Fate/GrandOrder 円環支配国家アメストリス 作:零崎妖識
「いや、完全に参った。やはり英霊というのは恐ろしいな」
「何を言ってるんですか。貴方もその英霊の一人でしょうに」
マスタングが愚痴をこぼすが、赤倶はそれを皮肉で返す。
今、彼らは料理屋にいた。
「食事処が営業しているとは。これまでの特異点とは違うようだな」
「ほう。よければ聞かせてくれないかい?これまで巡ってきた特異点を」
「ええ」
マスタングに催促されて、赤倶が話し出す。
始まりの特異点ーー冬木のことを。
復讐の聖女を求めた
ローマを見守るために召喚された
偉大なる
叛逆の騎士と共闘し、
伝説の獅子王と太陽王と対面し、マシュが自らを知った特異点ーーキャメロットのことを。
そして、
エリちゃんがやらかしまくったハロウィンの特異点ーーチェイテのことを。
三蔵と巡った経典を求める旅を。
エドモン・ダンテスに諭された監獄塔ーーシャトー・ディフのことを。
サンタオルタと巡った、クリスマスのプレゼントを配る旅を。
なぜかやる羽目になった、島の開拓のことを。
平行世界の、魔法少女たちとの戦いのことを。
魔眼持ちの現代人サーヴァントと、幽霊アパートのことを。
魔人アーチャーが引き起こした、グダグダな特異点ーー本能寺のことを。
ネロによるネロのための祭典ーーネロ祭のことを。
エリちゃんによる二年目のハロウィン、と、それを巡るクレオパトラとの戦いのことを。
全て、ではないが大体のことを話した。
「なんというか……後半の方はグダグダじゃないか?」
「ですよねー」
ジャンヌオルタやエミヤ、メディアリリィ、メドゥーサ、マシュが頷く。特に、人理定礎の方で敵として立ち塞がったオルタとエミヤ、リリィは。
「さて、私も手伝いたいのだが、見ての通り、今、この国は非常に安定している。おかしいほどに。もし、本来の通りの上層部なら、納得はできるがね。
私は、君たちの敵となるであろう者たちの情報を持っている」
マスタングの言葉に、赤倶は身を乗り出す。
「まあまて。ちゃんと教えてやる。それに、味方の情報もな。
まず、私たち東方司令部だが、前線で戦えるのは私とホークアイ中尉ぐらいだ。他は本来のサーヴァントほどの力は出ない。裏方担当だ。
味方になると思われるのは、本来の世界で、私たちと共に戦った者たちだろう。この世界が『やり直しの世界』なら、きっと、彼らも存在する。
まずはセントラル。アレックス・ルイ・アームストロング少佐がいる。北方司令部はその姉、オリヴィエ・ミラ・アームストロング少将が使役しているな。それと、どこにいるかわからないが、
彼はそこまで言うと、ニヤリと笑った。