時は50年ほど遡る。善神と悪神の戦争真っ只中の事だった。光バードのレクイエム・ホーリーライトは、ドワーフの発明家シュテファン・ボルツの元に大きな荷物を持ち込んでいた。
「これが、廃墟に放置されていた遺骨だ。そしてこちらのオーブには、遺骨の主の魂が封じてある。」
「本当に本人同士の物なのか。」
シュテファンは慎重に問う。レクイエムは静かに頷いた。
「マナフロウの波長と、受けた悪神のエネルギー型とで二重に照合した。間違いは無い。」
「そうか。測定器はきちんと動作したようだな。それではいよいよ計画を実行する時だ。」
シュテファンが傍らの台にかけられた覆いを外すと、そこには開かれた棺があった。普通の棺と違うのは、それが骨壺と言えるほど小さく、また蓋が左右両開きになっている点だった。そしてその周囲には大小様々な機器があり、それぞれがマナコードで棺と接続されている。棺の中にも小さな機械が見える。シュテファンは受け取った遺骨とオーブを棺の中に納め、固定してゆく。そして棺の蓋を閉じると、周囲の機器を次々に起動させていった。部屋全体のマナの流れが変わった。
「これで良し。理論通りなら、後はレクイエム、君の魔法で完成する。詠唱を始めてくれ。」
レクイエムは棺の頭側に立つと、プリーストの用いる杖を構えて祈りの言葉を唱え始める。浮遊するマナがレクイエムの杖に向かって流れ込み始めた。
「ドワーフの機械、ジャイアントの鍛え結んだ賢者の石、ヒューマンの祈り、そしてエルフの自然を司る魔力。これらを結集すれば、悪神に引き離された肉体と魂とは再び結合し、新たな生命となるはずだ……。」
シュテファンが固唾を飲んで見守る。どれほど時間が経っただろうか。マナの流れが急速に変化し、機器のオーブが強く輝き出した。
「始まった!」
「善神よ、無残なる悪神の所業を正し給え! 堕ちたる魂、朽ちたる骸、今一度合わさりて再び蘇らん!」
レクイエムが声を上げて祈ると、杖に結集したマナが一気に棺に流れ込んだ。そして棺の蓋が勢い良く開き、据えられた魂のオーブからオーラが発生した。オーラは徐々にその量を増し、勾玉型に形を変えてゆく。そしてそれはある瞬間に一際強い光を放ち、人の赤ん坊の姿に変化した。シュテファンが手を伸ばしてその赤ん坊を抱き取る。赤ん坊が勢い良く泣き声を上げた。
「成功だ! 大成功だ!」
「落とすなよシュテファン、まだ形態が安定していないはずだ。」
額の汗を拭ってレクイエムが声をかける。大量のマナを消費し、精神の消耗も激しい様子だった。
「棺からあまり離せないようだな。少し距離を取るだけで姿が崩れそうになる。」
「ああ、この子は一生この棺を手放せない。だが、ストームレギオンのゾンビにされるよりはずっとマシだろう。」
レクイエムは棺と周囲の機器の接続を切り離してゆく。そして棺の蓋を閉じてそれを持ち上げ、用意しておいたベビーカーの下側の荷台に押し込む。シュテファンは赤ん坊を布で包んでベビーカーに乗せた。
「祈りの魔法を使えるエルフ、エルフプリーストを増やさなければな。遺骨と魂の発掘要員も大量に必要だ。それに蘇生された者を育て直す者も。」
「首都にこの成功を伝えよう。支援者を募るんだ。」
その後、首都の教会でレクイエムは蘇生の実演を行い、エルフプリースト育成の重要性を訴えた。信仰形態の違うエルフの受け入れに懐疑的だった教会側も実演の結果を見て協力的になり、第二、第三のエルフプリーストが生まれる事となる。またその時に蘇った者はウィリアム・ブラッディジョーカーと名付けられ、その教会の運営する修道院で生育を見守られる事となった。
