薄暗い森の中にも僅かながらの木々の隙間から、光は漏れる。
そんな中、少女は眠りから覚める。
「う…ん……。」
少女は寝ぼけたまま、上を見る、其処には男の顔があった。
男は昨日の夜から、過度の疲労からか、まだ深く眠っていて、少女はそれを見て、嬉しそうに微笑む。が、段々と、目が覚めて行くと、意識がはっきりとしていき、自らの行為がどのようなものか分かっていき、顔がみるみるうちに真っ赤に染め上がっていく。
昨日助けてくれて初めて会った人に、いきなり膝の上で眠り、尚且つは少女が落ちないように腕を回してくれている。
少女は自らの行動に今更ながらに恥ずかしさを感じ、男から離
ようとするが、何分、男がしっかりと少女に腕を回していて、抜けようにも抜けることができない。しかもまだ男は起きる気配がない。
少女は仕様がないので男から離れることは諦め、顔を俯かせた。
少女の顔は羞恥に顔を赤く染めたままだったが、それと同時に嬉しさを感じていた。
自分なんかを助けてくれたことについての喜び、そして自分を包んでくれた温もりのある腕、少女は嬉しかった。
だが、不安も感じた、少女が男達に追われていた事には理由がある。
少女自身の身体のことについてだ。
男二人から、何時間も追われたまま逃げ切れていたのは少女の体が常人とは決定的に違うからだ。
だからこそ、それを男に伝えた時、手のひらを返して冷たくされるのか、更には少女を殺そうとするのか、それが少女を不安にした。
──この人も私のことを嫌うのかな……。
少女の赤く染まっていた顔は、不安により、暗い顔へ変わっていく。
少女は悩んだ、どうすればいいのかを。
自分の正体を明かすのか、明かさずにいるのか。
少女は怖かった、自分の事を教えることで、拒絶されるのを、今までずっと追われ、何度も殺されそうになった。
だがそれでも少女を助けてくれる人はいた。
優しく手を差し伸べてくれて、追手から身を隠してくれたこともあった。
だけど、少女が自らの正体を明かした瞬間、皆手のひらを返して少女を拒絶した。
ある者は怒りを、ある者は恐怖を、少女を化物と称し、いきなり襲ってくる者もいた。
だからこそ少女は怖かった、この男は私のこと拒絶するのだろうか、それとも殺そうとするのだろうかと。
──だけど……この人は私が何であってもいいって言ってくれた。
男が言った事、それが頭の中にふと蘇る。
男は少女が何で在ってもいいと言った。
そして何よりも男の目が優しかった。
今まで会ってきた人よりもずっと深く優しい目をしていた。
だから少女は男を信じたかった。
自らの正体を明かし、そして、受け入れて欲しいとも思った。
だけどやはり少女は怖かった。
信じたくても、信じれない。
打ち明けたいけど、打ち明けられない。
それぞれの気持ちが少女の中で入り乱れ、少女は自らの思考に自己嫌悪にさいなまれる。
幾人もの人に裏切られた故に疑心暗鬼になってしまった少女、それは裏切りから自分を守るための盾、しかし其の盾は今、少女の心を縛り付ける鎖となっている。
少女は苦しかった。
ひたすら心の中にしまい込んだまま打ち明けられないことに。
「うぅ……ん……。」
不意に聞こえる声、それに少女は反射的に顔を見上げた。
少女は男と目が合った。
男は起きたばかりでまだ寝ぼけている感じだった。
ふと何か男は気づいたようで、その顔にフニャリとした笑を浮かべ言う
「やあ、起きていたのか、済まない、いま今目が覚めたんだ」
男は寝ぼけたまま少女に挨拶をした。
「お、おはようございます。あっ、あの……。」
少女は小さい声で挨拶を返す、だが直ぐに顔を逸らす。
「うん?なんだい?」
「その……腕をどかして…欲しいんですけど……。」
少女は男の腕から抜け出したかった。
それは起きた当初の恥ずかしさ故じゃない、男に裏切られるかもしれないという不安と恐怖故だ。
「ん?…嗚呼、済まないね。」
男は、素直に腕を解く。
瞬間少女は飛びのくようにして男から離れた。
それに男は不思議そうな顔をするが何も少女には聞かなかった。
「済まないが、まだ眠いんだ、もう少し寝かしてくれ。」
そう男は言って立ち上がり、近くの木に凭れる。
そして直ぐに男から寝息が聞こえる。
