もしもセイバーのマスターがソードアートオンラインに異世界転移したら?   作:雪希絵

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どうも皆様

最近やたら目が痛い雪希絵です

目が疲れているんでしょうか……

さて、今回もお話が飛びます!

申し訳ございません!

それでも宜しければ、ごゆっくりどうぞ!


リズベット武具店

「せいやぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

今日も、迷宮区内に気合いがコダマする。

 

攻略層はとうとう六十層を突破。

 

その最前線で活躍し続け、今や一躍有名人となった立香たち。

 

結局、血盟騎士団には入らず、自分たちだけで活動している。

 

それでも、その知名度は相当だ。

 

桁違いの機動力と、それにも劣らない攻撃力を持つ立香。

 

攻撃、防御、スピード、剣技、全てにおいてトップクラスの水準を誇るアルトリア。

 

防御力だけならヒースクリフすら超えるとも言われるマシュ。

 

多彩な武器とソードスキルを自在に使いこなし、まだまだ底見えぬ実力を秘めたエミヤ。

 

おまけに、SAOでもトップクラスの美男美女揃いである。

 

そんな四人はいつしか、攻略組どころか、中層下層プレイヤーにも知られるようになっていった。

 

「マスター、今日は張り切っていますね」

「今日は、ではないな。いつもだ」

「先輩は元気なのが一番です」

 

あっちへこっちへ走り回り、拳と脚を振るう立香に対し、サーヴァント組がそう言う。

 

ちなみに、今はボス戦に向けてのレベリング中である。

 

同時に欲しい素材もあるため、こうして迷宮区内を周回しているのだ。

 

現在の最前線は六十四層。

 

今はそこの迷宮区にいるのだ。

 

「とぉりゃあああああああああ!!!」

 

最前線にも関わらず、立香は暴れに暴れる。

 

というのも、最近服装をアトラス院制服から魔術協会制服に変えたのだ。

 

おかげで動きやすくて仕方ないらしい。

 

立香の拳が白いライトエフェクトと共に、敵に叩き込まれる。

 

一回転するような勢いで地面に叩きつけられ、モンスターはポリゴンの破片となって砕け散った。

 

「いぇーい!ぶいっ!」

 

腰に手を当て、片手でピースサインを作る立香。

 

他三人も微笑みで返す。

 

今日も立香はご機嫌である。

 

だが、

 

バキッ………

 

という小さな音が響く。

 

やけに生々しく、嫌な予感を掻き立てられる音だ。

 

全員がダラダラと汗を流しながら、音の発生源を見る。

 

それは、立香が身につけている手甲だ。

 

白地に赤色のラインが入っており、薄手だが強度は折り紙付きだった。

 

しかし、それにヒビが入っている。

 

大きなものではないが、このまま使えば間違いなく壊れる。

 

「……ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!アスナに貰った手甲がぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「ま、マスター!落ち着け!落ち着いて素数を数えるんだ!」

「エミヤさんも落ち着いてください!素数では間違いなく先輩は落ち着きません!」

 

ぎゃあぎゃあと大騒ぎし、立香は慌てて手甲を外す。

 

裏側まで達している傷を見て、目に見えて落胆する。

 

「はぁ……気に入ってたのに……」

 

ガックリと肩を落とし、瞳には涙すら浮かびかけている。

 

エミヤもマシュも、何を言ったら良いかという顔をしている。

 

「あの、マスター?」

 

そんな立香に、アルトリアが遠慮がちに声をかける。

 

「……修理に出せば良いのでは?」

 

そして、極々当たり前のことを言った。

 

「…………それだ!!!」

「…………それです!!!」

「え、えぇ……?」

 

慌て過ぎて思いつかなかったようで、立香とマシュが全力で肯定する。

 

エミヤは分かっていて乗ったらしい。

 

今はすまし顔をしている。

 

「よし、そうと決まれば帰ろう!すぐ帰ろう

そして『リズベット武具店』へGO!」

 

ダッシュで迷宮区の出口に向かい、道を塞ぐモンスターを蹴り一発で弾きながら、立香は出口に向かう。

 

「ま、待ってください!先輩!」

 

マシュは慌ててその後を追った。

 

「……行きますか、アーチャー」

「……そうしよう、セイバー」

 

そんな二人の後を、アルトリアとエミヤは苦笑いでついて行った。

 

───────────────────────

 

「リズぅぅぅぅぅぅぅ──────!!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

アインクラッド第四十八層、リンダース。

 

その街中にある、大きな水車が特徴的な一軒の鍛冶屋。

 

その店主であるチェリーピンクのボブが特徴的な美少女『リズベット』は、突然の来訪者に持っていたコーヒーを落としそうになった。

 

「ちょ、ちょっと、リツカ!あんたまでアスナみたいに唐突に入ってくるようになったわけ!?あたしの言う事聞いてよ!」

「そんなことはいいの!」

「そんなことって何よ!」

「これ!これ直してぇ!」

 

涙目の立香が差し出したのは、見覚えのある手甲。

 

何を隠そう、アスナがこの手甲の手直しを頼んだのは他でもない、リズベットである。

 

「……ふーん、なるほどね。ちょっと見せて」

 

リズベットは真剣な顔つきになり、立香から手甲を受け取る。

 

あちらこちらを触り、見聞しながら、リズベットはふむふむと声を出す。

 

そして、

 

「うん、これなら直るはずだわ」

 

と言った。

 

「本当!?ありがと、リズ!」

 

目を輝かせて喜び、リズベットに飛びつく。

 

「うわっ!ちょ、ちょっと、急に抱きつかないでよ、リツカ!」

「だって嬉しいんだもん!」

 

挙句の果てには頬ずりまでしだした。

 

「ああ、もう!作業に入るから、とりあえず離れて!」

 

痺れを切らし、リズベットは立香を引き剥がして修理に取り掛かった。

 

立香とリズベットは、アスナの紹介で出会った。

 

サーヴァント組に武器は必要ないのだが、どうやら手入れはしておいた方が良かったらしい。

 

とはいえ、エミヤはその必要はないが。

 

そうして手入れなどをしてもらう内に、立香とリズベットは仲良くなっていったのだ。

 

「……よし、こんなもんか」

 

しばらくして、リズベットが立ち上がった。

 

「ほら、終わったわよ」

 

くるりと振り返り、手甲を手渡す。

 

「おおっ!すごい!ピカピカ!」

 

新品のように綺麗になった手甲に、立香も大満足だ。

 

「ありがとう、リズ!本当に、本当にありがとう!」

「はいはい。またヘタレて来たら持ってきなさい。あたしが研いであげるから」

「うん!あ、そうだ。この後暇?お茶しようよ」

「ん?別にいいわよ」

「よーし、なーに話そっかなー」

「ま、じっくり考えんなさい。コーヒー入れ直すから」

「はーい!」

 

そうして、そこにアルトリア達も合流し、結局夜遅くになるまで話し続けていた。




お読みいただきありがとうございました!

最近SAOキャラクターラッシュですね

序盤で全然絡められなかったので、個人的に書いていて楽しいです

それでは、また来週お会いしましょう!

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