愛は世界を救う ~※ただし手の届く範囲に限る ~   作:とり

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サーヴァントの能力解説。
話は進まないので説明が鬱陶しい人は飛ばして次話でオーケー

うざいと分かりながらなんでこんなタイミングでまとめて能力説明するかって?
そりゃ後で個々活躍できる予定が無(ry


衛宮のサーヴァント

『衛宮』のサーヴァントは、以下の通りだ。

 

 

 

剣士(フェンサー)、佐々木小次郎。

 

原作においてアサシンとして召喚された亡霊だ。

正体は英雄でもなんでもないただの剣の素振りが趣味の農民で、『佐々木小次郎』という『信仰がある架空の人物』の『殻』を得て、サーヴァントになったという。そもそも日本の英霊が召喚できないはずの聖杯戦争に堂々と召喚されているなど、あらゆる面で『バグ』だらけのサーヴァントだ。

その全ては原作キャスターが『サーヴァントがサーヴァントを召喚する』という本来の想定状況を逸脱した行為を行ったせいで不完全な召喚となったからだったが、今回は入念に状況を整えてひとつひとつ問題を取り除き、『バグ』でありながらほとんどデメリットのない召喚に成功した。

小次郎にはバランスの良いステータスを要求されるセイバー適性がないので、原作でそうだった暗殺者(アサシン)(クラス)を元に『高バランスを要求しない剣のサーヴァント』用の規格外(エクストラ)クラスになれる様調整した結果、『剣士(フェンサー)』となった。そのまんまだな。もともと三騎士以外は英霊の性質に合致しないクラスに押し込めるとクラスの方が変容するので、それほど難しくはなかった。実はシステム的にはスタンダードな七騎が揃う方が低確率だったりする。

原作では召喚者(キャスター)が英霊を現世へ繋ぎ止める性質を持たない死者(サーヴァント)だったこともあり、現世に留まる媒介が柳洞寺の山門という固定建築物になってしまいそこから動けていなかったが、今回はメディアの考案した『俺・桜・メディアが合同で三騎を召喚する』召喚により、共同マスターである俺と桜が媒体となり自由に動けるようになっている。

 

その能力だが、尋常ではない。

原作ではただひたすら階段で門番をやっていたのだが、その戦績は驚異的で、剣の英霊(セ イ バ ー)であるアーサー王を剣技で上回り撃退したのを筆頭に、ランサー、アーチャー、ライダーも撃退、しまいにはキャスターの支援も受けて相性最悪のはずのバーサーカーヘラクレスまで撃退している。本当に農民なのだろうか。

ちなみにセイバーは『階段の上下という位置関係と足場の悪さで苦戦した』というようなことを言っていたと思うが、この農民は実はサーヴァント最速のはずのランサーよりも敏捷が高いという怪物である。平地の方が厄介な敵になる気がする。本当に農民なのだろうか。

まぁ、彼の能力は『全く同時に三閃振るい回避を許さない』剣技、『燕返し』を代表とした高速剣技であり、そのため白兵戦一択だ。耐久性や筋力も低い上に武器も宝具などではないただの長い刀なので切断力や頑丈性に限界があるなど、色々と弱点もある。変なところで農民である。

とはいえ、確実に斬れる急所に回避不可能な一撃を入れられる彼が敵にとって厄介なのは間違いなく、単身ではなく魔術師などの支援がいれば相当に強力だ。原作で最高のパフォーマンスを発揮していることからも分かるがキャスターとの相性は抜群、頼りになることだろう。

 

 

 

槍騎士(ランサー)、クー・フーリン。

 

原作ではバゼット・フラガ・マクレミッツに召喚され、言峰に奪われた。

言峰に令呪で『お前は全員と戦え。()()()()()。一度目の相手からは必ず生還しろ』という命令を受けていたせいで殺す気で(本気で)戦えず、さらに言峰のマスター適性が高くないこと、そして何よりも日本での知名度補正の抜群な低さでかなりの能力制限を受けているという三重苦状態だったせいで原作での性能はわりと低く、それに若いことや細身なことや装飾がなさすぎるせいで中堅クラスの英雄に誤解されがちだが、実は大英雄ヘラクレスや円卓の騎士王アーサーと同格の大英雄だ。イメージしづらいならばイリヤが狂クーフーリンを召喚すればヘラクレスと同レベルに無双できたといえば良いだろうか。

