ジェム「ジェム・クロウ。サクラーレ、舞う!」
ジェムは他のパイロット達よりも一足先に出撃した。
そして少し遅れるように他のメンバーがモビルスーツに乗り込む。
それを見届けに9人がやってきた。
曜「絶対生きて帰ってきてくださいね!!またジェム君の話しましょー!」
ジョージ「誰が死ぬかっての!お前らも早く部屋に戻って俺達の帰り待ってろよ!」
クリア「なんでそんな自分で死亡フラグたてるの…?モリ、ダリル!あんた達もいける?」
モリ・ダリル「大丈夫です!」
ジョージ「じゃあ行くぜ!ガンダムウノ、発進!」
クリア「我が全てはジェム様のために…。ガンダムオルミガ、出る」
モリ・ダリル「ガンダムグラス!いきます!!」
こうして戦場にジェム隊が揃った。
相手はピースクローバー軍。
機体数は10。
ジェム「数が多いな……俺とクリアで前に出る。3人は援護してくれるか?」
ジョージ「任せときな!」
ジェム「いくぞ、クリア」
クリア「ジェム様のためなら、どこまでも!!」
サクラーレとオルミガが敵本体に切り込む。
あっというまにサクラーレが敵機を1機落とすとその次の瞬間には2機ほど後ろに回り込んでいた。
ジェム「……見えてるぞ。舞え、ファンネル」
後ろに回り込んでいた2機は、何かにコクピットを貫かれ堕ちた。
そう、サクラーレのファンネルだ。
ジェムは特殊な物を持っているため遠隔操作できる武装を扱うことができるのだ。
3機ほど堕としたサクラーレは敵大将機目掛けて切り込んだ。
クリア「さすがはジェム様……私も、あの娘達より心強いと…証明する!!」
オルミガも、サクラーレ同様敵大将機であろう機体目掛けて突き進んだ。
ジェム「!?おい、クリア!前に出過ぎだ!!まだ残っていただろ!?」
クリア「え!?」
戦場に立つといつも冷静なクリア。
いつもジェムが大将機を堕としに行く時も必ずそのサポートに回り自分から切り込みに行くタイプではなかった。
そんなクリアが敵機を見落とすのはかなり珍しいことである。
ジェム「敵機はあと6機いる!!いくらジョージがいるからとは言えあそこが危ない!!戻れるか!?」
クリア「す、すいません!!至急向かいます!!」
ジョージ「おい!!まじか!急いでくれるか!?包囲されちまってる!!」
敵大将機を討ちに行ったサクラーレとオルミガ。
後ろでサポートに徹していたウノとグラス。
その距離は敵機によってかなり離されていた。
最初からこの分断が狙いだったかのように…
クリア「今向かっている!!少し耐えてくれ!!」
オルミガは急いで後ろに戻った。
ジョージ「おい!モリ!ダリル!!大丈夫か!?」
ウノとグラスは集中砲火を浴びていた。
ダリル「かなり……ギリギリです…盾が…」
モリ「クリア少尉…まだですか!?」
クリア「今少し待ってくれ!!」
ジョージ「くそ……もうちょいの辛抱だ!!お前ら!死んでも盾離すんじゃねぇぞぉ!!」
敵機からのビームライフルの嵐。
それに耐えるべく3機は盾を構えていた。
盾に身を隠しているため、前は見えない。
だが…今はこうしてでも耐えるしかない。
そして…
ジョージ「ライフルの雨がやんだ…?」
モリ「今がチャンスですね!!行きますよ!!」
ジョージ「ばか!!うかつに盾を離すんじゃねぇ!!」
その言葉は遅く、盾を離し切りかかろうとしたモリ機のコクピットには、ビームサーベルが突き刺さっていた。
敵機はビームライフルを撃つのを止めれば盾を離すと考えたのだろう。前が見えない3機の目の前まで迫り、盾をどかしたところを…討つ。
その作戦にまんまと引っかかったモリは…死んだ。
