Fate/kaleid liner エドモン☆ダンテス 作:雛宮メリー
カリギュラの蹴りを去なす。
ヘラクレスの拳を躱す。
一撃でも貰ったら死ぬ。
特にヘラクレスの攻撃はいくら《
また距離を置いたところで光弾や光線が通じる相手じゃない。
「宝具……いや、ダメだ。
これ以上魔力を使えば今度こそ正体を晒すことになる…!」
今の俺には、
『◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎!』
聞くものの心を折るような咆哮。
思わず足を止めてしまい、カリギュラの拳打を浴びてしまう。
「グッ、がぁ……」
痛い、苦しい。
だが、敵からは目を逸らさない。
気を抜いたら即座に死が待ち受けている。
ダブルバーサーカーの脅威は、俺を着実に追い詰めていった。
ーーー
「ーーー告げる!
汝の身は我に!汝の剣は我が手に!
聖杯のよるべに従いこの意この理に従うならば応えよ!」
「誓いを此処に!
我は常世総ての善となる者!
我は常世総ての悪を敷く者ーー!」
「汝 三大の言霊を纏う七天!
抑止の輪より来たれ 天秤の守り手ーー!」
「
ーーー
ヘラクレスが突如、弾かれたように下を見る。
ひび割れた地面に拳を打ち付け、階下に降り立つとそこには騎士王アルトリア・ペンドラゴンのカードを
「撤退はしない。すべての力をもって今日ここで、戦いを終わらせる!!」
覚悟と共に神話の英雄へと立ち向かう。
振るわれる岩のような拳を紙一重で躱し、《
更にそのまま切り上げるようにして剣を抜き、すぐさま距離を取る。
階下で行われる死闘を視界に収めながら、俺は呟く。
「やるじゃねぇか。
オレもそろそろコイツを本気で潰さなきゃな」
視線の先にはカリギュラ。
打撃と光線を降らしてもダメージは薄い。
唯一、先程のヘラクレスの一撃は効いているらしく脇腹を庇うような動きがちらほら見え出した。
「勝機があるとすればあの脇腹に零距離で光線連射ぐらいか?」
あるいはいっそもう一度ヘラクレスにぶつけてやろうかな…。
ワンパターンなステゴロ戦闘を続けながら次の一手を思考する。
『グウゥ……ウゥゥオオォォォ!!』
突如叫び出すカリギュラ。
全身の黒い魔力がうねるように放出される。
「なんだ…?」
拳を構え、警戒する。
その変化は突然だった。
「なっ!?」
カリギュラの動きが目に見えて速くなったのだ。
更に拳にも蹴りにも精細さが所々に現れ始める。
「まさか、皇帝特権で格闘技とかのスキルを取ったのか!?」
明らかに変わり過ぎている。
これはマズい。
「クソがッ!!!
出し惜しみしてる場合じゃねぇ!」
もう手段はない。
例えここで魔力切れになって正体がバレたとしても、コイツはここで倒すしかない。
じゃないと今度はこの戦場に絶対メル子が付いて来る…!
これ以上、アイツに怖い思いはさせられない。
魔力の枷を外す。
先日と同じ膨大な魔力が全身を満たす。
「我が征くは恩讐の彼方ーー」
同時に階下の戦闘にも変化が訪れていた。
「今ここで終わらせないと…。
わたしひとりで終わらせないと…。
次はきっとイリヤが呼ばれる…!」
『ーー…!』
「イリヤはもう…戦いを望んでいない」
莫大な魔力の奔流で天井を切り裂きながら前へ進む。
「初めて……だったんだ…わたしを…ーーって……言ってくれた人…だから…!」
「《
「《
二つの宝具が放たれる。
一方は月に狂う皇帝の身体を超高速でズタズタに引き裂き、もう一方は不死身の大英雄を束ねられた星の光が呑み込んだ。