超次元ゲイムネプテューヌ〜Secret Mission〜   作:絶望危惧種

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お久しぶりですね。かれこれ7年ぶりとかでしょうか?
まだ覚えている方がいるかは分かりませんが・・・ネプテューヌのアニバーサリーを祝しての投稿となります。
それでは、どうぞ。


幕間「救世の女神」

―――G.C.20XX―――

 

―――???side―――

 

―――リーンボックス教会―――

 

・・・なぜ、こうなってしまったのだろう・・・。

 

書類は床に散らばり、デスクは倒され、電子機器は無惨に破壊されてガラクタと化している。

かつて、リーンボックスを統治していた行政機関とは思えないほどに、酷く荒廃した廃墟が目の前に広がっている。教会の職員も、誰一人として残っていない。こんなところに残っている職員は、きっと一人だけだ。

 

 

カツン、カツンと、自身の靴の鳴らす音だけが、無人のホールに響き渡る。目を閉じれば、昨日の事のように鮮明に思い出せる。かつての仲間たちと、苦楽を共にしたこの場所。もちろん、辛いことの方が多かった。けれども、リーンボックスの・・・ひいては、ゲイムギョウ界の平和に貢献出来ているという実感があった。

そして何より・・・大好きなみんなと、笑い合えるこの場所が・・・大好きだった。

 

感傷に浸りながら、気づけばとある部屋の前に来ていた。

・・・リーンボックス特命課。やはりと言うべきか・・・こんな状況になっても、ここへと足を運んでしまう。扉を開ければ、またあの光景が広がっているのではないかと。

4人全員で、度重なる通報を受けては、リーンボックス中を駆け回り・・・また1つ、誰かの幸せを守ることが出来たと笑い合う、そんな日常に戻れるのではないかと期待して・・・。

今日もまた、扉を開く。

 

「・・・ただいま、戻りました。」

 

 

 

「・・・おや、おかえり!今日も大変だったねぇ・・・治安維持は君たちに任せっぱなしだから、助かっているよ」

 

「ぼっくすーっ!」

 

「全く。この程度、出来てもらわないと困るわ。ベールお姉様の負担を増やすつもりかしら?」

 

 

「・・・みんなっ・・・!?」

 

 

 

手を伸ばし・・・そして、何も掴むことは無かった。

目の前にあった幻想は、霞のように霧散していき、空虚な現実へと引き戻される。

 

 

・・・分かっていた。それなのに、心は甘い夢を捨てきれない。そうでもしないと、壊れてしまうから。

いつの間にか、涙は枯れ果ててしまったらしい。今にも泣き出してしまいそうなのに、目元は乾ききっていた。

 

再び、歩みを進める。用事を済ませなくては。

 

 

 

 

 

―――リーンボックス教会・執務室―――

 

ボロボロになってしまった扉の前に立ち、ドアをノックしようとする。その時、半開きになっていた扉の隙間から音が漏れ出て、部屋の中から声が聞こえてくる。

 

 

「・・・お姉様っ・・・グスッ、ひぐっ・・・。お姉様ぁ・・・お願いっ・・・帰って、帰って来てよぉっ・・・!!」

 

・・・あれから随分と経つのに・・・この部屋にこもり、彼女は泣き続けている。・・・それを、羨ましいと思ってしまう。

まだ、彼女は泣けるんだ、と。愛する人を思い、感情を表出させられるのだと。・・・自分には、もうできる気がしない。

 

ドアをノックし、扉を開ける。

 

「っ!?お姉様っ!?お姉様っ、お姉様ぁっ!!」

 

「・・・・・・ごめんなさい。・・・あなたに、報告があって」

 

 

一瞬、彼女の目に光が戻る。けれども、扉の向こうに立っていた人物を見ると、再びその表情は曇ってしまう。

 

 

「あなた、だったのね・・・もう、アタクシには構わないでと言ったのに。・・・なんの用かしら」

 

「・・・これから、特命課として・・・最後の役目を果たしてきます。・・・任務執行の許可を」

 

ああ・・・と、何かを悟ったように呟き、こちらに視線を向けずに吐き捨てるように呟く。

 

「既に教祖でもないアタクシに、そんな事を・・・ふふっ・・・バカバカしいわね・・・。どうせ、自己満足・・・なんでしょうけど。・・・もう、好きにして・・・。それが、最後の仕事なら・・・もう、アタクシとも二度と会うことはないわね・・・」

 

