感想の妹ちゃんの未来予想が多くて私は嬉しいです。
さぁて、おいちゃん頑張るゾォ!!
「すまなかったなオルクス、相手を頼んでしまって」
『いえいえ、私も久し振りに根性とある若者とやれて楽しかったので』
オルクスとの訓練を重傷のまま10時間ぶっ通しで行ったレージは限界が来たのか倒れて眠っていた。手足の骨は砕けて、全身には切り傷と打撲をこさえて、それでも前を向いて倒れる辺りをオルクスは評価しているのだろう。
そんなレージはオルクスの背中で気絶している。初めはアテナが運ぼうとしていたのだが、それをオルクスが自分がすると言った。レージの血でアテナの服が汚れることを理由にして。アテナはそんな事は気にしないと言ったのだが、オルクスからその事を理由にハーデスにネチネチとボヤかれると疲れた顔で言ったら納得するしかないだろう。
『それにしても重いですね』
「レージがか?妾が運んだ時はそんなことは無かったが……」
『それはアテナ様が人を運んだことが無いからでは?私には娘が居ましてね……あぁ、ベンニーアと言ってとても可愛い娘なのですよ。写真がありますが……見ます?』
「遠慮しておく」
そうですか……と残念そうに呟きながらオルクスは胸元に差し込んでいた手を戻した。ハーデスからオルクスが拗らせている事を予め聞いていなければ、アテナはオルクスのベンニーア可愛いよ講座を聞かされ続ける事になっていただろう。
『レージは重いですね、大きさは普通の子供と変わらないのにそうですね……大体大人4、5人位の重たさです』
「……それは大丈夫なのか?」
「…大体ミオスタチン関連筋肉肥大、とか父さんは言ってたな」
そこでレージが目覚めてアテナの疑問に答えた。意識は戻ってハッキリしているが、身体は動かないらしく、オルクスの背中きら動く気配を見せない。
『ミオ……なんですか?』
「ミオスタチン関連筋肉肥大。ミオスタチンって成分のお陰で筋肉の成長が抑えられてるんだけど、それだとミオスタチンが少ないから筋肉の成長が抑えきれないんだよ。だから常人よりも筋肉は成長する。普通なら全身筋肉ダルマに成るんだけど、父さんが言うには俺は成長した筋肉が超密度で圧縮されてるから見た目は普通の子供と変わらないってさ」
ミオスタチン関連筋肉肥大とは、要するに筋肉が成長し過ぎる体質である。その上レージはその筋肉が超密度で圧縮されているので見た目は子供なのに大人4、5人分の体重なのだ。
「それより、考えてた事がある」
「ほぅ?」
「
無理だというのは復讐の事だろう。普通なら復讐を諦めるのでは無いかと思うのだがその前に言っていた1人ではという言葉がそれを否定する。
「1人だとどう足掻いても限界が来る。幾ら個で優れても群で来られればいつか負ける」
「なら、どうする?」
「決まってるだろ?俺たちも群れるんだよ。個で立ち向かえないのなら群れて立ち向かうだけだ」
個での戦いはいつか限界が来る。初めはどうにかなるかもしれないが、その内疲弊して、群に飲み込まれるのがオチだ。
だからこそ、群れる。
「世界を探せば俺と同じような境遇の奴がいて、俺と同じに怒りを持ってる奴がいる。そいつらと一緒に戦う」
「レージの復讐では無かったのか?」
「背に腹は変えられない……早いもん勝ちで妥協する」
そういうレージの顔は心底悔しそうだった。復讐の妥協など本来ならしたく無かっただろうが、そうしなければ復讐を果たせない。だから、その悔しさを飲み込むしか無い。
「強くなる、仲間を集める……それに力を使いこなせるようにする」
「やる事は沢山あるな」
「だけどやらなくちゃいけない事だ……絶対に滅してやるぞ、悪魔共」
