現在居ない雪ノ下姉妹は合流した後にデートをする予定です。
翌日
コマチ「おはよう。お兄ちゃん待たせちゃった?」
ハチマン「おはよう。いや、そんなに待ってないぞ。」
待ち合わせをしてた俺達はよくあるテンプレな会話をしたて挨拶する。実際、そんな待ってないしな。
コマチ「うんうん♪言い感じの挨拶だね。それで、どうかな?」
ハチマン「ん?何が?」
満足そうに頷いた小町はその慎ましい胸を張るが、俺の反応に深い溜め息を吐いてジト目で睨まれてしまう。
コマチ「はぁ~~…まあ、お兄ちゃんがそこまで気を回せないとは思ってたけどさ…お兄ちゃん。ダメだよ?他の三人はちゃんと服装とか身なりをちゃんと誉めるんだよ?」
ハチマン「無理だ。」
コマチ「諦めるのが早すぎるよ。とにかく!ちゃんと誉めないとしばらく口聞いてあげないからね?」
な、なん…だと?それは俺にとっては死活問題だ。小町と会話が出来ないとか、泣いちゃうよ?
コマチ「お兄ちゃん?わかった?」
ハチマン「イエス!マム!!」
軍人さんもびっくりな程のピシッとした敬礼をしながら返事をする。周りの目?知るか。俺には小町しか見えてねぇんだよ。
コマチ「ウム。わかればよろしい♪じゃあ、行こっか?」
ハチマン「はいよ。」
こうして俺達は横並びに歩き出した。
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ハチマン「それで?何処に行くんだ?」
コマチ「んー此処は現実みたいにデパートとかゲーセンなんてないから、昼まで狩りしよ。」
顎に指を当てて少し考える仕草をしてから提案をされる。
ハチマン「確かにそうだな。この世界はする事少ないもんな。」
コマチ「そうだね。でもコマチはお兄ちゃんと居られるならそれだけで楽しいよ。あ、いまのコマチ的にポイント高い♪」
ハチマン「最後のがなかったら最高だよ。」
コマチ「ニヒヒ♪」
悪戯っぽく笑い俺に笑いかける小町は本当に可愛くて、思わず顔を背ける。妹じゃなかったら絶対に惚れてしまってた。
コマチ「どしたの?」
ハチマン「な、なんでもない。」
コマチ「???変なお兄ちゃん。」
俺の様子がおかしいと思ったのか覗き込むコマチ。大丈夫だよな?顔赤くないか?
俺は必死に平然を保ちながらフィールドに向かった。
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コマチside
コマチ「やあぁ!」
小町は一度後ろに飛んで回避をして、飛んだ先に合った木を蹴りモンスターに飛び付く様にして全体重&脚力を使った一撃でモンスターを撃破した。
ハチマン「お疲れ。」
コマチ「ありがと。どうだった?」
お兄ちゃんは飲み物を差し出す。皆さんはこう言う所にきゅんきゅんしたのかな?小町、気になります!無理があったかな。コマチ的にポイント低い。
ハチマン「悪くないが、コマチはスロースターターだからどうしても倒すのに時間がかかりすぎるな。」
コマチ「んーやっぱりそこだよね。なんか最初はどう攻めたら良いかわかんないんだよ。」
ハチマン「まあ、だけどダガーは手数で勝負だから時間がかかるの仕方ない所はある。気にするな。」
お兄ちゃんは口調はぶっきらぼうだけど私を慰める為に小町の頭に置かれた手はまるで大切な物を愛でる様に優しく包み込む様だ。全くお兄ちゃんのせいで小町はお兄ちゃんのなでなでがないと生きていけない頭になっちゃいそうだよ。
ハチマン「そろそろいい時間じゃねぇか?」
コマチ「あ、本当だ。帰ろっか♪」
ハチマン「おう。何ならもう宿から出ないまである。」
コマチ「それはコマチ的にポイント低いよ。」
小町達は軽口を叩きながら笑顔で町に戻った。
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ハチマンside
町に戻ってきた俺達は外食で済ます。
食べ終わると小町は一度宿に帰りたいといい。宿まで戻ってきた。
コマチ「お兄ちゃんお待たせ。」
ハチマン「何してたんだ?」
コマチ「まだ秘密だよ。」
ウインクをして誤魔化す小町は天使でいいよな?異論は認めない。