少女は男とは反対側の木の側まで行き、膝を抱え込むようにして座った。
そこで少女は気づいたことがあった。
足の痛みが引いていたのだ。
そこで少女は足に目を移すと其処には丁寧に包帯が巻かれた自分の足があった。
これも男が気づいてやってくれたのだろう。
傷に痛みが引いていることから薬を塗った後、包帯を巻いて、そして自分から引き離すことはせず、さっきまで腕を回していたのだろう。
少女は男の優しさに触れていくたびに嬉しく思うが、それと同時に男に裏切られるのではないかという不安と恐怖が少女を襲う。
それから少女は顔を俯かせたままいた。
◆
男はあれから何十分かして目を覚ました。
──……?先刻も一回起きたような気がするが気のせいかな?
男が目を覚ました後見たのは、自分のいた正面にあった木の側で縮こまって座っていた少女だった。
その姿は酷く怯えていた。
男は何故少女は怯えているのだと思ったが、先日襲われていて、更に、その上、殺されそうになったのだからと解釈した。
「君のほうが先に起きていたのか、足の傷の方は大丈夫か?一応、薬を塗って包帯を巻いておいたが、痛みはないか?」
男は少女に目立った外傷が足の擦り傷だということを知っている。
その他の傷は服の上からだったため確認はしてないが、男が身を呈して少女を守ったため、怪我といったものは足以外無かった。
少女は男の質問に頷くことで返す。
男はそれを確認して「そうか。」とだけ言って、二人の間に沈黙な空間が出来上がった。
少女は怯えていて、何も話そうとしない。
男のほうは追求するつもりはないのか、少女から話してくれるのを待っているのか、依然、木に凭れたまま、ただただ怯える少女を見つめている。
だが、この沈黙の空間は永遠には続かない。
──困ったな、別段少女が何も言わなくても問題はないんだが、ずっと此処にいるわけには行かないしな。それに今は食料が欲しいところだな。
そう、男は何一つ食料を持っていない。
更に、この森で入手できるのは小さな木の実ぐらい、しかも少量。
今まで気力で何とかなっていた男ならまだしも、少女にとっては命に関わる問題である。
──このままだと少女が飢え死にするな。少女自身一向にしゃべる気はないみたいだし、此処は直ぐにでも、この森を抜けだして、話しはそれからだな。
そう思って男は立ち上がる。
少女がそれにビクッとして顔を男に向けたが、直ぐにまた俯かせた。
「別段、君が何もしゃべる気がないのならそれでいい、私は一向に気にしないし、追求もするつもりはない。が、しかしだ、ずっと此処にいるわけにはいけない。」
男の言葉に再度少女は顔を上げる。
「食料を切らしていてね、正直いって空腹で辛いんだよ。だから今からこの森を抜けて、近くの町にいくつもりだが、どうする?」
少女が男を信用できず、この場に残りたいのならそれでいい、男に少女を追求する気などない。
しかし、ついてくるというなら、町まで行って、これからのことを少女と共に話し合わないと行けない。
だからこその、男から少女への問。
少女は其の問いに直ぐに立ち上がり、男に近寄りマントの端を摘んで、同意を示す。
相変わらず怯えたままだったが。
少女の答えに男は「分かった。」と、頷き、少女に向き直る。
少女はいきなりのことでかなり驚いていたが、男は気にすることはなく、少女を両手で横に抱える。
「少し不快でも我慢してくれよ、早ければすぐに終わるから。」
その言葉に男の腕の中で、じたばたと暴れていた少女は小さく頷き、身体を縮こませた。
「よし、じゃあ行くか。あまり使いたくはないが、まあ、しょうがないかな。」
男の声は心底めんどくさそうに行っていたが、しょうがないと割り切った。
男は少女に向けて「行くぞ……!」と言い、男は腕に抱えた少女と共に其の場から消えた。
これは男が少女を助けるときと同じ。
目に見えぬ速度で走っているのだ。
数秒すると、先刻程の場所から、少し離れた所から、轟音が聞こえてくる
そして、瞬く間に元いた場所から男と少女は離れていった。
◆
少女が男が目に見える速さで走ることが出来ることに驚いたのは一瞬だった、それは少女の驚きを塗り潰すようにして、先程よりもずっと深くたったひとつの思考が少女の考えを覆ったからだ。
