ちょいちょいリスペクトネタ入ってます
あと、今回からR-15と残酷な描写タグ追加してます。ご了承ください。
「――はい。こちらが身分証になります。何かあった時に、身元を照合するのにも使いますから、なくさないようにしてくださいね?」
その言葉と共に、受付嬢から先程
それを首から下げ、冒険者になったということを自覚すると……なんだか、勇気が湧いてくるようだった。
「依頼はあちらに張り出されているので、等級に見合ったものを選ぶようにしてください。では、これで登録は終わりです。今後の活躍をお祈りしています」
「はい!ありがとうございました!」
受付嬢に頭を下げつつ礼を言うと、私は示された壁にある巨大なコルクの掲示板へと向かった。
――どうして冒険者になったのか、と言われれば実に単純だ。
延々と果てなく続く、「言葉持つ者」と怪物たちの戦い。吟遊詩人が語り継いでいくその物語は、実に様々なものがあった。
竜にさらわれた姫を助ける為に世界を旅し、遂には竜の王と激闘を繰り広げた者。
《幻想》の女神に選ばれた証である四つの
時代を、場所を越えたその英雄譚に、心動かぬ者などそうはいない。
そして、私はたまたま、この胸の内に宿る情熱を形にできるくらいには、剣の腕を持っていたというだけの話だ。
子を産み母となるという行為を尊いとは思っている。しかし、けれど。小さな村の名も無き農民で終わるくらいならば、危険に踏み込んででも名を馳せたいという想いがあった。
だから私は村を出て、こうしてギルドの門をたたき冒険者となったのだ。
さて、掲示板の元にたどり着くとそこは先達である冒険者で賑わっており、掲示板に貼られた依頼書もまばらになっている。
残った依頼書に素早く目を通しながら、今の自分の等級で問題なくいけそうな
名を馳せたいのは山々だが、まだ私は冒険者の
――森の奥に現れた
――この街より一週間ほど歩いた先にある
色々吟味した上で、近場の農村で発生している
思わずもう片方の手の主へ視線を向けると、そこには長い黒髪を
目立つ武器を持っていないので
「ご、ごめんなさい!同じ新人さんみたいだから気になっちゃって……」
「……まぁ、いいけど。それで、あなたはその
「うーん、そうだなぁ……」
考えるような素振りを見せてはいるが、私に譲る気は毛頭ない。いくら数があるとはいえ、せっかく初めての
と、ここまで考えた所でなぜ私は
報酬も少ないではあるがそれはあくまで他の依頼と比べたからであって、二人で分けても心許ない訳でもない。それに、いくらある程度腕に覚えがあるとはいえ
意を決した私は、笑顔を浮かべると少女に向かって、とある提案をした。
「……せっかくだし、よかったら私と
――それが、後に『
ゴブリンスレイヤー異聞録~『蜘蛛』の始まりは女剣士と共に~
「――はぁっ!」
「Guia!?」
時折陽炎のように煌くその刃は、一体、また一体と
「Guaaaa――Gyaou!?」
十五、六体ほどの
――想像以上の
そんなことを考えつつ、合図を送る。すると、私の背中に白い糸が貼り付けられ木々の上へと引っ張り上げられる。たどり着いた先では、
「首尾はどう?」
「……少なくとも、ここいらを根城にしていた
「そっか……それなら、撤退しよう。依頼内容は果たしたことだし」
「ん」
そして、私たちは依頼者である農村へと報告を終えると、ギルドへと向かった。
戻った時に、私の冒険者登録を受け持ってくれた案内嬢が目を丸くし、更にほっとしていたかのような顔をしていたのが、すごく印象的だった。
後になって別の受付嬢に聞いてみれば、
ましてや、
酒の席で涙ながらに語ってくれたらしいが(この話を漏らした事は秘密にしてくれとも言われた)、そう考えてみると私は非常に運がよかったのだろうと思う。
その中で彼女が教えてくれた
熟練の冒険者が経験と予測から『勘』が鋭くなるという話は聞いたことがある。彼女はそれを、神からの啓示という絶対的な尺度を持って危険度を判断できる。判断材料の根拠とするには、十分すぎるほどだ。
彼女自身ははじめ
その時、作った本人である彼女が目を白黒とさせていたのが、たまらなくおかしかった。蜘蛛に
それからだろう。私と彼女が行動を共にするようになったのは。私と彼女は順調に等級を黒曜、鋼鉄、翠玉と上げていった。
その間に、
同時に、二人だけだった
少し顔が怖く、口下手で誤解されやすい大柄の戦士。
聡明な
陽気で
女子三人で飲んでいる時には、
そう――それも、このまま行けば、夢じゃなくなるはずだったのだ。
私たちは順調に冒険者として
――私の故郷が、
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「――さぁ、いよいよ
《真実》はそういってケラケラと笑います。なにせ、《真実》にとってはここまで育てた
故郷の全滅。明らかに現在の彼女たちでは倒せない魔神王配下の
さぁ、どんな結果になるのだろう?《真実》はとてもワクワクしています。
「……大丈夫かなぁ?」
一方で、《幻想》は若干不安があります。それは、以前作成したあの
実は《幻想》、
その為、《真実》が知る
……まぁ、
ならば、冒険者たちもそうしているように「事前に確認しなかったのが悪い」、そういうことにしておこう。
《幻想》はそう思うと、あえて《真実》に
さぁ、彼女たちの冒険が始まります。まずはじめは――《真実》が用意した
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「あらあら?威勢はよかったけれどその程度?だとしたら、随分と無様ね」
――それは、たったの一撃だった。
油断はなかった。準備もした。私たちの
だが、結果はどうだろう?
