ポケモン×ウルトラマンガイア   作:消しゴム

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第11話 新たなる組織

青いウルトラマンが公にされ、二人のウルトラマンは人々から熱狂的な支持を集めている。しかし、その中身が人間でしかも一人が人類の破滅を目論んでいるなど人々は夢にも思わないだろう。

 

 

 

 

ヒカリはユウキを心配していた。家に帰ってきてからずっと元気が無い。声をかけても本当に聞いているのか分からないほど力の抜けた声。

 

「ユウキ、何があったのよ?」

 

今日、何回目かわからない質問。

 

「………いや、本当に何でもないんだ」

 

「何でもなかったらそんなふうにはなりませーん」

 

「…………」

 

「ユウキ、話してみればスッキリするんじゃない?私、聞き下手だけどさ」

 

ユウキの重かった口が開く。

 

「人って、地球にとってガン細胞なのかな。無くなった方が良いものなのかな?」

 

ヒカリはごく最近同じ様な事を聞く少女を思い出す。

 

「もしかして、ラティアスに乗った女の子?」

 

「え…?知ってるのか?」

 

「前、伝言を貰ったじゃない」

 

ユウキはとても驚いた顔でヒカリを見つめる。あの時、アドバイスをくれたのはハルカだったのだ。

 

「悪い人じゃなさそうなんだけどね。人類にだって良い人はいっぱいいるのになんであんなことを言うのかな?」

 

悪い人じゃなさそう、か。彼女がウルトラマンとポケモンと地球怪獣だけの世界を作ろうとしてると言ったらヒカリはどう思うんだろう?

 

そもそも僕はウルトラマンでもう人間ではないのか?僕が人々を守る理由ってなんだ?そんなことを考えてると、テレビに速報が入る。

 

『速報です。アルケミー・スターズは全国の若い優秀な人材を集め、根源的破滅招来体と戦うことを決定しました。∞エネルギーを中心とした地底貫通爆弾や星一つを破壊するR1号の開発など怪獣対策をさらに強化する方針で………』

 

「きっと、良い人が頑張ってもどうにもならないことがあるんだろうね。悪い人だって、自分のやってることにきっと悩んでる。本当に自分が正しいのか、って。…………だからウルトラマンが現れたのかな」

 

「ウルトラマンが正しい、……本当にそうなのかな?」

 

苛立ちから僕はヒカリの言葉を否定するような強い口調で言う。

 

「少なくとも、ウルトラマンは良い人だよ。私の事を助けてくれたもん。どんな理由があってもそれは変わらない」

 

ハッとした気分だった。嘘だと思いたいハルカちゃんの事を考えているうちに、いつの間にか自分の気持ちすらも嘘のように感じていた。僕はウルトラマンガイアであり人間なんだ。自分の考えや行動が正しいとか正しくないとか、そういう問題じゃない。

 

「ヒカリ、ありがとう。すっごくスッキリした」

 

僕は自然に笑顔になってたのかもしれない。

 

「そ、そう?どういたしまして」

 

少し照れくさそうなヒカリ。人って感謝を向けられるとこういう風になるのかな?

 

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アルケミー・スターズで実権を握る二人の若い天才。彼等は∞エネルギーが世界を救うと信じて疑わない。

 

「∞エネルギーの使用を反対するのはとうとうミツル君だけになりましたね。彼はコッヴ相手に通用しなかったって言うけど、あんなちんけな戦闘機を例に出されたらこっちが困りますよ」

 

「現実を見れてないのだろう。ポケモンと協力してあいつらに何が出来る?たかが改造されたコータスをガイアと倒しただけだ。リーグチャンピオンになったからって勘違いしてるようだが人類が奴等に対抗する術はこれしか方法が無い」

 

アルケミー・スターズのメンバーはの多くはミツルに対して否定的な態度を取る。理由は一つ、彼がポケモンのエネルギーを使う∞エネルギーの開発をずっと反対し続けているからだ。

 

「これから全国から優秀な人材が集まる中で、彼に賛同してしまう人も一定数いるでしょう」

 

「我々の邪魔はさせないよ。一時的に謹慎処分にしてあいつの居場所を無くしてしまうんだ。そうすれば∞エネルギー使用に頷かざるをえないはず」

 

「根源的破滅招来体を相手には甘いことなど言ってられないですしね」

 

「言ってることはわからんでもないがな。奴は優秀な研究者だしこれからも利用させてもらう」

 

 

こうして新生アルケミー・スターズ結成直前にミツルは謹慎処分を受けてしまう。

 

 

 

 

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チャンピオンロード前に一人の少年がやり場のない感情をぶつけていた。

 

 

ミツルは途方に暮れていた。自分の意見が絶対に正しいとは思わない。だが、彼らに気付いて欲しかった。どんなに凄い兵器を作り出しても相手はその兵器に対抗する怪獣を送り込むだろう。そうしたらまた自分達がもっと凄い兵器を作る。ポケモン達の命を犠牲にして。

 

この繰り返しに何の意味がある?強い兵器を作れば危険だとみなされ他の侵略者も現れるかもしれない。別のエネルギー源を探す努力もしないで根源的破滅招来体と戦えると思うことこそが間違ってるはずだと。

 

しかし、謹慎になったミツルには全て関係ない事だった。

 

「エルレイド……僕も、ガイアのように自分自身で戦えるような力があればこんな思いをせずに済むのかな?」

 

エルレイドは心配そうに主人を見つめる。すると、誰かがエアームドに乗って降りてくる。エルレイドは主人を守るように前へ出た。

 

「聞いたよ。アルケミー・スターズをクビになったんだってね」

 

なんと、ダイゴがミツルを探してわざわざチャンピオンロード前までやって来たのだ。

 

「………謹慎処分です。まあ、実質クビみたいなものなんですけど」

 

「なら、辞めてしまえばいい」

 

「そんな簡単に言わないで下さい!」

 

ミツルらしからぬ激昂した姿を見てダイゴはすぐに謝る。そして本題に入った。

 

「率直に言うよ。アルケミー・スターズを辞めて僕達と一緒に戦おう。君は僕達の組織の頭脳になってほしい」

 

ジムリーダーや名のあるポケモントレーナーを集め、根源的破滅招来体へ対抗する新たな組織。

 

「∞エネルギーを使わないと約束しますか?」

 

「もちろんだ。人とポケモンの絆で奴等と戦う。綺麗事と言われたっていい」

 

ミツルの心は完全に動いていた。秘密でアルケミー・スターズのデータベースから重要な情報をピックアップしたメモリーチップが彼の手のひらの上にある。

 

「怪獣のデータ分析が出来る機器をまた作り直します。あっちのよりももっと凄いのを作ってやりますよ」

 

「心強いよ」

 

名前はまだ無い新しい組織。スカウトはミシロタウンのとある家にも来ることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久し振りだねぇ、ホウエン。ババ様とシガナは元気かな」

 

ボーマンダの上には一人の女性。

 

「根源的破滅招来体か…。流石の私も想像出来て無かったかな」

 

彼女はそのままミシロタウンに直行する。理由は一つだけ。

 

「救世主ウルトラマンガイア。ユウキなら何か知ってると思うんだよねー」

 

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