それから数年、蘇生された生命体の持つ特殊能力が段々と明らかになり、血液を媒介として魔法を用いる事のできる彼らはヴァンパイアと呼ばれるようになっていた。蘇生の活動団体は "レクイエム機関" の通称を得て、支部も3つに増えていた。レクイエムはそれら全ての運営を行うと同時に相変わらず発掘の指揮を執り、一方で蘇生魔法を繰り返し、またヒューマンのプリーストらと共に有志のエルフの指導にも当たっていた。シュテファンの工房では日々棺と蘇生機材の生産や改良が行われ、彼らの悩みの種はジャイアントらが賢者の石の増産に応じない事だった。ジャイアントらの間では材料不足と人員不足が深刻で、善神の軍隊をやめて賢者の石を作るようになる者まで出ている事態だった。レクイエムは宣伝のために首都レイシングに機材を持ち込み、蘇生の実演を度々行った。ある時などは様々な手違いと遺骨の収集量不足が原因で蘇生に至ったのは4体中1体という結果に終わったが、首都の行政主体らはストームレギオンのゾンビとして敵対するはずだった者が目の前で新たな生命として蘇った事を高く評価し、レクイエム機関への支援により一層の力を入れる事を決めた。首都主導で近郊の悪神襲来地点の調査が始まり、程なくして4つ目から7つ目の支部が開設され、ヴァンパイアの "増産" 体制が整っていった。
17歳になったある日、ウィリアムはシュテファンの元へと赴いた。背には棺、手には自ら記した雑な設計図があった。
「存在の起点になってる棺にドワーフのガンと同じ機械を組み込めば、俺達ヴァンパイアももっと強い魔法を使えるようになると思うんだ。」
ウィリアムの要望は、棺に魔力の増幅機構を組み込んで欲しいという物だった。シュテファンと工房のドワーフ達は、ウィリアムの設計図の雑さに顔をしかめながらも、その話に興味を持って聞き入っていた。
「棺の内部機構自体を改造するのは危険だな。」
一人のドワーフが難色を示す。他の者も軒並み頷く。ヴァンパイアの棺はとてもデリケートな物であり、改変を加えれば持ち主のヴァンパイアの命すら保証されないというのが、主流を占める考え方だった。
「じゃあ、こうして部品を増やして……そこに機械を配置するのはどうだろう。」
別のドワーフが設計図にチョークで改善案を書き込む。棺の両横に縦に同じ長さの板を据え付け、その上にガンの機構を並べて行くといった物である。
「板の向き、横にならないかな?」
ウィリアムが口を挟む。プリーストらの持つ杖の十字架の形のイメージだった。
「その方がインパクトはあるね。」
「何なら縦にも延長しようか。」
ドワーフ達も乗り気である。材料として適しているのは何か、どの程度の強さの武器を組み込むか、そして誰が試作を担当するか。議論は白熱する。結局材料にはエルフの楽器やプリーストの杖に使われる木材が選ばれ、組み込むのはガンナー初級者に与えられる基礎的な性能のみを有したガンの機構、製作担当にはシュテファンと数名の弟子が選ばれた。ウィリアムは棺からあまり離れるわけに行かないため、特例的に工房に寝泊まりしてその製作を見守った。数日後、果たしてそれは完成を迎えた。
「すごい……マナの流れが手に取るように感じられる。これがドワーフの技術か!」
ウィリアムが十字架の形になった棺を背に感嘆する。ドワーフ達は徹夜疲れをよそに、目の前の若者の新しい能力を確かめようと工房中から集結した。ウィリアムは外に出て、訓練用のかかしに狙いを定める。
「わかる、新しい魔法が見える。これこそ俺が求めた力、闇の波動だ! "ダークリップル"!!」
ウィリアムの手から、誰も見た事の無い波長の魔力が放たれる。ドワーフの連撃火炎放射に耐える設計のかかしが、台座ごと吹き飛んで転がった。ドワーフ達の間から歓声が上がる。