オルクスの背中で、静かに燃える赫怒と共にレージは悪魔の滅殺を誓う。
あるところに、1人の少女がいた。少女は双子で、とあ聖人の子孫だった。少女の姉は聖人の魂を引き継いで生まれ、聖剣を創る
対する少女は聖人の記憶を受け継いで生まれてきた。その記憶はーーー聖人が死に間際に抱いた怨嗟の記憶。
救いの為に旗を掲げて戦った聖人は、その果てに国に裏切られて魔女として処刑された。命を賭して戦った祖国からは見捨てられ、文字も読めぬのに騙されて署名させられ、魔女であるなら純潔であるはずがないと嬲られ……聖人であるとはいえ1人の小娘が世界を恨むには十分すぎた。
トドメは、
拷問にかけられて疲弊している彼女の元に天使が現れた。彼女は死にたくないと助けを求めた。それが人としては当たり前の行動だろう。彼女は声を聞き、それに従って戦ったのだ。なら、それに報いる物があって然るべき。
だが、天使はーーー
『よく戦ってくれました。貴女の役目はこれで終わりです』
ーーーそう言って、彼女を見捨てて去っていった。そして聖人であった少女は怨嗟の声をあげながら処刑される事になる。
その聖人の名はーーージャンヌダルク。
少女はその事を周囲に訴えたが周囲は、あのジャンヌダルクがそんな事をするはずがないと少女を罵倒する。さらに少女が宿していた
それは少女自身が世界を恨むには十分過ぎた。少女とジャンヌダルクの怨嗟の声が混じり合い一つになり、天使を、自分を魔女と蔑む教会の人間を恨み憎悪する。
そうして少女は魔女として処刑されるーーー
あるところに、1人の少女がいた。少女には妹がいて、親の庇護が無い彼女は妹を守ろうと必死になって生きていた。そんな中で、1人の悪魔が少女に取引を持ちかける。少女は妖怪の中でも数少ない種族で、その希少価値に目を付けられたのだ。
少女は妹を守る為に、妹を悪魔に転生させないことと衣食住の充実を条件に悪魔に転生を果たす。
少女は悪魔に転生し、メキメキと実力をつけた。そして仙人の術である仙術を身に付けた。その熟練速度は早く、天賦の才を感じさせるものだった。それを見た悪魔は考えた。もしかしたら妹も同じ様に仙術の才能があるかもしれないと。
それを聞いた少女は反対した。最初に取り交わした条件に違反すると。悪魔はそんな事知った事かと強引に妹を悪魔に転生させようとしてーーー少女に殺された。
主を殺した少女ははぐれ悪魔として追われる事になる。悪魔社会ではたとえ主に非があろうと眷属が悪であると断じられるのだ。人間で言うところの貴族社会と同じだ。
少女は妹を連れて逃げた。追っ手を倒し、泥水を啜り、見つけた僅かな食べ物を妹に与える。
そんな日も、いずれ限界が訪れる。気力も体力も限界になった少女の元に、1人の悪魔が現れた。それは魔王と呼ばれる悪魔社会のトップ。その魔王が言うのだ。少女のはぐれ認定を取り消そうと。それには少し時間がかかり、その間妹を預かろうと。
万全の状態なら嘘くさいと切り捨てられていただろうが少女は逃走の日々で心体ともに限界を迎えていた。なので、その誘いに乗ってしまった。魔王に連れられる寂しそうな妹に、必ず迎えに行くから待っていてくれと約束をして。
少女は希望を抱いた。また妹と一緒に暮らせる日が来るのだと、もう逃げなくて良いのだと……そしてその希望は容易く打ち砕かれる。
魔王に呼ばれて行った場所にはーーーはぐれである少女を討伐する為に集められた悪魔たちがいた。それを見て少女は瞬時に判断する、
再び始まる逃走の日々。辛くもその場からは逃げられたが逃げても逃げてもやってくる追って。更には教会の悪魔祓いたちもそこに追加される。