コクピットだけを狙われ貫かれたので機体の爆発もしない。
そのため周りの状態がわからない彼らには何が起こったのかわかっていない。
3機を背中合わせにして盾で守っていたため、モリ機が堕ちた今、2機の背中はガラ空きだった。
……当然、この2人もコクピットを貫かれ…死んだ。
ジェム「おい!!ジョージ!ダリル!モリ!!応答してくれ!!!」
クリア「そ、そんな………私のせいで…っ!!」
ジェム「クリア!悲しむ暇はない!!そっちにいる6機、頼めるか!?」
クリア「3人の……仇ぃぃぃ!!!」
オルミガは金色の光を放ち、目にも止まらぬ早さで敵機6機に迫った。
クリア「そんな弾……当たらないんだよぉぉ!!!」
オルミガの速度には敵機はついてこれない。
敵を翻弄し、確実に1機ずつ堕としていった。
そして、6機堕とす頃にはその力を出すために大量に使った燃料が切れた。
クリア「ごめんなさい……ジェム様………私のせいで……」
ジェム「反省は後だ!!お前だけでも生きていてくれればいい!!先に帰投しろ!!」
クリア「それが……エネルギー切れで……動けないです…」
ジェム「…くっそ…!わかった!こっちを終わらせ次第すぐに行く!!」
サクラーレは敵大将機と交戦していた。
その中ジェムに敵機からの通信が届いた。
???「よう、ジェム。久しぶりだな……覚えているか?」
ジェム「この声……この感じ……まさか!?ジェイ!?」
フロン「あぁ、そうだよ!!お前の親友だったジェイだよ!!今は…その名は捨てたがな…」
ジェム「その名を……捨てた?」
フロン「今の俺の名はフロン・オーディナリー。本名を名乗ったことがないお前に名前のことは言わせないぜ?」
ジェム「お前……なんでこんなことを!?」
フロン「なぜ……?地球人滅亡のために決まっているだろ…?」
ジェム「だからなぜそんなことをするんだよ!?せっかく……せっかく皆が幸せに過ごせてたんだぞ!?」
フロン「幸せ?地球人共は俺達の先祖を邪魔者扱いし、地球から追い出しのうのうと生きてきた!!それがお前達が言う幸せなのかよ!?」
ジェム「そ、それは……」
フロン「それにお前も元はと言えばノーアースだろ?なぜ憎むべき地球人と一緒にいるんだ!?」
ジェム「地球人は、暖かいんだ。こんなノーアースの俺を…拾って…面倒見てくれたんだ!!」
フロン「それはお前が協力な兵器になるからだ!!上手く利用されてるだけなんだよ!?」
ジェム「そんなことはない!!俺には……心を許せる友が出来た。そいつは暖かく…俺を包んでくれた。お前らノーアースは、過去にとらわれ過ぎてるんだ!!俺達は、共に生きていくことができるんだよ!!」
フロン「この、勘違いやろうがぁー!!」
サクラーレとフロン機のサーベルが交差する。
ジェム「うるせぇぇぇ!!!分からず屋がぁー!!」
サクラーレのサーベルがフロン機の右腕を切断する。
フロン「ちぃっ!!」
フロン機は左手でビームライフルをとった。
ジェム「させない…!舞え!ファンネル!!」
サクラーレのファンネルがフロン機の左腕を切断。
ジェム「これで何もできまい。さぁ、投降しろ!」
フロン「くっそぉ…小隊も全滅しちまった……1度帰って立て直す!」
ジェム「おい!逃がさないぞ!!」
クリア「待って、ジェム様!!1人で行くのは危険すぎます!!1度戻ってきてください!!」
ジェム「でも…!!」
クリア「ジェム隊が受けた損傷も……とても大きいです…」
サクラーレは基地に帰投した。
ジェム「……クリア、無事だったか……」
クリア「ジェム様……すいません…私のせいで……」
