今日は暇が取れたので投稿しますが基本土日更新になると思います。
相変わらず稚拙な文章ですが、楽しんでいただけると幸いです。
それではどうぞ
「お兄ちゃんの敵は絶対に討つから...」
未明から降り出した雨の中少女は傘もささずに荒野にポツンと置かれた簡素な墓石の前にもうこの場所では見ることの出来なくなった【レヴァス】【リクエム】【フィネル】の花で作った花束を添える。
強まる一方の雨の中少女は石に刻まれたらその名前を撫で、そう誓いその場を後にした。
【レヴィ・クロステール】此処に眠る
ずぶ濡れの少女の目には一筋の涙が
そして、ずぶ濡れの墓石の前には二つの花束が供えられていた。
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圧巻、まさにその一言だろう。
賑わいが出てきたトリスタの街において一箇所だけ静かに佇んでいるその白い建物は街での祝福で舞い上がった生徒へと気を引き締めろ、と戒めているようにさえ思える。ある一種の異様な雰囲気は例えるなら
「なんだこの、初めておつかいに行くような、そんな緊張感を漂わせてる建物は...」
一人だけ的外れなことを言っているのはリオでありその呟きを近くで聞いた生徒が一斉にずっこけた幻覚と効果音が聞こえてきさえする。
「ははは...リオ、流石にそのたとえは酷すぎるぞ?」
そこには先刻分かれたはずのリィンの姿があった。
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リィンに別れを告げたリオは道中でまだ朝食を済ませていないことを思い出し、近くにあった喫茶店【キルシェ】を見つけると中に入って行った。
「すみませーん...なにか朝食になるようなものありますか?」
ガラリとした店員すら居ない店内に虚しく響き渡る声に悲しさを感じ、店を後にしようとしたその時、奥からドタドタと人の走る音を聞きリオは足を止めた。
「あぁ!お客さんすみません!準備中の看板出し忘れてて...見たところ士官学院の生徒さんらしいですし、お詫びも込めてサービスしますから、さあこちらへどうぞ」
奥から走ってきた若い男性店員に促されるままにカウンター席に着いたリオは暫くすると香ってきたソーセージとトーストの匂いに、朝からの疲れで手放しかけていた意識を取り戻す。
「お客さんすみませんね...今、オーナーさんが旅行行っちゃってて、自分が任されてるんですけど寝坊して準備怠っちゃいました、あはは...あ、お飲み物は何にされますか?...はい、ブラックコーヒーですね。少しお待ちください。」
男が持ってきたプレートにはこれでもかと言うほど厚めにマーガリンと蜂蜜が塗られ、朝焼けが反射した川のように光っているトースト、切った瞬間肉汁が溢れ出してきそうなほどプリプリのソーセージ、まだ湯気が出ている仄かにバターの香るスクランブルエッグ、今取ってきたのではないかと思えるほど新鮮な、洗った時の水滴が朝露のようで余計にそう思わせているサラダ、そして注文が入ってから挽きだした芳ばしい香りを漂わせている程よい苦味のブラックコーヒーだった。
「お待ちどうさまです。今回は手前の不手際のせいでお客さんに迷惑掛けちゃいましたし、お代金は頂きません。どうぞごゆっくり。」
先程までの慌てていた寝起きの顔はどこへやら、今は一流の店員のそれへと変貌していた。
「うん、美味しい。ありがとうございました。」
その一言が最も似合うような、そんな豪勢な朝食を食べたリオは満腹になると一言お礼を言ってから店を後にした。
その時リオの心の中では
(暇な時はこの店に来よう)
という確固たる意志が生まれていた。
そして士官学院へ向かおうとすると後ろから別れたばかりのリィンに声をかけられ2人で学院へと向かったわけである。
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「ご入学、おめでとーございます!」
校門をくぐってすぐの所で右手から出てきた小柄な女生徒に声をかけられる。
そして、その側には黄色いつなぎを着た生徒も立っている。
この学院の制服につなぎは無いがきっと自分達の上級生にあたる人物なのだろう、二人は粗相の無いようにと出来る限りきっちりときた会釈を返す。
それをみて女生徒は少しテンションが上がったのか若干跳ねながらウンウンと首を動かす。
「君たちが今年の第一号と第二号だね!黒髪の君がリィン・シュバルツァー君で白髪の君がリオ・アストレイ君でいいよね?」
「は、はい...どうも初めまして。」
「はい、初めまして...ですよね?」
なぜ自分の名前を知っているのだろう、と思いその意を含んだ返答をすると女生徒はそれを汲み取ったのか慌てて
「あぁぁ!ごめんね!私はトワ、この学院の生徒会長をやってるんだ!で、こっちがジョルジュ君、君たちの先輩に当たる人だよ!」
えっへん、と無い胸を張る自分より小柄な生徒会長に苦笑いながらも
「トワ先輩、よろしくお願いします。」
と返したあたりリオは優秀だろう。
リィンは何かがツボだったのか笑いをこらえるのに必死だった。
そんな姿を見てかトワはシュン...といじけてしまい、その原因を作ったリィンはリオに膝蹴りを食らっていた。
