Fate/TriangleOrder 〜三位一体のサーヴァント〜   作:白花 頼羅

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あけましておめでとうございますm(_ _)m
FGOでは第2部の序章が配信され、特番では色々補足が入りましたね。

こちらはようやく第1部の序章が終わります。

続きは気長にお待ち下さい。


第六幕 さぁ、聖杯探索を始めよう。

Side:理人

 

「いや、まさか君たちがここまでやるとはね。計画の想定外にして、私の寛容さの許容外だ。48人目のマスター適正者。全く見込みのない子どもだからと、善意で見逃してあげた私の失態だったよ」

 

この声にあのモジャモジャのもみあげ…。

あの人は…

 

近未来予知レンズ“シバ”を開発した技術者、レフ・ライノール。

 

カルデアで会った時のように紳士的な喋り方をしているけど、何かがおかしい。

 

「レフ!ああ、レフなのね!良かった貴方が無事で!」

 

「やぁオルガ。…なぜキミが生きているんだい?」

 

…コイツ、今、所長になんて言った?

 

「全く、どいつもこいつも屑ばかりだ。どうしてこうも人間という生き物はどうしようもない!

なぜ言われた通りに動かないんだ!統制が取れていなくて…虫唾が走る!ロマニも大概だが一番の予想外はキミだよオルガ。なぜ足元に爆弾を仕込んだのに生きて…。

 

いや、生きてはいないか。」

 

こわっ?!

ぎざぎざの葉に見開いた不気味な目。

…本当にレフ教授なの?

…じゃなくて、今、さらっとすごいこと言わなかった?

 

「な、何言ってるのよレフ?私が、死んでる?

私、ちゃんとここにいるじゃない…。」

所長の声が震えている。

 

「そうだね。…じゃあなぜレイシフト適正のなかったキミが特異点にいるんだろうね?

…こう考えれば自然だろう。一度死んで、残留思念になったからこそこの空間に存在できるのだと。」

 

「…!」

 

所長は間違いなく優秀な魔術師だと思う。今日初めてまともに魔術を使った素人の私でもわかる。

 

だからこそレフ教授…いや、レフの言っていることが理解できてしまった。

 

「……それじゃあ私、カルデアに戻った瞬間消滅するじゃない!カルデアスが真っ赤になってしまってるんでしょう?!リト一人でどうやってこの先戦わせるのよ!

ロマニは正直魔術師としては論外だし!

…また、私、何もできないの?」

 

所長にはここに来るまでに現在のカルデアの状況を伝えてある。…私が話したときは殴り飛ばされたけど、Dr.ロマンがちゃんと説明したらパニックにはなったけど、ちゃんと冷静に受け止めてくれた。

 

「嫌よ…このまま死ぬなんて、誰にも認められずに死ぬなんて、絶対に嫌なんだから!」

 

所長は懐から術式を刻んだ石を取り出す。

 

 

「…………………レフ。今まで助け続けてくれてありがとう。

 

だけど、貴方は人類の敵なのよね?だから…。

ここで止める。」

 

「ひゃはははははっ!威勢がいいじゃないかオルガマリー・アニムスフィア。

だが、そもそも貴様らアニムスフィアの末裔の愚行こそ今回の“偉業”のきっかけ。それに、そんなちゃちな魔術…いや、魔術と呼ぶのもおこがましいモノでやられるほど脆弱ではないぞこの私…人類史焼却2016年担当者、レフ・ライノール・フラウロスは!」

 

迸るドス黒い魔力。感じるのは憎悪ととてつもない怒り。

 

「下がれ嬢ちゃんたち!アイツは現代の神秘性の薄れた魔術が通用しない危険物だ!…とか言ってるそばから強制送還かよ!」

私と所長を守ろうとしてくれたキャスターさんが徐々に光になっていく。

「だぁーっ!嬢ちゃん!次呼んでくれることがあったらそんときはランサーで頼むぜ!坊主共!なんとかしてソイツを退けろ!やらないとマスターが死んで後がなくなる!」

 

そういってキャスターさんは完全に消えてしまった。そして、

 