それは恐怖、そして怯えが一体となったもの。
当たり前だ、少女が最も恐れるもの、それは裏切りだといっていい、そして彼女らが向かうのは人が多く行き交う街、今まで何度も裏切られてきた少女にとっては怖くてたまらない、だが、少女にとって、それよりもたまらなく怖いのは、今なお少女を抱え走っている男から離れることだった。
少女にとって、男は初めての救いだったのだ。
確かに少女は男以外にも助けられたことはあった。
しかしそれはあくまで助けであって救いではない。
何時もどこかで裏切られ、追いやられ、たとえ誰かに助けられても、少女にとってそれは救いとなることは無かった。
だが、少女が出会った男は、今までであった人たちとは違かった。
少女を助けた人たちは、必ず少女に「何があった?」や「どうして追われているんだ」など、直ぐに聞いた。
それもそうだろう、彼らにとって、少女を助けたことによって、自分もそれに関わってしまったと言っても過言ではないのだ。
ちょっとした気持ちで、少女を助けることによって自分は少女を悪から守った正義の味方だと言ってみたくて、それでついその手を少女に差し伸べる。
そして、少女を助けた後、彼らはそんな浮かれた気持ちから覚めていき思うのだ、何故少女は追われていたのか、そして少女を追っていた奴らは、少女に何をしようとしていたのか、それから手を差し伸べた人たちは思い出すのだ、追手の奴らが持っていたものに。
追手は皆、その手には何かしらの武器を持っていた。
そして追手は其の武器を持って少女を殺そうとしていた。
そこで手を差し伸べた偽善者たちは顔を真っ青にして少女に問い詰めるのだ。
もしかしたら自分はとんでもないことに首を突っ込んでしまったのかと、だから事の真相を少女に聞き、何でもいいから、少女から関わりを絶つきっかけが欲しかったから。
そうして少女は皆に話すのだ、己のことを、その純真さ故に包み隠さず、しゃべるのだ。
それを聞いた偽善者たちはある者は恐怖を抱き、ある者は欲にかられる。
恐怖を抱いた者は、少女に自分は関わりないと言って、少女を追いやり自らを守ろうとする。
欲にかられた者は、いっそ此処で殺してしまって自分の手柄にしようかと、少女を殺そうとした者もいた。
その中に、誰も純粋に少女を助けよう、救おうと思ったものは誰もいなかったのだ。
故に少女は誰も信用できなくなっていた。
誰からも救われることなく、偽善だけの助けを、そして裏切られた少女の心にはどこまでも深い傷ができていたのだ。
だが、彼は、男だけはそんな中、誰とも違った事をした。
少女を自らに怪我を追いながらも助けようとしたのだ。
そして、彼は少女に何かを聞くわけではなく、少女が話したければ話せばいいと、少女に考える時間を与えた。
それだけでも今までとは違う初めての反応、だが更にだ、男は自分と一緒に来るかと少女に聞いた。
今まで、誰からもかけられたこともない言葉、誰かと共になど今までに無かった。
それは、皆少女に恐怖を抱き、欲を抱き少女に接したからだ。
だがそんな感情一切無く、男は少女に接した。
故に少女は救われたと感じた。
それは男が少女に対して、偽善ではない、純粋な優しさで少女を助けたから。
だからこそ少女は男から離れることが怖くて仕方がなかった。
少女は、自らに与えられた救いがまた、偽善者たちの助けに変わってしまうのかと思うととても怖かったのだ。
そんな中、少女は今なお走り続けている男の顔を見た。
その顔にはありありと疲労が見て取れたがそれでもしっかりと前を見、少女を落とすこと無くその腕に少女を抱えている。
少女はそれを見て、考えることをやめた。
少女は、自分はこの人に救われたのに、自分で勝手に彼が私を裏切ると思うのは酷く失礼だと思ったのだ。
少女は決めた、街に着いたら自らの事を打ち明けると、それによって男が少女にどんな態度をするかは分からない、が、今一度信じる事にしたのだ。
偽善者からの裏切りによって信用できなくなってしまったが、少女は今までにない救いに縋ることにしたのだ。
少女は覚悟を決め、目を瞑った。
──何をするにも街についてからだ!
