架空世界では俺の青春ラブコメは間違えない?   作:0ひじり0

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お久しぶりです。
かなり遅くなりました。すみません。


Ep.12

ハチマン「【一刀居合い・一の太刀】か…。」

 

町からそこまで遠くない森の中でメニューを開き、そこに記されている文字を読む。

先日のニコラス戦での一撃はユニークスキルらしく、ステータスに追記されていた。

正直あの時は無我夢中で訳がわからなかったが修得・発動していたらしい。しかし、未知数の能力だから多用は危険だし、何より切り札は最後まで取っとくのが当たり前だしな。

にしても居合いかー…うん。超嬉しい。だってかっこいいし。

 

???「きゃああぁぁぁ!!」

 

ハチマン「ん?」

 

少女だと思われる叫び声が聞こえる。多分場所としてはそう遠くない。

走り出すとすぐに見つかったが既にモンスターに囲まれており、HPもレッドの絶体絶命だった。

 

ハチマン「ちっ…仕方ねぇな。」

 

新調した刀に手を添えて腰を落とす。

 

ハチマン「一刀居合い・一の太刀!!」

 

ユニークスキルを発動。刀が自分の一部…いや、刀を含めた自分が刀になった様な感覚を感じつつ、一気に間合いを詰めて少女を囲んでいたモンスターを真っ二つに両断する。

 

ハチマン「ふぅ…おい。大丈夫か?」

 

???「…へ?」

 

少女は死を確信してたのか少し間抜けな返事をしながら俺を見上げた。

 

――――――――――

 

シリカ「あの、助けていただきありがとうございます!私シリカって言います。」

 

ハチマン「ハチマンだ。よろしく。」

 

シリカと名乗る少女はブンッと音が鳴りそうな程勢い良く頭を下げる。

 

ハチマン「別に礼なんて要らん。つか、こんなところで何をしてたんだ?」

 

何をしていたか訊ねるとシリカの表情は暗くなり俯いてしまった。

 

シリカ「それは、その…。」

 

ハチマン「言いたくないなら言わんでいい。気に障ったのなら謝るが。」

 

シリカ「い、いえ!!そう言うわけではないんです。」

 

慌てて顔を上げて否定するシリカの手に何かが握り締められているのに気付く。鳥の羽?

 

シリカ「……これは…ピナの羽です。」

 

ハチマン「ピナ?」

 

シリカ「あ、すみません。ピナは私の使い魔です。」

 

使い魔?

あー確かチラッと聞いた話だとビーストテイマーとか言うレアなジョブだっけな?

 

ハチマン「…ちょっと待ってろ。」

 

シリカ「…?」

 

少しシリカから距離を取ってからメニューを開く。

 

ハチマン『キリト。質問だ。』

 

こう言うのに詳しいキリト(※オタク)にショートメールを送ると返事はすぐに返ってきた。

 

キリト『どうした?』

 

ハチマン『ビーストテイマーの使い魔が死んだら復活は無理なのか?』

 

キリト『使い魔?いや、使い魔の形見みたいなアイテムを拾ってたなら蘇生は可能だよ。』

 

ハチマン『わかった。蘇生方法の詳細を送っといてくれるか?』

 

キリト『了解。』

 

ハチマン『サンキュー。』

 

すぐにキリトから詳細が送られてくる。内容を確認したが問題はないな。

 

ハチマン「待たせたな。」

 

シリカ「いえ、大丈夫です。」

 

ハチマン「いきなりだがピナを治せるかもしれん。行くか?」

 

シリカ「ほ、本当ですか?」

 

近い近い。

 

ハチマン「幾つか条件があるがな。つか、近いから離れろ。」

 

シリカ「あ…す、すみません。」

 

ハチマン「別にいい。ところでどうするんだ?」

 

シリカ「そんなの決まってます!ピナを治して上げます!!」

 

おーおー。さっきまで絶望のどん底だったのに完全に復活したな。

 

ハチマン「了解。行くぞ。」

 

シリカ「はい!」

 

いい返事をしながら俺の後ろをついてくるシリカを横目に上を目指した。

 

――――――――――

 

??「むーまた知らない女の子連れてる。」

 

ハチマン「……ん?」

 

シリカ「?どうかしましたか?」

 

ハチマン「いや、なんか寒気が…。」




読んで頂きありがとうございます。
今回から少し短めにして更新を早く出来るように頑張りたいと思いますがよろしくお願いします。

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