「…ふむ。この空間も持ちそうにないな。直接虫どもの息の根を止めてしまうのも悪くないが…まぁいい。

死ぬ前に神に祈るぐらいは許してやろう。

それでは私は次の仕事があるのでね。

さらばだ愚かなアニムスフィアの末裔と、マシュ・キリエライト。それから48番目のマスター候補。」

 

レフも空間を捻じ曲げて離脱したみたいだ。

 

地震がどんどん酷くなり、世界が黒い闇の中に崩れ落ちていく。

 

「…!ロマニさんレイシフトの用意を!」

「ちょっと…何言ってるのヒスイくん!そんなことしたら所長は…!」

「だいじょーぶ!オレ達を呼べてる時点で手はいくらでもある!」

「…うん。術式の構築と書き込みは終わってる。

……頼んだよ、一葉。」

「(`・ω・´)ゞ」

一葉ちゃんが所長に駆け寄り、彼女と手を繋ぐ。

 

すると、所長と一葉ちゃんが光になり、ひとつになる。

 

「存在形式変換…成功。魔術式に固定。」

「ほらほらマスター!意識をしっかり持って!」

 

何がなんだかわからない内に、足元が崩れる。

 

「…先輩っ!手をっ!」

マシュが差し出してくれた手をしっかりと掴む。

 

そして、(リト)の意識は暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____________________

__________

 

side:???

 

“僕”が起きたのは何年ぶりだろう。

白い金属の壁に、SF小説じみた機械がある部屋。

“僕”が起きたということは、リトによっぽどのことがあったということ。

それこそ存在を消されかけるような出来事が…。

 

「…えっと、リト、先輩…なのですか?」

「…うーん。そうだけど、そうじゃない、かな。」

 

リトに何が起きたか考えていると、いつの間にか部屋に淡い紫の髪の女の子と、なんというか、某有名すぎる絵画からそのまま出てきたような美女がいた。

 

「ふむふむなるほど…。キミは…いや、“キミたち”はずいぶん面白い存在のしかたをしているようだね。」

「………。まぁ、僕のせいですけど。リトを助けるにはこうするしかなかったので。」

 

ちょっと見るだけで“僕たち”の正体を見破る女性。

…とりあえず、いつの間にかリトは魔術関連の事象に首を突っ込んでしまったらしい。

 

「リトちゃん…いや、リトくん?目が覚めたみたいだね。」

 

また人が増えた。今度はオレンジ髪のお兄さん…お医者さんっぽい人だ。

 

でも、あれ…?

 

会ったことないのに、なぜか懐かしい感じがする…?

 

「ドクター、最低です。先輩を泣かせるなんて…。」

「ご、誤解だ!」

「いや、僕の方こそすみません。あなたを見ると、なぜか懐かしい感じがして…。」

 

…僕が生まれる前の記憶。

今みたいに黒髪青目の少年だった記憶。

今ではほとんど思い出せなくなっていたけど、少しずつ記憶が戻ってくる。

 

………ここは、人理保証機関フィニス・カルデア。

かつての僕…平行世界の■■■■が人理を救うため…生き抜くために戦った場所。

 

だけど、■■はあの時、■■■■■と戦って勝った後、レイシフト地点まで走って、時空の狭間に落ちて…マシュが伸ばしてくれた手をとれなくて、たぶん死んだはずだ。

そうじゃなきゃ遠坂の家に生まれて、捨てられてさ迷って、火の海のなかで死にかけてた理人を助けて、今ここに衛宮理人(リヒト)として存在しているのは何だという話になる。

 

でも、あれ…?なんでマシュは、前回のあの時は既に■んでいたマシュは僕に向かって手を伸ばしていたんだ?

…わからない。

 

それに、ドクターの正体は…。

 

「り、リトくん…?さっきから黙ったままだけど…どこか痛むのかい?」

「いえ。怪我は無かったので大丈夫です。…あと、僕のことは“リヒト”と呼んでください。」

 

僕はにっこり笑って見せた。

だけど、なぜかみんな辛そうな顔をして僕を見る。

沈黙が痛いなー。

 

「…あーっ!もう!何よこの空気!時間がないんだから早く本題にはいるわよ!」

 

あれ、なんだかこの場にすでにいないはずの人のこえが聞こえる…?

