復讐者慟哭。幕上がるは復讐歌劇   作:鎌鼬

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泣いて立ち直って、気づかされて

 

 

「ーーーどうやら、私は弱くなっていた様だ……」

 

「朝一番から何言ってるのよ……」

 

「おう、回復一番から罵倒は辞めようぜ?あとジャンヌオルタ、体重計に乗る事をオススメする。オーフィスと一緒にドカ食いしていたみたいだから嘸かし肥えてるだろうよ」

 

「止めて!!私に体重(げんじつ)を押し付けないで!!」

 

「どうやら回復したみたいだな」

 

「呵々!!善きかな善きかな!!大将はこうでなくちゃ調子が狂うからのぅ!!」

 

 

昨日の宣戦布告プラス襲撃で色々と弱っていたがアテナに弱みをブチまけて寝て起きて回復しました。やっぱり溜め込み過ぎるのは身体と精神に良くない。でもそのせいかアテナに負担を掛けてしまったらしく、寝不足だと言ってまだ眠っている。

 

 

ジャンヌオルタはどうやら昨日帰ってからオーフィスと一緒にお菓子をドカ食いしていたらしく、全部食べられていた。朝一番から罵倒してくれたので体重(げんじつ)を見せつけることで仕返ししてほくそ笑む。クリスとアスラは特に怪我もしていなかったから普通。イザイヤは身体に殲滅光(ガンマレイ)をぶち込んだせいで全身がボロボロになっている為にアスクレピオスからドクターストップかけられてここにはいない。でもイザイヤの事だ、1日寝てたら治るだろ。

 

 

「あの……私がここにいても良いんですか?」

 

「大丈夫、白音は私の妹だし当事者なんだから」

 

 

黒歌は生き別れた妹である塔城小猫……いや白音だったか、と特に蟠りも無く出会えたからご機嫌である。白音を膝の上に乗せて超ご機嫌だ……妬ましい。

 

 

「妬ましい……!!!」

 

「あの、なんか凄い怖い顔で見られてるんですけど?」

 

「気にしなさんな。大将は生き別れた妹に殺したいと思われて実行される程には怨まれてるから仲の良いあんたらが羨ましいんだろうよ」

 

「グハッ……!!!」

 

「ちょ!?吐血しましたよ!?」

 

「あ〜ゴメンゴメン、ちぃとストレスで胃が荒れただけだから」

 

「ほら、これを飲んどけ」

 

 

アスラからの指摘で瞬間的に穴が開く寸前まで荒れた胃がクリス特製の薬によって癒される。

 

 

「妹にって……もしかしてクルール先輩のお兄さん?」

 

「マキナ・クルールが上代真輝だって言うのならその通りだ。上代零十郎、長かったらレージと呼んでくれ。怖いか?どうせ悪魔側からは色々と捻じ曲がった事を教えられてんだろ?」

 

「……いえ、怖くありません。姉様が信用している以上、極悪人だと言うわけじゃなさそうですから。レージさんの事ですが……魔王からはクルール先輩の両親を殺して研究成果を奪ったと教えられてます。どうせ嘘でしょうけど」

 

「やっぱりか……殺しときゃ良かった」

 

 

俺が父さんと母さんの研究成果を奪った?バカ言え、俺は2人が裏側に関わっていた事すら知らなかったのに研究の事なんて知るわけないのに……まぁ、事実を平然と捻じ曲げる悪魔共に何を言っても無駄か。

 

 

「それにしても、意外と冷静なのだな。見方によっては攫われたと言えない状況だぞ?それに魔王の事も崇拝していない様にも見える」

 

「正直、私は貴方達を信じてていません。でも貴方達を信じている姉様の事を信じています。あと、私はどうして姉様がはぐれになったのか知ってるんですよ?それなのに平然と裏切った上に嘘を吐いて姉様を殺そうとしてる奴の事なんて崇拝しますか。これまで何度Fack you(クソ野郎)と罵ってやりたかったことか……」

 

「おう……意外と辛辣だな……」

 

「白音……!!こんなに逞しく育って……!!」

 

「まぁ身体は黒歌の嬢ちゃんと比べたら貧相だけどな!!」

 

「カッチーン」

 

 

アスラの余計な一言で白音が隣に座るアスラ目掛けてフリッカーを放つがアスラはケラケラと笑いながら払い除けてる。アスラと小猫じゃ経験値が違い過ぎるから絶対に敵わないんだよな……まぐれで一発入るかどうかってところか。