そしてその日々の中で潜伏中に、とある噂を耳にした……妖怪が魔王の妹の眷属になったと。その妖怪ははぐれ認定されている悪魔の妹だと。
それを聞いて少女は理解した。魔王があの日、自分の前に現れたのは魔王の妹の眷属にする為に妹を狙っていた。妹を眷属に出来た時点で自分は用済みになり、はぐれとして討とうとしているのだと。
そう理解した少女は怒り狂う。騙された自分に、自分を騙した魔王に。
だが、怒ったところで現状は変わらない。それどころか追い詰められていた。心身ともに限界を迎え、追っ手の悪魔から逃げられなくなった。
そうして少女は殺されるーーー
あるところに、1人の少年がいた。暗い暗い森の中を、少年は口や目から血を流しながら裸足で走っていた。
彼は教会の庇護下にある孤児院の出身で、いつか自分も教会に属するのだと孤児院の仲間たちと語り合っていた。そんな時に、教会からある計画に誘われる。その計画は【聖剣計画】、限られた者しか扱えない聖剣を誰もが使える様にするための計画だと伝えられた。
少年と孤児院の仲間たちは助けになるのならとそれを承諾しーーー地獄を見た。そこで行われていたのは人を人として見ず、物として扱う実験だった。怪しげな薬を投薬され、よくわからない機械に繋がれ……始まりは50人も集められた子供たちは気が付けば10人以下になっていた。
そして最終的に、少年たちは用済みだと殺処分される事になった。閉じ込められていた部屋に毒ガスが流し込まれ、血反吐を吐きながら生きたいと、死にたくないと叫んで死んでいく仲間たちを少年は見てしまった。
少年はそれを見ながら死にたくないと部屋の壁を爪で引っ掻いた。爪が剥がれても引っ掻き続けて……老朽化していたのか、そこの壁が崩れた。
そうして少年は地獄から生還した。逃げ出したというのに追っ手はない。それはする必要が無いからだろう……逃げることが出来た少年だが、その身体は毒ガスで蝕まれている。適切な処置をしなければ後数時間後で死に至る。
そんな少年の中にあるのは死への恐怖では無く憎悪だった。聖剣計画などというふざけた計画を考えた者たちへの、そんな計画を認めた教会への憎悪。今でも脳裏には死に行く仲間たちの悲痛な姿が焼き付いている。
だが、いくら憎悪を燃やしたところで少年の運命は決まっている。
教会への憎悪を燃やしながら、少年は毒ガスによって命を落とすーーー
あるところに、1人の男がいた。男には家族が居て、幸せな日々を送っていた。男は裏側の事情を知っていて、その中でも
家族と過ごし、知的好奇心を満たす為に
それはそれは幸せな日々だったーーーあの日までは。
ある日、男が仕事から帰ると……そこには事切れた息子と妻、そして妻の遺体を辱めている堕天使がいた。唖然とする男、その足に光の槍が突き刺さる。
立てなくなり痛みから地面を転げ回る男に堕天使が愉しそうに顔を歪めながら自慢気に説明を始めた。
曰く、堕天使の目的は男の
曰く、息子には強力な
曰く、妻が綺麗だったから犯して殺して、また犯していたと。
怒りに叫ぶ男だが、堕天使は煩そうに顔を歪めると光の槍を男の腹に突き立てて、家に火を放って去って行った。
腹から流れる血溜まりに沈みながら、男の目に映るのは凌辱された妻と恐怖に顔を歪めている息子の遺体。
堕天使に対する怒りを露わにしながら、男は火に包まれたーーー
あるところに、1人の少年がいた。少年の母は人間で、父親は堕天使。だが、2人からの愛を一身に受けて成長した。父親は堕天使の組織の中でも重要な役職に就いているらしく家に居ない日々が多い。しかし少年はそれを寂しいと思いながらも帰ってくる度に沢山遊んでくれる父親が好きだった。