コマチ「ゆっくり出来るとこ行こ♪」
小町はご機嫌な様子で鼻歌を歌いながら前を歩く。途中でお菓子を買って町の端にある草原に到着する。その草原は少し丘になっており、頂上には大きな樹が生えている。時折吹く風は気持ちよく、ここが幻想世界というのを忘れてしまう。
ハチマン「…すごいな。」
コマチ「でしょ?この前散歩してたら見つけたの。」
小町も同じ様な事を思ってるのか丘を見て微笑む。その横顔は妹でも少女でもない。一人の女性だった。
コマチ「お兄ちゃん…行こ?」
ハチマン「…ああ。」
それから俺達は樹の下で座り、お互いに無言のまま風に身を任せた。この一ヶ月デスゲームが始まってからどこか緊迫した心を癒してくれる。
ふと小町の方を向くと小町はこちらを見つめていた。
ハチマン「どうかしたのか?」
コマチ「…お兄ちゃん…必ず帰れるよね?」
ハチマン「正直、わからない。」
コマチ「そっか…。」
ハチマン「100層まで行っても出れないかもしれないからな。でも、それでも俺は必ず帰る。小町達みんな一緒にだ。誰一人として欠けさせない。絶対だ。」
コマチ「……ありがとう。お兄ちゃん。」
俺は前を向き、ハッキリと言いきる。小町はそんな俺を見て目に涙を浮かべている。
ハチマン「だから心配するな。な?」
小町の方を向き見つめ、両手で頬を包みながら親指で目もとを濡らす雫を拭う。左手を一度離してそのまま頭を撫でる。
コマチ「んっ…うん。わかった。」
小町は気持ち良さそうに目を細める。俺は自然と微笑み。小町を撫で続ける。
コマチ「ありがとう、もう大丈夫。」
ハチマン「苦しくなったり、不安になったら何時でも言えよ?」
コマチ「うん、わかった。」
ハチマン「ならいい。」
小町から手を離して俺は隣で横になる。ふかふかの草が気持ちいい。
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小町side
コマチ「お兄ちゃん。おやつにしよ。」
ハチマン「お、いいな。」
横で寝っ転がるお兄ちゃんに声をかけると上半身を起こして軽く伸びをしながら返事をする。
コマチ「はい、どうぞ♪」
ハチマン「いただきます。」
此処に来る前に買ったクッキーを差し出す。本当は作りたかったんだけど、この世界には料理にもスキル値がある。知らなかった小町のスキル値は低いから多分美味しく出来ない。悔しいけど仕方ないか。
ハチマン「お、なかなか上手いな。」
コマチ「はい、飲み物だよ。」
ハチマン「サンキュー。……っ!!??」
小町から受け取った水筒を一口飲むとお兄ちゃんはびっくりする。ふっふっふっ…♪
ハチマン「こ、この味は…マッ缶!!」
コマチ「小町はお兄ちゃんの為にマッ缶を作って来たのです。どう?小町的にポイント高いでしょ?」
ハチマン「ああ!何ならカンストして結婚まであるな!!」
コマチ「大げさ過ぎだよお兄ちゃん…。」
でも、喜んで貰って小町も嬉しいよ、お兄ちゃん♪
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ハチマン「あーマジでマッ缶最高。ごちそうさん。」
コマチ「お粗末様。」
お兄ちゃんは満足したのか再び横になりウトウトし出す。
コマチ「お兄ちゃん?こんなところで寝ちゃダメだよ?」
ハチマン「あぁ、わかっ…て……る………スー…。」
コマチ「もう、仕方ないなぁ。」
直ぐに夢の中に旅立ってしまったお兄ちゃんは気持ち良さそうに寝息をたてている。
コマチ「………。」
小町は起こさない様に近寄り、お兄ちゃんを見つめる。そっと頬を撫でる。小町の優しいお兄ちゃん。きっと辛い筈なのにそれを顔に出さずに頑張るかっこいいお兄ちゃん。
チュッ
小町はお兄ちゃんの頬に優しくキスをして、腕枕をしてもらう。この気持ちはきっと許されない。だからこれっきりで我慢しないといけない。
けど、今は、今だけは甘えよう。それくらいならいいよね?
コマチ「お兄ちゃん…おやすみなさい……。」
優しい温もりを感じながら小町は意識を手放した。
んー…難しいなぁ。
文才が欲しいです。