レージがサーゼクスと対峙している同時刻、ジャンヌオルタとイザイヤは天使長のミカエルと対峙していた。
戦況はーーージャンヌオルタとイザイヤの不利。樹氷の枝や
それは、空中戦。ミカエルは天使、背中に生えた純白の翼で天高く飛び上がり、そこから一方的に光の槍を降らせている。この戦場に黒歌の機械蜂による干渉は一切無いのでミカエルは自由に空を飛び回ることが出来ていた。
対するジャンヌオルタとイザイヤは人間であるから空を
種族の違いから来る圧倒的不利。光の槍の直撃こそは無いがこのままではいたずらに消耗するだけだと2人は分かっていながら現状維持を選んでいた……ミカエルを殺す、その手段を模索しながら。
「ふむ、復讐という事は私たちの関係者だったという事ですね?」
そんな中で、ミカエルは自身の有利を絶対と確信しているのか不意に口を開いた。
「
「ーーーハッ、笑わせますわねミカエル?」
そんなミカエルの提案を鼻で笑い一蹴したのはジャンヌオルタ。ミカエルの提案が愚かで可笑しくて堪らないという様子で言葉を続ける。
「そもそも、私たちを切り捨てたのは貴方でしょう?神の為にとせっせと信徒を増やして、不利益になると分かれば異端者の烙印を押してとっとと切り捨てる。その癖、その子孫が有益と知れば彼の者の祖先は信徒であったと迫って脅迫して無理やり信徒に仕立てる……これじゃあ闇金業者の方がまだまだ良心的だわ。神の為神の為と言いながら、一番神を蔑ろにしているのは貴方じゃない」
薄ら寒い笑みを浮かべながらジャンヌオルタが語るのはまぎれも無い真実。魔女として処刑されそうになった彼女にレージが初めにした事は世界を知らせる事。自分の目で見て、耳で聞いて、初めて自分の考えが持てると考えているレージは敢えてそういう教育をした。
その結果、今ミカエルに言った通りの事を知ったのだ。神の名を使って信徒を増やし、ジャンヌダルクがそうされた様に不利益になれば異端者の烙印を押して切り捨てる。その癖、その子孫が有益であれば異端者の烙印を押したという事実を無かったことにしてその関わりを持ち出して、無理矢理信徒に仕立て上げる。
これでは天使が神の名を汚していると言われても仕方が無い。
「ーーー実を言えば、僕はまだ主の教えを捨てていない」
「おぉ!!ならばそこにいる不心得者を切り捨てなさい!!我らの主に唾を吐く魔女を殺すのです!!」
イザイヤの告白に歓喜したミカエルは、ジャンヌオルタを指差しながらそう言った。その行動は言外に信徒であるならば自分に従えと言っているのと同じだった。
それをイザイヤはだが、と切り捨てる。
「だからと言って、貴方に従う通りがどこにある?僕が重んじるのは主の教えであって、天使の言葉では無い。人間を道具の様に使い、切り捨てている……主の教えを汚す
イザイヤは傲慢にも、神亡き後に天界を運営していた大天使にそう告げた。主から直接産まれながらも、その主の愛した人間を道具のごとく使っている貴様らこそが正真正銘の悪であると。
「……なら、あなたが正義を名乗るのですか?復讐などと言う愚かな行いをするあなたが?」
「いや、それはありえない。復讐などという愚かな行いを誓ったこの身は清廉潔白では無く、正義を名乗る資格は無い……だからこそ、僕はなりたいんだ。主の教えを歪み、捻じ曲げる貴様らを滅ぼすーーー悪の敵になりたいんだ」
それは、イザイヤが世界を学んで辿り着いた答え。主の教えは心の中にあり、それを都合のいい様に解釈し、捻じ曲げてそれが正解であるかの様に振舞っている屑共の存在が許せないのだ。そんな者がいるから、自分たちの様な犠牲者が出るのだとイザイヤは怒り狂い、その怒りをミカエルに向ける。
その姿を見たミカエルはーーー見て分かるほどに落胆していた。仮にも我らの主の信徒であったのならそこは咽び泣いて自分に従うべきだろうがと、
「はぁ……やはり異端者は異端者ですか。なら死になさい。地獄に堕ちて己が愚を思い知りなさい」
ミカエルの手に光が集う。その光量は今までのとは桁外れ。もしあれが放たれたのなら、学園どころか町一つが消し飛びかねない。当然ミカエルもそう考えてーーー寧ろ都合が良いとさらに光を集める。もしこの町が消し飛べば、それは不浄な悪魔に犯された土地が浄化される事に他ならないと考えながら。