というかクーフーリンは異形の神の孫にあたり、白目になって凶暴化し片目と顎が巨大化、体には謎の紋様を浮かべて指がわしゃわしゃ六本になり(しま)いには額から軍勢を滅ぼす閃光(ビーム)を放つ『真の姿』を持っていたりするので、バーサーカー適性が本当にある上にたぶんヘラクレス以上の無双をすると思われる。この話をしたらイリ姉ぇがそれで召喚したい!と言ってきたが却下した。冬木が滅ぶ。

 

まあそんな規模の大英霊だが日本での知名度の低さはどうしようもなく、やはり今回もステータス的には中堅……と思いきやマスター陣がマスター陣なので結構良い。このステータスと令呪による本気制限もないことを考えると原作アーチャーくらいは瞬殺できるかもしれない。今回エミヤが召喚されたらちょっと試してみるのもいいかもしれないという悪戯心も湧く。

 

またステータスや所有宝具は制限されているといっても、現在所有している装備やスキルだけでも十分に凄い。

『因果を逆転し必ず敵の心臓を貫く』槍、 “ 刺し穿つ死棘の槍(ゲ イ ・ ボ ル グ) ” は大英雄の武器に相応しく、射程内にいれば幸運ランクが極端に高い相手でなければまさに必殺な上、回避できたとしても重傷なうえ回復阻害の呪いが自動で付き、魔力消費が低いので使い放題と、本人の脚が速く射程から逃げるのが至難なことも含めて考えると低ステータスでも殺戮し放題な仕様である。原作では前述の命令のせいでまともに使えなかったが。幸運ランクが総じて低い第四次に参加していれば英雄王以外はさっくり殲滅できたのではないだろうか。投げれば軍勢一発だし。

 

さらにルーン魔術を修めていることで防御結界、攻撃魔術、気配遮断といった方面でもキャスターやアサシン並に超一流だったりする。

そしてルーンで強化することで超低知名度の日本でも(幸運を除き)一時的に全ステータスA以上にできるという……。地元で召喚したら全ステータスEXとか到達可能だったりしないだろうか。恐ろしい。

 

……あらためて能力を考えると同格らしいヘラクレスやアーサー王よりも何か飛び抜けて見えるが気のせいだろうか。

ただ、その二人と違い絶対的な弱点があるので、そのあたりを斟酌した結果かもしれない。『目下の者からの食事の誘いは断らない』『犬を食べない』という誓約(ゲッシュ)をしているため、目下の者(大英雄ゆえに人類のほとんどは目下である)が犬肉を使った食事に誘えば、必ず誓約を破った代償である『一時的な弱体化と全身の麻痺』を受けることになり簡単にサックリできるのだ。日本では誰もやりたがらないであろう対処法だが。

 

そんなかなり強力万能な大英雄だが、ウチの戦略的に出番があるかは不明だ。できれば強いのと戦わせてやりたいところではある。

 

 

 

騎乗兵(ライダー)、メデューサ。真摯な美しさの妖女。

 

原作で桜が『いずれ怪物になる運命』という共通の縁で召喚した怪物(ゴルゴーン)の女神としての側面の麗しき英霊。

……なのだがこの世界の桜はすでにその運命から脱却しているはずなので縁があるかは微妙である。

というか神は召喚できないんじゃなかったのか聖杯よ。異常動作してるのはよく知ってるが。

 

女神という他英霊とは一線を画す存在のはずの彼女だが、名を馳せた有名な姿は怪物(ゴルゴーン)の方だということもあり、原作では展開や他の英霊の理不尽な強さで埋もれ気味だったが、なんだかんだで十分に高性能な英霊だ。

代名詞たる『石化の魔眼』は視認するだけで対魔力または魔力が高くない相手なら一方的に殲滅が可能で、たとえ抵抗(レジスト)されたとしても重圧がかかり運動性能を削ぐことができる。そこに子供にして愛馬である神代の獣『幻想種:天馬(ペガサス)』を “ 騎英の手綱(ペルレフォーン) ” で操り超高速で突撃するというのはなにげに鬼畜コンボである。

騎英の手綱(ペルレフォーン) ”は全ステータスランクアップ効果がある上にペガサスの加護でさらに防御力がアップ、幻想級ペガサスは元々騎士王以上の対魔力を持つとあって、そんな無敵砲弾が超高速突進で大火力を得て突貫してくるとあれば、そんなものを墜とせるのは……全力の大英雄クラスくらいである。つまり第五次の半分くらいが撃墜可能というのは悲しいものがあるが、彼女は悪くない。相手が悪い。

