こうして千歌達9人は地球防衛軍に所属することになった。
ジェム「…9人か…中々多いな。お前ら部屋のことは何か聞いてるのか?」
曜「千歌ちゃんがジェム君と相部屋だそうでーす!」
千歌「やっぱ私なのー!?」
ジェム「4人部屋とは言え、5人が寝れるスペースが無いわけではない。お前も皆と一緒の方がいいだろ?そっちにしろ」
千歌「えぇー!!そう言われるとなぁ…ジェム君と同じ部屋にする!」
ジェム「俺の部屋だって元はと言えば1人部屋なんだ…そんなに広くはない。皆と一緒の方が今後楽だと思うぞ」
千歌「嫌だ!もう決めたもん!!」
ジェム「…勝手にしろ」
曜「出た!勝手にしろ!」
ジェム「…お前は嫌いだ」
曜「ごめんなさーい!!」
ジェム「それじゃあ各部屋に案内する。ついてこい」
ジェムは9人を連れて各部屋へと案内した。
4人部屋は2つ隣り合わせである。
組み合わせは
曜、梨子、鞠莉、果南
花丸、善子、ルビィ、ダイヤ
になった。
皆を部屋に送り届けた後、ジェムは千歌と一緒に部屋に戻った。
ちなみにジェムの部屋と他の8人の部屋は少し離れている。
ジェム「いいのか、本当にこの部屋で」
千歌「うん!これからよろしくね♩」
ジェム「…はぁ…唯一平和だった部屋での時間が崩された…」
千歌「なにそれ!?酷くない!?」
ジェム「こんなうるさいのと一緒じゃ疲れも中々取れない…」
千歌「うるさくて悪かったですねぇ!!」
ジェム「悪いと思ってるなら静かにしてくれ。俺は今からシュミレーターを使った訓練をしてくる。頼むから部屋は荒らさないでくれよ」
千歌「待って!!私も行く!!」
ジェム「お前はどこまで俺についてくるんだ……いい加減うざいぞ」
千歌「だって!私も戦いたいんだもん!!訓練受けたい!!」
ジェム「まぁ…1度受けてみるといい」
ジェムは千歌を連れてシュミレータールームへ向かった。
軍人A「あ!ジェム大尉!ご苦労様です!」
ジェム「あぁ、今ここ使えるか?」
軍人A「大丈夫ですよ!大尉も随分熱心に訓練なさるんですね…!」
ジェム「まぁな、正直この戦争の黒幕がどれだけ大きいものなのか…想像できたもんじゃないからな」
千歌「ねぇーねぇー、“たいい”って何??」
軍人A「おい!貴様!!大尉に向かってその口の利き方はなんだ!!」
千歌「え!?あの…ごめんなさい……」
ジェム「すまない、こいつは今日からここに入る新人でな、あまり軍に詳しくないんだ。許してやってくれ」
軍人A「ですがあまりにも軽率な態度では…?」
ジェム「こいつは俺の“友達”なんだ。許してやってはくれないか?」
軍人A「友達!?大尉がそのような存在を連れてくるとは……大尉の友人でしたか!先程は急にすいません!」
千歌「へ!?いやいや…こちらこそごめんなさい…」
ジェム「俺はいつも通りやらせてもらう。こいつの指導頼んでもいいか?」
軍人A「わかりました!それでは大尉の友人殿…こちらへ!」
千歌「ジェム君とは別々なんですか?」
軍人A「えぇ…大尉は他のパイロットとの差がありすぎる…」
千歌「パイロット??」
軍人A「モビルスーツを操縦する人のことですよ。大尉を基準に考えるのはやめたほうがよろしいですよ?しかし…大尉が友達を作るなんて…」
千歌「ジェム君ってそんなに友達いないんですか?」
軍人A「えぇ…大尉は人と馴れ合うのを好まない人なんです……ノーアースである親に捨てられて……人を滅多に信用してこなかったんです…そんな彼が唯一心を許した人だって……本人は知ってるかわかりませんが、裏切って…」
千歌「え…親に捨てられたとか……聞いてなかった…」
軍人A「彼がノーアースだということも?」
千歌「はい…地球人だと思っていました……」
軍人A「そうか……そうだと知っても、君は友人を続けますか?」
千歌「ジェム君がノーアースだって地球人だって関係ないです!!大切な友達ですから!」
軍人A「……絶対に裏切らないであげてくださいね?っと、無駄話が続いてしまいましたね。それでは、まずモビルスーツの動かし方について説明していきます」
千歌は軍人Aに操縦の仕方を教えてもらった。
