寝不足気味です。
眠たいです。
それではどうぞ
次は実習前まで進みます。
「ふぁー...やっと着いたか。半日以上かかってんなー...ほんっと、交通の便が悪い所にあるなあ...」
長い間座っていたためカチカチに固まった腰や肩をバリバリという音とともに動かし、トランクを引こずりながら半日を共にした列車を降りて駅のホームへと足をつける。
レマン自治州【アーミル駅】
白いタイルに彫られた黒字の駅名を見つめ、改めてレマン自治州にやってきたという意識を持つとともに、モノクロに整えられた駅のホームを改札へ向かって歩き出す。
白と黒のタイルがチェック状に敷き詰められた駅構内を歩くこと数分、4ある各ホームと東西南北四つの改札の合流地点である正8角形のホールに辿り着く。
天井を見上げればそこにはもう太陽は無く一番星がキラキラと光だし、地平線に今にも沈みそうな斜陽が壁にはめ込まれた小窓から差し込んでいた。
そんな光景を後にしてリオは改札を潜ると右前方にある12階建ての大きな建物
【HOTEL Magnolia arch】
と書いてあるその名の通りハクモクレンの造花によって丁寧に整えられたアーチを潜り、その先に広がっている庭を抜け自動ドアを潜ってフロントへと行く。
「リオ・アストレイですが、今日ここに予約を入れていた筈です。チェックインの手続きに来ました。」
大理石で作られた高級感あふれるロビーに少し戸惑いながらチェックインの手続きをしていると黒いスーツを着こなした男が奥からカードキーを持って出てきた。
手渡されたカードキーには【1201】と金字で書いてあり、他の部屋と別格であることをこの段階から醸し出している。
それを証明するかのように、案内されたエレベーターには12という数字しか書いておらず、12階への直通とういことが分かる。
これから裁かれる人間にとっては過剰過ぎるもてなしに若干戸惑いつつ、直通エレベーターに乗り目的の階層へといく。
するとそこには、また別のフロントがあった。
カードキーの提示を求められそれをフロントにいる受付嬢に見せると案外なんのチェックもなくすんなりと奥の部屋へと案内される。
そして、カードキーを差し込みピピッという電子音と共に解錠されたことを示すようにドアノブの上の部分のライトが赤から緑に変わる。
それを確認してドアノブを捻り扉を開け、その瞬間リオは扉を勢いよく閉めた。
「すみません、部屋変えてもらえますか?」
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「もー、リオは酷いんだから。わざわざ私から出迎えてあげたんだよ?もっと、感謝してよー。」
ベッドに座り足をブラブラさせながら真っ赤な鼻をさする金髪を肩の高さに切りそろえた少女は口をへの字にして文句を言っている。
そんな少女にリオは容赦無く着ていた青いコートを投げ渡す。
「あ、リオこのコートちゃんと使ってくれてたんだ!なんだか、嬉しいなー。ちゃんと、これからも大切にしてよね?って、そうじゃないんだよ!私一応君より地位的にも実力的にも強いんだからね?君の上司だよ?もっと敬うとかそーゆーことは無いわけ?」
少女は文句を言いながらそれを受け取りハンガーに袖を通してからウォークインクローゼットへと収納しに行く。
しかし少女は身長が足りないのか背伸びしても吊るすことが出来ず、唸っていた。
リオはそんな少女を見かねて、足がつる危機から救出するべく手からハンガーをひったくりハンガーを吊るす。
「ったく...どうもすみませんでした、ソーマさん。...これでいいか?しょーじき殆ど年齢も変わらねぇお前に敬語とかなんか癪に障るんだわ。」
「えぇ!ひどい...これでも君より年上だよ?!」
「いや、でも殆ど年齢変わらねぇじゃん。それにそーゆードジなところとかチビなところとか見ると余計敬語とか使いたくなくなるんだわ。てか、お前身長伸びてねーのかよ。成長期はこれからとか言ってたのどこのどいつだよ。」
「いや...まだ成長期来てないだけだし?あと何年かすれば身長はリオを抜かしてボンキュッボンなナイスバディーの美女になってるはず...だし...?」
リオの口撃を受けて苦し紛れに言葉を紡ぐ少女、ソーマは無い胸を押さえながらそんな言葉を呟く。
「はいはい。ならまずは食わず嫌いを直しましょうねー。そんなんじゃいつまで経っても成長期しねーぞ。だいたいお前何年間同じ言葉言ってるんだよ、しかも年々語尾が弱気になってるし。自分でも悟ってるんじゃね?その胸がもう大きくならn...いや、まてまてまて俺が悪かったから!な?だから怒らないでくれって!お前が怒ったらホテル一つ消し飛ぶだけじゃ済まねぇんだよ!」
