そこは、異様な空気に包まれていた
鎧を着た何十人もしかしたら何百人というほどの騎士、黒いローブを着て長い杖や三十センチ程の杖を持った魔法使い風の男女
俺にでもわかる程の威圧感、もしかしたらこの感覚が魔力というものなのかもしれない特に王と思われる男の後ろにいる1人の女、俺はその女と目が合った瞬間に目を奪われた、それほどまでに濃い濃密な魔力…………平衡感覚が狂いそうになるのを必死に抑え俺はクラスメイトのいる所に向かった
「レン!」
「け、建」
「安心したぞ、お前の言っていたとおりにならなくて」
「あ、あぁそれは俺も安心した」
「どうしたんだ?すごい汗だぞもしかしてまだ体調が悪いのか?」
「大丈夫だ、あんまり気にしないでくれ」
「そうか?体調が悪くなったら言ってくれよ?」
「気にするなって」
実はというとなぜ自分が今もこうしてたっていられるのかが不思議なくらいの威圧を受けているあの騎士風の女とはまた違った威圧を…………
「レンくん!」
「綾香……か?」
「よかった、無事でメイドの人に聞いたら倒れたって言っていたから心配で……しん、ぱいで…………」
「ご、ごめんな綾香心配かけたな」
「勇者様が全員集まったことにより!これより国王様より話があります、それでは国王様」
「うむ、我がカルナレア王国代125代目国王ラディウス・フォン・マラクリアス・ガリアウルス・カルナレアという、我らの魔法により召喚させてもらった、経緯はフォルトゥお主に話してもらいたい」
国王はそこまで言って話を止め、俺達のすぐ近くに居たシスターのような人に目配せをした
「勇者様今この国、いえ国だけではありませんアルマス大陸全てが危機に貧しています原因は新たな魔王がモンスターを刺激し私達人族の村や街に送り込んでいるのです、私達は必死に抵抗しましたがそれでも被害は収まらず遥か昔からある一つだけ……たった一つだけの方法にすがるしかなかったのです」
「そう、お気づきの方がいるかもしれないがその一つの方法とは………」
「勇者召喚である!」
よくある典型的なパターンだ、よくあるとか典型的とかこの世界の人にとっては恐ろしい恐怖なのだろうが異世界物のライトノベル等がある以上ここまでの流れは簡単に予想できた
「さて、勇者よなにか質問があれば言ってくれこちらが分かる質問なら知っていることをすべて話そう」
「勇者とは一体なんのことです?召喚とやらをして俺達を呼び出して何をするのですか?」
ここで質問をしたのは建だ、どういう事か分からないふりをしながら王に問いかける、建お前ニヤけてるぞ?
「悔しいがワシらの力では魔族を倒すには聖騎士が100人居ても倒せるかわからないほど力の差は開いている、古の文献によると勇者1人で聖騎士100人、もしくはそれ以上の力があると記述されていた半信半疑だったがこれほどの魔力の質があるのなら四年かけ、魔族との戦いで死んでいった我が民の者達も安心できるであろう」
俺達を呼ぶために四年をかけその間に一体何人もの人間が魔族とのたたかいで死んだのだろう、魔人との戦いだけでなく魔人が仕向けたという魔物の被害人数を数えたら、予想であるが2000は軽く超えるだろう
俺はふと頭をよぎった可能性を聞いてみる
「では、もう一つの質問です俺達を召喚するために何人犠牲にしたのですか?」
「どういう意味だ?」
王が問いかける
「王様の話を聞く限り、魔人は強すぎるこの国の精鋭を出しても勝てるかは分からないそこで強大な力がある俺達、つまり勇者を召喚したのですこの解釈で間違いないですね」
「うむ、その考えで間違いではない」
「レンが聞いているのは、おそらく勇者召喚のリスクです代償と言っても間違いはないはずです」
「………………勇者召喚の代償は50人の魔力、聖女の生命…………そして、王族の血」
「そうですか」
多分俺と建は同じ思考だと思う、俺達のライトノベル知識がこの世界でも適応すれば王の回答は、こうなるはずだ……そして
その1、ライトノベル知識が当てはまるのなら魔力は命と変わらない
その2、聖女の命 簡単に言うと生贄
その3、自分の身内を触媒にした(多分死んではいないだろう)
この三つの可能性が王の言葉の中にあった
そこまでして勇者を……自分の家族を、民を人間の命を約52人かけてまで俺達を召喚したこの大陸はそこまで追い詰められているのだろう
聖女の生命と王族の血と言った時の王の顔、あんな悲痛な顔をされたら言えることも言えなくなる1目見た感じ気高い感じだった王が代償の話をした途端に覇気が感じられなかった
第一にその3王族の血……もしも国王がこの3に自分の血を使っていたのなら俺達の前にはいないはずだ
だが、一つだけ言わせてほしいそこまでしても役にたたない無能が、ここに居る……と俺はそう伝えなければならない