書き出したら止まらなくなりました。
ハチマン「……遅い。」
昨日、小町に起こされて宿に帰ると由比ヶ浜から今日の待ち合わせを場所と時間を聞いてから部屋で休んだ。そして遅刻しないように早めに待ち合わせ場所に到着した。しかし、由比ヶ浜がいつまでたっても来ないのだ。やだ、ドタキャン?トラウマ思い出して泣くよ?
ハチマン「はぁ、迎えに行くか。」
既に昼を回っており、俺は仕方なく宿に引き返した。
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ドンドン
ハチマン「おーい。ユイ。」
少し強く扉を叩くが返事がない。え?マジで泣きそうなんだけど。
とりあえず、こんなところで立ってたら捕まりかねないな。俺は声をかけながら扉を開けて中に入った。
ハチマン「ユイ?入るからな?」
中に入るとカーテンが閉まっており、床には服が散乱している。俺は服を踏まないように避けながらカーテンを開けた。
ハチマン「たくっ…カーテン位開けろよなって、なああぁぁ!??」
カーテンを開けて振り返った俺の目に飛び込んできたのはベッドに仰向けで寝ている由比ヶ浜だ。しかし、掛布団は床に落ちており、服装はTシャツと下着のみでそのTシャツは胸の辺りまで捲れていてもう少しで見えてしまいそうだ。
ハチマン「……くそっ///」
俺は八幡の八幡がおっきしかけそうなのを必死で抑えて由比ヶ浜に布団をかける。あ、危なかった…。マジで俺が理性の化物でよかった。
ハチマン「おい…ユイ起きろ。」
ユイ「んー…後、5分…。」
由比ヶ浜の肩を揺するが寝返りをして逃れようとする。
ハチマン「はぁ…。」
仕方なく俺は由比ヶ浜が起きた時の為に食い物を買いに一度出掛けた。
――――――――――
ユイside
ん?何かいい匂いがする。お腹すいたかも…。
ユイ「んんっ、んー…。」
あたしは体を起こして大きく伸びをする。あ、今はポキッていった。気持ちいい。すると直ぐ隣からあたしが大好きな声が聞こえた。
ハチマン「おう。やっと起きたか。」
ユイ「ふぇ?」
あれ?何でヒッキーが居るの?あ、そっか…まだ夢の中なのかな。なら甘えちゃえ♪
ユイ「ヒッキー♪」
ハチマン「へ?」
ギュッ
ユイ「ヒッキー…頭撫でてぇ…。」
ハチマン「ちょっ!?ゆ、ユイ?」
ユイ「ねぇ、お願い…。」
ヒッキー顔真っ赤にしてかわいいなぁ。それに温かくて気持ちいいよぉ…。
ハチマン「っ!?……ほら//」
ユイ「エヘヘ♪ヒッキーの手気持ちいいな。」
大好きな人に頭を撫でられて大好きな人の胸に顔を埋めて大好きな人の匂いをいっぱい吸い込む。凄く幸せだ。こんなの夢の中じゃなくて現実でしてもらったら幸せ過ぎて死んじゃうかもしれない。本当はキスもしたいけどそれは夢の中でもダメ。抜け駆けは良くないから。
ユイ「ヒッキー…絶対、帰ろ…う…ね……スー…スー…。」
――――――――――
ハチマンside
ハチマン「ユイ?…寝ちまったか。」
俺の胸の中で眠る由比ヶ浜は本当に安心しきっているのか微笑みを浮かべている。
ハチマン「……当たり前だろ?俺達は必ず帰るんだからな。」
由比ヶ浜をベッドに寝かせて乱れた髪を撫でて直してやりながら先程の言葉の返事をする。すると由比ヶ浜は撫でていた手を掴んでニギニギと握る。俺は仕方なくベッドに腰掛けて由比ヶ浜が起きるのを待つことにした。
――――――――――
ユイ「ヒッキー!ごめん!!」
ハチマン「いや、気にするな。」
由比ヶ浜が起きたのはあれから三時間程たってからだった。
ユイ「でも…せっかくのデートだったのに…ヒッキーを待たせて迷惑かけちゃったし…。」
ハチマン「気にするなっていったろ?ただえさえこんな世界に閉じ込められた上に由比ヶ浜は知り合いが居ない中頑張ってきたんだ。自覚は無くても疲れてたんだよ。だから気にすることはないんだ。」
ユイ「ヒッキー…ありがと♪」
俺の言葉に由比ヶ浜は満面の笑顔でお礼を言う。俺は優しく頭を撫でてしまった。
