神狼がケモナーなのは間違っているだろうか 作:シグナルイエロー
俺の封印が解かれるとしたらそんくらいの状況だろうなー、と思ってた。
そして今のヘルの発言から考えられるのは-
「ええ!?
まさか、子供達にさっきのことをカミングアウトしなきゃならないの!?
お、お、お、落ち着け俺、素数だ、素数を数えるんだ。
1・3・5・7・11・13・17・・・・素数は自分以外では割り切れない孤独な数字、俺に勇気を与えてくれる。
え、何でかって?そりゃお前、あれだよ孤独なのは自分だけじゃないこんなにもいっぱい孤独な奴らがいるって思えるからだ
ふー落ち着いてきた・・・大丈夫だ子供達は良い子・・・のはず、きっと応援してくれる
『パパがんばれー』『パパーなら大丈夫だよー』
ほーら子供たちの優しい声が聞こえてくれあべし!?
「目を覚ませ、アホ犬」
なんか巨大な腕が地面から生えてぶん殴ってきた、そこはせめてパーで叩けよ、なんで久しぶりに会った妹にグーで殴られにゃならんのだ
「何すんの!?おふくろにもぶたれたことないのに!」
初ビンタ・・・じゃなくて殴り?は妹でした。
「母様は兄さんを甘やかしすぎなのよ!」
ただ単に反抗期ゼロで親に素直だっただけでっつーの、てかぶっちゃけ今はそんなことどうでもいい
「いや、冗談やってる場合じゃなくて・・・マジで最終戦争が起こったのか?」
だとしたらヘルがここにいるのも納得できる、なにせヘルは冥界の支配者だ、無限に近い数の死者達を率いればここまで余裕で来れるどころかお釣りがでるくらいだ
もし本当に最終戦争が起きているなら俺も覚悟を決めねばならない、もちろん先ほどのようなふざけた宣言を子供達にするという様なものではない
この牙、この爪、この血肉と毛先の先一本まで使ってもおふくろの陣営として戦い抜く覚悟だ
俺は実の弟と妹であるヨルムンガンドとヘルとは幼い頃から絶対に破らないと誓った約束がある、たとえ何があろうと最終戦争になった場合はおふくろの元に駆けつけ、その陣営に加わり戦うという誓いだ、これを破った場合は自ら心の臓をえぐり出すという呪いにも近いルーン文字を俺たちは自らに刻んでいる、このことはおふくろでさえ知らない、というか知られちゃいけない、知られたらきっとあのおふくろのことだ自分なんかのためにと、そんなルーン文字を刻んだことを悲しむであろうことは容易に想像できるし、全力でそのルーン文字を消しにかかるだろうからな、、まぁそんなおふくろだから俺たちは絶対に最後までおふくろの味方になろうと誓ったんだ
たとえどんな神であろうとおふくろに牙を向ける奴らは・・・俺たちが殺す。
マザコン?はっ俺たちからすりゃそれは褒め言葉だね!
数千年ぶりに体中に殺気が漲っていく、クククいいぞ在りし日の凶暴な俺が戻ってきそうだ
「・・・いや、違くて、最終戦争とか全然起こってないんだけど・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・え?
漲ってきていた殺気がピタリと止まる
「えっと、何か一人でえらく殺気と一緒に中二病爆発させてるとこ申し訳ないんだけど最終戦争とか起きてないから、つーかそんな気配微塵もないから」
「マジで?」
「マジマジ」
「え、じゃあヘルってば本当に何しにきたの?」
「『クククいいぞ在りし日の凶暴な俺が戻ってきそうだ』」
「やめてえええええ!今いい感じに流せてたじゃん!?製造したばかりの黒歴史を再生しないでくれええええええ!!!」
ちょっと調子に乗ったらこれかよ!
「産地直送っていい言葉よねー」
「お前のそれは産地直送じゃなくて返品してるだけだろうが!!」
しかも返品内容は出したはずのゴミを顔面に叩き返すような行為だ
せっかくのシリアスな空気を返せ!
