登場
ヒカリはユウキの家に帰ろうとしている途中、103番道路でミナモシティで出会った少女を見つけた。彼女の言いたいことが分からなかったヒカリは直接聞いてみることにした。
「また会ったね。無事で良かった」
「…………………」
「この池の前で何をしていたの?」
「別に…」
なかなか質問にきりだせないヒカリ。すると、突然少女の方から話題を振ってくる。
「貴方は自分と友達は私の言う愚かな人間ではないと言っていた。ならば貴方達の存在理由は何?」
ヒカリは少女の突拍子の無い質問に答える。
「私、存在理由とかそういう難しい事はわからない。でもこの地球で生きているってことに理由はいるのかな?」
少女はヒカリの答えに少し驚く。しかし、ヒカリの答えに反論するかのように
「地球の寿命を削る人間に存在理由がいらない?そんな傲慢な種が増殖し続けたせいで地球上の人間以外の生物は迷惑を被っている」
「でも、貴方も人間でしょ?なんでそこまで人間を憎めるの?」
少女はヒカリの言葉に応えようとしなかった。これ以上話が出来ないと思ったヒカリは少女に別れを告げ帰ろうとする。その別れ際少女はヒカリに伝言を頼む。
「あなたの友達に伝えてくれるかしら?怪獣も好きで暴れ回ってるわけではないと。怪獣ゴルザが金属生命体とガイアの両方に攻撃をした理由を考えてみなさい、とね」
ヒカリは何故少女がそんなことを言うのかがわからない。ユウキにこの伝言を伝えて何になるのか?
「人間をどうして憎めるのかと貴方は言ったわよね?答えは簡単よ」
少女はヒカリの目をみつめて言う。
「私は人間ではないもの」
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僕は今日現れた青い巨人のことや逃げていったゴルザのことで頭がいっぱいだった。
海の化身アグル……やはり僕と同じように誰かが変身しているのだろうか?僕がグラードンから力を授かったようにきっとカイオーガも同じことをしているに違いない。つまりあの壁画も見ているはずだから仲間だと考えていいのかもしれない。現にアグルは僕を助けてくれた。
「ただいまー。じゃなくておじゃましまーす」
僕があれこれ考えてる内にヒカリが帰ってきた。
「ユウキ!伝言があるんだけど…」
「伝言?誰から?」
「えーと…名前、聞き忘れちゃった」
「しょうがないなぁ」
「と、とにかく伝言だよ!」
僕はヒカリの伝言に耳を傾ける。怪獣も好きで暴れ回ってるわけではない。ゴルザがアパテーとガイアに攻撃した理由を考えてみろというもの。
僕はその言葉を聞いてハッとする。そもそもゴルザは地球の生物でコッヴによって無理矢理起こされただけにすぎない。慣れない地上に現れたために目の前に写る生物を敵だと思い込んでいてもおかしくはない。
こんな単純な事に何故気づかなかったんだろう?僕はもしかしたら人里に現れてしまっただけの怪獣を倒してしまったかもしれない………。
「怪獣ともわかりあえるのかもしれない。人間とポケモンが共存して生きているように」
僕がそう言うとヒカリは優しく微笑んでくれた。
そして話題はあの青い巨人の話になる。ヒカリは住民を避難させた後、デパートの上で観戦していたらしい。
「あの青いウルトラマンかっこよかったなぁ」
どうやらヒカリは青い巨人を気に入ったようだ。
「ガイアに青いウルトラマン、根源的破滅招来体なんてあの二人ならバシーンとやっつけちゃうんだから!」
同じ地球を守る者。力を合わせれば、きっと。
「あ、このエネコドール部屋に置いていい?」
「いいよ。でもカビゴンドールはどかさないでよ」
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ガイアがアパテーと戦って5日もの時間が経った。
コッヴが襲来して以来、ジムリーダーのアスナはエントツやま付近を散策していた。理由は一つ、かけがえのないパートナーであるコータスの行方がわからなくなってしまったからだ。生息地を中心に様々な場所を探したがみつからない。