「あ...えーっと、それが申請した品かい?一旦預からせてもらうよ。」
空気を察した黄色いつなぎの先輩、ジョルジュが2人の得物を預かる。
リィンは紫色の刀袋をリオも浅葱色の刀袋を二つと式神の入ったケースを預ける。
「確かに...」
慎重に受け取った2人の得物をジョルジュは丁寧に運んでいく。
「二人の荷物は私達が寮に運んでおくから講堂の前に置いておいてもらえるかな?」
左手に見える講堂の前のちょっとしたスペースに荷物を置いたら講堂の中で待っておいてね。
そう言われて二人は講堂へと向う。
「あ!二人とも!...トールズ士官学院へようこそ!」
思い出したかのように放たれた言葉に背を押され二人は講堂の中へと進んでいく。
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「若者よ世の礎たれ」
その言葉によって意識を覚醒させたリオは先程取ったはずのカフェインの効果が出てないことに驚きつつ離れ離れに座ったリィンの方へと目を向ける
その視線に気づいたのかリィンはニヤニヤしながらリオの方を振り向くと口パクで
「お・は・よ・う」
と言ってきた。
ムッとして無視を決め込むと式が終わったのかそれぞれのクラスへ向かうようにと言われて解散となった。
白色の服を着た貴族の生徒と緑色の服を着た平民の生徒、未だ身分制度が残っている帝国では珍しくもない光景の中、赤色の制服を着た自分はどこに行けばいいのだろう、と思っていると前からどこかで聞いたことあるような声が聞こえてきた。
「はいはーい。赤い制服の子達は注目ー!」
ワインレッドの髪をした見覚えのある女にリオはまさか...と若干顔色を悪くする。
(ま、まさかな...いや、こんな時は素数を数えて落ち着くんだ!1.3.5.7.9.11.13.15って違う!これじゃ奇数だ!)
「ほら、そこの!お前も来なさい!」
現実逃避はあえなくその大声によって阻止されることになる。
「どうやらクラスが分からなくて戸惑っているみたいねー。実は、ちょこーっと事情があってね。君たち11人にはこれから【特別オリエンテーリング】に参加してもらいます。」
前に集められた瞬間に聞こえたこの声にリオはやっぱり...と一人落胆と絶望の表情をみせた。
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講堂から出た一同は学院の外れにあると思われる一見廃墟のような、しかし窓ガラスは一つも割れていない異様な雰囲気の建物へと連れてこられた。
「これまた、れらく古い建物だな」
扉が開け放たれ続々とほかの面子が建物内へと入っていく中リオは少し立ち止まってその建物を眺めていた。
「ん?リオ入らないのか?」
そんなリオの異変に気付いてリィンが声をかける。
「あぁ...ごめんリィン、今行く。」
校舎を一瞥したあとにずっと感じている背後からの視線、その発信源を一瞥してからリオは校舎の中へと消えていった。
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「サラ・バレスタイン。今日から君たちⅦ組の担任を務めさせてもらうわ。よろしくお願いするわね♪」
今にも消え去りそうな意識を必死につなぎとめながら、この不良教官とどうやって接しようかリオが考えているうちに【特別オリエンテーリング】とやらの説明が終わったのだろう、足元の床が一気に開いた。
咄嗟に反応できたのはリオともう一人
「なんだ、【西風の妖精】じゃないか。お前もここに入学してたんだな」
いきなり開きゆうに70°はあるだろう傾斜の中平然と床の上に立っているリオは天井にワイヤーで引っ付いている同業者に言葉を投げかける。
「なんだ、リオじゃん...【タナトス】の仕事はいいの?それと私のことは名前で呼んでって何回も言った。」
旧友と再開したかのような話し方で接する少女にリオは
「あぁ...ごめんごめん。にしてもフィー、久しぶりだな。そこの不良呑兵衛教官と一緒にいたんだっけ?」
その答えを聞く前にフィーの繋がっていたワイヤーは1本のナイフによって切られフィーは穴の中へと落ちていく。
「あんたも早く落ちなさいよ...これだから人外は」
何どこの理不尽さを目にしたか...まさにそんな雰囲気を漂わせながらサラはため息を吐く。
「だぁー、分かったよ。ったくめんどくさいなー。でも、俺が行っていいのか?下の魔物共なんか瞬殺だぞ?」
最後に確認とばかりに弩級の発言をすると目には目をの精神なのかサラも弩級の返事を返してきた。
「その点は心配なく♪アンタには"特別"な敵を用意したから。【剣王】でも退屈しない、【絶刀】でも楽しめる敵をね♪」
その言葉を聞きそこはかとなく漂ってくる寒気と戦いつつリオは穴の下へと降りて行った。
(だぁー!胃薬持ってくればよかった!)
という思いを胸に秘めながら。
ちなみにリオの設定は
身長172cm
体重56kg
肩あたりまでの長さの白髪を学院生活中は基本後ろで一つに束ねてます。
それでは次回もよろしくお願いしますm(*_ _)m
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