緋弾のアリア son of spada   作:黒迅白牙

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3 初日

ヒステリア・サヴァン・シンドローム 通称 HSS ヒステリアモード

 

 

ある一定の条件を満たしたとき、体感覚、思考力、判断力諸々が30倍にまで引き出される遠山家に代々伝わる特殊体質である。

 

 

その条件とは・・・すなわち、性的興奮である。

 

 

性的興奮することで、β-エンドルフィンが分泌され、『子孫を守るための本能』が働いて、超常的な力を発揮できると言われている。

 

 

 

 しかし、問題は発動時のその振る舞いである。発動時は女性が魅力的だと感じる、つまり気障な態度をとってしまう。しかも、前述の理由から、どうしても女性に弱い。

 

 

 遠山キンジは、中学時代その体質を一部の女子たちに利用され、独善的な「正義の味方」にされていた。

 

 

 そんな黒歴史を思い出させる体質を、あの時また使ってしまったのだ。神崎・H・アリアに。

 

 

 正直、もう二度と会いたくなかった。あの体質を使ってしまったことはもちろん、その一件でアリアから「強猥男」として認識されてしまい目をつけられてしまった。

 

 

 事件が終わってから即座に学校へ向かったキンジは、どうにかアリアをまいたのだった。

 

 

 これでもう二度と会うことはないだろう。さらばアリア。さらば苦き思い出。

 

 

 ・・・というわけには行かなかった。

 

 

「先生。あたしアイツの隣に座りたい。」

 

 

 教室に入ったとたん、キンジを待ち受けていたのは転校生として紹介されていたアリアだった。いくらなんでも同じクラスなんておかしい。しかも、席の指定という横暴たるわがまままで行ってきた。

 

 

 そんなもの通るわけないが、隣の席にいた、ツンツンウニ頭の武藤 剛気がいらんことを言ったせいでまかり通ってしまった。

 

 

 そんなわけで、となりには現在アリアが居座っている。

 

 

 時折放たれるプレッシャーがきつい。誰か席を代わってほしい。

 

 

 助けを求めるようにもう一方の隣の席を見ると、もう一人の転校生が足を組みながら席に座っていた。

 

 

 確か、名前はダンテと言っていただろうか。ベリーショートの髪型に銀髪。肌は浅黒く、彫りが深い。イケメンの部類に入るだろう。

 

 

 今も周りの何人かの女子がダンテへ熱視線を向けている。

 

 

 と、ここでアリアが突然思い出したように、手を叩いてキンジに言ってきた。

 

 

「そうだ。アンタのベルト返してなかったわね。今返すわ。」

 

 

 そう言うと、手渡しでベルトをわたしてきた。それを目ざとく発見した一人の女子が、かなり大事に囃し立てた。

 

 

「わかった。わかっちゃったよ。理子ははビビーンときたよ。フラグが、バキバキと立ってるよ!」

 

 

 そして、峰 理子は自身の推理をいう。

 

 

「キー君はベルトをしていない。つまりベルトを取る何かをしたということ。つまり二人は絶賛青春真っ盛り中ということだ!」

 

 

 そう言うと、クラス全体が騒々しくなった。ふたりの関係についてあっという間に質問攻めになった。

 

 

「理子。お前は突拍子になにを言うんだ。大体俺は神崎と今日初めて会ったばかりだぞ?そんなことあるわけが・・・」

 

 

 キンジがそう返していると・・ 

 

 

 バァンバァァァァァァン

 

 

 二つの銃声が教室に響いた。

 

 

「恋愛なんて・・・くっだらない!!いい?そんなこと言う奴には全員風穴開けるわよ!!」

 

 

 この一言により、教室に沈黙が広がった。

 

 

 ・・・かにみえたが・・・・

 

 

「風穴開ける?武偵がそんなことして大丈夫なのか?最悪捕まるぞ。」

 

 

「なっ・・・。アンタ何言ってんの。風穴開けられたいの?」

 

 

「だからぁ。そんなことして大丈夫なのかって言ってんの。」

 

 

 このような空気読めない発言により更に険悪なムードが発生した。ちなみに発言したのは言うまでもなくダンテである。

 

 

「よくもそんなこと言ってくれたわねぇ。」

 

 

「当たり前の疑問を言っただけなんだが?」

 

 

「うるさいうるさいうるさいっ!風穴開けてやる!」

 

 

 そう言ってアリアがダンテに向けてガバメントを向けたとき、

 

 

「そうゆうの痛いからやめてくれない?危ねーし。」

 

 

「!?」

 

 

 両手を塞がれた上に、背後に回られてしまった。

 

 

 一瞬の出来事だったので、クラス全員が呆然としていた。

 

 

(今何があった!全く気が付かなかったぞ!どういう動きをしたらこうなったんだ!)

 

 

 ダンテとアリアのあいだにはキンジがいた。つまり最短で向かうにはどうあがいてもキンジの前を通らないといけない。ならば、キンジが気づかないわけがない。

 

 

 しかし、キンジは視認どころか気づくことさえできなかったのだ。

 

 

「と、とにかく今言ったことを守らないと風穴開けてやるんだからね!」

 

 

 こうしてようやくホームルームが終わったのだった。

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後

 

 

 キンジは、さっさと支度をして寮へと戻っていた。朝から疲れることばかり連続して起きていたので精神的にもまいっている。そんなときは休むのが一番と、即決で行動した。

 

 

(今日はひどい目にあった。今すぐ布団に入って寝たい。)

 

 

 寮に入り、自分の部屋へ入ろうとした時、キンジはあることに気がついた。

 

 

「ん?鍵が開いている?」

 

 

 キンジはとある理由により武偵を辞めるつもりである。そのためにいろいろ準備をしてきた。そのひとつとして探偵科(インケスタ)への転科がある。探偵科へ転科した際、キンジ以外に探偵科の生徒がいなかったため、4人部屋のところを一人で使っていた。

 

 

 だから、閉め忘れでもない限り、ドアの鍵が空いているわけがない。今日は、きちんと鍵をかけて学校へ行った。なのに、()()()()()()()()()()

 

 

 不審に思ったキンジは、銃を構えそっとドアを開けた。

 

 

 廊下を慎重に歩き、

 

 

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