ジェム「いや、悪いのは全部この戦争なんだ……俺達が早く終わらせなくちゃ、この悲劇は続いていく」
クリア「そうですよね……死んでいった…ジョージ達のためにも…」
千歌「あ!ジェム君!!クリアさん!!帰ってきたんですねぇ!!」
曜「本当だ!!おかえりなさいです!!あれ?ジョージさん達は…?」
ジェム「……聞くな」
曜「え?それって……」
梨子「嘘………ですよね?」
クリア「ごめんなさい……私のせいで……」
クリアは涙を堪えきれず、泣いてしまった。
クリア「ジョージ…ダリル…モリ……許して……!」
ルビィ「そ、そんな……」
善子「せっかく……仲良くなれそうな人だったのに…」
今まで死というものを間近に経験したことなかった9人の女子高生達も…涙を堪えることができなかった。
ジェム「俺は先に部屋に戻ってる。俺のサクラーレ頼んだぞ」
ジェムはサクラーレを整備士に託し部屋に戻った。
千歌「ちょ、ちょっとジェム君!?」
千歌は急いでその後を追った。
千歌「ねぇ!ジェム君!?なんでそんな態度とれるの!?悲しくないの!?仲間が…死んだんだよ…!?」
ジェム「その死んだ仲間のためにも、悲しんでる暇なんてないんだよ。あいつらの意思、俺達が継がなければかならない」
千歌「確かにそうかもしれないけどさ……もう2度と会えないんだよ!?お話しできないんだよ!?なんでそんな平気でいられるの…!?ここまで酷い人だと思わなかったよ!!!」
ジェム「あいつらだって軍人だ。死ぬ覚悟あってこの仕事をしているんだ。俺もそう。お前にはわからないだろ?ただ許せない、戦いたい。そんな気持ちだけじゃこの戦争で生き残っていけない。あいつらは、この地球の未来のために死んだ。その覚悟、お前にはあるのか!?」
千歌「…… 戦争って……こんなに悲しいものなの…?なんで……」
ジェム「わかったか?これが戦場に出るってことなんだ。次、おかえりもただいまも言えないかもしれない。俺達はその覚悟がなければ戦えないんだよ…」
千歌「………私、やる。確かに死にたくないよ。でも、そんな人達がたくさん犠牲になってってる……そんなの…許せない…!!」
ジェム「…とりあえず…今日は1人にしてくれないか?」
千歌「…え?」
ジェムの目には涙が溜まっていた。
大切な部下を3人も失った。
いくらジェムとは言え、辛くないわけがない。
千歌「…そっか……ごめん。悲しくないわけ…ないんだよね……」
もう何度目になるだろう。
千歌は、ジェムを抱きしめた。
千歌「でもね……絶対1人にしないって言ったよね……?どんな時も……私が付いていてあげるからね…」
ジェム「……ありがと…」
ジェムの口からでたその言葉。
日常会話でよく聞く言葉だが
ジェムの口から発されたその言葉には
とても重みがあった。
千歌「うん……大丈夫だよ…私がそばにいるからね…」
ジェムは全く抵抗しなかった。
千歌の胸で、声を殺し泣いていた。
そしてしばらくして泣き止み
ジェム「……恥ずかしい姿見せたな…」
千歌「ううん、気にしてないよ…?私には、たくさん甘えでいいんだからね…?」
ジェム「すまないな……もう夜も遅くなったな…。お前はベッドで寝てくれ。俺はその辺で寝るから」
千歌「いーやーだ。一緒にベッドで寝る」
ジェム「…狭くなるけどいいのか…?」
千歌「言ったよね?ずっと隣にいるって」
ジェム「今日は……甘えさせてもらうぞ」
千歌「ずいぶん素直になったね……」
ジェム「……うるせぇ、今だけだ…」
その夜、千歌とジェムは抱き合って寝た。
ジョージ、モリ、ダリル…早すぎる別れ……
この作品は早めに完結させるつもりなので流れが早く感じるかもしれないです!