ユイ「ひ、ヒッキー?」
ハチマン「あ、わりぃ。嫌だったよな?」
ユイ「ううん。嬉しいよ?もっと、撫でて欲しい…かな// 」
由比ヶ浜は首を横に振ってモジモジしながらお願いしてくる。かわいいな。おい。
ハチマン「と、ところで今からでもどこか行くか?」
ユイ「へ?いいの?」
恥ずかしくなった俺は話題を変えと由比ヶ浜はキョトンとして聞き返してくる。
ハチマン「リミットは22時だからな。今は17時だからまだ時間はある。」
ユイ「そっか。じゃあ、買い物にでも行こ♪」
嬉しそうな由比ヶ浜を見て俺は微笑み軽く頭を叩く。
ハチマン「じゃあ、俺は下で居るから着替えてから来いよ?」
ユイ「うん♪ありがと、ヒッキー。」
俺は由比ヶ浜の頭から手を離して部屋を後にした。
――――――――――
ユイside
あれから着替えたあたしはヒッキーと合流して町に向かって歩き出した。
昨日いっぱい悩んで決めた服をヒッキーが恥ずかしそうに誉めてくれてあたしは飛び上がりそうな位嬉しかった。
ユイ「ヒッキー!これかわいくない!?」
ハチマン「ん?俺にはよくわからん。」
ユイ「もう!ヒッキーも少しはオシャレに気を使ったら?」
ハチマン「無理だな。めんどくさいし。」
げんなりとした様子のヒッキー。オシャレしたらヒッキーもっとかっこよくなると思うんだけどな。あ、でも…それで見た目だけで判断する子が寄ってきたらやだな。
ハチマン「人はそれぞれ得手不得手があるから俺はいいんだよ。」
ユイ「屁理屈だし。」
ハチマン「屁理屈なんてよく知ってたな。偉いぞ。」
ユイ「バカにすんなし!!!」
そう言って楽しそうにあたしの頭を叩くヒッキー。多分、こんなので幸せになっちゃうあたしはチョロいんだろうな。でも、幸せなんだからしかたないじゃん。
ユイ「……あ。」
ハチマン「どうした?」
ヒッキーとの楽しい会話の中あるものがあたしの目に映る。
ユイ「これ、かわいい。」
沢山ある内の一つのお店に駆け寄り、商品を手に取る。
ハチマン「ん?チョーカーか?」
ユイ「うん。凄くキレイ。」
そのチョーカーは黒を基調して、小さなハートが一つ入ったシンプルな物だった。光が当たるとハートに入ったピンクの宝石がキラリと輝く。
ハチマン「欲しいのか?」
ユイ「うん。でも、あたしの手持ちじゃあ無理だし諦める。」
値段を見ると少し足りなくてあたしは元の位置に戻す。きっとこんなにもかわいい物だから直ぐに売れちゃうだろうし仕方ない。
ハチマン「貸せ。」
ユイ「え?そ、そんな悪いよ!」
ハチマン「いいから貸せ。キリトが居たとは言えユイは一人で頑張ったんだ。それに対するご褒美があってもいいじゃねぇか。」
ユイ「ヒッキー…。」
ヒッキーは半ば強引にチョーカーを持って会計を済ましてしまう。唖然としているあたしの手のひらに先程のチョーカーが置かれヒッキーは歩き出した。あたしは慌てて後を追いかける。
ユイ「いいの?」
ハチマン「もうユイにあげたから捨てるなり誰かにあげるなり好きにしろ。」
ユイ「そ、そんなこと絶対にしないし!!」
ハチマン「お、おう。」
あたしはウィンドウを開いて早速装備する。
ユイ「どうかな?似合う?」
ハチマン「………。」
ユイ「ヒッキー?」
ハチマン「い、いや……よ…よく似合ってるぞ…。」
ヒッキーはまた真っ赤になってる。そっぽを向いてるのはきっと恥ずかしんだろうな。やっぱりかわいい。
ユイ「エヘヘ♪ありがと、ヒッキー。大事にするね?」
ハチマン「……お、おう//」
恥ずかしくて耐えれなくなったのか歩き出すヒッキーは耳はまで真っ赤で後ろから見てもわかるくらい。
あたしは嬉しくて堪らなくなりヒッキーの腕に抱き付く。
ユイ「ヒッキー。皆で絶対に帰ろうね♪」
ハチマン「…あぁ、必ずな。」
ヒッキーは笑顔で返事をしてくれた。つられる様にあたしも笑顔になり、あたし達は時間いっぱいまで買い物を続けた。
八幡がおかしくなってる(汗)
アスナ・いろはすは少し待って下さい。
読んでくださりありがとうございました♪