初めに言っておきます
この話、誰得だ。
それでは、第7話どうぞ。
P.S.この文量だと完結は何話になってるんだろ...
〜・拝啓《リオ・アストレイ》様・〜
前書きは置いておいて、いきなりだけどそっちはどうかな?
とりあえず、入学おめでとう。
こっちは今はやっと落ち着いてきたところだよ。エステルは相変わらずだけどね。
レーヴェが死んだのは聞いてると思うけど、彼は最期は幸せそうだったからリオもあまり長いこと考えないようにね。
こういうのは何だけど、君には君の道があるんだから、いつまでもレーヴェにしがみついてたらレーヴェが悲しむよ。
そうそう、父さんが今度こっちに来たらまた手合わせしようって言ってたよ。
ついでだから、レンも呼んで皆でパーティーでもしようか。もちろん調理係はリオね。
P.S.どうやら、レン達も手紙を書いたらしいから同封しておくよ。
なにやら、レンからはプレゼントもあるらしいしね。
それじゃ、改めて、学院生活を楽しんでね。
〜・敬具 ヨシュア・ブライト・〜
学院生活も軌道に乗り数日経った頃、朝起きて玄関の側の郵便受けを覗くとそこには旧友から届いた小洒落た封筒には近況報告などの一部を除いて特におかしくもないものだった。
そう、一部を除いては、だ。
ーーリオ、元気にしてるかしら?
私は別段代わりもないわよ。
近々そっちに遊びに行くから、その時はよろしくね♪
そうそう、昔私にくれたもの、返すわ。
今の私には必要ないものだもの。
〜・レンより・〜
遊びに行く、この一言だけでリオの胃がゴリゴリ抉られていく。
過去何度も、この言葉によって苦しめられてきたリオは心密かに今のうちに胃薬を買い漁ろうと決めた。
そして、同封されていた小包を開ける。
すると、そこには昔、まだ彼女の精神が不安定だったころに御守りと言って渡した七曜石の破片の入った小瓶とそれが付いたネックレスだった。
「ふぅん...これを返すってことはあいつにも居場所が出来たってことかな。」
そんな事を呟きながら、折角手に入れたのに使わないのも勿体ないなと思いそのネックレスを首に付けたリオは懐からZCFとRFが共同で開発した最新の懐中時計を取り出し、時間的にそろそろ朝飯の準備を始める頃だと悟る。
「うっし、ちゃっちゃと仕上げるか。」
腕まくりをしながら厨房に向かうリオの姿はやはりどんな時よりも闘志に溢れていて、輝いていた。
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「はいよ、お待ちどうさまー」
大盆に乗ってⅦ組の面々の前に出てきたのは焼きたてのパンにスクランブルエッグ、ベーコンとサラダというバランスの整った朝食だった。
それを、各生徒の前に並べ唯一の空席に座る筈の人物を大声で呼び出す。
「おいこら、フィー!朝飯だぞー!」
Ⅶ組最年少、絶賛成長期の少女を呼び起こす。この行動は今ではリオの日課の一部として組み込まれており、いつものように言葉だけでは起きてこないフィーを起こすためにリオは階段を上っていく。
「おいこら、フィー。狸寝入り決め込むなやー、鍵かけるのは反則だろ。そんなんなら飯抜きだぞ。」
どうやら何時にもまして厄介なのだろう、鍵をかけて狸寝入りを決め込んだらしい無言のフィーに対してリオは最終手段をとる。
「うっし、フィー。お前がその気ならこっちにだって手があるぞ。」
そう言うとリオはどこから取り出したのかその手にはヘアピンが握られていた。
ーーガチャガチャ...ガチャガチャ...カチッ
リオは当然のようにピッキングをやってのけると遂にフィーの部屋に押し入る。
するとそこには、頬を赤らめて咳き込む少女の姿があった。
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「まさか、フィーが風邪ひくとはなぁ。まあ毎晩窓全開にして髪乾かさずに寝てたし仕方ないっちゃ仕方ないか。」
「ケホッ...ん、リオ、ごめん。学院行きなよ...」
「ん?あぁ、気にすんなー。サラから許可とるより先に教員命令食らったから大丈夫だー。「あんた、成績いいし少し休むくらいなんてことないでしょ、フィーの看病してやりなさい」だってさ。まあ、公欠扱いらしいし大丈夫だろ。」
「ん、それならいいけど...」
苦しそうに咳き込む少女を見て、あーあこりゃ本格的な風邪だなーなどと思ったリオはとりあえず寝るように促して厨房へ向かう。
「ちょっくら、お粥でも作ってくるわ。そこで寝てろよ。」