「これならストームレギオンにも通用する! 俺も戦争に行ける!」
「大発明だ! 新しい戦力の誕生だ!」
その後ヴァンパイアの "武器" の誕生がレクイエム機関に伝えられ、所属のヴァンパイア達はこぞってシュテファンの元を訪れた。彼らはウィリアムに倣ってダークリップルを習得すると、善神の軍隊へと志願した。やがてウィリアムが武器の性能を余す所無く引き出せるようになると、シュテファンらはより複雑な機構を持つ強い武器へとその十字架を改造し、伴ってウィリアムはダークリップルの攻撃力を増し、また更に新たなより強い魔法であるワースキルやチャームストライクを考案して行った。
エリーはウィリアムより数年遅れて生まれたヴァンパイアである。16歳を迎える頃には既に棺の武器化が一般的になっており、当然のように彼女もその棺を十字架に組み込んだ。しかしそれを背にした時には、事前に聞いていた話とは全く違い、新たな魔法の予感はそこには無く、幼少より常に覚えてきた渇きがより強く感じられるようになったのみだった。それを訴えると、ヒューマンメイジの魔法指導者は答えた。
「自身の内に強く湧き上がる物、それは魔法です。あなたは渇きを覚えるなら、その渇きを対象に向けて解き放てばいいのです。」
始めのうちエリーには渇きを解き放つという概念がうまく理解できなかったが、試行錯誤を繰り返す中で、彼女は一撃の火の玉を放つ事に成功した。
「相手に渇きを与える物、それは炎。正解です。おめでとう、あなたはあなたの魔法を会得したのです。」
指導者が祝福する。エリーの渇きは、ほんの一瞬だけ和らいだように思えた。エリーはその感覚を求めて、それから毎日体内のマナが使い尽されるまで火の玉を撃ち続けた。ヴァンパイアに火の魔法が使えると知ったガンナーやメイジらは次々と彼女の様子を見学しに訪れ、例外無くその魔法に驚嘆した。それはガンナーやメイジの用いる火魔法とは似て非なる物であり、独立した一個の体系を成していたからである。エリーの火の玉はイビルフレイムと名付けられ、彼女は "フレイア" の二つ名で呼ばれる事となる。ある日フレイアがその魔力を極限まで集中すると、棺を身に着けているにも拘らずその体を構成するオーラが乱れ始めた。マナの流れが強すぎて、棺の機構に干渉し始めたのだった。指導者や技術者らは誰もがフレイアに魔法の使用を中断するよう忠告したが、フレイアには一つの確信があった。それは、オーラは壊れかけているのではなく魔法を撃ち出すのに最も適した状態を探しているのだという事だった。フレイアはそのまま更に精神を集中する。と、フレイアの姿が完全に崩れて光の塊になった。そしてその光は生まれた時のように強く輝き、やがて大きな赤い蝙蝠の姿へと変化した。
「見つけた。これが魔法のための魔法の姿、インフェルノバット!」
フレイアはそのままイビルフレイムを撃ち放つ。発動に要する集中力はとても小さな物で、息をしているかのようだった。凄まじい熱波が訓練所の中庭に渦巻く。と、かかしが消し飛んだ。クリティカルヒットである。同時にフレイアの姿は元の物へと戻り、魔法発動のための精神力も元通りになった。
「あまり長時間は無理だけど、この能力はぜひ磨きたい……。」
フレイアはその後も訓練を積み重ね、範囲攻撃魔法ヘルファイアデスや状態異常を引き起こすインファナルスローターを完成させた。そして時折彼女と同じ性質を示すヴァンパイアが現れると、その魔法を伝え鍛えさせる事を繰り返した。魔焔タレントはこうして完成を迎えたのである。
