未だ未熟な作品ですが、最後まで見ていって下さい。
孤児院の近くの河原で起こった魔物の襲撃事件の後日。
村の大人達の間で会議があった。
その会議で決定したのは、河原と森の中には入ってはいけない。
月に1回村に常駐している騎士団は交代で見回りをするとの事だった。
更にこの事は国王に報告して調査してもらう。
と言うのだ。何故か聞くと、ああいうはぐれ魔物の数は多くて三匹らしいのだが、今回はその二倍いたので調査を依頼するとの事だった。
もしかしたら、ゴブリンのボスらしき魔物が近くに潜んでいるかもしれないと判断したのが依頼をした大きな理由だ。
そして、それは受諾されたようだった。近々調査隊が来るらしい。
その後日孤児院に有り得ない所から手紙が来た。
その手紙の送り主は国王の娘からだった。名前はエリス・クロード、王家の長女だ。
噂では、幼少の頃より剣を取りかなりの腕前と聞く。
そして、王家は代々、男が王の代を継ぐと決まっているので、自分が女王になる為、弟の首を切るために剣術を習っているという噂も同時に囁かれていた。
俺はこれを見た瞬間にこの王女か剣術を習っていたのは、弟の首を切るためではないと思った。
もしも、女王になりたいだけだったらこんな所に来ることは無い。と、そう思ったからだ。
だが、そう決定づけるのも早い。
まだ、手紙を読んだだけなのだから。手紙の内容は要約すると、この場所に調査隊と一緒に来て、ゴブリンを討伐した者に会いたい。そう書かれていたのだ。その手紙に対して先生は
「どうしましょう。信じてくるますかね?」
と言うので
「信じてくれなければ、実力を示します。」
と答えた。すると先生は
「荒事で解決してはダメですよ!」
と強く言ってくるので、
「大丈夫です。数度剣を交えるだけですから。」
と答える。すると先生が渋々といった顔で了承してくれた。
やはり、口頭より実際に見る方が信じてもらえると先生も理解していたようだ。
騎士の剣術が見られるので、今までのアニメで見たような技ではなく、戦ってきた剣術が見られるので良いと思った所は俺の技に吸収する。
そんな事を思いながら騎士との戦いを想像していると
「ここに王女様が来るんだ!」
と興奮した様子のアイラがいた。
その目はキラキラしていた。尚、アイラは将来美人になると思わせるに足る可愛さがあった。それは、外で遊んでいるリミルも同じだった。
(やはり、女の子は王女とかに憧れるものなのだろう。)
と思っていると、
「そうですよ。ですから、王女様が来た時には無礼な真似はしないように皆に言わないといけませんね。」
と先生が言って、アイラが
「王女様ってどんな人なのかな?」
と聞くので、俺が
「どんな人なのかは知らないが、アイラが想像している人とは違うのかもしれない。」
と言っておいた。そしたら
「どうして、そんな事わかるの?」
と聞いてくる。俺は返答に困らず
「さぁな、自分で考えてみたらどうだ。」
するとアイラは
「教えてよー」
と言ってくるのでさっきと同じ返答をした。暫くそれが続いたが、やがてアイラが
「イジワルー」
と言ってきたのでそれを可愛らしく思い、微笑ましく思うのだった。
後日、今更気づいたのだが、俺は周りから「魔術の使えない可哀想なやつ」と、同情されていた。
だが、今回の一件で俺の能力を羨ましく思う奴が出てきている。
この能力は鮮明なイメージがないと鈍が出来てしまうし、鉄を硬く作る過程も知っておかなければならないので他の奴が使うとなると、難しいだろう。
更にアイツらは新しい物に憧れているだけで、実際は剣を幾ら作ったところで射程外から攻撃できる魔法とどちらが強いと言われれば、答えは瞭然だ。
なので相手との距離を一瞬で詰めればその心配は無い。
という事で、魔力で身体能力を向上させる事で補う予定だ。
方法は瞬間的に爆発的に強化して瞬間移動並の速度を出せれば大丈夫だろう。そして、それを実践した。
ドン!!
