超次元ゲイムネプテューヌ〜Secret Mission〜 作:絶望危惧種
今回は長くなったので前後編となります。
それではどーぞ!(´・ω・)つ
――リーンボックス市内・第2区――
「……えーと、ここであってるよな」
「キューン!キュゥーン!」
――あははっ!カイトとおでかけ!おでかけ!
第2区にある大きな噴水のすぐ近く、女神銅像の前にやってくると、仔竜が嬉しそうに俺の周りを飛び回った。
女神ライブが大成功を収め、この国のシェアの大半を取り返した俺達は、久々にチカ様から休暇をもらった。
そんな訳で、今日はケイブと以前交わした約束……要するにデートをすることになり、定番待ち合わせスポットのここで会うことになっているのだが。
「……やっぱ早く来すぎたか?」
左手首の腕時計を見ると、約束の時間より20分前に着いていた。もしかしたら待っているかもと期待しながらやってはきたが、残念なことにケイブの姿は見当たらない。そりゃそうだろう。どんだけ楽しみだったんだよ俺は。
……どれくらい楽しみにしていたかというと、昨日の夜なかなか寝付けずに睡眠不足気味なくらいだ。完全に遠足前日の子供である。
仕方ないので、大人しくケイブを待つ事にした。
――15分後……
俺は相変わらず周りをグルグルと回っている仔竜と戯れて時間を潰していた。自業自得ではあるが、そろそろ近くのカップル達の視線が痛い。早く来てくれないだろうか。
そんなことを考えていると。
「……あら、もう来てたのね」
後方から待ちわびていた声が聞こえた。俺は胸を踊らせながら振り向いた。
「よっ!ケイブも大分早めに……って、えっ」
予想外の事態を目にして、一瞬固まってしまう。俺の目の前にいるのはいつも通りの可愛いケイブ。そう、
「……ケイブ、今日休みだよ?何で制服?」
素直に疑問をぶつけてみた。ちなみに俺は白のニットに
グレーのPコート、黒のジーンズというコーデだ。まあ、妥当かなと思う。
「……私、あまり私服持ってないのよ」
ケイブは頬をほんのりと赤らめて恥ずかしそうに呟いた。その言葉を聞いて今日のデート最初の目的地が決定した。
「よし、なら行くか!着いてきて!」
「ちょっ、カイト?」
俺はケイブの手を取り、街へと繰り出した。
「キュゥゥゥーン!!」
――しゅっぱーつ!しんこーっ!
✱✱✱✱✱
さて、そんなこんなで俺達が最初にやって来たのは第2区でも最大級のショッピングモール『シオン』だ。中は大勢の人で賑わっている。
「カイト、どこへ向かっているの?」
ケイブが尋ねてきた。俺はあえて曖昧な返事をする。その方がサプライズ感があって楽しいじゃん?
「すぐに分かるよ。おっ、あの店なんていいかも」
早速良さげな雰囲気の店を発見した。ケイブの手を引いて入店する。
「イラッシャイマセー」
店に入ると店員さんがお決まりの文句をかけた。俺達が入ったのは、女性ファッション専門店だ。そんじょそこらにキラキラだったりフリフリの可愛らしい服が所狭しと並んでいる。
「カイト、ここって……」
「そういうこと。ケイブにはもっとお洒落して欲しくてさ」
戸惑うケイブにそう告げる。彼女は少し嬉しそうな、しかし申し訳なさそうな表情だ。
「……けど、らしくないでしょう?」
もしかして、ケイブは周りの目を気にしているのだろうか。彼女が可愛い服を着たりすれば、「珍しい」「意外だ」などの声が飛び交うのは想像に難くない。そう言われるのが恥ずかしくて自分を押し殺しているのなら……なんて悲しい話だろう。
「ケイブ」
「ひゃう……っ。な、何?」
ケイブの頭を撫でてやると、突然のことにケイブが可愛らしい声を出す。
「ケイブは、可愛いよ。らしくないなんて言っちゃダメだ」
自分でもかなり恥ずかしいことを言っている自覚はあるが、ここでそれを見せたらかっこ悪いにも程がある。赤くなっているケイブにを見つめながら続ける。
「女の子は誰だって可愛くなる権利があると思う。だからさ、今日くらい……俺の前では、普通の女の子でいて欲しい、かな……なんて、何言ってんだ俺は……っ!!」
言い終わって大分とんでもないことを口にしたことに気づいた。これもう告白してるも同然じゃないのか!?
恐る恐るケイブの方を見ると、顔を真っ赤にしたケイブがこちらをじっと見ていた。きっと今の俺も同じくらい赤くなっているのだろう。
「……ありがと」
ケイブがうつむきながらボソッと呟いた。しばらく気まずい雰囲気が流れる。……って、何でこんなことしてんだ!時間がもったいない!!