善神と悪神の戦いは、善神の勝利をもって終結した。勝因には無論レクイエム機関の発明と奮闘が上げられるのだが、世間には「善神は勝って当然」という風潮があり、あまり取沙汰されなかった。戦いの終盤に於いては、それほどまでに悪神とそれに組するストームレギオンは追い詰められていたのであった。戦勝パレードの舞台には各職の英雄らと共に、目立った戦果を挙げたウィリアムやフレイアの姿があったが、レクイエム機関の者達はその下で群衆に紛れて英雄達を迎えた。その上、それからしばらく経つと、もはやストームレギオンによって利用される心配の無くなった悪神の被害者達をこれ以上蘇生する必要は無いという意見が聞かれるようにまでなった。それでは被害者間の公平性を欠くとして行政主体らはレクイエム機関の活動継続を求めたが、それによって行政不信の風潮すら濃くなりかけたほどであった。レクイエムは理解を求めて実演や公演等の広告活動を行ったが、やがて数件の支部は閉鎖され、シュテファンの工房に下りていた助成金も打ち切られる事となってしまった。もはやヴァネッサら有志による寄付のみが頼みの綱である。昔のようにシュテファンと数名の弟子だけが残った工房では、それでもヴァンパイア達のための技術開発が細々と継続された。
「技術とは常に不完全な物。」
「探求をやめれば、技術は廃れる。」
シュテファンらは己に言い聞かせるようにそう言い合い、その士気を保っていた。ある時、彼らは全く新しい機構を持つ蘇生機材の開発に成功した。それによって蘇生されたヴァンパイアは、なんと棺から5キロメートル離れた地点でもその姿を保っていたのである。レクイエムは機関全体の機材を新式に入れ替えるために骨を折り、数年経って最後の支部に新式機材が納入された時には、老化する事のないはずのエルフでありながらまるで老人のような外見となっていた。
棺を要さないヴァンパイアが生まれるようになると、新しく生まれた者達の中には、従来のヴァンパイアよりも身体能力または魔法能力に長けた者が散見されるようになった。彼らは十字架を武器とはせず、ナイフや杖を用いてヒューマンのように戦う事を覚えて行った。ヴァンパイアにもアサシンやメイジになる者が現れたのである。またヴァンパイア職であっても、棺を組み込む必要の無くなった十字架はより魔法増幅に特化した構造を持つようになり、従来のヴァンパイア職より効率の良い魔法発動が可能となった。そこで古参のヴァンパイアと新人達との間に溝が生まれてゆく。事態を重く見たレクイエム機関は、シュテファンの工房への支援を行い、従来のヴァンパイア達の肉体を十字架から切り離す技術の開発を試みた。10年ほどの開発期間を要したものの、その技術は徐々に確立し、ある時シュテファンはレクイエムに対し、実験台の選定を求めた。その技術は未だ完成には至っておらず、成功の保証されない物であったためにレクイエムは苦悩した。が、意を決して機関全体に応募を呼び掛けたところ、ウィリアム、フレイア他数名の者が名乗りを上げた。ウィリアムは機関への感謝から協力を申し出たのであり、一方のフレイアには、なれる物ならメイジになりたいという希望があった。果たして実験は決行される。1回目の実験で独立した肉体を得たのはフレイアのみだった。他には魂が破壊された者が1名おり、他は相変わらず肉体の維持のために十字架を傍に置く事を必要としていた。実験は5回、改良を加えながら繰り返され、その中で棺が機能しなくなり、意識はあるものの肉体が存在しない状態となった者が2名発生した。その時にレクイエム機関は実験の中止を申し出たが、シュテファンの頼みであと1回だけ実行される事となった。その1回で技術はどうにか実用段階を迎え、ウィリアムと残る一人が独立した肉体を得る事となった。そして確立された技術をもって、従来のヴァンパイア達は次々に十字架から解放されていった。フレイアのようにメイジやアサシンに転職する者もいれば、結局十字架を用いて戦うヴァンパイアのままでいる者もいたが、全体的に彼らの戦力水準は上昇した。伴って魔法指導の基準が変更され、ついでに各魔法の名称も変更された。ダークリップルはダークウェイブ、チャームストライクはチャームアタックと呼ばれるようになったが、ウィリアムら古参のヴァンパイアらは結局元通りのスキル名を使用し続けた。