その言葉には、寂しさを感じた。・・・けれども、彼女に寄り添うことは出来ない。・・・そんな心の余裕は、とうになくなっていた。

・・・それに、この任務が終わったら・・・。

 

 

「・・・さようなら・・・こんな私に、最後まで構ってくれて・・・ありがとう。・・・向こうで、お姉様達によろしく伝えて」

 

・・・やっぱり、彼女はすごい人だ。こうも容易く、命を絶とうとしている事がバレるとは。

 

「・・・それは・・・できないかもしれない。だって・・・」

 

 

この先にあるのは、地獄だから。

 

 

 

 

―――プラネテューヌ教会・最上階―――

 

誰もいない教会の最上階。プラネテューヌの都市を一望できるこの場所は、以前来た時に比べて少々ホコリっぽくなっていた。

周りを見渡せば、女神様達のお気に入りのものが、変わらず並べてある。けれども、その一つ一つが大切に保管されている。

まるで、彼女達を忘れないように・・・といわんばかりに。

 

 

「・・・こんばんは。・・・やっぱり、最後に私を止めてくれるのは・・・あなただと思っていました」

 

「・・・お久しぶりですね、ネプギア様。・・・いえ、今はライラックハート閣下・・・とお呼びするべきでしょうか」

 

 

パープルハート様がいなくなり、他国の筆頭となる女神も消えた。そして唯一残ったネプギア様は、このゲイムギョウ界の頂点に君臨した。

そんな彼女が、いつまでも「シスター」を名乗る訳にはいかない。そうやって付いた名が、ライラックハートだった。

 

 

「・・・あなたの好きな呼び方でいいんですよ。・・・私に憎悪を向けるのなら、そう呼んでください。私としては、その方が気が楽ですが」

 

こちらに振り返り、力なく微笑む。あれから幾分か大人びた顔つきにはなったが、かつての面影を感じる。犯罪神からこの世界を守るために戦ったあの時のネプギア様と、重なってしまう。

 

 

「・・・そんなことが、許されると?・・・諸悪の根源として、恨まれながら死んで・・・楽になりたいと?・・・冗談はよして、ネプギア」

 

 

表情を変えることなく、彼女に冷たい言葉を投げかける。

これは、報いだ。この世界を破滅させた悪役は、できる限り苦しんで死ななくてはならない。・・・彼女も・・・そして、自分自身も。

 

 

「あ、ははっ・・・・・・。ほんとに、ひどい人ですね・・・。なんて、残酷で・・・優しい人・・・」

 

ぽたぽたと、彼女の目から涙が零れ落ちる。

 

「こんな、悪魔を・・・どうして、お友達としての名前で・・・呼ぶんですか・・・。魔王として・・・恨まれながら死にたかった・・・。最後に向けられる感情は、憎悪がよかった・・・」

 

 

彼女の心の内は、分かっているつもりだ。・・・それも、筋違いな妄想かもしれないけれど。

・・・でも・・・こうなったのは、彼女1人の責任じゃない。

引き返す場面は、いくらでもあったはずだ。

 

あの伝承を信じなければ。

別の方法を模索していれば。

女神の命を奪わなければ。

その責任を、彼女1人に背負わせなければ。

 

・・・こうなったのは、私達に別の道を選ぶだけの力がなかったから。

彼女が魔王と言うならば・・・私達は、そうなるように仕向けた「魔族」なのだろう。

 

 

「・・・もう、いいの。・・・ネプギア。もう十分・・・あなたは悪夢を見続けた。だから・・・夢から、覚める時よ」

 

懐から愛銃を取り出し、銃口をネプギアへと向ける。

それを見ると、ネプギアは1歩、また1歩と近づき・・・その額に銃口がぶつかる。

 

「・・・ありがとう、ございます・・・。・・・ごめんなさい・・・あなたに、こんな役目を・・・押し付けて・・・」

 

彼女の目から大粒の涙が零れていく。その表情は、どこか嬉しそうだった。

 

 

「・・・いいのよ。・・・地獄で、また会いましょう」

 

 

「・・・ああ・・・これで、やっと・・・・・・」

 

 

 

パァン!