「ごめんナギ。いつも付き合わせちゃってさ」
「大丈夫。それに元気の無いアスナをこれ以上見てられないもの」
「ありがとう…。よし、今日はユウキやフウとランも来るし、絶対見つけるぞ!」
彼女は親友のナギと今日もコータスを探す。彼女のコータスの最大の特徴は片眼に三本の引っ掻き傷があることに加え、体の蒸気を出す穴の一つがハートマークであること。
そして彼女は知らなかった。かけがえのないパートナーと最悪の形で再会することになる事を。
コータスは何処へ行ってしまったんだろう?僕はフエンタウンのフレンドリィショップの前でフウとランを待っていた。
「「おーい!」」
二つの声が重なる。どうやら来たみたいだ。
「待たせちゃってごめんネ」
「ランがおめかしに時間かけちゃってさ」
久しぶりに見た二人は以前の瓜二つというほどではない。フウは若干声変わりもしているし、ランはより女の子っぽくなってる。
「今日こそ見つかるといいネ!」
「そうだね。アスナさん元気を装ってるけど本当は胸が張り裂けそうなくらい落ち込んでるはずだから」
「早くいこうよ!」
僕達はエントツやまへ向かった。しかし、その日エントツやまに一つのワームホールがあることに僕達は気づかなかった。
アスナさん達と合流した僕達はコータスを探したが結局見つからない。
アスナさんとコータスは子供の頃から一緒で片時も離れたことはないそうだ。僕も初めて出会ったジュカインとはこれからも一緒にいたいと思っている。だからこそアスナさんの気持ちがわかるし、彼女のためにもコータスを見つけてあげたい。
「「ねえ、あれって何かな」」
フウとランは何かに気がつく。なんとエントツやまの頂上にワームホールが現れていた。
「まずい!怪獣が出現するぞ!」
僕達は急いで避難する。するとワームホールから巨大な怪獣が現れた。その怪獣は亀のような甲羅を持ち、体の血管が浮き出ている。そこにマグマが流れていることがわかるくらい太く大きい血管。でも、その姿はまるで…
「……フウ、あれって」
「ラン……僕も同じことを考えてた」
そう、コータスに酷似していたのだ。
「そんなはずないっ!」
アスナさんは声を荒げた。しかし、僕達は見つけてしまった。
片眼の三本の引っ掻き傷とハートマークの穴を。
「コータスなの…!?私よ!アスナよ!」
「私の声が聞こえないの!?コータス!!」
怪獣の耳にはアスナの声は届かない。
怪獣はフエンタウンの方を見るとそこに向かって炎の渦を巻き始める。フエンタウンの建物は次々と炎に包まれてしまう。
「いけない…!フエンタウンに戻りましょう!」
「僕はあいつの注意を引く。フウとランはフエンタウンに戻る間にミツル君と通信を繋げてくれ」
「「了解!」」
「……………」
「アスナ!今はそうしてる場合じゃないのは貴方自身がわかっているでしょう!」
「………うん。行くよ。絶対コータスをたすけるんだ」
弱々しい声でアスナさんは呟くように返事をした。
フエンタウンの有り様は酷かった。燃えていない場所がないと思えるくらいの火炎地獄。親を失い泣き叫ぶ子供達。どうやら大人が子供を優先的に避難させたが助けた大人達は間に合わなかったらしい。鼻をつくような焦げた臭いやどす黒い煙がが町全体を包む。
「酷い…」
「こんなことって…」
ランはヤドラン、フウはヤドキングを繰り出しハイドロポンプで町を消火しようとするが焼け石に水だ。
ナギはポケモン達を使って住民を安全な場所に避難させる。アスナはというとただ茫然としているだけだ。コータスとアスナが大好きだった町は炎に包まれ、コータスを可愛がってくれた大人達もいなくなってしまった。黒い煙が目に染みて涙が止まらない。
「コータス……どうして……」
怪獣の雄叫びがホウエン地方に響き渡った。
オリジナル怪獣はポケモンをモチーフ、または改造ポケモンという形で出したいと思っております。