「ーーー合わせなさい」
「分かってるよ」
それを見たジャンヌオルタとイザイヤは迷わずに相殺することを選択する。復讐を誓っている2人だが、無関係な人間への被害を嫌っている。だからこそ、人間界への被害を減らす為にそうすることを選んだ。
ジャンヌオルタの左腕に蒼い星辰が集い、氷結して氷の砲身を精製する。構え、狙う先にいるのはいるのはミカエル。イザイヤはその砲身に手を添えて、
「グゥゥッ……!!!」
イザイヤの
「死に果てよーーー!!!」
ミカエルから放たれるのは超圧縮された全力の光の本流。一切の悪を許さぬという独善を感じさせるその光を、
「「
そして、ここからが本領である。砕け散った破片を種として発芽、急成長して大規模な樹氷林を築き上げる。全力で攻撃した事でミカエルは硬直し、その樹氷林に捕らわれる。その時、ミカエルは楽観視していた。所詮はただの氷、砕けば容易く逃げられると。
そして樹氷林に捕らえられて、それが間違いだったことを思い知らされる。
「ガァァァァァァァァァァァァーーー!?」
拘束具と化した樹氷、そこから冷気と共に激痛がミカエルを襲った。その正体は、
それと同時に動いたのはイザイヤ。自身の星辰によって自壊しつつある身体を意思力により動かし、校庭に根を下ろした樹氷を駆け上がってミカエルの元に向かう。その際に樹氷に触れたことで凍結するはずなのだが……体内にて爆発する
言うなればこれは、
それでも、そうなった時のことを考えて選んだ手段がこれだ。だがイザイヤの手段は本末転倒だった。氷結による干渉は回避出来ているものの、ダメージを受けていないと言うわけでは無いのだ。今も凍結を無効にして活動が出来ているものの……自壊を駆使した防御法など用いていれば、いずれ破滅は訪れる。だからーーー
「ーーー捉えた」
なら、
ーーーここで、余談ではあるがイザイヤの
「(あの斬撃を耐えて拘束から逃げて光でーーー)」
陽光の如く輝き振り上げられた魔剣を睨みながら、ミカエルは次に来るであろう痛みに備える。痛みが来るとなれば、耐えられる。斬撃の痛みと
そして光輝を纏った魔剣がーーー
「アァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?!?」
ミカエルの目論見通りにイザイヤの一閃にて樹氷の拘束具が砕け散る。襲いかかるのは予想通りの斬撃の痛みと、
拘束具が無くなったことでミカエルは自由の身になるが動く事は出来ない。
「これは憎悪によって磨かれた我が魂の咆哮ーーー」
墜落するミカエルを睨むのはジャンヌオルタ。忌々しい神から与えられた、自分が魔女となった一端を担う
「ーーー
ジャンヌオルタの憎悪が炎となって具現化する。校庭を、自分が作り出した氷河の庭園を焼き払いながらミカエルに向かう。その炎はこの世全てを、自分を魔女だと糾弾した全てを憎む呪詛を孕んだ炎。一切合切余さずに燃やし尽くしてやると猛っていた。
呪詛の炎がミカエルの身体と魂をを焼き、そこに追い討ちを掛ける様に槍がミカエルに向かって群がる様に生える。ジャンヌオルタの
「ーーーーーーッ!!!!!!」
ミカエルから上がるのは声にならない絶叫。身体を
「ーーーこの場では殺さない。最後に殺される時まで、その苦痛を味わえ」
「ーーー良かったわね?貴方が大好きな主の苦痛を味わうことが出来るわよ」
そんなミカエルをまるでゴミでも見るかの様な目で見て、2人は退いた。
ミカエルの勧誘→断られた!!→ならば死ねぇ!!……可笑しい、狂信者ミカエルだと違和感が無い。
どうしよう……イザイヤのヴァルゼライド化が止まらない……その内こいつ英雄補正身に付けるんじゃなかろうか?
合体技【
ガンマレイについて、少し独自設定。離れると減衰するのはオリジナルなので深く突っ込まないでください……でも放出でも頭おかしい威力なんだよな……
ミカエル、こんがり焼かれた上に身体と魂がボロボロになる。でも生かされた。殺すの最後にしてやろう……