6日ぶりの更新ですね。
そしてUA10000&お気に入り120越えしました。
本当にありがとうございます♪
Ep.7で第一階層攻略が終わり、一段落したため少し休憩&構成を練る為に更新が遅れてしまいすみませんでした。
では、どうぞ♪
第一階層攻略から四ヶ月もの時間がたち、俺達は拠点となる家を買ってギルドを立ち上げた。ギルドの名前は【ほうしぶ。】アニメのタイトルみたいな名前を付けた犯人は由比ヶ浜とか言うアホの子だ。いくら由比ヶ浜以外がたまたまクエストで手が離せなかったとはいってもアホの子に行かせた俺のミスだったな。
まあ、話を戻すがギルドを立ち上げた俺達は攻略組とは別に独自で動きながらボス戦などにはちゃんと参加をしている。しかし、唯一キリトはクラインとか言う友人を探すためにギルドには入らず単独行動をしている。
そして今は二日ほど前に攻略組などを含めた俺達は25階層を攻略し、今日は久々にオフでレベリングに精を出してる訳だが、なんかオフの日までこんなことしてなんか休日出勤する社畜みたいだよな。うわ…なんか考えたら一気にやる気無くなったわ。
ハチマン「…帰るか。」
ポケットに手を突っ込み来た道を引き返す。
???「きゃああ!!」
俺は咄嗟に叫び声がする方に走り出していた。
その声はよく知るアイツの声に似ていたからだ。最悪な考えが俺の頭の中を支配するが、そんな事はどうでも良い。
ハチマン「うおぉぉぉ!らあぁぁ!!」
柄にもなく俺は吠えながら女性を囲んでいたモンスター達を切り伏せていく。全てのモンスターを倒した俺は武器を仕舞いながら女性の方に振り向くとそこにいたのはアイツではなかった。
???「あ、ありがとうございます。」
ハチマン「………いや…お礼なんていい。」
アイツに顔が似ている訳ではないが、その声は瓜二つと言って良い程に似ていた。だからだろうかアイツと被って見えてしまう。
ハチマン「とりあえず帰れ。死んだら全てが終わるんだ。慎重になれ。」
???「………。」
俺の言葉に女性は俯くが、前髪の間から見える瞳に映るのは絶望・悲壮・諦め。負の感情だった。その目に俺は苛立ってしまった。
ハチマン「お前、死にたいんだろ?」
???「っ!?」
ハチマン「やっぱりか。死ぬなら俺が帰ってからにしてくれ。目の前で死なれたら気分が悪い。」
驚いてこちらを見つめる女性に背を向けて吐き捨てる。俺は優しくなんてないし、誰でも救える訳でもない。
???「ま、待って!!」
そのまま歩き出す俺に女性は声をあげる。
ハチマン「なんだよ。」
???「…ごめんなさい。それに助けてくれてありがとうございます。」
ハチマン「俺の為だからお礼は要らない。目の前で死なれたら夢見が悪いから助けた。それだけだ。」
???「それでも…言わせて下さい。あの、私サチって言います。名前を教えて下さい。」
ハチマン「…ハチマンだ。」
正直教える気はなかったが、サチと名乗ったら女性の声がアイツを連想させてしまい。名乗ってしまった。
サチ「あの、お礼がしたいので私達の拠点に来てもらえませんか?」
ハチマン「お礼なんて要らないって言っただろ?」
サチ「お願いします!」
まるですがるように頭を下げるサチは見ていられなく、がしがしと頭をかく。
ハチマン「…はぁ。わかった。」
サチ「ありがとうございます!!」
嬉しそうに笑うサチを横目に俺は手を貸して立ち上がらせた。
――――――――――
サチ・ケイタ・テツオ・ササマル・ダッカー「「「「「かんぱーい!!」」」」」
ハチマン「か、かんぱい…。」
フィールドから帰った俺とサチはケイタ達【月夜の黒猫団】に迎えられあれよあれよと宴まで開かれてしまった。どうしてこうなった。
ケイタ「ハチマン!サチを助けてくれてありがとう!」
ハチマン「気にしなくていいし、お礼も要らん。あれは俺の為に助けただけだ。」
俺は飲み物を一気に飲み干して立ち上がり、出口に向かう。こんなリア充な雰囲気は堪えられない。
ハチマン「飲み物も貰ったし、俺は帰る。ぼっちには辛い空気だしな。」
サチ「待って下さい!私を…私達を鍛えて下さい!!」
扉を開ける俺にしがみつくサチにはもう負の感情はなかった。
ハチマン「断る。めんどくさい。」
月夜の黒猫団「「「「「えぇ…。」」」」」
皆は困った顔をしている。あーめんどくさい。
ハチマン「…わかったよ。俺もギルドに入ってる身だからいつもは無理だが時間が空いた時だけなら鍛えてやる。それで良いな?」
