緋弾のアリア son of spada   作:黒迅白牙

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5 試験

「浮気調査?」

 

 

「そうだ。今回君には、浮気調査をやってもらう。」

 

 

 ダンテお携帯に送信されたメール、その内容とは武偵高から直々の依頼であった。授業を後回しにして、待ち合わせ場所へとここまでむかってきたのだが・・・・・・

 

 

「武偵高がわざわざ一個人の生徒に浮気調査を頼むのかよ。普通はこう・・・・・クエストボード的なものに貼り付けて募集するもんじゃねぇのか?」

 

 

 来てそうそう名も知らぬ教務科教師から浮気調査というある意味探偵らしい依頼を言い渡され、ダンテは少し落胆していた。個人的にはもう少し派手なのを期待していたみたいだ。

 

 

「君の言うとおりこんな内容のものはわざわざ頭を下げてまで頼むのものではない。しかし、これは転入試験を兼ねているんだ。あまり難しい内容だとこまるだろ?」

 

 

「・・・・・何?そんな事初めて聞いたけど?」

 

 

「君の場合始業式前日にいきなり手続きをしたからね。本来は試験をやった上で合格して初めて東京武偵高に入れるんだ。本当なら学校に来れるのはもっと先になるはずだったのを、校長先生が特別にそう計らってくれたんだ。文句は言うなよ?」

 

 

 考えてみれば試験があるのは当たり前のことだ。誰だって知っていることである。

 

 

 しかし、ダンテは違った。

 

 

 ダンテがまだ子供だった頃、天使の母エヴァは心臓を抉りだされ死に、悪魔の父スパーダは死より過酷な拷問を受けた後、封印された。

 

 

 双子の兄であるバージルとも生き別れになり、孤児院へと送り出されることへとなった。

 

 

 そこから先は絶望に満ちた日常が待っていた。

 

 

 孤児院は暴力の絶えない劣悪な環境。さらには悪魔に洗脳された人間としばしば警察沙汰になるほどの争い。そんな状況で学校なんてものを知ることなく、酒に溺れ、女遊びをし、堕落しきった生活を送るのが彼にとっての日常になっていた。

 

 

 つまり、学がないのだ。突発的な判断力や単純なパワーなどはあっても、このような知識を得てはいない。かなり裕福な環境で育てられたバージルとは違い、不条理な状況の中ではそんなことをする暇がないのは当然のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の午後、ダンテは調査対象となる男性の後を追っていた。資料によると男性は公務員で、仕事が早く終わるにもかかわらずかなり夜遅い時間に帰ってくるらしい。ここ最近はそれが顕著なのらしい。

 

 

 事実、今現在も仕事が終わってもすぐに帰路につかず、どこかへ別の場所へ行ってるように見える。前知識では、今日この後は特に何もないと聞いてはいるが・・・・

 

 

(それにしても、あいつヤケに路地裏ばかり通るな。こりゃマジで浮気してんのか?)

 

 

 尾行してから約一時間、さっきから人が通らないような道を早歩きで通っている。まるでだれかにみられたくないかのように・・・・。

 

 

 何はともあれ、この上なく怪しくなったのは事実。このまま尾行を続けた。

 

 

 数分後、とあるビルの一角にたどり着いた。ビル自体は一見どこにでもありそうな風貌だが、どこか怪しさがある。ダンテは中に入っていった。すると中からいきなり大声が聞こえてきた。

 

 

「おい兄さんや。今回は金を持ってきてくれたんやろなぁ!いい加減にしんとお宅の家がどぉなるのかわかってんのか!!あぁ!」

 

 

「ヒィ!すすすすいません!今月中には必ず返しますのでそれだけは。」

 

 

 何事かと思い駆けつけてみれば、どうやら男性は闇金に手をつけてたらしい。帰りが遅くなっていたのは、金の催促をされていたからだろうか?

 

 

(・・・・まあどちらにせよ、あの旦那さんは自業自得だったってわけか。調査は終了だ。借金を作ったやつに肩を持つっつうのは俺の仕事の範囲外だし、そういうのは自分で解決するんだな。)

 

 

 浮気ではなかったが、ある意味浮気よりまずいことが発覚した。その事を報告しにダンテが帰ろうとしたとき、ヤミ金業者は男性に対してこんなことを言ってきた。

 

 

「はぁ・・・、お前はそんなこと言ってこの前も、この前の前も、それよりもさらに前にも同じことを言ったよなぁ。何度も何度も先延ばしにしやがってぇ。」

 

 

「アニキ、もうこんな奴の言うこと聞くのやめましょうよ。さっさとこいつの嫁と子供諸共ヤク漬けにして奴隷として売り出しましょうぜ。」

 

 

「ああ、そのほうがいいかもしれないな。」

 

 

 奴隷・・・

 

 

「いっ嫌だ!それだけは勘弁してください!私だけならともかく妻とミユキにまでてをだすなんて・・」

 

 

「ここが運の尽きでっせ。借金残して逃げてくような奴の連帯保証人にならなければこんなことにならなかったんだぜ。おとなしく覚悟を決めろ。」

 

 

 ドクン

 

 

「さてじゃあまずはこいつをどうにかしなくちゃいけないな。とりあえずシメとけ。」

 

 

 

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