の割り当てられた部屋に行き、今日一日の出来事を振り返りながら眠りに着いた。

 

 

 

そんなこんなで三日月に憑依した人物の波瀾万丈に満ちた物語が始まりを告げた。

 

 

 







……気がついたら自分でも訳のわかんないなにかを書き上げていた。
いやうん、続けないし続かないからね。
何をしたかったんだろうね?自分はいったい。


注意
憑依三日月はこれ以降登場はしません。

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