それから更に数年後の事である。レクイエム機関シグマ支部では大騒ぎが沸き起こっていた。支部廃止を求めるデモ隊の一部が暴徒と化し、支部の建物に襲撃を開始したのだった。窓ガラスが割られ多数の暴徒が建物内に侵入し、職員や幼いヴァンパイアらは逃げ惑い、いつしか建物の一部からは煙が上がっていた。大人になったヴァンパイアらを主な構成員とする地元の警察隊と消防隊が駆けつけ、やがて暴徒らは全て取り押さえられたが、建物の1階は一部が焼け、保管されていた遺骨も多く他の物と入り混じってしまっていた。事件を知ったレクイエム機関は職員を派遣し、支部で暮らしていた幼いヴァンパイアらと稼働中の機材、並びに再度個人特定が必要になった遺骨を別の支部へと移送した。その中に、Σ57と記された棺もあった。それはイプシロン支部へと送られ、イプシロン支部では物置小屋に急場で蘇生設備を設けて受け入れた。後日この棺は無事に蘇生を迎え、生まれたヴァンパイアは "シグマの子" と通称で呼ばれるようになった。彼はシグマ支部が再開した折にそこへ戻される予定であり、しつけや教育もそれからでいいだろうとの希望的観測の下、極めて放任的にに育てられた。だがそのシグマ支部は再建のためのてこ入れの際に、それまでの活動に際して数多くの不正行為を行っていた事が発覚し、その事が蘇生反対派の勢いに油を注ぐ有様で、再開の目途はいつまで経っても立たなかった。当事者らへの責任追及はしかし、火事で資料が焼けた事も一因としてなかなか進まず、最終的にその再開は断念された。その時には "シグマの子" は7歳になっていたが、イプシロン支部では相変わらず彼の放任を続け、彼は物置小屋を個人部屋代わりに育って行った。食事の時にいなかろうが、学校で見当たらなかろうが彼は放任され続けた。彼自身も干渉に敏感ですぐ物置小屋に閉じ籠る性質を持っていたため、その傾向はより強められた。そして彼は小学校の最終学年を留年する。最終テストで発覚した自分の名前すら書けない事態を改善してから卒業させねばという教育現場の思いやりだったが、彼は結局新学期から一度も学校に行かず、形ばかりの手製の十字架を背負って、訓練用のかかしを相手にダークウェイブとチャームアタックの練習ばかりをしていた。彼の魔力が他の子供より高いと見込んだ魔法指導者は彼に中古の十字架を与え、普通なら子供を連れて行かないフィールドボス討伐に彼を同行させるようになった。この頃から彼は単純にシグマと呼ばれるようになり、イプシロン支部周辺ではもはや誰もが彼の名をシグマだと思っていた。
数年経ったある日、首都からイプシロン支部に問い合わせが舞い込んだ。発信者の名を見て職員は髪を逆立てた。ウィリアム・ブラッディジョーカー・オブ・ナイトフォール。業界では知らぬ者の無いヴァンパイアの英雄である。内容は、ギルドに加入した新人シグマ・バーニングブラッドの本名を教えて欲しいという物であった。シグマは確かに通称であり、バーニングブラッドはイプシロン支部やシグマ支部等ベータ系の支部出身のヴァンパイアに共通する姓である。職員は古い帳簿を片端から漁って、Σ57の蘇生者に与えた本来の名がシルヴェスターである事を突き止めた。そしてその旨を返信すると、それきりまた彼の名を忘れてしまった。