頼りになるはずの戦士は、私を庇って事切れた。女
なんとか戦えるのは戦士に庇われた私と、とっさに
だが、このままでは全滅は免れない。私は、そう確信した。恐らくは、
そう考えた私は、私と戦士の首から下げられていた紅玉の小板を引きちぎり、
「っ!?ちょっと、何を……」
「――
静止する
その隙に、女
「はっ!随分と美しい友情だこと!だけど残念、あなたを倒してすぐに追いかけてあげるわ!そして、あなたの目の前であの逃げたお仲間を八つ裂きにしてあげる!そうして絶望に染まった顔を眺めながら、殺してあげるわ!」
「そんなことさせない!私たちの物語は――ここで終わらせたりなんかしない!」
影による攻撃を受けながらも、私は必死に
影を必死に切り伏せる。痛みで目が霞んでくる。どれくらい時間が経ったのだろう?気がつけば、
「しぶといわねぇ……もう体もその剣もボロボロじゃない?なら、その心を折ってあげる為に――壊してあげるわ!その剣!」
そんなことを叫びながら、
それとは別に朦朧とし始めた意識の中で……私はこの
『――今までは感じなかったんだけど、今日に限ってその剣が危険だって
その言葉を思い出すのと共に、
――しとしと、雨が降ってくるのを肌で感じる。鎧も、体もボロボロだ。
だというのに、なぜだろう?
「……は、はは」
笑う。
「あは、あはははははははは」
哂う。
「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!!」
嘲笑う嗤う笑う微笑う哂う嘲笑う嗤う笑う微笑う哂う嘲笑う嗤う笑う微笑う哂う嘲笑う嗤う笑う微笑う哂う嘲笑う嗤う笑う微笑う哂う嘲笑う嗤う笑うワラウ。
――アァ、ナンテキモチガイインダロウ。
なるほど、
剣が告げている。『血をよこせ』と。『敵を斬れ』と。あぁ、まさにうってつけの
「な、なぜ……?なぜ
「五月蝿いよ」
ずんばらり。
おや、あっという間に終わってしまった。せっかく本来の姿を取り戻したこの剣の
さて、どうしようか。図らずも故郷と戦士の仇はとった。だが、この剣はまだ血に餓えている。
『やめろ』という声が聞こえてくる。だが、『斬りたい』という衝動が抑えられない。そんなことを考えていると――
『――《我は、地獄からの使者なり》』
――息を切らせながらも、何かの詠唱を唱えている
あぁ……ちょうどいい。彼女が戻ってきてくれたのなら、
『《御身が振るうは、約束されし勝利の剣。今ここに、顕現せよ――神が齎し、超戦機》!』
詠唱が終わると共に、
「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!!」
そして私は――
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――それは、まだ『私』が未熟だった頃の話だ。
あの時の私では、あぁすることでしか彼女を『止める』ことができなかった。
確かに『私』は
後悔も、未練も残っている。形見として持っている二つの紅玉の小板を見つめながら、だからこそ『私』は全てを抱えて前に進むと決めたのだ。
「先生?」
「おぉ、すまんな。さて、そろそろ目的の街か……」
今はただ、
――これは、物語の、数ある内の一つでしかない。
そして、彼女がこれからどんな冒険を歩んでいくのかは――