少女は先刻まで恐怖と怯えの入り混じった感情を覚悟を決めると同時にバッサリと切り捨てた。
その後の少女は、男に身を任せ、思考のために疲れた頭を休めるため、男の腕の中で、街につくまでの間、眠りに付くことにした。
◆
正直に言って男はかなり疲弊仕切っていた。
これは当然言えるだろう、なぜなら男は空腹、重度の疲れ、更にはたった今、身体を傷めつけるかのように身体を酷使している最中だ。
だが、それでも男は集中を切らすこと無く前を見据え、疲れに疲れにより悲鳴を挙げる自らの身体を無視して走り続ける。
疲れがじわりじわりと男の精神をすり減らしていく、そのせいで、男は少女を離してしいまうのではないかと、より強く少女を抱え込み、走り続ける。
此処でもし男が集中を切らした場合の話をしよう。
男の集中が切れ、男が少しでもふらつく、もしくは視線が前を向かずあらぬ方向に向かった時、ただそれだけで男と、男に抱えられている少女は簡単に命を落とす。
其れは何故か。
辺は木々の生い茂った森だ。
綺麗に舗装された道なんて一本のない。
そんな中どうなるか、簡潔に言うと男が木にぶつかるから、ただそれだけである。
ただ走って木にぶつかるだけだけならば人もその他の生き物も命を落すことはないだろう。
身体を木に打ち付けて痛いと思うくらいだと思う。
しかし、此処で注意しなければならないのは、今男が走っている速度である。
彼は何かしらの力で音速の速さで走っている。
こんな速さで、走っていれば自ずとぶつかった時の衝撃は増大していく。
それはちょっとやそっとなんてものじゃない、ただ走ってぶつかるだけの速度でぶつかるのを1としよう、ならば音速で走った場合ではどうなるか、5や10ではない、100でも足りない、1000、いや10000位にはなるだろう。
其れがどのような衝撃がその身に受けるか、其れは完熟したトマトを地面に叩きつけるのを想像すると分かりやすいだろう。
熟れて柔らかいトマトを地面に叩きつければ、いとも簡単にトマトは地面に潰れあたりに四散するだろう。
其れと同じである。
10000の衝撃が男にあたれば、あまりの衝撃に肉は潰れ、骨は粉々に砕ける。
そして、衝撃によって身体の原型は留めることが出来ず、トマト同様、あたりに四散し、見るも無残な光景になるだろう。
無論、男に抱えられている少女も同じようになる。
では、ふらつくこと無く、もし男が少女を落としてしまったらどうなるか。
その時はたとえ男が無事だったとしても少女に命はないだろう。
慣性の法則により速度をそのままに落ちるということは、先と同様に、木などにあたった時の衝撃が同等のものになるということだ。
そんな衝撃が少女が耐えられるはずもない。
故に、走り続けている男が集中を切らすということは、命を切らすことと同じなのだ。
だから、男は前を向き、集中を切らさず走り続けている。
普通に走れば其れでいいのだが、そんな事をしていれば、何時街につくか分からない。
だからこそ、男は死とのリスクを負いながらも、音速の速さで走っているのだ。
だが此処で疑問に思うことだ一つある。
この男は当初、自らの方向音痴でこの森を迷っていたのだ。
そんな事で男は街につけるのか。
が、男は寸分の迷いなくその足を進めているのだ。