皆は嬉しそうに返事をしている。働きたくないよー。
――――――――――
あれから俺は時間が空いた時に月夜の黒猫団の皆に冒険の基礎を叩き込んだり鍛えてやった。そのかいあってか皆は強くなり、資金を貯まり家を買うらしい。俺は恩人として始めての客として招かれた。
ケイタ「じゃあ、買って来るから待っててくれ。」
走っていくケイタを見送り、他の皆は雑談に花を咲かせていた。俺?ぼっちにそんなの求めるなよ。
ササマル「じゃあ、ケイタが帰って来るまでお金貯めとこうぜ。」
ダッカー「そうだな。どうせなら少し上の階層でやろう。」
男衆は妙な事を言い出すが、サチは乗り気ではない。勿論俺もだ。
サチ「あ、危なくないかな?」
ハチマン「お前らやめとけ。上に行くにはまだ早いぞ。」
その後三人を説得しようとするが話を聞かず三人でも行くと言い始めたので俺とサチは仕方なく一緒に行くことにした。
――――――――――
結論から言おう。最悪だ。
隠し扉を見付けたバカは制止も聞かずにそのまま中にあった宝箱を開けてトラップが発動してしまった。
四人を部屋の隅に集めて俺がモンスターを狩っているが如何せん、数が多すぎる。
ハチマン「お前ら!もう少しだけ堪えろよ!!」
俺が声をかけるが四人のHPはレッド手前だ。このままじゃマズイ。
サチ「いやあぁぁ!!」
叫ぶ方を向くとモンスターの攻撃に吹き飛ばされて一人離れてしまうサチが見えて俺は全力で走り出す。
ハチマン「届けぇぇ!」
襲いかかるモンスターを切り払い安堵する。間に合った。しかし、それがいけなかった。
サチ「ハチマン!後ろ!!」
ハチマン「…え?」
後ろを振り返ると既にモンスターの攻撃が目の前まで迫っていた。マズイ。避けられない。直撃だ。俺の防御力はかなり低い。
???「頭を下げなさい。油断谷君」
俺はその言葉に咄嗟に従うが、勢い余って座り込んでしまう。
目の前のモンスターは消え去り。そこに優雅に髪を払う雪ノ下が立っていた。
ユキノン「こんな見え透いたトラップに嵌まるなんて幼稚園児以下ね。」
ハチマン「ははっ…うるせぇよ。まあ、なんだ。無事で良かった。」
ユキノン「当たり前でしょ?私なんだから。」
何時ものように罵倒する言葉は懐かしく、その凛とした態度に笑みを浮かべる雪ノ下を見て涙が流れそうになる。
ハルノン「ひゃっはろー♪ハチマン♪」
ハチマン「ハルノンも無事で良かったです。」
雪の下さんはモンスターを凪ぎ払いながら笑顔で手を降る。余裕かよ。
ユキノン「立ちなさい。とりあえず蹴散らすわよ。」
ハチマン「ああ。」
ハルノン「お姉さんも頑張っちゃうよー♪」
俺達は走り出して次々にモンスターを倒して行く。
二人とも攻略組で最前線に居てもおかしくないほど強い。
ははっ、二人を入れた皆とならどんな奴で負ける気がしねぇな。
――――――――――
モンスターを狩り終えた俺達三人は月夜の黒猫団の四人を回復して町に戻った。
ハチマン「………。」
テツオ・ササマル・ダッカー「「「………。」」」
町に戻った俺達はケイタが買った家でバカ共を床に正座させてその前に無言で立ち睨み付ける。
サチとケイタはオロオロしており、雪ノ下姉妹は興味が無いのか優雅に紅茶を飲んでいる。
ハチマン「…何か言いたいことはあるか?」
三人「「「何もございません。」」」
ハチマン「はっきり言うが二人が来なかった俺達はあそこでゲームオーバー。つまり死んでた。わかるな?」
三人「「「はい。」」」
ハチマン「次からはもっと慎重になれ。そうじゃなかったら面倒見きれん。」
三人「「「ごめんなさい。」」」
三人は土下座をして謝る。
ユキノン「ハチマン。今回のは貸しよ?」
ハルノン「あ、わたしにも貸しだよ♪」
ハチマン「うぐっ…わかってる。」
一段落したのを見計らい二人が笑顔で言い。俺は苦虫を噛み潰した様な顔をしながら返事をした。
ハルノン「んふふー♪何して貰おうかなー♪」
ユキノン「楽しみね。」
ハチマン「はぁ…。」
紅茶を飲みながら楽しそうに話す二人を見て俺は項垂れるしかなかった。つらたん。
Ep.8にしてやっと雪ノ下姉妹登場です。
お待たせしてしまい大変申し訳ありませんでした。
今回のお話ではサチ&ユキノンの絡みは書けませんでしたから次回書く予定ですので楽しみにしててください。
では、次回お会いしましょう♪