 

「お、オルガマリー所長…?」

「…私がわかる、ということは現状は大体理解しているのかしら。マスター番号48番、衛宮理人。」

 

前回の人理修復が始まる直前にはカルデアスに飲み込まれて死んでいるはずのオルガマリー・アニムスフィアが、目の前にいる。

 

「…えーと、恐らく特異点F、炎上した地方都市冬木から帰還した直後、リトが倒れて、様子を見てたら僕、リヒトに変身してたって感じですかね?」

 

「…そうよ。…で、貴方たち、記憶の共有できてなさそうだけどなんで機密である特異点について知ってるのかしら?」

 

あ、やば、ひっかけだった。

所長はいつでもガンドを撃てるように構える。

正直に言わないと死ぬ。リトもいっしょに死んじゃう。

それは絶対だめだ。

 

「…。前世の記憶と、体の傷痕から推測しました。」

「前世、ね。…詳しく聞くのは後にしておいてあげます。それよりも確認しなければならないことがありますから。」

 

…この流れは…。

 

「…マスター番号48番、衛宮理人。あなたは人理を取り戻す果てしない旅。冠位指定…グランドオーダーを人類最後のマスターとして戦う覚悟はありますか?」

 

前回はドクターに確かめられた覚悟。

僕の答えは決まってる。ずいぶんとお人好しになったリトもたぶん同じ答えを返すだろう。

 

「…はい。何があっても戦い抜きます。人類が…僕たちが生きてきた歴史を、生きていく未来を取り戻すために!」

 

…所長がここにいるということは、リトか彼女が召喚したサーヴァントが何らかの手段を使って救ったということだろう。

 

きっと、リトは大切なもの全てを救うことができる可能性を持っている。

“前回”の記憶を持つ僕はその導き手と言ったところか。

 

「…ありがとう。貴方の覚悟で、これからの方針が確定したわ。…聞いたわね?カルデアの生存スタッフ一同!」

 

「「はいっ!」」

 

おわっ?!部屋の外にスタッフさんたちがぎゅうぎゅう詰めになって集まってる?!

 

「これから私、オルガマリー・アムニスフィアの名の元に、人理を救う果てしない戦い…冠位指定(グランドオーダー)を命じます。…もちろん失敗は許しません。できません。…勝たなければ、人類は滅ぶしかないのですから!生き残りたければ各々ができることで必死に戦い、人類最後のマスターをサポートしなさい。…いいわね?」

 

「「了解です!所長!」」

 

「ヒスイ、仁。何時まで霊体化しているつもり?早くリヒトと顔合わせを済ませなさい。」

 

「はーい、しょちょーさん♪」

「ええ。そうですね。へんな気持ちですが…。」

 

そんな声が聞こえたと思ったら、2人の美少年が現れた。

 

「ルーラー、ヒスイ・クラインシュミット。よろしくお願いしますねマスター、リヒト。」

「アヴェンジャー、間桐仁だよ♪よろしくね、もう一人のマスター!」

「( `•д•´ )<ワタシモイルヨ」

「私のことも忘れないでくださいねリヒト先輩!」

「ああ!もちろん!ガッツリ頼っていくからリト共々よろしくね!」

 

さぁ、僕にとっては2回目の、リトにとっては最初で最後の冠位指定(グランドオーダー)…長い長い聖杯探索を始めよう。

 

 

 

 




この話の大部分を書いたときはカルデアがあんなことになるとは思ってもみなかったのでオルガマリー所長はあっさり救済されてます。新所長も嫌いじゃないですよ?ええ。

そして明かされる理人のもうひとつの人格“リヒト”の正体は…人理修復をやり遂げたものの、あと一歩のところで生還できなかったパラレルワールドの“藤丸立香”くんでした!

リヒトがリトを助けたという話はそのうち書きます。
気長にゆるーくお待ち下さい。
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