 

 

 

乾いた破裂音が部屋に響き、ドサリ、と鈍い音を立てて・・・呆気なく、魔王はその生命を終えた。

 

・・・全て、終わったのだ。

この地獄も、終わりのない悪夢も・・・ゲイムギョウ界も。

 

 

「・・・ふ・・・ふふっ・・・・・・」

 

銃が、手から滑り落ちる。

 

「あはっ・・・あはははっ・・・・・・」

 

膝から力が抜け落ち、その場にへたり込む。

 

「あはははっ・・・あははははははっ!!!」

 

耳障りな笑い声が聞こえる。静かにして欲しい。

 

「あはははははははははっ!!!!アハハハハハハハハハっ!!!!!」

 

それが自分の声だと気付くのには、時間がかかった。

 

やっと、全部終わったんだ。

特命課としての、最後の役割を果たせた。

そして・・・

 

 

 

なにも、なくなった。

 

 

 

愛する人も、守りたかったものも、帰る場所も、女神も、世界も・・・使命すら、無くなった。

 

私のたどり着いた終着点は・・・虚無だった。

 

 

 

「・・・ァァァァァァああああああああああああああああああっ!!!!!ああぁああああぁあああああぁああああああああああああああああぁぁぁああぁあああっ!!!!!ああぁああああぁあああああぁああああああああああああああああぁぁぁああぁああああぁあああああぁああああああああああああああああぁぁぁっ!!!!」

 

 

 

絶叫がこだまする。

誰もいなくなった教会に、悲哀にくれた雄叫びだけが響く。

ぽたぽたと、何かが頬を伝う感覚があった。

 

・・・ああ・・・私にも、まだ涙は残ってたんだね・・・。

 

 

「・・・誰かぁっ・・・!誰か、いないのぉっ・・・!!1人に、しないでぇっ・・・!!助けてよっ・・・・・・助けてよぉぉっ!!!」

 

これまで、ずっと溜め込んでいた言葉が溢れ出す。1度零れてしまえば、あとは止めることなんて出来なかった。

 

幸せだった、仲間と共に歩んだ日々。

大切な思い出が、ひとつ、またひとつと浮かんでは消える。

 

そして、最後に残ったのは。

 

「・・・カイトっ・・・カイトぉっ・・・・・・!!」

 

最愛の人の名前だった。

 

「会いたい・・・会いたいよぉ・・・っ!グスッ・・・ひぐっ・・・。頭を・・・撫でて欲しいの・・・っ。抱きしめて欲しいのっ・・・名前を、呼んで欲しいのっ・・・!!」

 

 

悲痛な叫びは、誰にも届くことは無い。

願いを聞き届けてくれる、「女神」すら・・・この手にかけたのだから。

 

 

「私の、名前を・・・っ、呼んでよぉっ・・・!!カイトっ・・・カイトぉっ・・・。ひぐっ・・・う、うぅ・・・っ・・・!どこなのっ・・・どこにいるの、カイトぉっ・・・!!」

 

 

その時、カラン、と音を立てて、懐からなにかが落ちる。それに目を向ければ、あったのは愛した人の残した銃。肌身離さず持ち歩いていたそれを見て、答えにたどり着いた。

 

 

・・・そっか・・・そうだよね。

 

・・・きっと、カイトも・・・待っててくれるよね。

 

・・・ごめんね、カイト。あなたはきっと、私のことを待ってるよね。待ち合わせ場所が、地獄になっちゃってごめんなさい。

 

・・・今、行くから。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーアハハハっ!いいモン見れたぜぇ!!

ーーーでもなぁ・・・まだ終わらせねぇよ?アハハハハハハハハッ!!!

 

 

 

 

 

誰かの声が響いて、私の意識は途絶えた。

 

 

 




復帰一発目が、まさかの幕間・・・しかも重たい話で申し訳ありません。
ネプテューヌが15周年ということで・・・15周年!?嘘やろ!?そんなに年取ったのか!?

・・・とまあ、冗談はさておき・・・。思い返せば色んな思い出があります。私個人としては、ネプテューヌという作品は私の人生の中で最も長く愛している作品になります。正直、ゲームとしてのクオリティは褒められたものではない・・・と勝手に思っていますが、それでも彼女達のことを愛しています。
だからこそ・・・私の愛の形を、ちゃんと形にして終わらせないと。そんなふうに思った次第です。
また日にちが空いてしまうかも知れません。これを読む人も、もしかしたらもう居ないのかも知れません。
それでも、私という個人が・・・ネプテューヌを愛していたという証拠を、綺麗な形で残したいです。もしも、この作品を読んでくださった方がいらっしゃるのなら・・・どうか、暖かい目で見守ってくれると嬉しいです。

・・・なんか最終回っぽいコメントですが、全然そんなことありません!なんならmk2の第3章に入る直前ですので!あと、次の話は6割ほど出来上がってる状態ですので!!

ではでは・・・またお会いしましょう。感想、ご指摘など、じゃんじゃんお待ちしております!
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