「あの、すみませーん」
「ハァーイッ」
とりあえずこの空気をどうにかするためにこの店の店員さんを呼んだ。すぐに奥の方からそれらしき女性が現れた。
「どうなされました?」
「えーと、この子に似合う服を探してるんですけど」
女性店員の質問に俺が答える。すると店員さんはケイブをジーッと見つめてから、再び質問した。
「なるほどー。ご希望などはございますでしょうか?」
「あ、えっと……」
ケイブがどう答えればいいか分からず戸惑っている。それはそうだろうな。きっとこんな買い物初めてなのだろう。
「えーっと。実はこの子、最近の流行りがよく分からないらしくって。店員さんオススメの服、色んなスタイルでお願いしたいんですけど」
困っているケイブの代わりに俺が返事をする。それを聞いた店員さんの目が変わったのを俺は見逃さなかった。
「わたしの、オススメでいいんですよね?」
「はい。すっごく、期待してますよ」
俺と店員さんはケイブに聞こえないくらいの小声で耳打ちしあう。
「はい、承りました!!少々お待ちくださいねーっ!!」
店員さんはやる気満々で店の奥へと行ってしまった。しばらくすると、店員さんは何着かセットの服を持ってここに戻ってきた。
「はい、では試着室へどうぞーっ!」
「え、ちょっ……」
店員さんに背を押されてケイブは試着室へと入って行った。俺は試着室の側でケイブが出てくるのを待った。
「ちょっ、店員さん。そこは……」「まあまあ、お気になさらずとも」「だ、大丈夫です!それは自分で出来ます!」「恥ずかしがらなくても、さあさあっ」
……いかんいかん、変な想像をしそうになった。ってか、すごく変わった店員さんだな。
そんなこんなで、数分後。試着室のカーテンが開いた。
「か、カイト。どう、かしら……」
「……Wow」
中から出てきたのは、ツインテールを下ろし、全体的に白を基調としたドレス……わかりやすく言うと白ゴス風の洋服を装ったケイブの姿だった。
うん、すごく可愛い。あまりの可愛さにやけに発音のいい英語が出てしまうほどだ。胸元の編み込みの赤い部分や、同じく胸元や袖、スカートにあしらわれた赤リボンのアクセントが効いて彼女の個性をより引き立てている。
「やっぱり、変……?」
ちゃんとした返事を貰えないので、ケイブが不安がってしまった。しまった、ちゃんと返してあげないと。
「ち、ちがうって。あんまり可愛くて見とれてただけ」
「そ、そう?恥ずかしいけど……ありがとう」
ヤバイ、ホントに可愛すぎる。今までケイブがこんな純粋な子だって知らなかった。
「ではどんどん行きますよー」
店員さんがそう言って再びケイブを試着室へと入れた。
そこからは、もうファッションショーみたいだった。
試着室から出てくる度に、さっきまでとは全然違うケイブが現れる。
パンク系だったり、ストリート系だったり、お嬢様風、ボーイッシュetc……。途中からケイブも楽しくなってきたのか、大分ノリノリだった。その後ろで店員さんが少し鼻血を出しながらドヤ顔しているのも見えてしまったが、まあ良しとしよう。
結局、彼女のためには1番最初の白ゴスとお嬢様系など、計4セットを購入した。もちろん、代金はすべて俺持ちだ。値段は……まあ伏せておこう。
ケイブはその事を申し訳なさそうにしていたが、今日の昼食は割り勘にすることと、いつか別の機会にお礼してくれればいいと告げた。そうでも言っておかないと、彼女の事だ。きっといつまでも気にしてしまうだろう。
「アリガトウゴサイマシター」
店を出ると、店員さんが定型文を言いながら、それでも満面の笑顔……?で俺達に手を振っていた。いつか、また来ないなとな。
「キュッ、キュゥゥゥーン」
――ケイブ、かわいい!かわいい!
仔竜がケイブの周りをクルクル飛び回り、顔をケイブの頬に擦り付けていた。いつの間にかケイブにもだいぶ懐いていたようだ。
「ふふっ。カイト、この子はなんて言ってるの?」
ケイブが仔竜を撫でながら尋ねてきた。
「ケイブが可愛いんだってさ。よく分かってるよ」
「……もう。でも、ありがと」
ケイブは少し顔を赤くして、俺と仔竜に感謝を伝えた。
さて、ファッションショーをしている間に気づけば時刻はお昼すぎ。そろそろお腹が空いてきた。
「ケイブ、そろそろ飯食うか」
「……そうね、私もお腹が空いてきた頃よ」
「キュゥゥゥーン!!」
――おなかすいたー!ごはん!ごはんー!
満場一致。そんな訳で俺は辺りを見渡し、いい感じのレストランを探す。……おっ、あそこなんていいかもな。ってかショッピングモールは凄いな。何でもあるし。
「じゃ、あの店でお昼にしようぜ」
少し離れた所にあるレストランを指差し、ケイブ達に提案する。
「ええ、そうしましょ」
「キューン!!」
――ごはん!はやくいこーっ!
「よし、それじゃあ行こうか」
2人の同意を得て、俺達はレストランへと足を運ぶのだった。
―――続く……!
次回は早めに上げられるように努力しますっ……。(受験で忙しいのでどうなるか分かりませんが)
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