「なんだ…これは」
流星の滝の洞窟の最奥部に佇む人影。その眼前には巨大な壁画が記されていた。
「これは若い才能のある研究者達によって発見されたものだよ」
「『アルケミー・スターズ』のことか?」
「彼らはこの壁画を発見して以来、脅威に対抗すべく持てるだけの知識をこの対策に注いでいる」
壁画には見たこともない生物達が空を覆うようにして描かれている。地上の人々やポケモン達はその生物によって蹂躙されていた。
「これは近い将来起こりうることなのか?」
「彼らが導きだした答えは 、『破滅の予言』だそうだ。その証拠にここの文字を解読してみれば確信できてしまうはずだよ」
その言葉を聞いた青年ーミクリーは言葉を失う。この予言にはホウエンの古代のポケモンの復活が破滅の前兆だと記されていたからだ。しかもここ最近起こる地震の規模や自然災害など全てが一致している。
「しかし、古代のポケモンの力を借りなければ世界は既に滅んでいた。私達の…いや、彼の勇気は無駄だったというのか?答えてくれ、ダイゴ」
ダイゴは強ばったまま顔を崩さずに、
「そうではないと信じている」
洞窟内にダイゴの声が虚しく響いた
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時々思う事がある。この世界にポケモンがいなかったら僕はどんな人生を歩んでいたんだろう?
ハルカちゃんやオダマキ博士にミツル君、ダイゴさんやジムリーダーの皆も、ポケモンがいたからこそ繋がった絆だ。世界チャンピオンなんて肩書きもポケモンがいなかったら形無しだ。
僕一人じゃ何も出来ない…。そんなネガティブな思考を巡らせていると、エントツやまが見えてきた。
「久しぶりだな、ホウエン。6年ぶりか…」
実は予定より一週間も早めに帰ってきた。理由はただ一つ、皆を驚かせたいだけ。特に母さんは部屋の掃除を予定日ギリギリまでしないタイプだ。散らかってるのが想像につく。
ハルカちゃん…僕との約束は覚えてるかな?あの時の最後に言った事……流石にあれは冗談だろうな。
でも、ハルカちゃんは『アルケミー・スターズ』の一員として僕がチャンピオンになる前から人の希望として活動していた。
「今回の勝負は僕の負けかな……」
その時だった。ルネシティ上空に向けて光の柱が昇っていく。それと同時に僕の背中にあるバックが光を放っている。
「べにいろのたまが…!」
あそこには、目覚めの祠がある。だとすればそこにいるのは当然グラードンかカイオーガなはずだ。
どうやら、ミシロタウンに帰ってる場合じゃなさそうだな。
「ラティオス、あの光に向かって進んでくれ!」
僕は急いでルネシティへ向かった。