Fate/kaleid liner エドモン☆ダンテス 作:雛宮メリー
「さぁ…覚悟はいいわね。
ラストバトル…始めるわよ!!」
とあるビルの屋上。そこで最後のカードである
そして俺は……3人を待ち構えるように
さながら空の境界コラボイベントで
「あなたは……!」
「昨日、森にいた…!」
「今日も同じだ。
俺はここにあるもう1枚のバーサーカーのカードを回収しにきただけだからな」
凛とルヴィアがすかさず臨戦態勢を取ろうとするのを遮るように言う。
有無を言わせず、続けざまに言葉を紡ぐ。
「半径7メートルで反射路形成。
鏡界回廊一部反転……《
さながら巻き込むように、まとめてこの場にいた全員を鏡面界へと引きずり込んだ。
ーーー
全てを喰らわんとしたコトはあるか。
喰らい続けても満ち足りず、餓えが如き貪欲さによって味わい続けた経験は。
消費し、浪費し、後には何も残さずにひたすらに貪り喰らい、魂の渇きに身を委ねた経験は。
心を覗け、目を逸らすな。
それは誰しもが抱くがゆえに、誰ひとり逃れられない。
喰らい、費やし、愛なき身に欲望を詰め込むもの。
暴食の罪。
監獄塔に復讐鬼は哭く『第五の扉 月光無常』より一部抜粋。
ーーー
とにかく彼女らと話をするつもりはない。
与える情報は最低限に。
「なっ、英霊が2体同時に…!?」
目前には筋肉の塊のような大男と黒く染まった皇帝が現れていた。
大英雄ヘラクレス。その威容は実際に相対したものならば痛いくらいに感じるだろう。
これまで俺が倒してきたどの英霊とも一線を画するプレッシャー。
俺が直接倒す相手ではないことが分かっていても恐怖に身が竦みそうになる。
カリギュラ?まぁ、偉大くらい。うん、ヘラクレスの隣に立つとなんて言うか影の薄さが更に際立つ。
「悪いな、オマエらの相手はそっちの見るからに強そうな方だ」
呟き、駆け出す。
カリギュラもこちらを認め、迎え撃つように迫る。
互いに無手。リーチ的には子どもである重戸の方が不利…!
「だとでも思ったか!正面から
急ブレーキからの光線連射。
意表を突いた攻撃にしかし、カリギュラは止まらなかった。
腕をクロスさせ、顔への直撃を防ぎつつ突進してくる。
奴らは被弾など恐れない。
ただただ嵐のように、災害のように暴れるのみ。
「《
小さく呟き、全身に回す魔力の比率をやや身体強化に傾ける。
俺の目前までカリギュラが迫ったところで高速の打撃を打ち込む。
だが、カリギュラもたじろぐ気配すら見せず拳を振り下ろした。
「ガッ!!?」
直撃。今まで一度も喰らったことのなかった英霊の一撃は俺の身体を容易く地面に減り込ませる。
続けざまに
「
向こうでは轟音を立て、美遊のステッキから特大の魔力弾が放たれる。
だが、ヘラクレスはまるで意に介さずその豪腕を振り回す。
「くっ!」
俺の攻撃は思っていたほど効果がない。恐らく一発が軽いのだ。
転がって距離を取ったが、これ以上離れると今度はヘラクレスの攻撃圏内に飛び込む可能性がある。
「フィールドが狭すぎる…!」
「逃げ場のないここではあの突進力は脅威ですわ…!」
あちらもヘラクレスの特性にそろそろ気付く頃だ。
「《
更に傾ける。隠蔽に使っていた魔力も強化に回す。
全身を覆い隠す黒が少しだけ晴れて、深い緑の服や白い肌という本来の姿を覗かせる。
カリギュラはその姿を見てもなお、依然として襲い来る。
振るわれる右ストレート。回避。
左手の大振りクロー。鼻先を掠める。
前蹴り。宙へと身を踊らせ、回避。
「喰らえ…ッ!」
俺は空中で巧みに体制を整え、ローリングソバットを放つ。
身体能力を底上げして繰り出したその一撃はカリギュラの側頭部を捉え、ちょうどヘラクレスの方向へ吹き飛ぶ。
そして、そのままヘラクレスの豪腕が偶然にもカリギュラの胴体を直撃。
美遊を砕こうとしていた一撃は割って入ったカリギュラによって妨害された。
「……あー」
どう見てもクリティカルヒットだろう。
ヘラクレスはカリギュラを認識していないらしく腕に当たった違和感に少し苛立っているようにも見えた。
『グルル……◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎ーーーッ!!!!!』
何とも言えないが、直撃を免れた美遊は後ろへ大きく距離を取って次の一手を話していた。
「確かに心臓を貫いたはずなのに…!!」
美遊が《
すぐさま、屋上の一部をアゾット剣で切り抜いた。
「撤退よ!あんな相手じゃ勝ち目がない…!!」
ルヴィアと美遊を連れ、3人はビルの中へと走り出した。
「この後の展開を考えるとオレは時間稼ぎかね」
立ち上がるカリギュラ。吼えるヘラクレス。
2体のバーサーカーを前に黒炎を纏った拳を固める。
さぁ、第二幕だ。