目を覚ましたダンテは、蘭豹にとある部屋へ案内されることになった。また連れていかれる途中でこの施設の説明も同時に受けた。
東京武偵高校
レインボーブリッジ南方に浮かぶ南北2キロメートル、東西500メートルの人工浮島に設立された武装探偵、略して武偵を育成する総合教育機関。武偵とは、凶悪化する犯罪に対する策として新たに設立された国家資格である。武偵は逮捕権など警察に準ずる権利を持っており、金さえ払えばどんな仕事もしてくれる言わば万事屋のような地位を確立している。
「なるほどな。で、どうして俺は暖かいベッドで悠々と寝ていたんだ?」
「通報があったんだよ。テメーが学園島近くの路地裏で倒れているっつう内容でな。」
「?今までの話を聴いている限りだとお前ら武偵が出る幕は無いように聞こえるが?武偵は金で動くんだろ。悪い言い方をすれば。」
「警察の奴らが押し付けてきたんだよ。戸籍を証明するものは無いし、身寄りもなさそうだし、メンドクセェことはそっちに任せるっつう責任丸投げで。」
どうやらダンテは厄介人扱いらしい。それも当然のことだ。聞く限りだとダンテは自分が住んでいるアメリカからどういうことか、日本の首都に移動させられたらしい。そんな得体の知れない人物が好まれるとはダンテですら思わない。
ここで今更ながら、ある異変に気づいた。
悪魔の気配がしないのだ。地獄門が破壊されて以降、ダンテにはある種の感覚が芽生えていた。悪魔の気配を感じ取る事で、今まで迅速に悪魔退治を進めることができていたダンテに取っては、奇妙なことに思われた。
ここで、ダンテはいろいろな可能性を思いついた。
1.日本にだけ悪魔がいない。
2.ここは悪魔がいない世界である。
3.ここに来て感覚が無くなっている。
1はまず違うだろう。日本にだけ悪魔がいない等という事実が分かれば、今頃日本は移住者でごった返しているだろうからだ。
3は微妙なところだ。感覚が無かったとしても、悪魔が出てきたとき武偵校やら警察やらに連絡が入って即座に討伐にむかうはずだ。そもそも悪魔がいるということは少なからず被害を受けている事を意味するのであって、それならば、この施設もそれなりのダメージを受けているはずだ。
なら一番しっくりくるのは、2しか無いだろう。
今目の前にいる蘭豹に聞くと言う手もあるが、もし悪魔がいなかった場合、蘭豹から白い目線で見られるのは間違いないだろう。
そうこうしているうちに目的の部屋へついた。
「・・・校長室?普通は尋問とかするんじゃねえのか?」
「アタシもそう思ったんだが、どうしても校長がここを通せと言ってるんだよ。」
「?」
そして校長室に入れられた。校長室に入った瞬間、目にしたのは至って普通のなんの変哲もない一般人だった。
(なんか校長って感じがしないな。とても戦闘能力があるようには・・・っ!)
戦闘能力があるようには見えなかった。何か特徴があるようには見えない。
しかし、それはつまり、
「蘭豹先生、あなたは席を外してくれませんか。私は、彼と話がしたい。」
「・・・分かりました。」
こうして蘭豹は校長室から去っていった。そして、ここに居るのは、緑松校長とダンテのみ。
「・・・で、おっさんは何の用でここに連れてこさせたんだ。」
次の瞬間、ダンテは校長から発せられた言葉に耳を疑った。
「はじめまして。裏切り者のスパーダとエヴァの息子、
「!?なんでそのことを知っていやがる!お前は誰だ!」
「私かい?私は異次元に飛ばされたただの悪魔だよ。最も、普段は力を極小に抑えてるがね。」
「・・・ここに来させられた理由がようやくわかったぜ。」
つまりは、久々に会った同族(厳密には少し違うが)と対話するためにここに来させられたわけである。だがしかし、これはまだこの世界をよく知らないダンテにとって、実に好都合であった。
「なんで校長をやってるんだ。」
「成り行きだよ。私も生きる術というものが必要でね。武偵として活躍していたらいつの間にか校長としてここに座ることになった。それに・・・」
「それに?」
「それに何より、人々の笑顔を見ると心が洗われる気がするんだよ。悪魔なのにな。スパーダの影響が出てきたのかもしれない。」
それは、昔父が行っていた言葉でもあった。天使と悪魔の許されぬ恋。そして人間への愛。自分の父は、フィニアスといい、周りが影響するほどの人物だったらしい。
「ところで、まだ君の名前を聞いていなかったね。一応聞かせてくれよ。」
「わかった。俺の名前はダンテだ。デビルハンターをやっている。」
「ダンテか。ここで少し頼まれたいことがあるんだが・・・。」
「なんだ。」
「私に・・・人間たちに・・・君の力を貸して欲しい。」
「どういうふうに?」
「君には武偵としてこの武偵高に入ってもらいたい。」
「武偵として?」
「君が武偵をやれば犯罪は確実に減るだろう。頼む、一生のお願いだ!」
校長は自身がこの学校で一番偉いにもかかわらず、深々と礼をしてまで頼んだ。バージルに裏切られた経験のあるダンテは、少し疑りをかけてしまったが、こんな態度でやられってしまっては断ることもできない。
「・・・信じてもいいんだな。」
「この通りだ。」
「わかった。武偵としてこの学校に入ってやる。」
今度こそこの世界を救う。一辺倒な支配を受けず、平和に暮らす世界を。
「では君には
こうして翌日、ダンテの武偵としての一日が始まるのだった。
すいません。一回間違えて未完成のまま投稿してしまいました。これから気をつけます。