 

彼女の宝具としては他に魔眼殺しと吸血結界があるが、これからの戦闘に関わることはないだろうから俺達にとってはさほど重要ではない。吸血結界はマスターの能力が高ければ魔術師相手にもある程度有用なようだがどう考えてもコストとリターンが合わない。

余談だが日常生活用の魔眼殺しの眼鏡は以前から用意してあったので眼鏡のお姉さんとして日常生活が可能である。綺麗な瞳をずっと隠したままというのはもったいないしな。

 

彼女について着目点でありちょっとした懸念事項でもあるのは、その性癖か。

可愛い女の子が好きらしいので、彼女にとってはおそらく衛宮家は天国である。イリ姉ぇはくっついてじゃれつくだろうし。

そういう意味ではここで一定期間暮らすだけでも幸せだろうし協力体制も上手くつくれると思うのだが、彼女の場合『好き』の前に(性的な意味で)がつくので姉妹の貞操も心配ではあるし二人がメデューサに苦手意識を持つ可能性もあるのが問題といえば問題だ。少なくともイリ姉ぇがいれば上手く処理してよっぽど大丈夫だとは思うのだが。

 

 

 

そして瞳に映る(こころ)が美しい魔術師(キャスター)、メディア。当然美しいのは瞳だけでもないが、それはおいておこう。

 

真摯に修練し己がものとしたのであろうその卓越した魔術技量はこの一日で十二分にその価値を示した。

現在の彼女はローブを脱いで気品溢れながらもどこか身近な(たたず)まいで茶をすすっているが、原作では顔も髪も耳も見せない完全ローブ姿の『不気味な魔女』だった。

原作キャスターは極めて戦略的な奔走をし魔術師ですらない者をマスターにしながらも他サーヴァントに対し圧倒的な優位を作るなど、その智謀を知らしめていた。特に各サーヴァントに全力を出されれば簡単に撃破されるはずの小次郎を、キャスター(次 の 敵)が後ろに控え狙撃も無効化されその道以外では侵入できない階段の門番に置くことで、襲撃に来たサーヴァントに全力を出すことを許さずにことごとく撃退したというあたりは第五次戦争中で最高の戦略構築と言ってよかった。

 

その遠謀の魔女も最終局面までには必ず殺されてはいたが、愛したマスターに一途に尽くした姿は個人的に好きだった。実際に邂逅したときの情動とは比べものにならないが。できることならこの世界では俺が彼女を救いたい……というのは贅沢だろうな。そのうち葛木先生と話す機会でも用意するとしよう。なんにせよ、彼女が救われる巡り合わせがあることを願う。

 

……スキル的な面で見れば、魔術師としてまさに最上級の英霊なのは間違いないが、魔術に絶対的なレベルで耐性や対抗策を持つ英霊が多数参加する聖杯戦争ではかなり不利であるのは否定できない。実はメディア本人の魔力量はそこまで多いわけでもないらしく、陣地の構築ができなければ使える魔術に制限があるという。今回は霊地でもない衛宮邸を陣地とするのでその性能にも限界があるだろうことが申し訳ない。

 

その代わり事前に収集しておいた素材を活用して原作ではいまいち凄さの分からない『 道具作成:A 』スキルの本領を発揮してもらうつもりだ。エリクサーっぽいのが作れるらしい。Aランクといえば他のスキルなら相当理不尽な効果を出すレベルなので期待もできるだろう。これもまた弛まぬ努力と長い軌跡を感じさせる技量だ。

 

特性上では聖杯戦争に向かない彼女だが、宝具は一転して聖杯戦争の台風の目となりうる『強制的に契約を破棄させる』短剣、“ 破戒すべき全ての符(ルールブレイカー) ”。メディアの魔術技量と合わせると刺した敵サーヴァントを支配下におけるという反則級の宝具ではあるが……これ以上サーヴァントを得るのもいろいろと問題がある。今でも三人のマスターで四騎に魔力供給をしている状態なわけで。まぁ状況次第か。

 

他に注目すべき彼女の素晴らしい点といえばたとえば……駄目だ。彼女のことを考えると二度だけ見た彼女の瞳を思い出して、正気を失いそうだ……やめておこう。

 

 

 

なんにせよ、だ。面子は揃った。話しておくべきことを話さなくちゃ、な。

 

 

 

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