 

 

「んじゃ、一つだけ聞きたいことがある」

 

 

俺がそう言って殺気を放つと弛緩していた空気が一気に引き締まる。悪魔に転生したとは言え黒歌と同じ種族の猫しょうであったからなのか気配には敏感らしく、フリッカーを放つ手を止めてこちらを向いた。

 

 

()()()()()?」

 

 

白音に問うのはお前は何者かという質問。もしもリアス・グレモリーの眷属である塔城小猫(あくま)だと言うのならば、彼女は監禁する。黒歌にもそのことは事前に伝えてある。彼女が悪魔として生きるというのなら、殺しはしないが自由にさせるわけにはいかない。

 

 

もしま黒歌の妹の妖怪であるというのなら、彼女には特に何も制限はかけない。俺たちの仲間である黒歌の妹なのだから、歓迎こそすれど嫌悪拒絶する訳がない。

 

 

この問いに対して彼女はーーー

 

 

「ーーー私は、白音です。黒歌姉様の妹の、白音です。悪魔になっても、それを忘れたことは1日足りともありません」

 

 

ーーー堂々と、まっすぐに見つめ返しながら答えた。目には怯えの色が見えるが気押されている様子は一切ない。自分は黒歌の妹なのだと、自信を持って言ってくれた。

 

 

「……ありがとう、そう答えてくれて。なら俺たちは黒歌の妹として君に接する事にする」

 

 

そう言って殺意をしまえば白音は安堵のため息を零した。大人気ないと思われるかもしれないが危険を出来るだけ避ける為に必要な事だ。受け入れられるならそれで良し、俺1人だけが嫌われ者になったとしてもそれもまた良し。

 

 

「……レージ、貴方また自分から嫌われる様な事をしたわね?」

 

「どういう事ですか?」

 

「さっきの質問て聞き様によっては失礼だったでしょ?白音は気にしてなかったみたいだけど他の人は機嫌を悪くしてレージの事を良く思わないかもしれない。あの子はそれを言ってるのよ」

 

 

ジャンヌオルタの指摘は正しい。だから俺は頷いた……そしたらジャンヌオルタが頭突きしてきた。ゴンッと鈍い音がして、ジャンヌオルタが頭を押さえて崩れ落ちる。俺は平気だ。痛い事は痛いが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「……大丈夫か?」

 

「〜〜ッ!!この、石頭ぁ!!なんで平気そうにしてるのよ!?」

 

「いやだって……死にかけるような怪我に比べれば大した事ないし」

 

「突っ込み辛い解答を返さないでよね!!それに!!」

 

 

そう言ってジャンヌオルタは立ち上がり、俺の胸ぐらを掴み上げた。

 

 

「1人で何でもかんでも背負ってんじゃないわよ!!自分だけで解決しようとしてるんじゃないわよ!!少しは……少しは!!頼りなさい!!貴方が嫌われ者になるって言うのなら、私だって嫌われ者になってやるわよ!!」

 

「ーーー」

 

 

ジャンヌオルタの啖呵に、俺は何も返す事が出来なかった。まっすぐに見つめる瞳に映るのは、俺に対する怒りだけ。何でもかんでも背負いこんで、1人で解決しようとして、潰れそうだと泣いている俺に怒っている。どうして頼ってくれないのかと、怒っていた。

 

 

「頼って、良かったのか……?」

 

「というより、なんで頼るって選択肢が無いの?それがおかしいのよ」

 

「クリスは?」

 

「儂はこの中で一番の歳上だぞ?頼ってくるのなら手を貸すに決まってる」

 

「アスラ?」

 

「まぁ人間にゃあ1人で出来ない事は沢山あるからなぁ。頼って頼られて、それが当たり前だろ?」

 

「黒歌?」

 

「私はこの中で一番弱いけど、それでも頼られたら全力で応えるつもりよ?まぁレージは全然頼ってくれないけどにゃ〜」

 

 

……あぁ、なんだ、そうか。

 

 

「頼って、良かったんだな……」

 

 

はぁ……気づかされるとなんか馬鹿らしくなって、それと同時に楽になって来た。乗っかってた重りが無くなった様に身体が軽くなった様な気がする。

 

 