色々なことが初めてである千歌にはとても難しいことだった。
結局この日は歩いて前進をするだけで終わってしまった。
千歌「だあー!難しすぎるよぉ…」
軍人A「でしょう…。戦場に出るまでにはかなり時間がかかるのですよ…?」
千歌「ジェム君は一体どのくらいで乗れたんですか??」
軍人A「私も聞いた話なのでわからないんですが…戦場で初めて操縦したらしいです…」
千歌「普通なら死んじゃうよ!?」
軍人A「そうですね……彼の動きとか見てみますか?見学する分には怒られないと思うので」
千歌「見てみたいです!」
千歌と軍人Aはジェムのいるシュミレータールームへ向かった。
シュミレータールームにはコクピットである球体とその横にモニターがある。
モニターから訓練の様子が見れるのだ。
軍人A「わかりますか?あのピンク色のモビルスーツ、サクラーレがジェムの機体です」
サクラーレは敵を討ち、右に行き左に行き、それこそ自由自在に動き回っていた。
千歌「こんな風に動かせるんだ……」
軍人A「こんなことできるのも大尉くらいですよ…」
千歌「そうなんですか??」
軍人A「大尉の機体の武装のほとんどは普通の人間には扱えないんです。生まれながらに持っていた何かがなければ動かせない機体。つまり、選ばれた者にしか扱えない機体なんですよ」
千歌「じゃあ…ジェム君は生まれつき戦いの才能があったってこと…ですか?」
軍人A「大尉の性格も……まるで戦争するために生まれた兵器のような存在なんです…」
千歌「そんなの……悲しすぎます……」
そんな話をしていると、ジェムがコクピットから出てきた。
ジェム「なんだ、お前ら。来てたのか」
軍人A「えぇ、相変わらず進化し続けてますね」
ジェム「当たり前だろ、どうだった?このうるさい奴は」
千歌「前進しかできませんでした……」
ジェム「どうだ、これでわかったか?お前は戦場には立てないんだ」
千歌「それでも……これからも頑張って訓練して、いつかは!!!」
ジェム「まぁ…その決断は俺が出すさ、じゃあ俺達は部屋に戻る。急にすまなかった」
軍人A「いえいえ!いつでもお待ちしてます!」
ジェムと千歌は部屋に戻った。
千歌「ねぇ…ジェム君……」
ジェム「なんだ?帰りたくなったか?」
千歌「ううん…違うの…ちゃんとお姉ちゃん達には事情は説明したし…大丈夫だよ…」
ジェム「じゃあなんだよ」
千歌「ジェム君は……ノーアースなの…?」
ジェム「………聞いたのか」
千歌「…うん、ごめん……」
ジェム「あぁ…俺は地球人ではない……親に…売られてこの地球に飛ばされたんだ……」
千歌「そう…なんだ……」
ジェム「地球につき、俺は幼くして奴隷として扱われる予定だった。それが嫌で必死に逃げたんだ。それを拾ってくれたのがメタクなんだ」
千歌「それで……この防衛軍に…?」
ジェム「あぁ…生まれつきの何かがあったらしいから、力を貸したんだ。恩を返すために……。黙っていてすまなかった…」
千歌「うん……ちゃんと言ってほしかったよ……」
ジェム「……すまない…」
ジェムが謝ると千歌はジェムに抱きついた。
ジェム「なっ!?お前何してる!?」
千歌「私は離れないから!捨てないから!裏切らないから!!ずっとずっとずーーーーっと友達だから!!」
ジェム「………」
千歌「だから!!何かあったらすぐに言って!!友達なんだから!!」
ジェム「わかったから……離れろって…!」
千歌「こうやって抱きしめられたことも無いんだよね…?だから…私が今日はたくさん抱きしめてあげるから…」
ジェム「本当……大丈夫だから…」
言葉とは裏腹にジェムの抵抗は段々弱まっていった。
ジェムの目には…涙が溜まっていた。
気づいた時には、ジェムも千歌を抱きしめていた。
曜「千歌ちゃーん!ジェムくーん!ご飯食べたいんだけどぉ……、し、失礼しました……」
突然曜がドアを勢いよく開けた。
すると見てはいけないものを見たような表情を見せ、曜はドアを閉め、走り去っていった。
千歌「曜ちゃーーん!!これ違うからぁぁ!!!」
千歌の悲痛な叫びは曜に届くことはなかった。