Fate/kaleid liner エドモン☆ダンテス   作:雛宮メリー

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10話 海魔強襲

突如としてクレーターに現れた海魔を樹上から俺たちも確認していた。

 

「待て待て待て待て!ふざけんな!

このタイミングで現れるだと!?

まだ美遊たち3人は鏡面界から脱してないぞ!」

「エドさん、海魔が…!」

「分かってる…!急ぐぞ!」

 

クソッ!予想外だ。動きが早過ぎる。

俺は迷わず《巌窟王(モンテ・クリスト・ミトロジー)》を使用し、認識阻害状態へと変わる。

 

「頼むぞ、メル子。多少手違いはあったがおおよその結果は変わらないはずだ!」

「はいッ!エドさん、お気をつけて!」

 

メル子を置いて俺は3人へと襲いかかろうとする海魔に向かって行った。

正史の連中とは関わりたくないとはいえ、

 

「俺がなんとかするしかないか」

 

この状況ではしのごの言っていられない。

 

ーーー

 

光線が一閃する。

今まさに美遊たちを襲おうとしていた海魔は明後日の方向から飛んできたそれに対処できずに吹き飛んだ。

 

「新手…?」

 

光線の飛んできた方向には、黒いナニカがいた。

 

「今の内にここから出ろ」

 

目の前にいるのに認識出来ない。

明らかにそこにいる。だが、脳が情報を遮断しているかのように黒いナニカの姿が分からない。

 

「出ろって言ったって…。

そもそもあんたは何者よ!?」

「それを語る必要はない。

だが一つだけ確実に言えることは、オレ(・・)やそこのソイツらはオマエらの件とは全く関係のないものだという事だけだ」

 

黒いナニカは右手を凛の方へ向けるとそこから光線を放つ。

その光線は、後ろから凛を狙って飛びかかろうとしていた海魔に大きな穴を穿つ。

 

「三度は言わない。さっさと帰れ。

コイツらはオレの獲物だ」

 

パチリ、と黒いナニカの周囲の空気が小さく炸裂する。

クレーターの淵から軽やかに降り立つと、両手から次々に青黒い光線を放つ。

黒いナニカはもう美遊たちなど眼中にないかの様に海魔を鏖殺していく。

 

「くっ、ここはアレの言う事に従うしかないわね。

今、戦うにはわたしたちは消耗し過ぎてる…!」

「ですわね。癪ですがここは引きますわよ、美遊」

「了解しました、ルヴィアさん」

 

美遊の足元が輝く。

離界(ジャンプ)する寸前、黒いナニカの口元が言葉を紡いだ。

 

ーー良かった。

 

それを見た美遊の足は自然とそのナニカの方へと進んだ。

そしてーー

 

ーーー

 

「これで心置き無く…ッ!?」

「わたしも戦う」

 

え?ナンデ?美遊ナンデ?

 

「帰れと言ったはずだが?」

「得体の知れないあなたに従う義理はない」

 

そう言って海魔に向かってサファイアを構える。

 

「チッ、命の保証はないからな」

 

意外に親切なのかな、と的外れなことを美遊は考える。

この得体の知れない黒いナニカはどこかあの人(・・・)に似ている。

そう、思えば先日もどこか似た雰囲気のクラスメイトが……。

そこまで考えたところで強制的に現実に引き戻される。

海魔がその触手を鞭のようにしならせて攻撃してきたからだ。

 

「サファイアっ!」

『物理保護全開!』

 

耐える。幸い海魔の一発辺りの攻撃は大した威力はない。

 

砲射(シュート)!!」

 

すぐさま反撃。前方の海魔をまとめて薙ぎ払う。

 

「喰らえ…!」

 

重戸は散弾のように光線を撒き散らす。

海魔は防ぐ術なく次々と穿たれ、焼かれ、吹き飛ばされる。

だが、失ったはしから補充するように押し寄せる。

さながらそれは壊れた蛇口から水が出るように。

 

「キリがない…!」

「チッ、使いたくなかったがこのままじゃ、ジリ貧か…」

 

変わらない戦況、疲弊する美遊を見て重戸は宝具使用に踏み切る。

 

「我が征くは恩讐の彼方ーー」

 

無限の魔力。その枷をいつもより少しだけ大きく外す。

自らが設けたいつもの制限(リミット)を大きく上回る魔力が溢れ出す。

さながら先程のイリヤのように。

だが、決定的に違うことが一つ。

 

「これだけの魔力を制御し切っている…!?」

 

驚愕に目を見開く美遊の前で重戸から溢れた余剰魔力は恩讐の黒い焔へと変わっていく。

さぁ、ここから先は、蹂躙劇(ワンサイド・ゲーム)

 

「《虎よ、煌々と燃え盛れ(Enfer・Château・d'If)》……!」

 




散らばったカードの英霊について3
基本的に魔術師には認識できる。
また、その特性上生み出された使い魔や魔術も認識できる。
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