人間と堕天使のハーフでありながら、人間として生きていた少年。それに対する不満は無いし、少年も人間として生きていくつもりだった。
あの日、までは。
あの日、少年の家に1人の堕天使が現れた。父親の部下を名乗る堕天使は家に上がりーーー少年の母親に光の槍を突き立てた。少年はそれを見て唖然とし、堕天使に飛び掛った。だが少年は堕天使に殴られ、脳震盪を起こして動けなくなる。
そんな少年を堕天使はそれ以上手を出そうとせずに、ひたすら少年の母親に光の槍を突き立てた。急所を、重要な血管を外してただひたすらに苦痛を与える為だけに刺し続ける。痛みに母親が発狂しそうになれば少年を殺すと脅して無理矢理に正気に戻して、また突き立て続ける。
それを少年は歪む視界で見続けた。そして事切れる少年の母親、堕天使は少年の髪を掴んで顔を上げさせると憎悪の籠った声で告げた。
恨むならアザゼルを、父親を恨め。俺の妻が殺されたのに報復を許さなかった、アザゼルを恨め。
そう言い残して堕天使は去って行った。残されたのは少年と悲惨な状態で死んでいる母親。意識を失いたいけど失えず、少年は父親が来るまで母親の遺体を見続けた。
そうして父親が帰ってきて母親の遺体を見て嘆き、少年が生きている事を喜んだ。
すぐに少年は父親が所属している組織に連れられて治療を受ける。そしてそこであった出来事を話した。堕天使に、母親は殺されたのだと。
そしてーーーその堕天使が父親の隣に立ち、母親を殺した堕天使は自分が処理したと告げた。
ふざけるなと、お前が殺したんだと叫んだ。だが周りの堕天使たちは彼がそんな事をするはずが無いとその堕天使を庇い立てる。唯一父親だけが少年の言葉に悩んでいて、真偽を確かめようとしていた。だがその堕天使の部下らしき者らが記憶操作の術式について話しているのを耳にして、少年は組織から逃げ出した。
少年は父親を恨んでいない。父親の事は大好きだし、重要な役職にいるから軽々しく判断出来ないと愚痴っていたのを聞いた事があるから。
だが、あの堕天使は別だ。殺す、絶対に殺す。母親が味わった以上の苦痛を味あわせて殺す。
そうして少年は行方をくらませたーーー
そんな彼らに、復讐者は接触する。別に狙っていた訳ではなく偶然、彼らの持つ怒りと殺意と憎悪に導かれて出会う事になる。
その怒りを晴らしたくは無いか?愛する者を奪われた報復をしたくは無いかと?その憎悪を相手にぶつけたくは無いかと。
彼らの答えは肯定だった。それ以外の答えなど無いし、それ以外を答えるつもりも無い。
そうして彼らは復讐者の手を取り、同胞となり力をつける。
復讐の日を迎えるその日まで、怒りと殺意と憎悪を燃やし続けるのだ。
レージ、まさかのミオスタチン関連筋肉肥大。要するに筋肉が育ちすぎる体質。普通なら筋肉ダルマになるがレージは育つ筋肉がすべて超圧縮されているので見た目は普通の子供のまま。嘘喰いの箕輪勢一と同じ体質。作者はあのキャラ好きだった。
「先祖が魔女認定されて処刑された挙句、私も魔女認定されて殺されそうになったので復讐します。対象は教会と天使です」
「契約を破った悪魔を殺して逃げていたら魔王に騙されて妹を悪魔に転生させられたので復讐します。対象は魔王です」
「聖剣計画で仲間たちを殺されたので復讐します。対象は聖剣計画の立案者と実行者、それと教会です」
「妻と息子を堕天使に殺されたので復讐します。対象は堕天使すべてです」
「お袋をとある堕天使に殺されたので復讐します。対象はとある堕天使です」
これがスカウトした仲間たちだ!!オリキャラ3人に原作キャラ2人……誰だか分かるかな?