「もうお前ほんと何なんだよ・・・最終戦争でもないなら帰れよぉ・・・」
寂しがり屋な俺が誰にも会いたくないと思ったのはほんと久しぶりだよ、すげーよヘルは・・・
「だーかーらー、ここから出してあげるって言ってんじゃん」
さっきから何を言っているのかこの
「はいはいそーですねー、じゃあ俺はふて寝するんで出して挙げるさんによろしくね、帰れ」
「っっ信じてないっての!?・・・いーわよ!だったら実際に解いてやろうじゃないの!!」
「おうおう!やれるもんならやってみろや貧乳!」
「こ、殺す!封印解く前に一回殺す!だ、だいたい私が胸が慎ましいのは母様の遺伝よ!私のせいじゃないやい!!」
「残念でしたー、シギュンさんとこのナルヴィちゃんにはちゅあ~んと立派な胸があります~、はい論破~」
ちなみにシギュンさんはおふくろの2番目の夫、んでもってナルヴィはその娘だ、これがヘルとは真逆のボインボインなんよ
「う、うう」
「ねぇねぇどんな気持ち?異父妹に色々超えられるのってどんな気持ち~?」
「う、うう・・・URYYYYYYYYYYYYY!!」
あ、ヘルが切れた、しかもなんかめっちゃ地面から巨大な手が生えてきた・・・え、マジギレ?さすがに今の状況でマジになったヘルの相手はヤバい、つーか下手したら死ぬ
そんなこと考えている間にどんどん闇色の巨大な手が量産されていくんだけど
ってマズイマズイマズイ!この数ガチじゃねーか!?
「ちょ、おま!?動けないお兄様に」
この妹しゃれになんねぇぞ!?
「SINEEEEEEEEEE」
拳の雨が降ってきた、しかも特大の
「嘘だろこいつ!?」
このあと血の雨も降った。
教訓その1
親しき仲にも礼儀あり、いくら勝手知ったる兄妹といえど相手の身体的特徴をバカにするのはやめましょう、マジで
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と、まぁヘルと
現在俺は自分を封印していたグレイプニルから解放されただけでなく、なんと下界にいる
いろいろすっ飛ばしすぎだって?
キンクリでもされたと思って気にしないでくれ
まぁ何の説明もないのは不親切なので要約すると、おふくろのおかげらしい
なんでも、おふくろは地上で少々やらかしたりはするものの基本は大人しく、地上で善神の如く子供達相手にふるまっているとのことだ・・・正直信じられんなぁ、チンピラみたいに別の神話体系の神にまでケンカを売っていたおふくろがよくもまぁそれほどまでに丸くなったものだ、やはり時の流れや人との交流は神すらも変えるということだろう。
そしてそれを見た天界の神や地上から帰ってきた神々が俺も地上に送ったら丸くなるんじゃね?と思ったらしい。
あいつら俺のこと軽く見過ぎだろ、封印解いた時点で俺が暴れ回るとか思わなかったのか、いや、別にそんなことする気はないけどさー
しかも地上は特別な状況や条件下でなければ神の力は原則使用禁止、俺を大人しくさせつつ更正させるにはもってこいとのことだ
他にもおそらくだがヘルが個人的に他の神々に働きかけたりした結果だろう
つまり!!
俺の封印が解かれたのはおふくろのおかげ、俺が地上にくることになったのもおふくろのおかげ、ヘルに面倒ごとを頼まれたのもおふくろのおかげ、今現在迷子になってるのもおふくろのおかげ、そして空腹で倒れそうなのもおふくろのおかげ、とどめに魔物に囲まれてるのもおふくろのおかげ
・・・殺意が沸いてきそうなんだけど
ていうかこの状況どうしよ
周りは狼型の魔物にぐるりと囲まれている
ただの狼の群れに囲まれたとかなら、ちょっとだけ抑えてる俺の狼の神としての
ヤバいデス、いきなりピンチデス。
てか何で地上に降り立つ場所が人里も何もない山奥なんだよ!!
これ絶対ヘルの嫌がらせだよ!あんだけ俺を一方的にタコ殴りしといてまだ根に持ってたのかよ!?
さすがは貧乳だよ!胸だけじゃなくて心まで狭いとは恐れ入ったよ!!
『『『『『『GRAAAAAAAAAAA』』』』』』
ヘルの胸に関して心の中で罵倒していたら魔物が一斉に襲ってきた
「お前らぁ!ヘルの回し者じゃねーだろうな!?」
打ち合わせでもしてきたのか!?
人型フェンリルの見た目はテイルズのザビーダ銀髪ver.をイメージしてるヽ(*´∇`)ノ