Fate/GrandOrder 円環支配国家アメストリス   作:零崎妖識

5 / 8
登場させる予定の魔神柱、わかりましたか?シリアスからシリアルに一気に移行する可能性大ですが。


焔の錬金術師

「……誰を出すのかね、マスター?」

「……考え中」

赤倶は考えていた。ロイ・マスタングとの決闘に、誰が一番ふさわしいのか、と。彼の二つ名『焔の錬金術師』がそのままの意味なら、彼は炎を扱うと言うこと。だが、水を扱う者がこちらにはいない。

別に、サーヴァントのみんなを信用・信頼していない訳ではない。万が一を考えて、負ける可能性を考慮して考える。

「……やっぱメドゥーサかなぁ……」

錬金術師のサーヴァントには既に会っている。ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス。第四特異点であるロンドンで、「P」と名乗り敵対したキャスター。彼のことを考えるなら、錬金術師と名乗ったマスタングはキャスターと言うことになる。

「メドゥーサ、勝てる?」

「マスターが望むのなら」

メドゥーサには負ける気がないようだ。だから、赤倶はメドゥーサに安心して思いを託すことができる。

「大佐の戦い方はわからない。でも、俺たちの戦い方を、大佐は知らない。唯一わかるのは、大佐が錬金術師で、炎を扱うと言うこと。

油断はしないでくれ。俺たちはこっちの錬金術を知らない。どんなものを使うのか、どんな風に発動するのかを知らない。可能性を、どんどん潰していけ」

「わかりました。この身に代えても、貴方に勝利を」

「いや、そこまではしなくていいから」

 

 

郊外の、開けた土地の真ん中。そこに、マスタングは立っていた。

「ーーやあ、誰が戦うのか、決まったかい?」

「ええ。メドゥーサ、頼んだよ」

釘のような剣を持つ女性ーーメドゥーサがマスタングの前に立つ。

「赤倶、酷くないかい?こんな麗しい女性に戦わせるなんて」

「私は怪物、マスターに従うサーヴァント。女であることは、今は二の次です」

マスタングの非難にメドゥーサが答える。

メドゥーサの目は、マスタングを観察していた。軍服で、両手をポケットに入れている。腰に拳銃は見えるが、それ以外に武装はない。

(主武装は、あのポケットの中でしょうね)

「ルールを確認しよう。一対一の戦闘で、何でもあり。負けを認めるか戦闘続行不可能で決着だ。いいね?」

「もちろん。始めましょうか。誰か、合図をお願いします」

エミヤが拳銃(運動会などのスタートに使うやつ)を投影する。そして、腕を真上に伸ばしーー

 

パァン!

 

先に動いたのはメドゥーサだった。

釘剣を振るい、マスタングに突進する。

「甘い」

それに対して、マスタングの動作は一瞬だった。ポケットから右手を出し、フィンガースナップをする。それだけで、メドゥーサの目の前で小規模の爆発が起きた。

「ぐっ……なるほど、それが貴方の錬金術の触媒ですか」

マスタングの右手には手袋が付けられている。手の甲の方には、炎とサラマンダーの描かれた魔法陣、否、錬成陣が刻まれていた。

「この手袋は発火布と言ってね。擦ると火花が出る。私の錬金術はそれを利用してるのさ」

「そうですか。では、こうしましょう」

一度下がったメドゥーサは、さらに加速してマスタングに突っ込み、手袋を短剣で引き裂いた。

「さて、これで錬金術は使用できないはずです。投降しますか?」

「ふふ……ははは!」

「……何が可笑しいので?」

「兵法の一つを教えてあげよう。『兵は詭道なり』!」

マスタングは、左手をポケットから出す。

「実は左手も発火布なのだよ」

爆発。前にもこれに引っかかった奴がいるのか、マスタングは勝ちを確信していたーーが、

「ーー優しく蹴散らしてあげましょう。『騎英の手綱(ベルレフォーン)』!」

煙の中から純白の天馬と、それにまたがるメドゥーサが出てくる。不意を突かれたマスタングは動けず、そのまま天馬に蹴っ飛ばされていた。

「ふぅ……見た目よりは楽しめましたね」

多少傷はあるが、メドゥーサは無事なようだ。だが、マスタングが衝撃で気絶してしまっている。

「……リリィ、お願い」

「わかりました。『修補すべき全ての疵(ペインブレイカー)』」

マスタングの傷が治っていく。ついでに右手袋も。これで、マスタングには認められたはずだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。