Fate/kaleid liner エドモン☆ダンテス 作:雛宮メリー
鏡面界に飛ぶ前に、俺とメル子は最後の確認を行っていた。メル子は背負った
「今夜の展開は夕方に説明したばかりだな?」
「はい、確か相手は
そこで囲まれて追い詰められたイリヤちゃんが、その……」
「魔力砲で周りごと吹っ飛ばすほどの大爆発」
離れてないとこっちが巻き込まれるくらいの。
しかし今夜も、となるとこれは確定だな。
散らばったカードの出現地点は原作の地点と
「助ける手立てとか、ないんでしょうか…?」
「ない。この後に及んでまだ言うか。
というか助けたいなら俺を手伝うことが間接的にあいつらを助けることになるぞ」
「そう、ですよね……」
悲しげに目線を落とすメル子。
核となっているカードがナイチンゲールなだけあってこれから起こることを何とかしたい気持ちがあるのだろう。
だがそれは
メル子一人がいたところで今夜の展開は変えられない。
ハサンに囲まれ、イリヤスフィールが爆発し、周囲は吹き飛ぶ。
俺たちはその後に現れる怠惰の化身と戦うだけ。
メル子がどうこうする余地はないし彼女にはそもそもその力などない。
それが分かっているからこそ、今の彼女は堪えるしかない。
この変えられない
「時間だ、突入するぞ」
「……はい」
俺は
「変身」
俺の身体が一瞬、仄暗い輝きに包まれる。そして、輝きが収まるといつもの
そのまま続けて詠唱。
「半径2メートルで反射路形成。
鏡界回廊一部反転……《
鏡面界へと姿を消した。
ーーー
木々が薙ぎ払われ、クレーターが出来ている。
その爆心地にはへたり込む4人の姿があった。
「なん…なの?
どうしてわたしがこんなこと…。
敵も…ミユたちまで巻き込んで…。
もう…もういや!!」
「イリヤ!」
イリヤスフィールの足元が輝き、魔法陣が形成される。
そしてそのままイリヤスフィールは鏡面界から姿を消した。
「イリヤちゃん……」
「構うな。俺たちのやるべきことだけを考えろ」
「……はい」
悲痛なイリヤスフィールの叫びは離れていたこっちにも聞こえてきた。
ーーー
「
「「にっ…逃げやがったーーッ!?」」
イリヤの行動に呆然とする3人。
その中でいち早くルヴィアが動き、
「…何はともあれ、これで6枚目。
残すはあと1枚ですわ」
「あっ、ちょっとルヴィア!あんた、またカードを…!」
「オーーッホッホッホ!!
早い者勝ちですわー!」
ルヴィアは美遊の方を振り返る。そして
「…?なんですの、
クレーターの淵に現れたものを見つけてしまった。
深紫を基調とした蛸と海星の混ざったような見た目。器用に触手を使ってクレーターを降りてくる。
「キモっ!?!」
「
「知らないわよ!まさか最後のカードがここに…!?」
ウネウネと蠢きながらソレはクレーターを降りてくる。
「サファイア、アレは一体…?」
『海魔と呼ばれる使い魔の一種です。ですが、何故……?』
そう、使い魔は
それに、
「鏡面界が閉じない…?」
この鏡面界に居た
なのにも関わらず鏡面界が一向に崩落する予兆すら見えないのは明らかにおかしい。
これではまるで、先日の
『美遊様、あれを!!』
「ッ!?」
1匹だけじゃない。クレーターの外周部に続々と現れ出す。
うじゃうじゃと溢れ出すように、際限なく海魔は現れる。
傷ついた彼女らを、狙いすましたこのタイミングで。
「ちょっと、どういうことよ…!
なんでこんな…!」
「美遊、早く
『いけません、美遊様!
混乱する3人(とステッキ)。
距離を詰める海魔。
絶体絶命。この状況を切り抜けるには、
「俺がなんとかするしかないか」
同じくイレギュラーである重戸が戦うしかない。