頼って良いのはアテナだけって決めつけて、それ以外には頼ったらダメだと思い込んで、1人で何でもかんでもやろうと頑張って……でも、頼って良かったんだな……

 

 

「頼らなくてゴメン」

 

 

自分が悪かったと理解して納得した、素直に頭を下げた。

 

 

「つぅ訳で、これからはガンガン頼りにするから心の準備しておけよ……!!」

 

「おいおい、なんかやぁな予感がするぞ……!!」

 

「ジャンヌオルタぁ!!」

 

「え?何?私?私のせいなの!?」

 

「にゃはは〜……これから大変になるわ……」

 

「何でこんな空気になってるんですか?」

 

 

なんか嫌な予感がするとか言ってるけど大丈夫大丈夫。ちょっと各国との交渉とか、パイプ繋げてある勢力との交渉とか、禍の団(カオス・ブリゲード)の事とか1人でやってた事を任せるぐらいだから。

 

 

「ーーーやっほ〜!!みんな大好きゼウスさんだよ〜!!」

 

「このタイミングで下半身(ゼウス)だとぉ!?」

 

「黒猫!!早く妹を隠しなさい!!」

 

「俺が時間を稼ぐから早くしろやぁ!!」

 

「白音!!早く隠れて!!」

 

「一体何なんですか!?」

 

 

空気の読まない下半身(ゼウス)の登場にみんなが慌てる中、黒歌が白音を隠そうとして……下半身(ゼウス)の視線が白音に向けられた。

 

 

「おぉ……おぉ……おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

白音を見て歓声を上げながら下半身(ゼウス)はアスラの乱撃をすり抜けて白音の前に移動し、膝を着いて何処からかバラを一輪取り出して白音に捧げていた。

 

 

「しとどに濡れる青く可憐な一輪の薔薇――おお、それは貴方のこと。瑞々しい未熟な果実よ、その白桃が如き美の極限で今日も私を狂わせるのか。幼き魔性の艶つやを前にこの身はもはや愛の奴隷。ゆえにどうかそのおみ足で、憐あわれな奴隷に甘美な罰をお与えください……ふみふみ、と」

 

「え……?」

 

 

遅かったかと落ち込む暇は無い。こいつは下半身(ゼウス)なのだ。ヘラという女神と浮気しないと言う条件で結婚しておきながら多くの女性に手を出したギリシャ神話の主神下半身(ゼウス)なのだ。分かりきっているが、一応確認しておこう。

 

 

「あ〜下半身(ゼウス)?一応聞いとくけど、罰って?」

 

「具体的に言えば〜男の大切なところを痛気持ちいい加減で踏んでもらってほしいかな〜ってーーー端的に言って、超勃起しまぁす!!」

 

「ハイ、アウトォォォォォォ!!!」

 

 

下半身(ゼウス)の大切なところを痛気持ちいい加減から気持ちいいを引いた具合になる様に蹴り上げて、みんなで囲んでリンチする。

 

 

「この恥晒しがッ!!そんなんだからハーデスがお前とポセイドンの事を恥部と言ってんだぞ!!」

 

「デュ・ヘイン!!デュ・ヘイン!!デュ・ヘイン!!」

 

「テメェの股間だけを徹底的に破壊してやろうじゃねぇか!!」

 

「磁力でもぎ取るぞ!!黒歌!!ヘラを呼んでこい!!」

 

「白音、こっちに来て……みんながボコってる間に逃げるわよ」

 

「え……え……え……?」

 

「ーーーあなたに恋をした花よぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

 





白音の下り。黒歌の主人殺しの理由とはぐれになった経緯を知っているので魔王に対する忠誠心はゼロどころかマイナス行ってました。それでもリアス眷属に収まってたのは黒歌を探す力をつける為とリアス個人は嫌いでは無かったからです。

レージの精神安定回。わりと1人で何でもかんでもやろうとしてしまうレージにジャンヌオルタが切れた瞬間でした。こうやって精神安定させとかないと、いつか折れるからね……まぁ安定させたとこらで折れる時は折れるんだけどな!!

悲報、下半身(ゼウス)はやっぱり下半身(ゼウス)だった。水星キャラが言うと思った?残念!!下半身(ゼウス)の台詞でした!!

……うちの水星キャラのクリスティアンは嫁さん一筋なので変態では無いです。変態では、無いです!!

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