もしもセイバーのマスターがソードアートオンラインに異世界転移したら? 作:雪希絵
最近FGOガチャ爆死回数を更新しまくった雪希絵です。
つい最近お風呂で思いついたネタで書いてみます。
笑えないレベルでチートになる気もしますが、頑張って面白くしたいと思います。
ちなみに作者は百合好きなので、そういう描写が多々あります。
割とソフトな感じでいくので、ハードなのがほしい方はご意見くださいね。
※多大なキャラ崩壊を含みます。
「先輩。もうそろそろ、ドクターに呼び出された時間ですよ」
「うーん」
「ですので、あの……」
「うーん」
「そろそろ膝枕をやめてもいいですか?」
「うーん」
「これは……絶対に聞いてませんね」
そう言いながら、『マシュ・キリエライト』はため息をついた。
カルデア唯一のマスターで『藤丸立香』の私室。
そのベッドの上で、マシュは立香に膝枕をして(させられて)いた。
「先輩!本当に時間になっちゃいますよ!」
「うーん」
「はあ、まったくもう……」
半ば呆れながらマシュが再びため息をついた時、部屋の扉がノックされ、駆動音を慣らしながら開く。
「マスター。そろそろ時間です」
マシュと同じことを言いながらも、それ以上の気品を感じる声が響く。
「おお、我が愛しのアルトリア。会いたかったよ」
その声を聴いた立香は、起き上がりながら軽い様子でそう言った。
「私も会いたかったですよ、マスター」
それに対し、伝説のアーサー王ことアルトリア・ペンドラゴンは微笑みながら答える。
「おー、それは嬉しいねー。で、どうしたの?アルトリア」
「はい。ドクターロマンがマスターを呼んで来てほしいと言っていたので」
「そっかぁ。まったくもー、ドクターもせっかちなんだから。私としては、あと二時間くらいはこの至福の時間を味わいたかったんだけど」
ぶつくさと文句を言いながら、立香は靴を履いて立ち上がる。
ちなみに、マシュは立香が離れた瞬間からむくれている。
愛しのアルトリアに関しては、マシュにもたまに言うので文句はない。
しかし、今までマシュの言うことは聞かなかったのに、アルトリアの言うことは聞くのかと不満なのである。
端的に言えば、嫉妬しているわけだ。
しかも、立香はそれを分かってやっているからタチが悪い。
実際、歩きながらチラチラ後ろを見てはニヤニヤしている。
「マスター、あまり虐めてはいけませんよ」
見かねたアルトリアが小声で忠告する。
「えー、だって、マシュ可愛いんだもん」
「気持ちはわかりますけど……。ちょっとは自重してください」
嘆息しながらアルトリアがそう言うと、立香は悪戯な笑みを浮かべ、
「あ、でも、アルトリアもすっごく可愛いよ?」
と言った。
「なっ……!」
突然のド直球に、さすがのアルトリアも慌てる。
その反応が満足だったのか、立香はもう一度笑って、マシュの方に走り去った。
(あー、やっぱり二人とも反応が可愛いなー!)
そんなことを考えながら。
約五分ほど歩き、3人は管制室に到着した。
小さな駆動音を立てて開く扉を抜けると、そこには白衣を来た一人の男性が椅子に座ってモニターを眺めていた。
「ドクター、来ましたよー」
「ああ、立香ちゃん。待ってたよ」
にこやかな笑みを浮かべ、ドクターロマンことロマ二・アーキマンは挨拶をする。
しかし、そう思ったのも束の間、ロマ二は真剣な顔になると、モニターを切り替える。
「いきなりで悪いんだけど、さっそく本題に入らせてもらうよ。実は、おかしな特異点があってね」
「おかしな特異点?」
立香が首をかしげる。
「うん。というより正しくは成りかけかな。特異点というほどの規模ではないけど、おかしな点が2つあるんだ」
「むしろ、おかしくない特異点なんてあるんですか」
「いや、それはないけど……。身も蓋もないこと言わないでよ、立香ちゃん」
「てへっ☆」
「それで誤魔化そうとしないでください、マスター」
可愛らしく舌を出した立香に、アルトリアがすかさずツッコミを入れる。
息の合ったコンビだ。
そんな空気を変えるため、ロマ二は一度咳払いをしてから先を続ける。
「それじゃあ、まず一つ目。この特異点、どうやら位相が少しだけズレているみたいなんだ」
「ズレている……?」
「うん。半次元もないんだけど、ほんの少しだけズレているんだ」
「なるほどね……たしかに変だわ」
腕を組み、立香は考え出す。
今までの特異点では様々な場所に行った。
下手をすれば、固有結界の中までも。
しかし、そんな中途半端な場所は、今まで経験したことはなかった。
「それと、もう一つ」
ロマ二の声に、立香の意識が会話に戻る。
「どうやら、この特異点……未来にあるみたいだ」
「「「────!?」」」
3人が絶句する。
そもそも、カルデアの目的は2016年以降失われてしまった未来を取り戻すことだ。
それが完了していないにも関わらず、未来があるとはどういうことなのか……?
「詳しくは、現在調査中だ。
ただ、ここが特異点である以上、放っておくことはできない」
「それで、私たちの出番ってわけですね」
「そういうこと。マスター立香、頼めるかい?」
立香は一度、アルトリアとマシュに振り返る。
二人は力強く頷くことで返事をする。
「それじゃあ、これからレイシフトを開始する!
3人とも、頼んだよ!」
「「「はい!!」」」
スタンバイが完了すると、アナウンスが流れ出した
アンサモンプログラム スタート。
霊子変換を開始 します。
レイシフト開始まで あと3、2、1……。
全行程
グランドオーダー 実証を 開始 します。
直後、三人の意識はブルーの渦に飲み込まれた。
ちょっと設定詰め込み過ぎましたかね……