勇者だった俺は半魔神として女神に復讐をする   作:東雲クロト

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第十三話 怨みとナニか

 

俺は今落ちている、アイツらに受けた傷は回復魔法でほとんど癒えている後は肋骨と気管の火傷のみ

 

だが、助かるわけがない時間的にして約2分ほど落ちている…それほとまでに深い

 

「……じね……」

 

俺は落ちている時間を使いどうしてこうなったのか考えた……そして一つの結論に至った最初から最後まで女神の我儘だ、という事に

 

(全部……全部あのクソ女神じゃねぇか!勝手な都合で呼び出しておきながら!さんざん罵った挙句俺から力を奪いやがって)

 

気管が焼けてこれが出せず思うことしか出来ないがその思考は確実に呪の力を帯びていった

 

(なぜ俺が、こんな目にただ普通に生きていたかっただけなのに、そんな願いすら奪うのか!全部アイツのせいだ!必ず殺す……例え生まれ変わってでも、どんな手を使っても殺す!殺す殺す殺す)

 

ドボン、と音がし俺の体は水の中に落ちた

いきなりのことでよくわからなかったが助かったと思うより先に、これで殺すことができるかもしれないと言う負の感情が心の奥底から侵食して言った

 

「が、はっ」

 

水から出た俺はポーチの中を漁り瓶を2つ取り出した

 

(上級の回復ポーション……どれほど聞くかわからないが試してみるしかない)

 

「ッ……!!!ァ!!!」

 

焼けた喉を通るポーション、息をするだけでも激痛が走るほどの火傷

 

「あ、がぁ…………いぎ……」

 

叫べば更に痛みが増す、歯を食いしばり声を押し殺す……痛みに耐えながら二本目を口に運ぶ

 

(いま、飲まなきゃ……ポーションを、早く)

 

ポーションは重ねて服用する事によって更に効果が上がる、上級ポーションであれば喉の火傷程度なら治る……と期待を込めて飲み飲む

 

「ひっ、ぎぃ……ぉご」

 

二本目を飲み干した後すぐに効果が現れた体の痛みは若干消えた、喉は完治とは言えないが安心して呼吸ができるほどまでに治った

 

「だ、ずかっだ」

 

治ったと言っても折れていた肋骨が水に落ちた衝撃で脇腹を貫通している幸い心臓には刺さっていはいないが胃にも刺さったかもしれない

 

「なんでおでが……ごんなめに……ぶさげるな」

 

「なんで、な、でだよ……なんで、おぇがごんな目に……」

 

涙を流し顔を憎しみに歪め、傷つき重傷な身体を引きずり……地面を這いずりながら頭に浮かんだ事を言葉にしていった

 

「おでは、だだっ……だだじあわぜにいぎでい生きだいだけなおにっ!」

 

「へがみ。えぶぁんぐぢぃん……おばえのぜえで、おばえが…………ごろじでやる!ごろず!だどえごこでぢんでも、おばえをごろずだべによびがえっでやりゅ」

 

声帯が完全に治っておらず呂律が回らない状態で女神に対する怨みを口にする

 

「ゆーじゃもゆーじゃだ!ありもじないごどばにたばざれで……がくじょうもないのに……ぞそのがじゃれで、ぢからがありゅっでだげてぢやぼやざれでぢょうしにのっで!おでをみぐたじやかって」

 

「どもらじだろ、おぼっでらのにがわらずにじゅっどどもらじたろおぼっていらのはおでだげなのか…………ふじゃけふな、なじてなしでおげだげがごんなべに!」

 

 

俺はその後2日ほど怨みの言葉を言い続けていた、だが声が掠れてきたので大量に出た血で文字を書いた「死ね」「引きちぎる」「呪い殺す」などを壁一面に書いて行った

 

喉の痛みが多少消え声が出せるようになったらまた怨みの言葉を言い続けながら文字を書いて行った、壁だけでなく地面にも真っ赤な文字が広がっている

 

「ごろす、いぎらままばらわだをぢぎっりぇやる!」

 

 

『強い怨みだな…呪いと言ってもいい類に変わりつつある』

 

「だげだ!おべぇば」

 

黒紫の霧のようなノイズの様なナニかが、そこに居た……暗闇に同化するように深く声がしなければただの闇だと思ってしまうほど黒い

 

『憎いか?お前を裏切った友が……そそのかした女神が』

 

「へがみがにぐいだりょ!あらりまべだ!」

 

『ックククク、これはこれはいい素体だ……心の底まで怨みに染まってやがる』

 

「はにをいっふぇるんば!」

 

『お前はここで死にたいか?』

 

「じにだいばけねぇふぁろ!」

 

『声が聞づらいな』

 

「なじをじゅるやべほ」

 

『声帯を治してやっただけだ』

 

「そんなことできるわけ!……え?あれ」

 

『さて、これでまともに話が出来るな』

 

『お前は、女神を殺したいか?裏切り自分の言葉より女神を信じた友を殺したいか?』

 

「殺したいに決まってる!」

 

『ついさっきまで、モンスターを殺して罪悪感を持っていた奴がここまで染まるとは……しかも、面白い魂をしているな』

 

「おい!俺の話を聞け!」

 

『あぁ、悪い悪い考え事をしていた』

 

「……さっきから思っていたがお前は悪魔、であっているか?」

 

『なんだいきなり?なぜそんなことを聞く』

 

「悪魔は命を対価として働くという……俺の魂を使って女神を殺してくれ!」

 

『俺が悪魔だと?面白い…………だがその契約は無理だ、ただの悪魔は女神には勝てない』

 

「それでもいい!ほんの少しでも可能性があるのならほんの少しの傷でも弱い呪いでも構わない!」

 

『まてまて、早まるな俺の言葉をちゃんと聞けよ……ただの悪魔なら勝てないと言っただろ?』

 

「まさかお前は、上位悪魔!?」

 

『あんな雑魚と一緒にするな』

 

「どういうことだ?」

 

『俺は魔を司る神……天魔神』

 

「てん、まし……ん?」

 

『俺は7000年前に神狩りの恩恵というものを持った人間に殺された……そして思念体だけでここまで生きて来たが…そろそろ限界に近い……』

 

「なんで、そんな話を俺にする」

 

『察しが悪いな……簡単に言おう、お前……俺と融合して一つになる気は無いか?』

 

「融合?つまり俺とお前が混じるってことか?」

 

『まぁ、そんなもんだ…俺は身体を手に入れ存在することが出来る、お前は生き残って俺の力を手に入れ上手く行けば女神すら殺せる』

 

「んなもん、やるに決まってんだろ!あの女神を殺せる?そんな機会があるんなら乗るに決まってるだろ!」

 

『クハハハハ、躊躇なしか……まぁ死ななければだがな』

 

「死ななければ?」

 

『俺の力に肉体が耐えられれば良いけどな』

 

「耐えてやるよ!やれよ天魔神!」

 

『いいぜ、お前の精神が砕け体だけが残ったのなら全てを貰うからな』

 

「ッッッぎぃガガガあああああああああああぃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

「おっヴぁぁぁぁぁがああああああああああああああああ」

 

『お前と俺は半分融合した、後はお前が耐えれば良いだけだ……それにしてもこの記憶面白い』

 

「お、うげぇぇぇぇぇにゅがなながなぎがごがが」

 

『耐えてみろ……そして……俺を裏切った神に死を……』

 

「ゔあああああああああああああぃっいいあがぁぁぁぉぁぁぁぁ」

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