Fate/GrandOrder 円環支配国家アメストリス 作:零崎妖識
こっそりと機関車の客車の上に飛び乗り、一路ブリッグズへ向かった赤倶たち。途中で野盗や狼などに遭遇したがエミヤやジャンヌ・オルタの前に敵うはずもなく。
「案外あっさりとブリッグズ山の麓についたね」
「幸先が良いですね、先輩!」
アメストリス北部、辺境の村。赤倶は防寒具を着て、マシュはデミ・サーヴァントだからか防寒具なしで立っていた。ただしフォウ君を首に巻いているが。
「にしても……高いですね」
「うん……砦が見えないしそもそも十メートル先すら見えない」
ブリッグズ山の本日の天気は吹雪。このまま入山すれば迷子確定だろう。しかし案内役などいるわけもなく、
「このまま行くしかないよね……」
「……火なら出せるけど?」
「凍えてきたらお願いするよ、ジャンヌ」
入山し、道無き道を歩いて行く。
「──こちら監視所、侵入者のようです」
『処理しておけ』
「了解」
前は見えず後ろも見えず、ただ己の感覚のみを頼りに歩く赤倶たち。その存在に気がついたのはアーチャーであるエミヤだった。
「む……熊がいるな。こちらへ向かってくるようだが、狩ってしまっても構わんかね?」
「もちろん」
「了解した。すぐに終わらせよう」
エミヤは黒白の中華剣を手に熊へ向かって行く。が、雪上での戦いにはあまり慣れていないようで、いつもよりスピードが遅い。
熊は頭を狙って腕を振り、エミヤは姿勢を低くすることでこれを躱す。が、雪に足を取られ転んでしまう。そんな隙を熊が逃すはずもなく、足での一撃を食らわせようとするがギリギリで避けられる。
「ええい、
接近戦は分が悪いと判断したエミヤは距離を取り、弓と捻れた剣を投影する。
「
エミヤが放った螺旋の矢は突進しようとしていた熊の心臓を正確に射抜いた。熊はその場に倒れ伏し、近づいて行ったエミヤによって解体され、食料と化した。
「熊の胃は漢方薬となったはずだ。食べ過ぎた時などに摂取すると良い」
「いや、今その知識要らないからね?」
再び進み始める赤倶一行。しかし──
「──!伏せろ!」
エミヤの掛け声で赤倶をマシュが押し倒し、その真上を銃弾が通り過ぎた。
「敵襲のようです、マスター!峰打ちで済ませてきます!」
「あー、出番ないかもよ、マシュ」
「え?」
ここぞとばかりに飛び出そうとするマシュだったが、赤倶の一言で立ち止まる。見ると、すでに襲撃者たちはエミヤの射撃とメディア・リリィの魔術で倒されていた。
「……最近、影が薄いような気がします」
「この後出番あるって」
マシュが嘆いている間、エミヤたちは襲撃者から情報を聞き出そうとしていた。しかし、何も喋らない。恐れの表情は見せているが。
エミヤが怪訝そうな顔をした途端、赤倶の後ろで待機していたジャンヌ・オルタが何かを防いだ。