まるで、道順がわかっているとでも言うように、森の中を進んでいく。
迷っていた頃の、あっちへ行ったら、いきなり踵を返して、あらぬ方向に行ってたのとは違い、一直線に男は走っている。
実のことを言うと、男は迷ってもいなければ、方向音痴でもない。
行こうと思えばちゃんとまっすぐその足を勧めることが出来る。
だが何故当初に其れをしなかったのか、それは男が街にあまり赴きたくなかったからだ。
理由は彼自身の事によることである。
男は自分で迷ったと言い、行きたくもない街のために、森の中をふらふらと彷徨っていたのだ。
更に言うと、男はもう少しの間この森の中を彷徨っているつもりだった、が、少女を助けたことにより、予定よりも早く街に行くことになったが。
実際は迷っていなかったので、男は街に行くことなんてたやすいのだ。
先ほど行った男の懸念は思わぬアクシデント、例えば、あまりの身体の酷使に耐えられず男だダウンしてしまった場合、ちなみにこの時は男だ事前にわかるので、大惨事が起こるということはない。
その他は、男達が何者かに接触するというものだが、少女を追うもので無いければ、男達に会う者はいないだろう。
それも少女は死んだとされるのでこの可能性はかなり低いと言える。
よって、男の言った通り、男と少女が街につくのは時間の問題と考えていいだろう。
──さて、予想が正しければ、もうそろそろで森から抜けられるはずだけど……見えた!
男が予想した通り、男の目には木々の隙間から、森の中とは打って変わって、太陽の光が差し込む草原が見えた。
そしてやっと男達は森を抜けたのだ。
あとは街に付くだけである。
そうして見えてきたのは、灰色のレンガで作られた、大きな塀に囲まれた大きな街だ。
運良く、入り口のある面に出られたらしく、彼の目には、開かれた門が見え、そこから数多の人々が行き交う姿がみてとれた。
男は其れを見ると同時に走る速度を緩めていき、門がある所とはかなり遠くでその足を止めた。
其れもそうだろう、音速の走りと共に、轟音をならす男がそのままに行こうとするならば、人々にとっては畏怖の対象にしかならない、そんなことに男が成るつもりなどこれっぽっちもなかった。
男は少女に目を向ける。
其処には疲れたのか、眠っている少女がいた。
男は少女を起こし、街まで一緒に歩いて行こうかと思ったが、男は何を思ったのか、其れをやめた。
それは、何故か、それは男が見た少女が、怯えた様子がなく、何か吹っ切れた様にスヤスヤと眠っていたため、男は少女を起こすのをやめ、街についてから起こそうと決めたのだ。
そのため依然、その腕に少女を抱えるという形は変えぬまま、男は街の入口である門のある所まで歩いた。
そして、やっと男は人々の行き交う門の前までたどり着いた。
男は眠っている少女を起こすために腕を少し大きく揺らす。
「……う…ん。」
其れに気づいたのか、少女はゆっくりと目を覚ました。
其れを見た男は倒れぬようにしながら、少女を立たせる。
「沢山…人がいる。此処はなんて街なの?」
少女は活気のある街の前で、すこし気圧されながらも、男に、街の名を聞く。
「此処は、エストア。臆病王、エストア王が治める街だ。」
こうして、やっとのことで男と少女は自らのことを打ち明けるこのと出来る場所へと着いたのだった。