そう言い残して部屋を後にするリオの後ろ姿を果たしてフィーはどんな目で見ていただろう。
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「【内なる疫を除き、慈愛の心を持って癒したまえ】ふぅ...とりあえず、これで少しは楽になるだろ。後は、体冷やさないようにして寝ときな。」
粥を食べ終わったフィーにリオは呪術を使って簡易治療を施す。
「ほんと、それ便利だよね。」
「お前なぁ...つか、こっちとしちゃ自分以外の力も使ってるから複雑な心境なんだぜ?」
楽になったのか、若干呂律が回わりだしたフィーは寝るということを放棄してリオに話しかける。
それに対してリオはこいつは、という気持ちを込めてため息を吐くが熱のせいか物理的に涙で目を輝かせている少女を見て、話につきあう。
「ん、そうかもしれないけど、その力を使いこなしてるのはリオだし。」
「いや、そうだけどなぁ...なにもノーリスクって訳じゃないんだぞお前...式神使うから大丈夫だけど直接体を媒体にして使うのは大変だっつーの。」
「...それにしても、リオ、変わったね。」
「いきなりなんだよ。俺は俺だ、何も変わっちゃいないさ。」
「いや、変わってる。昔はもっとギラギラしてた...それに、《火薬の申し子》の...やっぱり、なんでもない。」
「はぁ...まあ、言いたいことは分かるけどなぁ...あー、もう!お前はとっとと寝ろ!」
会話の内容をいきなり変えられ、更に同僚だった人物の名前を出され、体が悪くなったリオはフィーに頭から布団を被せると無理やり横にならせた。
「むぅ ...リオ、酷い。これでも私、女子なんだけど...」
「そんな、毎朝寝癖で頭爆発してる奴が女子を語るな、全く...いいから、早く寝ろ。俺も付きっきりってワケにはいかねぇんだから。」
「ん...分かった。おやすみ。」
完璧な反論を浴びて、これからは少しはそっちにも気を配ろうと決めたフィーは再び部屋を出ていくリオの背中を見送ってから布団を頭から被った。
「...ふん...」
少し拗ねた様な呟きは誰に向けられたものだったのか。
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「さて、と。時間も余ったし、久々に
そう言ってベットに立てかけてある二振りの愛刀を手に取ったリオはまず、長刀の方から手入れをするため、鞘から柄にかけて赤黒く染まった刀を抜く。するとその鏡のような刀身に移り込む
「はぁ...【嵐月】その悪戯は止めてくれ。俺は俺だ。」
(主様、何をおっしゃりますか。こちらが、主様の姿ですぞ。私は虚を斬り、実を写す存在ということをお忘れなく。それに、こちらの方に戻っているのは主様本人の意思ですぞ。)
相変わらず、こいつは。そんな事を言いたげなリオは一応手入れをするために柄、鍔などを外し抜き身の刀身だけにするとそれを砥石で研ぐ。
その傍らではもう一振りの打刀が自分の手入れはまだかと言いたげに僅かに振動していた。
「ふぅ...とりあえずこいつは終了、と。」
一通りの手入れが終わった刀を鞘に戻し、今度は側に置いた純白の打刀を抜く。
その刀身には、リオが二人写っていた。
「はあ...【時小夜】お前までそうくるかよ。」
(いや、俺は矛盾を看破する存在だぜ?どっかの阿呆と違って片方だけを写すなんてことしねぇよ。さ、早いとこ手入れしてくれ。)
もはや呆れたかのように溜息を吐き多くは語らないリオの目はどこか哀愁漂っていた。
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場所は変わって、愛刀の手入れを終えたリオは厨房にて帰ってくる面々の為の夕飯を作っていた。
「ふぅ...こんなもんでいいかな。」
大きな寸胴の中には豚汁、釜の中には炊きたての白米が、そして、少し離れたところには卵焼きが大量に置いてある。
「さて、まあ、あいつらにまで風邪ひかれちゃ困るし、栄養価は大丈夫だろ。」
そう言って厨房を後にするリオの手には彼にしては珍しい切り傷が幾つもあった。
前回書き忘れてましたが、タイトル変更を致しました。
詳しくは活動報告をご覧下さい。
感想、批評、誤字脱字報告は感想欄までお願いしますm(*_ _)m
それでは、また次回。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
P.S.2
近頃、作者の精神にちとダメージが入ったので更新が遅れてしまうかもです。
ご迷惑をおかけします。