という派手な音を立てた。瞬間移動並の速度は出せていたと思うが立っていた地面を見てみると亀裂が入っていた。
しかも、体の所々が痛い。多分、体にかかった空気抵抗のせいだろう。
更に今の音だ先生からの説教は免れようが無い。そんな事を考えていると
「どうしたんですか!」
と慌てた声が聞こえてきた。そして先生がここに来て状況を掴むと、
「キリヤ君、院長室にきてくれますか?」
と、何度目かも分からない妙な迫力を持って言ってきたので
「はい。」
と、答えることしか出来なかった。その後、先生にかなり説教された。
尚、あの亀裂は魔術練習も兼ねてリミルが直してくれた。あの亀裂が嘘のように直ったので相変わらず凄いな。そして
「ありがとう。」
と、礼を言うと
「こんなの全然大丈夫だけど、先生にあまり迷惑をかけちゃダメだよ。」
と、リミルからも説教みたいなことを言われた。それに対して俺は
「善処する。」
としか言わなかった。
「アイラちゃんとはよく喋っているのに、私とは何でそんなに喋らないのかな?」
そう問われたので
「これでも喋っている方さ。他の子と喋ってすらいないぞ。」
そう言って
「アイラとよく喋っている様に見えるならば、それは、アイラにそういう才能があるのだろうな。お前の魔術においての飛び抜けた才能と同じような物だろう。」
「そういう才能を私が持っていたら、キリヤはもっと喋ってくれるの?」
またもやの質問
「そういう事じゃない。仮にお前がそういう才能を持ったとしよう。お前が俺に話しかけなければ喋る以前の問題な上に、話しかけられても俺が話し続けようと思わん限り会話など続かないだろう。」
と、当たり前の事を答える。
「じゃあ、今まででも喋っている方だったのか。」
「最初からそう言っている。」
こんな会話をしている時点でアイラどころか、お前にもかなり喋っている様に感じる。
「他に何か聞きたい事は。これを直してくれた礼だ。基本的には何でも答えよう。」
そう言うと
「今まで、喋っていたのはこの礼をしていたからなの?」
「いや、今までのは半分好意で半分その礼だ。だが、今からは全てその礼だと思ってくれ。」
「ふーん、そうなんだ。」
と、少し嬉しそうに言った。
それからは、質問攻めだった。「好きな食べ物はなんだ」「趣味はなんだ」など、様々な事を聞かれた。
これからは、こいつに貸しを作りたくないなと思った。
数日後、例の王女様がこの孤児院に来る日になった。
それでも、ここに来るまで、まだ時間があるのでいつもの孤児院裏で練習していると、
カタン カタン
と、アニメで聞くような馬車の音がしたので、来たか。と思った。
剣を消滅させずに隠すように置いて表へ出る。
表へ出ると、そこに2台の馬車があった。
1台が護衛でもう1台の方に王女が乗っているのだろう。
すると、護衛部隊、多分、騎士と思われる奴らが馬車からゾロゾロと降りてきた。
やはり、全身に鎧を着込んでいる。殺し方は顔は前を見やすくするために大きく空いているのでそこを剣で突き刺すか、鎧の間を剣で切り裂くかのどちらかだろう。
そんな事を考えていると、後ろの方の馬車から、1人の女の子が姿を現した。歳は俺たちと大して変わらないだろう。
綺麗な金髪を後ろで三つ編みにして後ろに下ろしている。
おおよそ、彼女が王女だろう。服装は豪華に見えながら、動きやすそうなものだった。
そのことからこれからの展開は、おおよそ理解できる。そんな事を思っていると。
「こんにちは。私はクロード王国9代目国王の娘エリス・クロードと申します。」
優しい口調で言ってくる彼女の態度や口調からはやはり、弟の首を切るとは到底思えないものだった。
「それでは、早速ですがゴブリンを討伐した者はどの方ですか?」
その問いかけに
「……。」
無言で手を上げる。理由は敬語が苦手で人によってはこの孤児院の悪評に繋がりかねなかった。
「私を友達と思って接してくれた方がいいですね。その方が、私としても嬉しいので。」
そんな王女の言葉に対して俺は周りを見回してみる。周りの騎士達は全員が仏頂面で何も読み取れない。なのであの言葉を受け容れることにした。
「分かった。遠慮なくそうさせてもらう。」
その言葉に彼女は少し笑いながら
「ありがとう。」
と、言った。
「それでは本題に入らせてもらいます。先のゴブリン討伐ありがとうございます。あなたが居なければ子供達や村の方々にも被害が出ていたでしょう。誠にありがとうございます。」
大袈裟な。
あの程度の魔物なら、追い詰められれば誰かが倒していただろう。
更にここには子供達に魔法や体術を教えている先生がいる。
そんな人がいるのだから、俺が行かなくても誰かが倒していただろう。
「それで、貴方がよろしければですが、私と決闘してくれませんか?」
予想していた事態だったので、俺は何も驚きもしない。他の子供達は驚いているようだが。
「ああ、いいだろう。その決闘受けてたとう。」
臆すること無くその申し出を受けた。
「ありがとうございます。それではルールの方ですが、勝利条件は相手の首か心臓のある辺りに剣をつきつけて下さい。使用する武器は何でも良いです。」
そう言うと少し黙って
「言いにくいのですが、私はこの剣でないと違和感を感じてしまって本気が出せないので本物でいかせてもらいます。それでよろしいですか?」
と聞いてくる。
「構わない。こちらも真剣でいかせてもらう。」
と言う。
「ありがとうございます。」
と言ってくる。この王女は礼を言ってばっかりだな。と思ってしまう。
「すまないが、武器を取りに行っていいかな。」
と言うと、
「ええ、いいですよ。」
その言葉を聞くと、俺は武器を取りに行く為に孤児院の裏に回った。
隠しておいた場所にあったので、すぐに取り出し、表に出る。
「待たせたな。」
待たせて無いと確信できるが、言っておく。
「いえ。まったく待っていません。」
予想できた反応だ。
そして、たがいに距離を取り合い、適当な距離で止まる。
二人とも向き合い、審判役の騎士が
「いざ尋常に…」
二人とも剣を構え、いつでも剣を交える事が出来る体制になった。
「勝負!」
その言葉とともに、二人は身体能力を強化して一直線に駆けた。
相手よりも強い者だと証明する為に。
面白ければ幸いです。
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