調子に乗って口撃を続けているリオのすぐ横を銀色の小さな杭が猛スピードで飛来して後ろの壁にスターンと突き刺さる。
飛んできた方向を向くとソーマの背後に般若が表れていた。
そこで、言いすぎたことに気がついたリオはすかさず被害を最小限に抑える為に土下座でもするかの勢いで謝る。
「はぁ...仕方ないから許そう。謝るなら最初から言わなければいいのにー。まあ、本気じゃないけどね。」
「嘘つけ、右目の色変わってたぞ。あのままだと前師匠達とやった時みたいになりかねないだろ、つか師匠がいない分あの時よりヤバイだろ。アーミルが焦土と化すわ。」
額に冷や汗をかきながらジト目でソーマを睨みつけるリオの言葉には冗談や洒落などの要素は微塵も感じられずアーミルが焦土と化すという言葉があながち嘘でないことを物語っている。
「はははー、まさかー、あの時みたいになるわけないよー。」
「いや、あの時と発端同じだからな...家の師匠がお前と共闘中に身長の事言って相手そっちのけで喧嘩おっぱじめたんだろ。師匠が咄嗟に転移させなかったらあの辺り一帯の動植物が根絶やしになってたわ。しかも周りにいる奴らも奴らだからな...ほんと、小1時間で1国落とせるレベルの戦力だぞあれは。結社の最高戦力クラスの人間が5人とか悪夢だっつーの。結局、師匠が纏めて転移させた先の無人島が消し飛んだじゃねぇかよ。お前の目あの時と同レベルだったぞ。」
話すにつれて目の下がピクピクと痙攣し出したリオは目頭を押さえて唸りながらベッドに倒れ込む。
「いや、あの時はほんと、私あんまり派手にやってない筈だよ?寧ろ君のお師匠軍団とかの方がやってるからね?第1私どっちかと言うと後方支援なタイプだし?君のお師匠とか斬撃を曲げたり言霊で目線合わせた場所爆散させたり規格外だし?」
「いや、S級遊撃士でもあり過去を遡っても類を見ないほどの類い稀なる才能を持つ錬金術師、そして操糸術でも右に出る者はいないとされる人間が後方支援とか巫山戯るなっつーの。お前レベルが後方支援なら俺達は後方支援の後方支援しないといけねーよ。そりゃ家の師匠達も山半分消し飛ばしたり海叩き割ったりしてたけどよ、周囲の元素吸収してほぼ無限に鉄から火薬から何まで生成するお前も充分人外なんだわ。あんな、人外大戦とかもう二度とゴメンだぞ。結社と教会の最高戦力に稀代の天才剣士、大呪術師、遊撃士最強、何を間違えたらこんなメンバー集まるんだよ、あれか?未曾有の外敵にでも備えたのか?過剰戦力過ぎるっつーの。」
語るにつれてどんどん目からハイライトが消えていくリオは当時の事を思い出しているのか、うー、と終始唸っていた。
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ルームサービスで頼んだ軽食を食べた2人は少し休んだ後ソーマの退室ということで幕を閉じ用としていた。
「あ...そうそう、クロイス家んとこのお嬢さんがなんか考えてるらしいぞ。どうせろくな事じゃねーだろーけど気を付けとけ。」
「ん?あぁ、分家の分際で何してるのかは少し気になるけどまあ大丈夫でしょ。私も近いうちにクロスベル入りするからクロスベルは任せて。それより、帝国側も結社の戦力が結構集まってるらしいから、気を付けてね。それと、明日、ちゃんと本部に出頭してよね。じゃないと私の面子が立たないから。」
ソーマが扉を潜り部屋の外へ出ようとした時、2人は軽い情報交換を行う。
そこには先程までの軽い雰囲気はなく、お互いの顔にも笑はなかった。
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「さて、と...行きますか。」
午前8:00、リオの目の前には【遊撃士協会本部】と大きく書かれた建物があった。
中に入ると大量の掲示板とそこに貼り付けられた依頼書の数々、そしてそれを捌く受付と遊撃士の姿があった。
「リオ・アストレイ様ですね。突き当たりの部屋にソーマ理事長以下6名の理事の方がお待ちです。」
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「では、罪状並びに処罰を言い渡す。リオ・アストレイ、あなたは依頼によって護衛をしていた
金髪を結び、凛々しい表情のソーマは淡々と感情を表に出さずに述べる。
「よって、貴殿の遊撃士資格の無期限の剥奪並びに再取得の権利の無期限の凍結を言い渡します。」
周りの理事は欠伸をしたり居眠りをしている中、リオとソーマのみ真面目に話をしている。
そんな状況からか、ソーマはリオへ退室を促すと自分も他の理事を置いてさっさと退室した。